どのエピソードも食べ物と何かの組合せがサブタイトルになるようです。
回を重ねて、この岸辺家一家5人のありようがどんどん分かってきて、肩入れして見ていくようになる…仕組みが見事です。
一話完結ではなく連続性をもたせたエピソードの積み重ねが、このドラマに深みを与えています。
日本テレビ 土曜22時
「俺の話は長い」第2回
主演…生田斗真
脚本…金子茂樹
演出…中島悟
まず、「其の三 焼きそばと海」
今回はこちらの方が良かったんですが、何と言ってもこのドラマの見どころは、口の立つ満(生田斗真)と、姉・綾子(小池栄子)、姪の春海(清原果耶)との舌戦で…
それがこちらのエピソードの方がたっぷり見られました。
まず、学校へ行くのを嫌がる春海を、学校へ行くよう説得しろと綾子に頼まれる満が、
その報酬で綾子から5000円貰う約束をするが、春海は手ごわくて、言い合いになるシーン。
口では負けないはずの満が、いいように春海にあしらわれ、報酬の金欲しさにやってるとバレてしまうあたりは、生田斗真と清原果耶が軽快なテンポでまくしたて、見ごたえがありました。
なかなかうまく行かない満は、なぜ春海が行きたくないかを探り出し、焼きそばを食べさせながら、春海が行きたくなる方向へ持っていきます。
そして、人は失恋すると海に行くのか知りたがった春海のため、満は春海を海に連れていき、
失恋を悔やむ春海に人は教えてくれない、傷ついて自分で覚えていくんだ…とアドバイスします。
二人が素直な気持ちでやりとりするこの海のシーンも、言い合いとはまた違った良さがありました。
満自身、傷ついた過去を踏まえて言っていると分かっているので、より言葉に深みがありました。
春海とのやりとりだけでなく、綾子との報酬をめぐるやりとりも見事な会話劇でした。
値切ろうとする綾子からまんまと6000円をせしめるのは、義兄の光司(安田顕)も感心してましたが、満やるな~って感じでしたね。
「其の四 コーヒーと台所」は朝早く台所で母親の房枝(原田美枝子)に一杯のコーヒーをいれるのが習慣だった満が、
綾子にまだ失敗した喫茶店起業に未練があるのかとなじられ、コーヒーをいれるのもやめ、こっそり持ち続けていた道具一式もついに手放すまでが描かれました。
父親が亡くなってから、一人で頑張らなくてはいけなくなった母親への満なりの応援とねぎらいのコーヒーだったんでしょうね。
飲めなくなった房枝の寂しそうな表情が印象的でした。
満は何か他の仕事を見つけるようになるのか?
春海が好きだった陸(水沢林太郎)は喫茶店にやって来ましたが、恋の行方はどうなるのか?
まだまだ先が気になりますね。
キャストのチームワークもどんどん良くなり、息も合ってきますから、ますます面白くなりそうです。
今回の評価は…