NHKのドラマでここまでやるとは!
スタッフの攻めの姿勢にも賛辞をおくりたいですが、その意気に感じて大胆かつ繊細に作品的には避けて通れない濡れ場を演じた仲里依紗に「あっぱれ!」でした。
NHK 火曜22時
「大奥」第6話
脚本…森下佳子
演出…大原拓
今回、仲里依紗演じる綱吉は単なる色狂いではないさまざまな顔をのぞかせましたね。
自分は年齢がいっているため側室にはなれない右衛門佐(山本耕史)が自分とは関わりがないふりをして大典侍を側室にしたのを、
儒教の書物の一文から一緒に学んだ間柄と見抜くクレバーな将軍の顔。
愛する娘、松姫を病で喪い悲しみ嘆く 母親の顔。
何としてもまた子どもを作れと迫る父親、桂昌院(竜雷太)の言葉に従わざるをえない娘としての顔。
もはや子どもをみごもるためならと、割り切り淫らに男たちとむつみあうまるで娼婦のような顔。
男同士でむつみあう姿を見せよと迫り、右衛門佐にそれは辱めだと言われて、そばで右衛門佐が監視している中でいろんな男とむつみあう自分の方がよほど辱めだと涙をながす、純な一女性の顔。
これを目つきや表情、話しぶりで演じ分ける仲里依紗の技量には舌を巻きました。
この人ももっと評価されてしかるべきですだと改めて思いました。
仲里依紗の熱演をがっちり受け止める山本耕史の右衛門佐も良かったですね。
前回の記事で山本耕史は美青年に見えないと書いてしまいましたが、年齢がいってる役だったんですね。失礼しました。
桂昌院が玉栄(奥智哉)だった時に家光(堀田真由)が可愛がっていたネコを殺した祟りで子ができないと言われて、生類憐れみの令が出されるというのが、家光編からのつながりを感じさせましたね。
タイプは違いますが、家光も綱吉も徳川家存続のために与えられた運命に抗えない悲しい女性なのだとよくわかりました。
今回の評価は…8