いよいよ大坂夏の陣へ。
戦いそのものの経緯はあまり詳しくは描かず、やはり三谷幸喜はそこにからむ人々の人間ドラマの方に力を入れて描いてきました。
NHK 日曜20時
「真田丸」 第49話
主演…堺雅人
脚本…三谷幸喜
演出…木村隆文
今回はいろいろとこのドラマをずっと見てきた視聴者には感慨深いシーンがありましたね。
まずは、弟信繁(堺雅人)は家康(内野聖陽)と刺し違えて死ぬ気だと悟った信之(大泉洋)が、生き続けるように説得しようと、旅立とうとする時の稲(吉田羊)とこう(長野里美)の態度の対比。
特に、妻の座を失っても、ずっとそばに居続けてサポートしているこうが信之に六文銭を渡すシーンは、こうらしくてちょっと表情が和らぐ信之ともども、二人の経てきた年月を感じさせ、良いシーンでした。
続いて、その信之が叔父の信尹(栗原忠雄)と信繁と会う、これが最後となるシーン。
何としてもお前が生き延びるように俺が何とかすると説得する信之。
死ぬ覚悟に揺らぎはなくて、兄との最期の杯を交わしたがる信繁。
そして、お前の生きたいように生きよと励ます信尹。
三者三様の態度が、これもそれぞれのこれまでの歩みをよくあらわしていて、ずっと見てきたからこその感慨を覚えました。
余談ながら、室賀(西村雅彦)の息子(アンジャッシュ児嶋)に、かつて自分が言われた「黙れ!こわっぱ!」を信之が思いっきり言ってやるシーンも洒落てましたね。
更に、しみじみとした良いシーンだったのが、家康が景勝(遠藤憲一)とが酒を酌み交わすシーン。
豊臣家に恩義がありながら、それを滅ぼすことになってしまうのを前に、それぞれ苦い思いを抱いている二人の会話は味わい深いものがありました。
この二人はいろんなことに耐えて戦乱の世を生き延びてきたわけですからね。
このいくさに大義はあるのか?という景勝から家康への問いは苦く重いものでしたね。
そして、最後に信繁ときり(長澤まさみ)のシーン。
いきなりのキスには正直面くらいましたが、ナレーションで語られた結局きりが最も信繁のそばにいて支えた女性だったということには、ちょっとグッときました。
いよいよ次回は最終回。
さて、どう終わらせますかね。
今回の評価は…