このドラマ、主演の山口紗弥加は無論良いのですが、そのヒロインの漫画家に接近する年下のアシスタント役の板垣李光人が、謎めいたミステリアスさがあり、危うげで蠱惑的な魅力を放っていて、板垣李光人を見るだけでも価値ある作品になりそうです。
橘というその青年は何か企みがあって接近しているようにも見え、これは単なる不倫ドラマとは一線を画するサスペンス要素もあるのでしょうね。
テレビ東京 金曜24時12分
「シジュウカラ」第1話
主演…山口紗弥加
脚本…開恵理
演出…大九明子
売れない漫画家の忍には年上の夫も思春期の息子もいて、夫の実家に引っ越すのをしおにやめようとしていましたか、
以前に書いた作品が電子書籍の方で評判になり、新たに読み切りの不倫ものを書いてほしいと依頼されます。
120頁という長いものでアシスタントが必要になり、応募してきたのが、家も近い橘でした。
今どきは漫画の世界もデジタル化が進んでいるようで、そちらが苦手な橘には、頼もしい助っ人になってくれそうでした。
しかし、この橘はいざ働き出すとグイグイ距離を縮めてきて、40歳になる忍をドギマギさせます。
この橘の小悪魔的な言動を、板垣李光人は妖しげな目の光を放ちながら演じていて、彼ならではのフェミニンさがこれまでと違う武器になっています。
橘はなぜ忍に近づいてきたのか、何か魂胆がありそうで、映画監督でもある演出の大九明子が、凝った映像でサスペンスフルに描いています。
人生に疲れかけていた忍が生きる活力を取り戻す感じを山口紗弥加が巧みに演じていて、2人の好演で見ごたえがあるドラマになっています。
今回の評価は…7