窮屈な役人づとめや上役へのお世辞などを嫌い、細々と金を稼いで貧乏くらしをしている勝小吉(古田新太)とその妻、お信(沢口靖子)の物語。
古田新太と沢口靖子が見事なハマり役で、BSのドラマはあまり記事にしませんが、この続編は前作同様にまた書きたいと思います。
NHK BSプレミアム 金曜20時
「小吉の女房2」第1話
主演…沢口靖子
脚本…山本むつみ
演出…清水一彦
貧乏くらしでも働かない夫に文句を言うでもなく明るくどっしり構えているお信は、まさに沢口靖子にうってつけで、
演技に小細工がなくど~んとそのままで演じてる感じが、お信を魅力的な女性にしています。
前作では、江波杏子がまだ存命で(放送時には亡くなってましたが…)、このおばば様が厳しく凛としていて実に良かったんですよね。
続編では亡くなったことになっていて、その代わりというか、麟太郎(鈴木福)の妹が大きくなって、ズバズバもの申すのがおばば様の生まれかわりのようで面白いです。
そして、やはりこのドラマを面白くしているのは古田新太の小吉で、役者・古田新太の良さを最もしっかり出しているのがこのドラマだと思います。
劇団新感線の舞台での古田新太をご覧になったことのある方ならお分かりいただけると思いますが、
古田新太って容姿端麗ではないのに、「カッコいい」んですよね。後輩の役者たちが憧れるくらい。
それは「反骨の美学」というか、何ごとにもおもねらずに己を貫く強さを、内側に秘めているからこそだと思います。
自然体で肩の力が抜けてふらふらいい加減にしているように見せて、きめるところはビシッときめる…そのギャップがカッコいいんだと思います。
古田新太のそんな魅力を十分に体現させているのがこの役で、古田新太にとっては良い役にめぐり会ったなと思わずにはいられません。
前作をご覧になっておられない方も、時代劇だからと敬遠なさらず、ぜひご覧ください。
今回の評価は…