放送前はあまり期待してなかったし、あまり見る気もなかったんですが、初回を見るなりたちまち引き込まれ最終回までハマッて見た作品です。
2009年 春ドラマ
日本テレビ 水曜22時
「アイシテル~海容~」
主演…稲森いずみ
共演…板谷由夏、山本太郎、川島海荷、佐野史郎、嘉数一星(嘉島陸)、田中美佐子
脚本…高橋麻紀、吉本昌弘
演出…吉野洋、国本雅広、久保田充
主題歌…MONKEY MAJIK「アイシテル」
先日書いた「白夜行」で綾瀬はるか、山田孝之の幼い頃を演じた福田麻由子と泉澤祐希も強烈な印象を残した子役さんでしたが、
このドラマで、稲森いずみ演じるヒロインさつきの息子で加害者の少年、智也役を演じた嘉数一星も強烈な印象を残しました。
目に力のある子で、なぜ智也はあどけない「きよたん」を殺してしまったのか、そのミステリアスさをまとった実にスゴい子役でした。
続編の「アイシテル~絆~」に出演後は芸能界から離れてましたが、一昨年また復帰し嘉島陸と芸名も変わり「花のち晴れ」に出ていて驚きました。
大人になっても目力は幼い時のままでした。
このドラマは普通の家庭で普通に育ったはずの子が、ある日、自分より幼い子を殺してしまうというセンセーショナルな内容で、
平和な家庭が一変してしまう加害者、被害者家族それぞれの苦悩が描かれました。
ヒロインのさつきはなぜ息子がそんなことをしてしまったのかに苦悩し、板谷由夏演じる被害者きよたんの母親、聖子は、自分があの日、もっと早く帰っていればと自らを責め、
川島海荷演じるきよたんの姉、美帆子は弟を疎んじて死んじゃえばいいのに…と思ってしまったことがあったのを悔やみます。
少年犯罪のもつやりきれなさを丹念に描いて、軽快な作品の多い日本テレビのドラマにしてはシリアスで地味な作品でした。
しかし、このドラマの成功が、その後の「Mother」や「Woman」にもつながっていったんだと思います。
親と子はいかに向き合い愛を注ぐべきなのか?
コロナ自粛で親子が一緒にいる時間が増えた今だからこそ、再び見るのも良いかもしれません。
「ハケンの品格2007」に出ている板谷由夏を見ていたら、ふと思い出してしまいました。
今は国会議員になってしまった山本太郎も、今見れば懐かしいことでしょう。