バブル崩壊後、採用を控える企業が続出し就職氷河期と呼ばれる時期がありました。
私めが勤める会社も採用をしていなかった時期があります。
それは過去のことのように思ってましたが、その頃に社会人になった世代の人は今でも苦しみを抱えているというのを知らされ、興味深い内容の回でした。
NHK 金曜22時
「半径5メートル」第8話
主演…芳根京子
脚本…藤平久子
演出…北野隆
風未香(芳根京子)はその世代の女性2人に話を聞くことになります。
1人は、たまたま再会した風未香の塾講師だった阿南(須藤理彩)。
今、喫茶店のバイトをしているという阿南は当時もバイトで塾講師をしていたことを初めて知ります。
宝子(永作博美)に話すと、それは就職氷河期だったからと知り、それをテーマに記事を書くことに。
SNSで過激に発信している「野良犬」こと須川(渡辺真起子)にも取材に行きます。
3年前に派遣切りにあった須川は会社と係争中で、私たちを捨て駒にしてぬくぬくと暮らしてきた日本国中の人に謝ってほしいと過激なことを口にします。
風未香は親切心で阿南も派遣切りにあっていることを調べ、弁護士を紹介するので相談したらと勧めますが、すっぽかされます。
あとでなぜ来てくれなかったかを聞くと、阿南に風未香に会いたくなかったと言われてしまい、風未香は驚きます。
この阿南の風未香への偽らざる嫌悪に私めはドキっとしました。
風未香が無意識に渡した名刺や、経費で落とせるからとおごったこと、会社での失敗談、それらがすべて阿南を惨めな思いにさせていたのです。
阿南には失敗するチャンスも与えられなかったのですから。
無神経に傷つけていたことを風未香は知ります。相手の気持ちに寄り添えていなかったんですね。
須川の方は、記事で須川の過激なコメントをカットしたら激怒。世の中に問題提起するためにあえて過激に言っているのに…と言われてしまいます。
読者に共感されないから風未香はカットしたのですが、宝子にそれは自分の共感
だろと指摘され、風未香は他人事で、須川の痛みを理解していなかったと反省します。
声高に主張し戦おうとしている須川と、自分もダメだったのだと時代のせいにしようとせず現実を受け入れてきた阿南。
対照的でも苦しみを抱え続けてきた二人に考えさせられました。
風未香はまた1つ、記者として成長しましたね。
今回の評価は…