濃密な内容の回でしたね。
入りこんで見たので、見終わってどっと疲れました。
それだけ見応えがあったということです。
家光(堀田真由)・有功(福士蒼汰)の恋とはまた違った綱吉(仲里依紗)と右衛門佐(山本耕史)の悲恋にひきこまれました。
NHK 火曜22時
「大奥」第7話
主演…仲里依紗、山本耕史
脚本…森下佳子
演出…田島彰洋
綱吉は娘を亡くして、また世継ぎとなる子を産まねばならなくなりますが、閉経になってしまいます。
自分と同じ家光の側室だったお夏の孫になる綱豊を世継ぎにするのを頑なに拒む桂昌院(竜雷太)は、閉経を告げても無理解に子づくりを要求します。
「おなごは美しくなくてはならない」
「将軍は世継ぎを産まなくてはならない」
桂昌院が幼い頃から綱吉にすりこんできた呪縛から綱吉は逃れられない絶望感にかられます。
白髪まじりの髪が切なく痛々しいものがありました。
生類憐れみの令や赤穂浪士の処遇、男子の世継ぎを禁止するなどで、世間の綱吉への評判は下がるばかり。
色狂いと言われながらも若い男を抱けば、ある夜暗殺されかけ、口汚くののしられます。
もう生きていることがイヤになってしまう綱吉に右衛門佐は「生きなさい!」と力強く励まします。
そして、死ぬと言うなら望みをかなえさせてもらうといきなり抱きしめます。
綱吉とは逆に女性に子種を授けることでしか女性を抱いてこなかった右衛門佐は、それがかなわぬ綱吉に純粋に愛情を抱いてきたのでした。
今や閉経となった綱吉となら、そんな呪縛から解かれて抱くことができる…
それは綱吉にも同じことが言えました。
お互い年齢は重ねてしまいましたが、ようやく純粋な男女の恋がかなった2人。
綱吉は桂昌院に綱豊を自分の世継ぎとして養子に迎えると宣言し、右衛門佐のもとに向かいます。
しかし、右衛門佐はあっけなく死んでしまいました。
綱吉はつかの間の恋に終わったのです。
今回も仲里依紗は綱吉のさまざまな顔、そして複雑に入り組んだ感情、呪縛から解かれていくさまを演じきりました。
それを受け止める山本耕史もまた右衛門佐という男のありようを余す無く演じきりました。まさに見応えある競演でした。
綱吉がまだ少女時代の吉宗に謁見し、見ためなど気にしなくてかまわないという賢明な意見に感銘を受けるシーンも印象的でした。
吉宗は綱吉に会っていたんですね。
綱吉を幼い頃から恋い慕い、ずっと一緒にいたいから桂昌院に抱かれて取り立ててもらったという柳沢吉保(倉科カナ)も悲しい女性でしたね。
自分の手で綱吉の息を止めたのはいささか唐突でしたが…。
おそらく原作ではもっと丁寧に描かれているのをドラマではカットしてしまったんでしょうね。
桂昌院や吉保がその後どうなったかも気になりました。
次回からはまた吉宗(冨永愛)編に戻るようです。祐之進(中島裕翔)は大奥を出てしまいましたが、どう描くんでしょうか?
今回の評価は…8