どちらもこのドラマらしいエピソードでしたが、やはりアオイ(清原果耶)が直接からんだ17歳の少女ハルミ(モトーラ世理奈)のエピソードに引き込まれましたね。
ハルミ役を演じたモトーラ世理奈はパリコレにも出たファッションモデルで演技経験はまだ乏しいようですが、不思議な魅力を持った子でした。
NHK 金曜22時
「透明なゆりかご」第6話
主演…清原果耶
脚本…安達奈緒子
演出…村橋直樹
由比産院に中絶をしに来たハルミは、費用も払えず同意書も無く、別の場所でやるために、アオイを付き合わせます。
二人が向かったのは山の中にある一見民家にしか見えない老夫婦(イッセー尾形、角替和枝)のやっている産院。
老医師は足元もおぼつかないものの、安い費用で付き添い人さえいれば、中絶をしてくれるため、遠方からも妊婦さんがやって来る産院なのです。
どちらもフレッシュな存在感の清原果耶とモトーラ世理奈に対して、ベテランのイッセー尾形と角替和枝が醸し出す雰囲気が素晴しかったですね。
妊婦の事情は特に聞かずに淡々と明るく接し、帰り際には交通費を渡し、孫に話すかのようにまたおいでと言う…
以前、事情を聞いてしまった時に中絶後自殺してしまった少女がいて、その悔恨が老夫婦に今のようなことをさせている…というのが分かった時にグッと胸に迫るものがありました。
一度中絶を体験したらまた来ようなんて思う者はいない…という老医師の言葉はずしんと来ましたね。
ハルミもまたここに来るつもりなど無かったのに…来てしまった…
彼女の語る過去は痛切でしたね。
そして、今回深く心に残ったのは、アオイが由良(瀬戸康史)になぜ、中絶をするのか?と聞いた時の由良の答え。
いつか望んだときのためにやっているんだと、そのために丁寧に処置しているんだと…。
深い…。
アオイの想像で、ハルミが老夫婦に産まれた赤ちゃんを見せに来るシーンには胸をしめつけられました。
あんな日が来たらいいのに…。そう願わずにはいられませんでした。
望まれないのに、妊娠して中絶されてしまう赤ちゃんもいれば、
もう1つのエピソードのように、望まれながら、正常に産まれることができず中絶を余儀なくされる赤ちゃんもいる…
不妊治療してやっとできたのに発育不良で産むことができない…
それによる夫婦間の亀裂…。
離婚は避けられたので良かったですけどね。
それに付随して語られる望月(水川あさみ)の赤ちゃんができたら仕事は?で悩む話も、
このドラマの時代の女性が抱える悩みらしくて、それに対するアオイの言葉も印象的でした。
このドラマは人が産まれる、人を産むということの多面性を実に細やかに描いているなと、改めて感心しました。
今回の評価は…