腹をくくって見ないといけない作品…「お別れホスピタル」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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終末期医療の病棟を 舞台にするドラマなので、亡くなる人の話になるんだなと覚悟はしてましたが、




初回でこんなに次々に亡くなるとは…

甘っちょろい私めの想像をはるかに越えてシビアな現実を突きつけられ、襟を正す思いでした。




NHK   土曜22時

「お別れホスピタル」第1話


主演…岸井ゆきの

脚本…安達奈緒子

演出…柴田岳志




原作・沖田✕華、脚本・安達奈緒子、演出・柴田岳志は産婦人科を舞台に命が産まれるときのさまざまなありようをリアルかつシビアに描いた名作「透明なゆりかご」のトリオなんです。




自らも看護師の経験のある沖田✕華が「透明なゆりかご」と合わせ鏡のように、人生の始まりの次は終わりを…と描いた作品のようです。




なので、こちらも主人公は働き始めて2年目の看護師、歩(岸井ゆきの)。

患者思いで、わがままを言ったり、やかましい老人たちにもイヤな顔せずに対応しています。




なので、ややこしい患者たちも歩には一目置いてくれるのですが、病魔には勝てずに次々と足並みを揃えるかのように亡くなっていくんです。




これは見ていてショックでしたね。松金よね子や丘みつ子はこの先もいるキャラかと思っていたので。




更に、ヘビースモーカ―で末期がんの本庄(古田新太)が自殺してしまうのも、そんなに突然?と驚かされました。

もっとも、そんな感じがリアルに起きるのが終末期病棟なのかもしれません。




本庄の死で歩を気遣ってきた先輩看護師たち(仙道敦子、内田慈)が帰って休むよう勧めるのもリアルでしたね。




「透明なゆりかご」での原田美枝子や水川あさみも良かったですが、こちらの仙道、内田ペアも良いですね。経験から来る度量がきちんと描かれてました。





このドラマは、ヒロイン、歩の職場もかなりヘビーですが、プライベートの家庭も、かなりヘビーで作品の重苦しさを更に高めました。




母子家庭で妹(小野花梨)はいじめにあってから不登校の引きこもりに。

自傷行為をしたり、気に入らないことがあると騒ぎ立て、母親(麻生祐未)に当たり散らしたりしているようです。




今回、心をわしづかみにされたのは、そんな妹に歩が言った言葉。




「つべこべ言わずに生きろよ!」




ホントに生きたくても生きられない人、病魔に侵され亡くなる人、能登地震のように天災で亡くなる人、愚かな戦争の犠牲になる人…

沢山いるわけですからね。




命の尊さをもう一度考えたり、感じたりできる作品になりそうです。




岸井ゆきのは今や勢いある実力派です。

笑顔に哀しさ、辛さをにじませる演技は絶妙です。




今回はまださほどではありませんでしたが、医師役で松山ケンイチが出ているのも頼もしい限りです。




今回の評価は…8