母親に捨てられたのではなく…「6秒間の軌跡」第5話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今回もよくできた脚本で、さながら良質な短編小説を読んだようでした。




テレビ朝日 土曜23時30分

「6秒間の軌跡~花火師望月星太郎の憂鬱~」第5話


主演…高橋一生

脚本…橋部敦子

演出…竹園元




星太郎(高橋一生)がまだ幼い頃に離婚し、出て行ってしまった母親。

航(橋爪功)と2人、お互いに相手を気遣い、なるべく彼女のことは話題にせずに暮らしてきました。




2人とも「あの人」と呼んでいたのです。

今や幽霊となった航は星太郎に「お母さん」って呼べばいいのに…と言いますが、星太郎はそれを拒みます。





星太郎の幼なじみが、担任が定年退職になるので小学校のクラス会をやることになり、星太郎にも出るように誘い、その時に花火もあげてと頼みます。




しかし、星太郎はどちらも拒み、ひかり(本田翼)が促すと、声を荒らげて子どものように嫌がります。




様子がおかしいので、航が話を聞くと、

星太郎の母親がいなくなった後、母の日の行事をその担任が星太郎を気遣い中止にしたことがあったらしく、




それはありがた迷惑で、なぜやらないのかと文句を言う親や生徒がいて、かえって星太郎は傷つき、それを思い出すからクラス会も担任もイヤだったのです。




そして、今まで言わなかったけど、母親は離婚する時に、自分についてくるように誘ってくれたのに、




星太郎は父親の花火師仲間にいろいろ言われたりして、父親のもとに残ることにしたのです。




母親に捨てられたのではなく、星太郎が母親を見捨てたのでした。





それは誰にも言えずに星太郎には心のしこりとして、ずっと残っていたのです。

幽霊になったからやっと素直に言えた真実。





複雑な思いを高橋一生は気迫の演技で見せ、それを受け止める橋爪功の懐深い滋味溢れる演技も見事でした。





幽霊が見えてないのに、航の言いたいことを代弁してくれるひかりの存在も絶妙で、本田翼が相変わらず抑えた演技でこれも良いです。





星太郎の名前を誰がつけたかも、いいオチになっていたし、非常によくできた脚本でした。





今回の評価は…8