3人体制で書いた脚本は1人になり、演出はミスター日曜劇場とも言える福澤克雄から石井康晴に代わったことで、
無謀にも思える東大への挑戦という本来の「ドラゴン桜」らしさが戻りました。
しかも、桜木(阿部寛)が生徒たちへ熱弁したセリフにはコロナ禍の今だからこそ響く言葉が多く感銘を受けました。
TBS 日曜21時
「ドラゴン桜」第3話
主演…阿部寛
脚本…李正美
演出…石井康晴
東大専科が瀬戸(高橋海人)、天野(加藤清史郎)、楓(平手友梨奈)、菜緒(南沙良)の4人でスタート。
中学の問題集をやらせたり、YouTubeやTwitterをやらせたりと相変わらずユニーク手段で劣等生たちを導いていきます。
そんな4人に挑発的にからんでくる理系トップの藤井(鈴鹿央士)
やけに鼻持ちならないイヤなヤツの藤井と4人が東大の受験問題で対決することに、
これまでの福澤克雄演出なら、藤井が4人にまさかの負けてしまう展開を、勧善懲悪的にことさら際立てて演出したかもしれませんが、
石井Dはそこまでどぎつくはせず、むしろ敗れた藤井や、そんな藤井を冷ややかにからかう野次馬の生徒たちに桜木が熱弁するシーンの方を際立たせました。
「物事の本質を見ることこそが大事」
「あらゆる立場にいる人間の気持ちが想像できなければならない」
「シンプルに答える方が実は難しいんだ」
わざわざ英語の問題にこねくりまわした解答をした藤井に浴びせた言葉も良かったですが、
野次馬の生徒たちに言ったこの言葉が私めには最も響きました。
「世の中の実態と仕組みを知らねぇってことがバカなんだよ」
それを知らないと政治家や官僚にいいようにされて、あくせくと税金をおさめ続けなければならない…
ホント、そうですよね。
コロナなんて俺たちには関係ないから…と好き勝手している若者にはぜひこの桜木のメッセージを伝えたいですね。
今のご時世、「バカとブスこそ、東大に行け!」ってセリフはダメかなと思ってましたが、出ましたね。
今回の評価は…