このドラマって区議選出馬に向けて、地域住民へのアピールになるようなことを主人公の一平(香取慎吾)が国会議員秘書をしている親友真壁(安田顕)のアドバイスを受けてやっていくというのが基本的な構造でした。
しかし、終盤に向けて今回のラストで大きくグイっと方向転換されました。
あえて「選挙編突入」とサブタイトルに入れた意味がわかりました。
フジテレビ 木曜22時
「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」第9話
主演…香取慎吾
脚本…蛭田直美
演出…及川拓郎
一平は区長(堺正章)から一平が今住んでいる実家もそのエリアに入っている再開発計画で、反対派の説得をすることを頼まれます。
一平が今まで住民たちに良かれとやってきたことを評価してのものでした。
私めが住んでいる街も実は区役所移転に伴う再開発計画が進んでいるようで、より興味深く見ることができました。
賛成と反対に分かれる再開発って、確かに難しい問題ですよね。
商店街などがさびれていたり、このままでは活性化は困難というなら良いんですが、だからといってこれまでの住民のコミュニティが壊されてしまうのはデメリットではありますよね。
住民の憩いの場である銭湯を営む高田(市毛良枝)は、減りはしたがまだ来てくれている常連客たちのためにも店を残したいので再開発には反対していました。
その様子を見た一平は、再開発は見直すべきと考え、真壁に住民の説得はやめたいと告げます。
おまえがやらないなら誰かがやるぞと真壁が予言した通り、悪質な地上げ屋が高田湯に嫌がらせを始めました。
アンタがやらせてるのかと高田は一平を疑いました。
高田を救うべく一平は何とか自分が説得するから、嫌がらせをやめさせるように頼みます。
しかし、高田は常連客たちと再開発反対を他の住民たちへ訴え始めます。
ここで高田が地権者と勝手に話をすすめて住民たちの意見など聞こうとしない再開発に物申しました。
脚本が蛭田直美だけに政治家は自分たちの損得優先で国民のことなど考えちゃいないという痛烈なメッセージがあり、確かに!と頷けるセリフがかなりありました。
再開発はした方がよいけど、どう今あるコミュニティをそこに取り込むか、そこなんだろうなと思います。
正助(志尊淳)に重傷を負わせたことの責任も感じ高田湯は廃業してしまいましたが、一平は区長や黒岩議員(橋本じゅん)に再開発見直しを直談判。
聞く耳を持たない2人に対して、自分は無所属で区長選に出ると宣戦布告します。
堺正章の区長がいかにも俗物な感じが憎々しくて敵としては戦い甲斐がありますね。
かなり無謀ですが…。
この先も蛭田直美が書くなら楽しみです。
9話の評価は…7