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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

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今回のサブタイトルは「一島一家」

端島の人々は大半が炭鉱の仕事に関わっているので、皆家族のようなものだと言うのですが、それは理想でしかなくて…





TBS  日曜21時

「海に眠るダイヤモンド」第5話(11月24日放送)


主演…神木隆之介

脚本…野木亜紀子

演出…林啓史




今回は炭鉱長(沢村一樹)の息子で父親のもとで働いている賢将(清水尋也)がフィーチャーされました。




戦後、復興し経済が活発になるにしたがい、労使による労働争議が日本中で頻発します。




企業側はロックアウト、労組側はストラを行い、相手の要求をのむかのまないかでいがみ合いをしたのです。




狭い端島の中でもそれは起きていて、会社側の職員である鉄平(神木隆之介)は、




炭鉱員の父・一平(國村隼)や兄・進平(斎藤工)と対立する立場にならざるをえません。




それでもまだ父や兄が働いているので鉄平は炭鉱員たちからも仕事を離れれば、親しく接してもらえますが、




炭鉱長の息子であるために賢将への当たりは強く、嫌がらせをされ、つい喧嘩沙汰になったりもします。

清水尋也がナイーブな演技で好演していました。




母親が閉鎖的な島がイヤで出て行ってしまった賢将は、幼い頃から鉄平の家に入り浸り、鉄平と同じくらいに可愛がられました。




なので、一平は今でも気さくに話しかけてくれるのでした。

「一家一島」の精神はなくなったわけではないのです。




賢将に嫌がらせをした小鉄(若林時英)は実は博多のヤクザで、逃げてきたリナ(池田エライザ)を始末するべく送り込まれていました。




小鉄を演じる若林時英は前作の「オクトー」のゲスト出演の時に注目した人で、危ない目つきが印象的で、今回もリナに迫る時の不気味さはインパクトがありました。




あわやというところで進平が小鉄をリナが隠し持っていたピストルで撃ち殺します。

罪を共有し、進平とリナはキスをし、皮肉にも愛を確かめあいました。




初回にリナが抱いていた赤ちゃんは進平との子だったんでしょうか?





ずっと謎として引っ張ってきたいづみ(宮本信子)は過去パートの誰なのかは、いづみは出水という旧姓で名は朝子だと分かりました。



そして玲央(神木隆之介 二役)はDNA鑑定で血のつながりはない、つまり孫ではないこともわかりました。




では、玲央は誰の孫なんでしょうか?

現代パートはそれくらいしか興味がありません。




5話の評価は…7








このドラマ、どんな結末になるか予想がつきませんでしたが、このあとどうしたかは視聴者の想像に任せるという終わり方でした。





NHK  土曜22時

「3000万」最終回


主演…安達祐実

脚本…弥重早希子

演出…保坂慶太




坂本(木原勝利)は警察に捕まってしまいますが、祐子(安達祐実)とソラ(森田想)はひるむことなく、長田と3人でボスとおぼしき穂波(清水美砂)の家に、消防点検を装い押し入ります。




穂波を縛りつけて、詐欺でためこんだ金のありかを探し回るのですが、




穂波と見張っている祐子の会話がまず面白かったですね。

ボスが税務署に勤める一見普通のおばさんってところが変にリアルで、平然とシラをきる感じが何ともふてぶてしくて良いんです。清水美砂ってところがナイスキャスティングでしたね。




「あの子が何言ったか知らないけど誤解よ。ちょっと雇われただけ」

「どこに隠しているんですか、お金と闇バイトのデータ」

「いくら払えば助けてくれるの?」

「全部終わらせにきたの、お金はいらない」



拘束を解いてくれたら、あなたと家族には今後一切関わらないと頼んできます。




なぜ祐子が警察に知らせず、こちらに来たのが穂波は不思議なようで、




「あなたは罪を償うつもりなんてないでしょう、バレなきゃ。」

「みんな綺麗ごと言う自分が大好き。やってることは真逆矛盾してる。自分のことだけ考えてればいいでしょ」

「あの子はこっちで始末してあげる。だったら楽になるでしょう?」




祐子の心を見透かしてるかのように、感情をこめずに淡々と言う感じが実に不気味でした。



そんな穂波に言う祐子の言葉が意味深でした。

「どうやったらあなたみたいになれますか?」

まさか祐子は穂波のようになりたいのか?とドキっとしました。





金のありかが見つからないソラに加勢するために祐子は見張りを長田と交替。

それはまずいぞと思ったら案の定で、長田はあっさり穂波に丸め込まれ、拘束を解いてしまいます。




形勢逆転、末次が来て、祐子とソラは拘束され、どちらから殺しますか?と物騒な話になります。




絶体絶命というところで、祐子は穂波がベラベラしゃべったことをスマホで録音し、夫にも送ったと言いひるませます。




長田は義光(青木崇高)のところに行き調べてくるよう命じられます。




一旦は窮地を脱した祐子は隠し持ったハサミで拘束を解き火事をおこします。




火災報知器が鳴り、管理人が来たので穂波は対応、消火にあたった末次を閉じ込め、祐子とソラは避難はしごから脱出しました。



思わず拍手でしたね。

ソラは3000万を持ち主に返しに行き、交番に自首しました。




祐子は車でどこかへ向かいます。

何かを決心したかのように信号が青に変わるとUターンをしました。




元の平凡な暮らしに戻るために自首しに行くんでしょうね。

皆さんはどう思われました?





このドラマはヒロインがつい出来心で大金を手にしようとしたために悪化する一方の事態に、たくましくしたたかに、時にはあさはかに対応していく話でした。




脚本が緻密でリアリティーがあり、見ごたえがありました。




最終回の評価は…8




そうなんです。保健室にいる牧野(松下洸平)を中心に、医師らしいアプローチで悩める生徒たちに寄り添い改善する…今回のようなエピソードこそがこのドラマに私めが求めているものなんです。



日本テレビ  土曜21時

「放課後カルテ」第7話


主演…松下洸平

脚本…ひかわかよ

演出…苗代祐史




今回は2人の対照的な生徒がフィーチャーされました。

1人は前回も登場し、無自覚ながら凛を追い込んでしまっていたれいか。




れいかはこういう子っていたよなって思わせるナイスキャラで、悪気なくズケズケと思ったことを口にするタイプなんですね。





それが言われた方にしてみれば傷ついたり、むかついたりするわけで、良かれと思って言ったことも上から目線の自慢と取られてしまい損なタイプなわけです。





今回、れいかは子だくさんできょうだいのお古をよく着ている純美に、服がイケてないと言い、自分の服をあげると言って傷つけてしまいます。




見かねたアローラがれいかに厳しめに注意をし、教室に居づらくなったれいかは保健室に入り浸るようになるのです。




牧野を相手にしても、ズケズケと減らず口を叩くれいか。




そんなれいかは牧野が担任の藤岡(平岡祐太)と会いに言った不登校中の聡と幼なじみで、




別居中の父親(東根作寿英)が働いている場所に会いに行きます。




父親はすでに辞めていて聡はガッカリし、れいかと帰ります。

しょんぼりしている聡にもれいかは遠慮なくいろいろ聞きます。




れいか役の畠中一花という子役さんは、これがドラマデビューとは思えない、堂々たる役者っぷりで、将来が楽しみな逸材です。




昨今の子役さんのレベルアップはスゴいですね。




対する聡は夜な夜な喧嘩ばかりしている両親に、我慢しきれずキレたので、父親は出て行ってしまったと思ってしまい、




その罪悪感から引きこもりになってしまったのでした。




れいかとは対照的に言いたいことを言えず自分ばかり責めてしまうのです。




以前と違い、寄り添うことができるようになった牧野は、2人の話を聞いてあげ良い方向へ導きます。




そんな牧野の様子を病室の外から見ていた高崎(田辺誠一)が、どこか嬉しげでしたね。




子どもたちとの交流で牧野が成長していく姿を見られるのがこのドラマの魅力です。




7話の評価は…8