今年もいろんな連ドラを見てきましたが、その中から年間ベスト5を選びたいと思います。
まずは、各クールのベスト5を振り返ります。
冬クール
1位
青木崇高主演
「ちかえもん」
2位
草なぎ剛主演
「スペシャリスト」
3位
広末涼子主演
「ナオミとカナコ」
4位
有村架純、高良健吾主演
「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」
5位
綾瀬はるか主演
「わたしを離さないで」
時代劇、刑事ドラマ、サスペンス、恋愛ドラマ、近未来SFとさまざまなジャンルの作品が上位に並んだクールでした。
中でも自由奔放な趣向が盛り込まれ、ユニークな時代劇となった「ちかえもん」が最優秀になりました。
春クール
1位
黒木華主演
「重版出来!」
2位
大野智主演
「世界一難しい恋」
3位
伊藤英明主演
「僕のヤバイ妻」
4位
岡田将生主演
「ゆとりですがなにか」
5位
満島ひかり主演
「トットてれび」
とかく昨今の連ドラは小説や漫画を原作するものが多いですが、このクールの上位は1位の「重版出来!」以外みなオリジナル作品でした。
そのためには脚本家の力量が問われますので、4位のクドカンや5位の中薗ミホのようにオリジナルにこだわる優れた脚本家がもっと増えてくれることを望むばかりです。
夏クール
1位
中島裕翔主演
「HOPE~期待ゼロの新入社員~」
2位
尾野真千子主演
「はじめまして、愛しています」
3位
剛力彩芽主演
「グ・ラ・メ~総理の料理番~」
4位
北川景子主演
「家売るオンナ」
5位
寺尾聰主演
「仰げば尊し」
内容的にも視聴率的にも全体に低調だった夏クール。その中でも上位5作品は不満な部分もありましたが、いずれも個性的な作品でした。
秋クール
1位
新垣結衣主演
「逃げるは恥だが役に立つ」
2位
船越英一郎主演
「黒い十人の女」
3位
松岡昌宏主演
「家政夫のミタゾノ」
4位
阿部寛主演
「スニッファー 嗅覚捜査官」
5位
米倉涼子主演
「ドクターX~外科医・大門未知子~」
こう並べてみると、主人公は優れた能力はあるけど、何か欠けた部分がある人ばかり。そういう主人公が共鳴を持たれる時代なのかもしれませんね。
では、以上20作品の中から年間ベスト5を選びました。
5位
中島裕翔主演
「HOPE~期待ゼロの新入社員~」
4位まではすんなりと決まりましたが、悩んだ末に5位はこの作品にしました。
見終わったあとに、後味のよい作品だったか?
登場人物が脇に至るまで愛すべき人物だったか?
この2つの観点から評価してこの作品が5位になりました。
星野源が助演でなくW主演と考えれば、このドラマの遠藤憲一と山内圭哉が年間最優秀助演男優賞でした。
それぐらい、この二人の主役へのサポートは素晴らしかったです。
4位
青木崇高主演
「ちかえもん」
NHKだからこそできた、アグレッシブな攻めの姿勢の作品でした。
狭い概念にとらわれない自由さで、時代劇でもここまでできるということを見せたのは画期的でした。
3位
船越英一郎主演
「黒い十人の女」
「ちかえもん」もユニークなドラマでしたが、こちらも今年世間を何度も騒がせた不倫をテーマに、
バカリズムらしいユニークなアプローチで、上質なブラックコメディを作り上げました。
愛人たちを演じた女優たちの殻を破る思い切りのよい演技も光ってました。
2位
黒木華主演
「重版出来!」
今年、最も泣けた連ドラはこの作品でした。
特にムロツヨシ演じるベテランアシスタントが夢破れ、故郷に帰る回は泣けました。
私めとしては同じもの作りに携わる者として、漫画を生み出しヒットさせることにどんな苦しみを味わうかを丁寧に描いてくれているのが、大いに共感をおぼえました。
そして、年間1位はやはり、
新垣結衣主演
「逃げるは恥だが役に立つ」
秋クールは作品賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本、演出、主題歌と7冠達成しました。
すべてが総合的にうまくいった稀有な例でした。
初回からクチコミで評判が広がり、視聴率が尻上がりに上がっていく…連ドラにとって理想的な形で成功しました。
ドラマは視聴率を取らない、
特に恋愛ドラマは視聴率を取らない、
…という風潮を吹き飛ばしてくれた快挙といえる作品でした。