かなりの数になる深夜ドラマの中から、ダークホース的な掘り出し物のドラマを見つけ出すのは私めの楽しみの1つでもあります。
春ドラマがスタートしていろんな深夜ドラマを見てきましたが、ようやく皆さんにオススメできる作品を見つけました。
TBS 火曜25時28分(MBS 24時59分)
「明日、私は誰かのカノジョ」第1話
主演…吉川愛
脚本…三浦希紗
演出…深川麻衣
「うきわ」や「シジュウカラ」のような恋愛ドラマを好きでご覧になっていた方には特におすすめの作品です。
レンタル彼女、パパ活、整形、ホスト狂いといった東京の今、リアルにいそうな女性たちの群像劇で、原作漫画は丁寧に描かれたキャラクター描写が女性の共感を呼んだようです。
…なので、ウンザリするほど多い胸キュンラブストーリーとは明らかに一線を画するビターテイストの作品です。
第1話は5人の女性の中でも主演扱いの雪(吉川愛)
顔にひどい火傷あとのある雪は、メイクでそれを隠してレンタル彼女のバイトをして稼いでいる女子大生。
母親から虐待された過去があるようで、コンプレックスを抱え、人を信じず、友人も少ない。
レンタル彼女のバイトも金のためと割り切っていて、カラダも心も売りはしないと決めている。
そんな雪は普通に育ち真面目な会社員の壮太(楽駆)に指名される。
友人のカップルとのWデートでカノジョのふりをしてほしいという依頼。
友人のカノジョにマウントされたり、映画の感想で壮太が、悲惨な親子もいることへの無理解を口にしたり…
作り笑顔の合間にのぞかせる雪の心の闇を吉川愛は実にナイーブかつ巧みに演じてました。
メイクもしていない素の時に雪はばったり壮太と会い、雪を不憫に思い自分がなんとかしたくなった壮太はまた指名をする。
自分がなんとかするからこんなバイトはやめてほしいと懇願する壮太。
その金は親がくれた金でしょう、自分で金を作ってからにして…と雪は突き放します。
壮太役の楽駆は初めて意識して見ましたが、不思議な雰囲気の人で声が特徴ありました。
時には優しさが相手を苦しめ、傷つけるという皮肉。
そこが切なかったです。
今回の評価は…8