その後も、容貌に合ったシリアスな役やアクの強い役を得意としてきた人でした。
ところが、三谷幸喜の慧眼が、実はこの人はまんざらコメディも嫌いではないというのを見抜き、
自らの監督する映画「ザ・マジックアワー」の主演に起用したんです。実は見かけによらずお笑い好きだったんですね。コミカルなドタバタをノリノリで演じました。
フジテレビ 月曜21時
「鍵のかかった部屋」特別編
主演…大野智
脚本…岡田道尚
演出…松山博昭
ところが、三谷映画で新境地を示したのに、連ドラではなかなかそういう役を演じませんでした。
オファーがあっても断っていたのかもしれませんが…
ようやくコミカルな役を軽妙に演じてくれたのがこのドラマです。
作品の第8話にあたる今回は、佐藤浩市演じる芹沢弁護士のコミカルさが、際立って描かれた回です。
50代になり、自分をよく見せよう、うまく見せよう、他の役者に負けてられるか、といった役者としての欲や自己顕示が薄れたからこその演技でした。
飄々と役を楽しんで演じているその自由さが、芹沢というキャラを愛すべきキャラに高めていました。
同じようなことが「素敵な選TAXI」の竹野内豐にも言えますね。
役者が年齢を重ねると、こんなことがあるんです。面白いですね。