…ってことは誰かが死ぬのか?とドキドキしながら見させられた第9話でした。
TBS 金曜22時
「MIU404」第9話
主演…綾野剛、星野源
脚本…野木亜紀子
演出…塚原あゆ子
野木亜紀子の脚本は毎回、緻密に構築されていて、導入部は特にその回のテーマがさりげなく提示されるのが多いのですが、
今回は伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)の会話で、俺たちはこの先、助けられるのと助けられないのとどちらが多いんだろう?という疑問が提示されます。
なるほど今回はそういう話なんだなと思わされると案の定、羽野(黒川智花)に魔の手が忍び寄ります。
黒幕の男、エトリ(水橋研二)が探しているのが、以前会ったことのある羽野だと知った成川(鈴鹿央士)は、羽野をおびき出し、羽野はエトリに連れ去られます。
久住(菅田将暉)の弟分のようになり、ヤクの売人になったり、ダークサイドに浸かりだした成川でしたが、
良心は残っていて、羽野が殺されそうになるのを見たら救おうとし、共に井戸に投げ込まれても、羽野を励まし何とか生き残ろうとします。
冷ややかに成川を突き放す久住が、ゾッとする冷淡さで、菅田将暉は悪の華を咲かせたような悪魔性が見事です。
死んでしまうのは羽野なのか、成川なのかとヒヤヒヤしながら見ていたら、二人とも救われ、
結局死んだのはまさかの逃亡中のエトリでした。
久住の思惑や黒い野望がまだ見えず、先への期待がふくらむラストでした。
羽野を守れた桔梗(麻生久美子)の喜びも感動的でしたが、成川を取り逃がしたことを悔いていた九重(岡田健史)が、成川を逮捕できて、成川が真の悪人になる前に救えた喜びも感動的でした。
こうした1話完結のようでありながら、連ドラならではの連続性を巧みに盛り込んでいるのが野木亜紀子脚本のうまさで感服します。
脚本や演出の良さにこたえて、主演二人や脇のレギュラー陣、ゲストが皆、好演していて見ごたえがあります。
今回の評価は…