かつてのヨーロッパ映画を見るような…「dele」第3話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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脚本と演出が替わるとここまで違うのかと第1話とも第2話とも肌あいの違う第3話でした。




だいぶ昔に三谷幸喜の同じ脚本をキャストと演出を替えて見せる「3番テーブルの客」という深夜ドラマがありましたが、




それを思い出しました。
今後もどう違うものが見れるか楽しみになってきました。





テレビ朝日  金曜23時15分
「dele」第3話

主演…山田孝之、菅田将暉
脚本…青島武
演出…瀧本智行




今回は、ドラマというより短編の映画を観た気分でしたね。
脚本を担当したのが高倉健の遺作「あなたへ」はじめ映画の脚本を主に書いている人ですし、




演出も、「脳男」や「グラスホッパー」を撮った映画監督ですからね。





ゆったりとしたテンポで、監視され続ける女(余貴美子)と監視し続ける男(高橋源一郎)の長きにわたる関係と、そこからの脱却をしみじみと描く回でした。




圭司(山田孝之)と祐太郎(菅田将暉)の関わり方も、基本のスタイルは同じでも、おのずと描かれ方のニュアンスは変わってくるわけです。




求められる世界観の中で、キャラクターは守りつつも溶け込む技量が山田孝之にも菅田将暉にも麻生久美子にもあるので、




違和感を覚えないのは見事でしたね。
5本のバラのオチも、あとは視聴者が調べてね…的な洒落たものだったし。




しかし、作家の高橋源一郎に演じさせるというアイデアは卓抜でした。
役者には出せない独特の存在感で、余貴美子との組み合わせは絶妙でした。




自分の死をもって、女性にも指名手配犯をかばうのをやめるよう促すという切なさ。




かつてのフランス映画を見るような叙情的でかつほろ苦さの残る展開。




なかなか今のテレビドラマでは見られない仕上りでした。
映画館のように明かりを消して観たい気にもなりました。





次回はどんなテイストになるんでしょうか?
今回の評価は…