寅次郎少年の初めての失恋…「少年寅次郎」第3話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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前回は時代背景ゆえにシリアスな回でしたが、今回は序盤こそ父親平造(毎熊克哉)の戦地からの帰還と、戦地で少女を殺したらしいことから来る後遺症、そんな平造を力付けての祖父正吉(きたろう)の死と悲しく痛ましい話は続いたものの、




時が流れ、寅次郎が中学生になってからは、「男はつらいよ」のエピソードゼロ的な話になり、「男はつらいよ」ファンには初回以上にたまらない回でした。




NHK   土曜21時
「少年寅次郎」第3話

主演…井上真央
脚本…岡田惠和
演出…本木一博




小学生の頃の寅次郎を演じた藤原颯音くんも良かったですが、今回登場した中学生の寅次郎を演じる井上優吏くんも、よくこれだけ渥美清の面影に似た子がいたもんだな、と感心するほどの見事な寅次郎少年っぷりでした。





特にたまらなく良かったのが、寅次郎の一途な惚れっぽさ。
今回は裏の印刷所で働く山形から出てきた少女さとこ(森七菜)にどっぷり片思い。




それは「男はつらいよ」のマドンナへの惚れっぷりを彷彿させ、嵐が近づく夜にさとこが車家に泊まることになった時の有頂天ぶりからしてニヤニヤさせられました。




…で、話を聞いたらさとこには鰻屋の平吉(尾上右近)という好きな男がいるらしく、寅次郎はあっさり失恋。




そのしょげっぷりがまたいかにも寅さんを彷彿させ、ここも嬉しくなりました。




そんな失恋しながらも心優しい寅次郎は、平吉が女たらしでさとこを邪険にした仕返しに、ウナギにヘビを混ぜたのは痛快でした。




ただの失恋に終わらないところがいかにも寅さんでしたね。





もう1つ素晴しかったのは、妹さくらが寅次郎は違う母親の子だと知り泣くのを慰めるシーン。



「俺は幸せ者だぜ。お母ちゃんの子どもでいられるし、それに柴又で一番、いや日本一の妹がいるんだからな。幸せ者だ。だからお父ちゃんにだって感謝してるんだぜ」




いや~、寅次郎の根幹をこんなにも端的にすんなりと言わせる見事なセリフでしたね。





これは原作で山田洋次が書いているのか、ドラマのために脚本の岡田惠和が書いたのかは分かりませんが…




深い感動を覚えました。




今回、若き日のタコ社長も登場しましたね。
仏頂面がちょっと似てる役者さんでした(笑)





今回の評価は…