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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

このドラマはシリアスもコミカルもどちらも自在に演じられる力のある人ばかり出ているので、



バカリズムが書く絶妙なバランスを見事に演じてくれていて、今回は特にそれを堪能できましたね。




日本テレビ 日曜22時30分

「ホットスポット」第8話


主演…市川実日子

脚本…バカリズム

演出…水野格




50年先の未来から来た村上(小日向文世)はやはり、レイクホテルに宿泊していた受験生の上村の50年後の姿でした。




名前が似ているので早くから気づいている視聴者も多かったですね。




村上は受験票を忘れたのに届けてくれて合格できたお礼に、家族を連れて再び泊まりに来る姿を見たかったんです。




チラっとちゃんと村上が画面の隅にいましたからね。




清美(市川実日子)が村上が未来人なのを、信頼できる親友に話してよいかを聞くと、高橋(角田晃広)と違ってすんなりOKしてくれました。




早速、葉月(鈴木杏)と美波(平岩紙)に話すと、高橋が宇宙人という耐性ができているので、あっさり2人も受け入れました。



むしろ、冷静にレイクホテルが無くなると高橋は温泉に浸かれなくて困るのでは?って話になります。




高橋が呼び出され、村上の話をします。

ここの4人の会話が今回のメイン。




まず高橋は自分は宇宙人なのに、村上が未来人なのを認めようとせず、宇宙人の自分はリアルだけど、そんなのリアルじゃない、一緒にするなと言います。




このあたり、角田晃広が真顔で言えば言うほど、何ともおかしいんですよね。





…で、話は高橋の生い立ちになります。いつ高橋は自分が宇宙人だと教えられたのか…回想シーンでつづられました。




少年時代の高橋を演じる子役さんが角田晃広にはあまり似てなくて可愛かったですね(笑)




高橋少年は学校で上級生にいじめられ、つい特殊能力を使って撃退してしまいます。




それで、今後はそんなことのないように、父親(野間口徹)は自分は宇宙人で、母親(安藤サクラ)は地球人だけど、高橋にも宇宙人の血が流れてるから特殊能力があることを教えられます。



その時、父親がやってみせ、自分もやらされたのが、あの10円玉つぶしでした。




優しい母親はよく高橋少年をその頃からあったもんぶらんに連れて行ってくれました。




父親との約束を守り、高橋は親友にも自分が宇宙人なのを告げず、特殊能力も封印し続けました。




今はレイクホテルになってる場所に昔は銭湯があり、そこによく父親と行っていましたが銭湯が廃業し、ホテルが建つまでの間に父親は死んでしまったようです。




独身のままおじさんになり老いた母親(松金よね子)と歩いていた時に、母親はつまずいて車にはねられ、その時にも特殊能力を使わなかったのを悔いて、車にひかれた清美を救ったのもわかりました。




母親は死んだのかと思いこみ、清美たちがしんみりしてたら、なに?母親死んでないからね!って言う高橋が絶妙でした。角田晃広の真骨頂でしたね。




今回のラストで由美(夏帆)の親友の瑞稀(志田未来)が超能力者だとわかりました。



宇宙人と未来人が混在するのもややこしいのに、そこに超能力者まで出てくるとは(笑)

どうなるんでしょう?




8話の評価は…8














現代の日本が抱える社会問題の多くが、悩み苦しむ人がSOSをまわりや社会に発信できないから起きていることを今回改めて知らされました。




今回の椎葉(吉柳咲良)が直面したヤングケアラー問題も、深刻な問題の1つでこのドラマはその解決策を示唆していましたね。意義のある回でした。




TBS  日曜21時

「御上先生」第7話


主演…松坂桃李

脚本…詩森ろば

演出…小牧桜




生理用品を万引きしてしまった椎葉を、御上は引き取りに行きます。

店長は警察に通報しないでくれました。




万引きだけではなく椎葉がマッチングアプリのサクラをやっていたこともわかり、椎葉は退学処分を受けることになります。




クラスメイトの前で、椎葉は話す場を御上(松坂桃李)から与えられます。

包み隠さず椎葉は両親を事故で亡くし和菓子屋を営む祖父母と住んできたこと、祖母が倒れ、祖父は認知症になり店は閉めざるをえなくなり、自分が介護をしなければならなかったことを話します。




御上はなぜ生理用品を万引きしたのかを聞くと、是枝(吉岡里帆)はとっさに女生徒にそれを聞くのは…と異議を唱えます。




すると、富永(蒔田彩珠)は話すかどうかは椎葉が決めていいと促します。

これは御上が是枝はそう言うだろうからその時は割って入るように前もって御上が富永に頼んでおいたのでした。





和菓子屋で初潮を迎えると赤飯で祝うってことを幼い頃から見聞きして抵抗はなかったのに、家庭の事情が変わると、それがツラいものになったと椎葉は告白します。




一番怖かったのはお金のことでした。考えないといけないことが山積みで頭がごちゃごちゃになり体がキツくなったようです。




椎葉と親しい千木良(高石あかり)は気づいてあげられなかったことを涙ながらに詫びます。




それにこたえる椎葉のセリフが印象的でした。




ホントのホントに困ってると相談できる人がいるってことにも気づけなくなる、なのに生理は来ると言ったあとに、こう言います。



「私生きているんだなって思い知らされて、私はここで血を流しているのに、誰モ゙気づいてくれないって、苦しくて。私は私がここにいるってことを見つけてほしかったんだなと気づいたんです」




その手段が万引きで良かったとは思いませんがSOSを伝えられたのは良かったですね。




椎葉の告白を聞いた3年2組の生徒たちは椎葉の退学処分を撤回してもらうべく署名運動を始めました。

あわせて古代理事長(北村一輝)に入学してから家庭環境が変わった生徒を支援するシステムを構築するように求めました。




生徒に考えさせ行動させるという御上の指導が見事に結実した回でした。




神崎(奥平大兼)が説明した「相対的貧困」というのも初めて聞く言葉でしたが、なるほどなと思いました。




いよいよ話は文科省と古代の間に何があったか踏み込んでいくようです。




7話の評価は…8






今回は蔦重(横浜流星)と瀬川(小芝風花)、新之助(井之脇海)とうつせみ(小野花梨)、2組のペアの恋がままならない様子が描かれ、改めて吉原の女たちの悲哀があぶり出されました。




NHK  日曜20時

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第9話


主演…横浜流星

脚本…森下佳子

演出…新田真三




瀬川が鳥山検校(市原隼人)に身請けされると聞き、心穏やかではない蔦重。




瀬川には幸せになってもらいたいけど、高利貸しの盲人相手では納得できないんですね。



…で、瀬川に身請けに応じないように言います。あんなヤツに身請けされたら笑い者になるぞと言われ、瀬川はカッとなりあんただって私に客を取らせて商売するヒルじゃないかと反論します。



このあたりの瀬川役の小芝風花の蔦重を好きなのに…って複雑な思いの演技が素晴らしかったですね。




前回はあんなに鈍かった蔦重もさすがに

瀬川の思いが伝わり、自分も好きなのを自覚したのか、瀬川の年季が明けたらオレが一緒になる!と誓います。



蔦重の胸ぐらをつかんでホントか?と詰め寄る瀬川の表情がまた良かったですね。




そして、瀬川は松葉屋(正名僕蔵)と女将のいね(水野美紀)に身請けをやめたいと告げます。



いねはすぐに瀬川に好きな間夫ができて、それが蔦重ではないかと気づきます。



年季明けまで働き続けることがどんなにツラいか、身請けされ幸せになることが後輩の遊女たちのためにもどんなに良いかをいねは瀬川に訴えかけます。




冷酷のようでいて、実は抱えてる女たちのことを親身に考えている情深さが伝わる水野美紀の演技も素晴らしかったです。



吉原で多くの悲劇を目にしてきたいねだからこそというのが伝わりました。




同じことは身請けする金はないので吉原からの足抜けを図ったうつせみに対してでも言えて、



他の遊女たちの前で、折檻しながら叱りつけるときに、足抜けしたところで幸せになんかなれないことを厳しく伝えるのは、




うつせみだけでなく、他の子たちにも聞かせているのがよくわかりました。

悲劇を繰り返したくないんでしょうね。




好きな男との恋がままならない遊女の切なさを2人のエピソードからあぶり出した森下佳子の脚本が見事でした。




松葉屋が蔦重に言う「おまえにできることは何にもしねぇことだ」って言葉も深かったですね。

吉原に生きる男の厳しいルールを改めて蔦重は思い知らされるのでした。




9話の評価は…8