夏ドラマアカデミー賞、続いては最優秀助演男優賞です。
こちらも5名をノミネートしました。
池松壮亮、利重剛
「海のはじまり」
このドラマ、助演女優陣だけでなく、助演男優陣も良かったんですよね。
池松壮亮が演じたのは生前、シングルマザーの水季をサポートした同僚の津野。
この役も主人公の夏への当たりが強い役なので、イヤな人物に見えかねませんでした。
目黒蓮の体調不良で放送されることになった特別編で、水季との日々がたっぷりと描かれ、津野への共感が高まりました。
再来年の大河で豊臣秀吉を演じると発表されました。池松壮亮はまだまだ底知れないポテンシャルのある人です。
もう1人、ぜひ今回ノミネートしたかったのが、水季の父親を演じた利重剛です。
この人は小津映画の笠智衆に匹敵するほど、黙ってただそこにいるだけで思いが伝わる、そんな「静」の演技の境地に達しつつあります。
口数の少ない父親でしたが、絶妙なバランサーで、その細やかな気遣いをさらりと演じてみせました。ますます貴重な俳優になってきましたね。
錦戸亮
「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」
既に死んでいるのに、ダウン症の息子にだけは見えていて、幽霊のような幻影のような不思議な存在感で家族と一緒にいる感じを飄々と違和感なく演じたのはこの人ならではでした。
どこか浮世離れしたような洒脱なたたずまいが良いんですよね。
また地上波で見られるようになって良かったです。
そろそろ主演ドラマも見たいですね。
津田健次郎
「西園寺さんは家事をしない」
記事にも書きましたが、今回の役はいわゆる儲け役でしたね。
ヒロインに片思いする男でしたが、懐が深く魅力的な男をいきいきと演じて、ドラマに弾みもつけたし、膨らみも持たせました。
俳優としてのキャリアを重ねて、力んでいた感じもなくなってきて、軽やかさが出てきたのが良かったですね。
櫻井翔
「笑うマトリョーシカ」
原作者は原作では主人公の清家のイメージに悩んでいた時に、テレビに映る櫻井翔のキャスター姿を見て「これだ!」と思ったそうで、それだけまさに櫻井翔にドンピシャの適役でした。
笑顔の奥では何を考えているのかわからない、本音は奥の奥の方にありそうな不気味さが何とも良かったです。
占拠シリーズとかではなく、こういうひねりのきいた役を櫻井翔には演じてほしいんですよね。
以上、5人の中で最優秀助演男優賞に選んだのは…
櫻井翔
「笑うマトリョーシカ」
原作通りに、こちらが主人公で良かったのになと思えたほどに、清家という男が謎めいてるからこそ最後まで引っ張れた作品でした。
にこやかに笑いながら用済みになるとバッサリ切り捨てる時に、ゾッとする冷ややかさがあり、櫻井翔自身もそうなのか?と混同してしまうくらいに実にハマっていました。
いつか是非、めちゃくちゃ悪い知能犯とか殺人犯の役もやってほしいと期待してしまいました。