心にずしりと重く響く傑作…「心の傷を癒すということ」第1、2話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

このドラマの第1話、第2話を見そびれた方は第1話はNHKオンデマンドで、第2話はきょう深夜の再放送をぜひご覧いただきたいです。




テーマがテーマだけに、しっかりと見てしっかりと記事を書きたいと思い、遅くなってしまいました。




第1話と第2話まとめての長めの記事になります。ご勘弁のほどを…。





NHK  土曜21時
「心の傷を癒すということ」第1、2話

主演…柄本佑
脚本…桑原亮子
演出…安逹もじり(1)、松岡一史(2)



柄本佑演じる主人公の安和隆は、阪神・淡路大震災のときに被災者の心のケアに努めた実在の精神科医・安克昌さんをモデルにしています。




…なので、実話を基にしたドラマであり、脚本を書いた人自身も阪神・淡路大震災の被災者だったらしく、第2話からの震災時の描写は実にリアルでNHK大阪の力の入れようが分かる迫力でした。




第1話は主人公の少年時代から精神科医になるまでが描かれました。
少年時代に両親も自分たち兄弟も在日韓国人だと主人公は、安田という苗字を嫌い、本来の「安」という苗字を使いたいと成長するにつれ思うようになります。




実業家の父親(石橋凌)は世の中のためになることをやれ、と事あるごとに言う厳格な父親で、



当時まだ理解されにくく、偏見もあった精神科に息子が勤めるなど許そうはずもありませんでした。




小声でしか父親に返事ができず、弱々しかった和隆が、同じ精神科医を志す親友(濱田岳)や、同じ在日韓国人の妻になる女性(尾野真千子)と出会い関わっていく中で強くなっていき、




父親にたてついて、精神科医になるに至るプロセスは、在日韓国人というデリケートなテーマを含みながらも真摯に丁寧に描かれ感動的でした。




柄本佑は近年飛躍的に技量が高まり、今回の役も主人公のしなやかな強さを好演しています。




第2話は大震災が起き、心に傷を負った被災者たちに寄り添い、心のケアに努める和隆の姿が描かれました。




当時はまだメンタルヘルスという概念が無く、まだ理解されにくい中で、丁寧に一人一人の心と向き合う姿を、淡々と描きながら、



あの時はこうだったんだなと、心に迫ってきました。




地震ごっこをして大人に怒られる子どもの、心のありようを大人たちに説明してあげ、




真意を知った人が子どもたちにキックベースをのびのびとやらせるシーンは感動的で涙がこぼれました。




心の傷をいかに癒すか、難しい問題ですが、このような献身的な努力をした人たちもいたことを描くのは意義のあることだと思います。




第1話の評価は…
第2話の評価は…