このドラマを私めは秋ドラマの期待度ランキング1位にしました。
古くからの読者の方ですと、私めが期待度ランキング1位にした作品は、内容がイマイチだったり、視聴率が不発だったりすることがかなりあったことをご存知でしょう。
このドラマもそうならないといいけど…と初回を見るまで、実は不安だったのです。
日本テレビ 水曜22時
「ファーストペンギン」第1話
主演…奈緒
脚本…森下佳子
演出…内田秀実
脚本の森下佳子は期待度ランキングの記事に書いたように、私めが信頼を寄せる脚本家の1人です。
原作ありきの作品を書くことが多く、オリジナルは「ごちそうさん」や「天国と地獄」とか数えるほどしかありません。
つまり原作の良さをうまく連ドラの中で出すことができる名脚色家と言える人です。
その点、このドラマにもヒロインのモデルである坪内知佳さんが書いたノンフィクションが原作としてありますので、
実話をいかにドラマで面白く見せるか、本領発揮ができそうです。
実話自体は面白そうな話ですからね。
…で、初回ですが、ヒロインの和佳(奈緒)が寂れた港町に流れつき、仕事ほしさに旅館の仲居をしながら名刺を配ったら、
仲間と船団を持っている片岡(堤真一)に漁港が活気を取り戻すように、考えてくれと頼まれる…という展開でした。
あまり辛気くさくならないよう、コミカルさも織り交ぜながら、あれよあれよという間に、やり手の和佳は国が推奨する第1次産業の6次産業化に申請を出すまでやりのけてしまいます。
6次産業とは1次産業の漁業なら、魚を獲るだけでなく、加工(2次)、販売(3次)もやってよいというもののようです。
しかし、漁師さんたちが獲った魚を売ったら、漁協や仲卸は必要なくなりまずいわけです。
漁協は金を貸してくれたり、漁船に必要な氷や燃料を提供してくれます。
なので、せっかく和佳が申請を出したのに、それを聞きつけた漁協の組合長(梅沢富美男)が怒鳴り込んできて、もう氷も燃料もやらねぇぞと脅しをかけます。
ひるんだ片岡は、だったらやめますと日和ってしまいます。
すると和佳は手のひら返した片岡にキレて、その弱気をなじり、組合長にもピンハネを続けたいからとタコ呼ばわりします。
この和佳がキレるシーンで、このドラマのつかみはOKになりました。
奈緒はここまでやるんだなと、そのキレっぷりの良さに拍手でした。
前途多難のようですが、どう切り崩して行くか楽しみです。
今回の評価は…8