う～～ん、そういう形で二人に一線を越えさせたか…。
日本テレビ 水曜22時
「獣になれない私たち」第9話
主演…新垣結衣、松田龍平
脚本…野木亜紀子
演出…相沢淳
それぞれが勇気を出して、自分を変えようと踏み出すんですけどね…
現実はそうそう甘くないっていう辛辣な展開でしたね。
朱里(黒木華)は晶の会社で働き出し、抜擢された社長秘書の仕事をしっかりやろうと頑張るんですが…
速射砲のようにガミガミと指示する社長(山内圭哉)にオロオロし、メール送信ミスをしてしまい、会社からも身を寄せていた晶の部屋からも逃げ出してしまいます。
デスクに残されていた付箋に書かれた「必要とされる人になる」って言葉が切なかったですね。
千春(田中美佐子)や晶とも打ち解けあえたり、にこやかで活発な朱里を見ていたので、同情しました。
そんな朱里を応援もしていたし、部下たちにも仕事を任せるようになっていた晶は、相変わらずの社長の暴君ぶりに、遂にキレます。
しかし、周りに同僚たちはやはりだんまりをきめこみ、誰の賛同も得られず、晶は一人会社を後にします。
最近の流れで言うと部下の二人のどちらかか、佐久間(近藤公園)は同調してくれるかと思いきやダメでした。
結局何も変わらないのか…という晶の絶望感が痛ましかったですね。
そして、恒星も、監査に入った会社で横領を告発しようとした経理マンを救うことができず、
粉飾の手助けをする汚れ仕事を毅然と断ち切ろうとしますが、それもかないませんでした。
タイトルの「獣」とは、自分の意志を貫き、物事を思うがままにしていく強き者を指すのかもしれません。
そういう意味で、晶も恒星も朱里も、捏造記事をデッチ上げられ、自由を奪われた呉羽(菊池凛子)も、獣にはなれない人たちなんでしょうね。
脚本の野木亜紀子はそんな人々のあがきを描きたかったのかもしれません。
現代の絶望的な閉塞感とでも言いましょうか…。
ここまで見続けてちょっと良かったなと思えた回でした。
今回の評価は…