「透明なゆりかご」
「義母と娘のブルース」
「この世界の片隅に」
「dele」
いずれにも共通して言えることは、主人公が愛すべき人物であり、肩入れして見ていられるということです。
「透明なゆりかご」の主人公、アオイ(清原果耶)はアルバイトで産院の看護助手になった女子高生。
彼女のピュアな目線で、産院で起きるさまざまな出来ごとが綴られていきます。
アオイが感じた実感がイコール視聴者も感じ取れる…というのが、これまでの医療ドラマにはあまり無かった感覚で、透明感のある映像の中で、まだフレッシュな存在感の清原果耶がいきいきと躍動しています。
よくあるヒロイン成長ものとは一線を画する作品です。
続いて「義母と娘のブルース」の主人公、亜希子(綾瀬はるか)は、かなりカリカチュアして描かれているキャリアウーマンです。
家事や子育てにうとい亜希子が、持ち前のビジネス能力を活かして、彼女なりに頑張る姿は、コミカルで、その一途さに応援もしたくなります。
こういったちょっと極端な役になると、綾瀬はるかという人はかえっていきいきとする不思議な女優で、
さすがにこの制作チームは長年仕事をしているだけに、そのツボを分かっているなと感心しながら見ています。
「この世界の片隅に」の主人公、すず役の松本穂香は、清原果耶同様に、まだあまり手あかがついていない女優さんなので、それが功が奏しましたね。
あの時代ならこんな女性もいたんだろうな…といういじらしさが、このドラマの世界観に合っています。
最後に「dele」の山田孝之と菅田将暉。
こちらは2人に当てて書いたキャラクターだけに、適役なのは当然と言えば当然。
ただ、脚本と演出の組み合わせは毎回変わっていくだけに、回によって、ニュアンスは変わってくるのですが、
それをいかに二人が演じていくか、それが楽しみです。