沢口靖子と里見浩太朗の相性の良さ…「小吉の女房2」第3話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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このドラマで、前作から私めは沢口靖子の芸風がこのお信という役にはとても合っていることを誉め続けてきましたが、




ここまで続編の2回は、小吉(古田新太)の方が存在感が際立つエピソードであまり誉めていませんでした。




ところが今回は小吉が脚気を病んで、家にいたきりでおとなしくしていた分、お信がやっと際立ち、沢口靖子らしさがたっぷり見られる回でした。



NHK BSプレミアム  金曜20時
「小吉の女房2」第3話

主演…沢口靖子
脚本…山本むつみ
演出…清水一彦




家にばかりいて気がふさぎ気味の小吉の目をなごませようと、お信は牡丹を買いに行きます。




そこで白鬚さまとお信が勝手に呼んでいる中野碩翁(里見浩太朗)と再会し、どちらの牡丹が良いかのアドバイスを貰います。




ドラマの中ではあまり説明されませんでしたので、ちょっと中野碩翁とその歴史的背景を説明しておきますと…



50年の長きにわたって将軍職にあった徳川家斉は、息子に譲ったあとも大御所さまと呼ばれ実権を握っていましたが、遂に亡くなってしまいます。




中野碩翁はその家斉の側近中の側近で、家斉のよき相談相手だった人物。向島の広大なお屋敷に住んでいたそうです。




しかし、家斉が死んだことで、老中首座の水野忠邦は家斉の側近たちを政権から排除にかかり、碩翁は登城を許されず、屋敷も没収という粛清にあってしまうのです。




ドラマの中でははっきり表現していませんでしたが、屋敷や自慢の庭を自らつぶして退去して間もなく碩翁は亡くなったそうです。




そんな状況の変化が迫りつつあると自覚している中、碩翁は側近仲間からの呼び出しで向かう途中でお信に会い、そちらはすっぽかして行動を共にします。




牡丹を買ったあとは神社の撫で牛で小吉の快癒を願ったり、茶店で桜餅を買ったりします。




更には帰らなければというお信を引き留めぜひ見てほしいと自分の屋敷の庭へ招き案内します。




お信は碩翁の正体を知らず、その庭を手掛けた植木屋の親方だと天然の勘違いをします。




そんな天真爛漫なお信だからこそ、いずれは無くなる庭を碩翁は見てほしかったのでしょう。




沢口靖子があまたの女優たちの激しい争いにもまれずに、泰然自若と自分らしさを崩さず若々しくいるように、





里見浩太朗という人も同じ年代の人たち(松方弘樹、山城新伍、千葉真一、梅宮辰夫)がいろいろ境遇が変わる中で、泰然自若と自分らしさを崩さず生き抜いてきた人で、




二人のからみを見ながら、この二人って似たタイプだな~と思いながら見ていました。




水野忠邦は天保の改革という庶民の贅沢や娯楽を厳しく取り締まる政治を行い始めます。




小吉も転居をする憂き目にあいますが、お信はへこたれず、むしろこんな政治は長くは続かないとあくまで前向きです。





お信の強さを改めて印象づける言葉でした。
お信の予言通り、水野忠邦の改革はたった2年で終わってしまうのです。




次回からは年代が進み麟太郎は鈴木福から稲葉友に変わるようです。





今回の評価は…