夏ドラマアカデミー賞、続いては最優秀助演女優賞です。
ノミネートしたのは以下の女優さんたちです。
有村架純、古川琴音、大竹しのぶ
「海のはじまり」
1つの作品から3人ノミネートするのは異例のことですが、選ばずにはいられませんでした。
まず、夏の恋人弥生を演じた有村架純ですが、私めはこの弥生に最も肩入れして見ていた気がします。
恋人同士でうまくいっていたのに、彼氏に子どもがいたことが分かり、その子を引き取って育てることになる弥生は、悩ましい状況に追い込まれてしまうのです。
しかも、過去に自分は中絶したことも、また思い起こさないわけにはいかず、自分は母親になるのかという選択も迫られる。
そんな複雑な状況に置かれる弥生を、有村架純は実に自然とすんなりその人物になりきっていました。
改めて有村架純の凄みを感じましたね。
続いて古川琴音ですが、既に死んでいる人物がこれほどドラマの中で重要な位置を占めるのは異例なことでしたね。
彼女が演じる水季によって、遺された人々はいかに悲しみ、嘆き、翻弄され苦しむか、それが描かれたドラマでもありました。
普通なら単なる身勝手な女性に見えかねないところを、ホントは何か裏があったのでは?本音は違ったのでは?と含みを持たせたのは古川琴音の技量ゆえでした。
せっかくそう演じていたのに多くの視聴者に納得される人物に描けなかったのはもったいなかったなと思います。
同じことは水季の母親朱音を演じた大竹しのぶにも言えました。
なぜ夏にそんな意地悪なことや厳しいことを言うのかと思った方は多かったと思います。
嫌悪感を与えかねない人物をまた忠実に要求通りに大竹しのぶが演じるので、余計になんでそういう言い方するかなと腹立たしくもなるのです。
なかなか演じていてしんどい役だったと思います。
坂井真紀
「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」
たださえ夫を亡くし、ダウン症の息子を抱えているのに、自らも病に倒れ歩けない身体になってしまうヒロインの母親の苦境にへこたれずにポジティブに生きていくさまを実に魅力的に演じました。
坂井真紀もすっかりお母さん女優になったのだなと感慨ひとしおでした。
坂井真紀の泣き笑いは絶品です。
高岡早紀
「笑うマトリョーシカ」
清家(櫻井翔)を裏で操っているかに思えた母親をミステリアスに妖しく演じて、これぞ高岡早紀!という艶やかさは健在でした。
この母親の存在で、このドラマはもう一回り面白さに磨きがかかったと思います。
以上5人の中で最優秀助演女優賞に選んだのは…
有村架純
「海のはじまり」
弥生がノートに書き残したことが、水季が海を産む決心をするきっかけを作ったとわかった時は、え~~!と驚いたし、
それと同じことを書き残した水季からの手紙が弥生に海の母親にはならない決心をさせる皮肉な展開。
弥生に肩入れしていた私めにとってのピークは弥生と夏の別れのシーンでした。
主役ではありませんでしたが、このドラマの彼女は、有村架純ドラマ史上TOP5に入れてしかるべき役だったとさえ思います。