今回でようやくこのドラマの全体像がはっきりと浮かび上がった気がします。
ディソナンス=不協和音とは、親と子が心地よい和音のような関係性になれないことを指しているのではと思い至ったのです。
正樹(中島裕翔)と父親(神保悟志)
冴(吉川愛)と母親(富田靖子)
愛菜美(比嘉愛未)、北都(和田正人)と父親(光石研)
そして今回明らかになった加賀美(眞島秀和)と息子の晴翔(藤原大祐)
どの親子もギクシャクした関係で、子どもたちは親たちを憎んだり疎んじたりしている。
それが裏テーマだったんですね。
フジテレビ 木曜22時
「純愛ディソナンス」第10話
主演…中島裕翔
脚本…大林利江子
演出…菊川誠
ここ何回か、怪しげなカットややりとりが増えていた晴翔の正体が今回ようやく明らかになりましたが、まさか小坂(筧美和子)を殺したのは、加賀美でなく息子の晴翔だったとは、それはちょっと衝撃的でしたね。
演じる藤原大祐は「恋する母たち」で
木村佳乃の息子役を演じて、他の家の息子たち役の宮世琉弥、奥平大兼と共に注目した逸材です。
今回の正体をあらわし、あのニコニコと善良そうな表情から一変し、歪んだ醜い
笑顔を見せたのにはゾッとしましたね。
ニコニコしながら黒い怨念を持ち続けてきた不気味さ、薄気味悪かったです。
兄の方ばかり大事にしていた正樹の父親は認知症になり、正樹を兄と間違える状態。学園も手放したようで、あなたがいなくなったからなどと母親に責められる、、
身勝手です…
酷いのは冴の母親の静も同じ。
余命少ないから最期は娘に看取ってほしい…って。
冴は碓井が差し出した正樹との手切れ金を、母親の治療費のために受け取ってしまう。
毒母はどこまでも毒母です。
加賀美は自分が不倫をした負い目からか、息子の殺人をかばい、自分が罪を背負ってしまいますが、
それが息子のために良かったかははなはだ疑問です。
親から子への思いと、そのしがらみから逃れられない子どもたちの苦しみ。
ある意味、断ち切れたかのような愛菜美も、碓井が息子の北都より正樹に惚れ込み執着しているために、まだどうなるか分かりません。
4組の親子にはどんな結末が待っているのでしょうか?
ハッピーエンドは少なそうです。
今回の評価は…8