いきなり吉宗(冨永愛)が現代の渋谷スクランブル交差点に現れたのには驚きましたね。
吉宗がこの国は滅びぬ…と夢想するというのを大胆にこう表現したのは、脚本によるものか、演出によるものかは分かりませんが、柔軟な発想に感心しました。
冨永愛がまたカッコいいんですよね!
NHK 火曜22時
「大奥」最終回
主演…冨永愛
脚本…森下佳子
演出…大原拓
村瀬(石橋蓮司)が書きつづってきた没日録には欠けている部分があり、それが村瀬の墓が墓荒らしにあったために出てきます。
そこに何が書いてあったか謎掛けしたまま今回は展開していきました。
言語不明瞭とはいえ、頭脳明晰さと世のために尽くしたい意欲を買われた吉宗の娘、家重(三浦透子)は、
また、やる気が無さげで、老中たちは大御所吉宗に何かとおうかがいを立てに来ます。
しかし、家重はやる気が失せたのではなく、米が豊作でも不作でもうまくいかない財政に思いあぐねているのでした。
賢明なる家重の側近、田沼意次(當真あみ)はそんな家重の思いを察し、
吉宗に意見を求められると、農民から年貢を取り立てるのではなく、私腹を肥やし金を貯め込んでいる商人たちから金を納めさせるべきと進言します。
若いながらも物怖じしない田沼意次の聡明さを當真あみが凛とした目力で演じていて、これからが楽しみな女優さんだなと思いました。
今回の見どころは長年、吉宗に尽くしてきた杉下(風間俊介)の死もありましたが、
やはり、冒頭の没日録の種明かしで、これが最後の出仕という日に、吉宗が加納(貫地谷しほり)に自分を将軍にさせるために、加納が暗殺を繰り返したことを問いただすシーンがグッと引き込まれましたね。
七代将軍家継は手を下さなくても夭折したようですか将軍候補の尾張藩主や、吉宗の姉たちを次々に加納は毒殺していったようで、その秘密を知る村瀬も殺させ、没日録も隠させたようです。
あっさりと認め、いつでもお手打ちになる覚悟はできていると語る加納。
貫地谷しほりの肝のすわった演技!
辛かったであろう、1人で背負ってきてと案ずる吉宗に、
「一炊の夢を見させていただぎました。良き夢でございました。お信さま、まことありがとうございました」
少女時代から聡明なお信を将軍にしたいという夢を貫いてきた加納の生きざまに圧倒されました。
吉宗は田沼に赤面疱瘡を撲滅するよう託して、亡くなっていきます。
家重、そして吉宗の孫家治の時代へ。
続きは秋のシーズン2になります。
今から楽しみでなりませんね。
ラストに登場した鈴木杏はおそらく平賀源内役でしょう。
長崎で吉宗が奨励した蘭学を学ぶようです。
秋は将軍たちを誰が演じるんでしょうか?キャスト発表を楽しみに待ちます。
今回の評価は…8