このドラマを書く4人の脚本家の中でも、3話の同窓会の回や、6話の教師と生徒の恋の回と、デリケートなテーマを取り上げてきている櫻井智也が今回も担当。
今回はゲイの早坂(三浦涼介)と亀高(貫地谷しほり)の友情と、男子生徒の同性への片思いを描き、あまり過激ではなく多様性について、このドラマらしいアプローチをしていました。
しかし、秋ドラマは「消えた初恋」といい「恋です!」といい、なんだか多いですね。
「きのう何食べた?」や「30歳まで童貞だと…」の成功が少なからず影響しているんですかね。
多様性の時代ですから、良いことだと思いますが…。
フジテレビ 土曜23時40分
「顔だけ先生」第8話
主演…神尾楓珠
脚本…櫻井智也
演出…八十島美也子
芸能界あるあるなんですが、女優さんや女性ミュージシャンとゲイをカミングアウトしているヘアメイクさんやスタイリストさんが、非常に親密で何でも話せる仲というのはよくあることです。
このドラマの早坂と亀高の関係もちょうどそんな感じですよね。
友情が成り立ちにくい男女間で、生まれてきてくれてありがとうと、相手の誕生日で感謝を言える仲って素敵ですよね。
亀高はそんな早坂のために何かしてあげたくて、カミングアウトしてから仲違いしている早坂の母親と連絡を取り、電話で話をさせます。
…すると、早坂は余計なことするなと激怒、2人の仲は険悪になりますが、結局
は早坂からも母親に電話をして、結局ケンカして終わったようですが、一歩前に踏み出せたようです。
早坂の母親の世代はやはりまだ受け入れがたいものがあるんでしょうね。
一方、ミュージシャン志望の大久保(前川佑)と、大久保を好きで懸命に応援している宮坂(宮本龍之介)。
2人のやりとりが印象的でした。
宮坂が自分を好きなのを気づいている大久保は、自分は女性が好きだからと正直に話します。
だけど、この先も女性を好きのままかは分からない…って宮坂に言うんです。
だから宮坂は今のままでいいんじゃないか?という優しさに満ちた言葉でした。
宮坂には宮坂の思いが、自分には自分の思いがある、そう自然に認め合うのは素晴らしいなと思いました。
声高でなくサラリと多様性について描いていました。
ちょっと竹内涼真に似た大久保役の前川佑は昨年のジュノン・スーパーボーイ・コンテスト、グランプリの子だそうです。これから出てきそうですね。
今回の評価は…