慎森は三人の中で最もクセの強い男で、偏屈なことばかり言う変わり者。
しかし、誰よりもとわ子(松たか子)への未練も強く、まだ離婚を受け入れきれていない純粋さもあるのです。
フジテレビ 火曜21時
「大豆田とわ子と三人の元夫」第2話
主演…松たか子
脚本…坂元裕二
演出…中江和仁
坂元裕二が脚本のドラマにはよく口うるさい偏屈男が登場します。
「最高の離婚」の瑛太が演じた光生。
「カルテット」の高橋一生が演じた家森。
彼らとかはその代表例ですが、坂元裕二本人がそういうところがあるのでは?と思えるほど、彼らが口にする屁理屈はユニークで面白いものでした。
このドラマではそれが慎森で、今回も随所で、ユニークな持論を早口でまくしたてていました。
お土産って必要?とか、スポーツって要るかな?とか、
普通なら考えたこともないことを言う慎森の発言がいちいちツボでした。
極めつけはとわ子と離婚についての話になり、お寿司のネタについて死んだマグロのとか言わないよねというぶっ飛んだたとえには笑いました。
しかし、慎森が魅力的なのは、そんな屁理屈や憎まれ口をたたいても、実はまだとわ子に未練があって、
二人で運んだ粗大ごみのソファーが捨てられているのにショックを受けたり、イベント嫌いの慎森が、とわ子との結婚式は楽しかったという良い思い出だったり、
純粋でいじらしいところもあるんです。
頭でっかちながら愛すべき稚気もあり、そんなカオスな慎森の人間性を岡田将生は申し分なく演じています。
そんな慎森が出会った翼(石橋菜津美)がまた良いこと言うんですよね。
特に良かったのは…
「スポーツの世界の一番は勝った人じゃないよ。good loser 。負けた時に何を思ったか、何をしたかで本当の勝者は決まるんだよ」
やはり、坂元裕二の脚本は随所にキラリと光る言葉があるんですね。
慎森が翼とあったように、八作(松田龍平)には友人(岡田義徳)のカノジョ(石橋静河)が現れ、
鹿太郎(角田晃広)は女優の美玲(瀧内公美)との仲が深まっていきます。
こうなると肝心のヒロインとわ子の存在感が薄まるのが心配です。
今回の評価は…