10年かけて書かれた記事の重み…「半径5メートル」第5、6話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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第5話の記事を書かなかったので、あれ?リタイアしたのか?と思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、第5話と第6話は前後編の2話連続の話だったのでまとめて書くことにした次第です。






NHK  金曜22時

「半径5メートル」第5,6話


主演…芳根京子

脚本…橋部敦子

演出…岡田健





私めも長年テレビ界で働いてきましたので、テレビ番組の影響力の大きさ、それゆえの怖さは身をもって理解しております。





視聴率という目に見えない魔物のために、魂を売って、ヤラセをやってしまったり、事実をねじ曲げてしまった人もいて、そうはなるまいと自戒してきました。






新聞や週刊誌の世界ではスクープ記事で世間の注目を集めるというのが、ある意味、魔物です。





記者にとっては何よりの喜びですが、それが事実に反していたり、意図せぬ反響があったりもしかねません。





第5話、6話ではそんなスクープの怖さが描かれました。

まずはメインエピソードの呼び水的に山辺(毎熊克哉)が、スター俳優(玉置玲央)の黒い交際スクープを記事にするのですが、





ネタ提供者にガセネタをつかまされたことが分かるというプロセスが描かれ、現実にも十分ありそうなトラブルのありようにひきこまれました。





編集長(真飛聖)やデスク(三浦誠己)も警戒していたのに、やはり雑誌が完売できるネタは魅力的なんですよね。そこの怖さがよく出ていました。





話はそこから宝子(永作博美)が10年前に書いた記事についてのエピソードになり、





宝子が良かれと書いた記事が、賞味期限切れのケーキを寄付するとは何ごとかとか偽善者だとかアンチの反響になり、





更には宝子がセクハラを暴こうとした議員に仕組まれて、取材対象の巻上(緒形直人)と宝子の不倫記事まで出されてしまったのです。





巻上は仕事も家族も失い、宝子は記者の仕事から離れました。





自分が書いた記事のために巻上の人生を狂わせたことを悔いる宝子は、巻上の名誉を挽回する記事をいつか書かねばと思ってきたのでした。





一度世に出した記事は消すことはできない。世に出した記事は一生背負うことになる。





宝子は今では養護施設で人知れずに働いている巻上を訪ね、協力を求めますが、巻上はそっとしといてくれと拒みます。





宝子の真摯な姿勢と粘り強い交渉で巻上の心が変わっていくプロセスが、永作博美と緒形直人によってじっくりと描かれました。





宝子は議員のセクハラを10年かけてようやく暴き、宝子から引き継いだ風未香(芳根京子)により巻上の現状を伝える名誉挽回の記事も書かれました。






現実にはなかなかこうはうまくいかないでしょうが、記事を書くことの重みを伝える良い回でした。

第5話、6話共に評価は…