落語と心中することになる菊比古…「昭和元禄落語心中」第6話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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タイトルにある「心中」ってそういう意味だったのか!?と思い知らされる回でした。





菊比古(岡田将生)、助六(山崎育三郎)、みよ吉(大政絢)、それぞれの想いが何一つ叶えられることのない悲しくも痛ましい結末に心が震えました。




NHK  金曜22時
「昭和元禄落語心中」第6話

主演…岡田将生
脚本…羽原大介
演出…タナダユキ




「落語とは人間の業の肯定である」
とは亡き立川談志の持論でした。





私めはこれまでその意味がしっくり来ていませんでしたが、このドラマを見てその言葉の意味がようやく分かった気がします。





落語における笑いや涙は人間の深い業の上に成り立っているんですね。





前回は菊比古の師匠の八雲(平田満)が抱え続けた業が描かれましたが、





今回はメイン3人それぞれの業が描かれました。
足の悪い菊比古がわざわざ四国まで助六を訪ねて、東京へ戻り落語をまたやるように頼んだのは、





本人もセリフで言っているように、助六という嫉妬するほど才能のあるライバルがいてこそ、自分は落語をやっていける…





だから、自分のためにもお前にまた落語をやって欲しいんだ…という欲望からに他ならないのです。





菊比古の説得でまた落語をやる気になり始めた助六が十八番の「野ざらし」を菊比古と掛け合いで小夏の前で語るシーンは、菊比古の愉悦の表情が印象的でした。





菊比古は愛する助六の落語も、唯一愛したみよ吉も両方手に入れかけて、両方を失ったのでした。





なんと残酷なことか…
一人で落語と向き合っていき、誰も愛することなく落語と心中する人生を送る羽目になったのです。




助六の落語に憧れをいだき、いつか殺してやるというみよ吉の恨みを引き継いだ小夏を手元で育てながら…。




冷淡にして孤高の名人、八代目八雲はいかに生まれたかを岡田将生はあっぱれな演技で見せてくれました。






一方、ライバル菊比古が落語家として成長したのを二人会で見届けた助六は、これからはみよ吉と小夏と生きていこうと決意。





最後の落語のつもりで人情ばなしの「芝浜」をかけます。
酒に博打にと女房に迷惑をかけた魚屋が改心する話、まさに助六とリンクするネタで、





客から爆笑を取ることに力を注いだ助六の入魂の語り。山崎育三郎の見事な演技でこちらもグッと来ました。
フルで見たかったくらいです。





最後にみよ吉の菊比古への執着も凄まじかったですね。男を不幸にしてしまう女の魔性を大政絢が見事に演じてくれました。





三人それぞれの渾身の名演技で、このドラマ最高の素晴らしい回だったと思います。
録画は保存版にします。
今回の評価は…





ここは満を持してを出します。