連ドラについてじっくり語るブログ -31ページ目

連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

第4話でようやく待望の蛭田直美脚本でした。やはり良かったですね。

女性脚本家ならではの目線で、都(冨永愛)やひまり(増田梨沙)のデリケートな部分を丁寧に描いてくれました。




フジテレビ 木曜22時

「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」第4話


主演…香取慎吾

脚本…蛭田直美

演出…村上牧人




今回は一平(香取慎吾)が、選挙に向けてアピールする手段として、こども食堂設立をもくろむという入り口でしたが、




その協力を求めた一平の中高の後輩でイタリアンカフェをやっている都と、万引きをしてしまったひまりの話に移行していくのがスムーズで、まずそれが良かったです。




初めて生理が来てしまったひまりは、そのことを誰にも告げられず、ナプキンを買うお金が無くてつい万引きしてしまったのでした。




生理という女性にとってデリケートな部分を描くことで、早くに母親を亡くした

ひまりの喪失感と男ばかりの家族の中にいる孤独が浮かび上がり、胸をしめつけられました。




ひまりの母親は生前にひまりに教えておこうとしたのに、まだ生きていてほしくてその時は聞かなかったというのも切なく悲しかったです。




都が引き取りに来てくれて、ひまりにナプキンのことも優しく教えてくれました。




都は一平にこども食堂への協力を頼まれた時に、1人は寂しいと決めつけられるのに抵抗感をあらわにしていました。




都はシングルマザーに育てられ、母親がいない時に自分なりに料理を作り、そのおかげで今があるのでした。




つまり、少女の頃に孤独を味わったのは都も一緒だったのです。

都はひまりに母親を太陽にたとえ、今も母親の光は届いているからひまりは1人じゃないと励まします。




このシーン、とても良かったですね。

冨永愛の懐の深さが活かされたシーンでした。




今回、蛭田直美脚本で優れていると感心したのは都と親友、千夏(美村里江)の間に起きたほんの些細な、それでいて深い溝でした。





これまで子どものいない同士で旅行などにも行っていた仲だったのに、千夏はこのまま子どもが産めなくなることを後々悔いるのでは…と思い、子どもを産んだのでした。




もう1歳近くになるというのに千夏は子どもができたことを都には言えずにいたのです。




女性同士ゆえの微妙な関係性の難しさをあぶり出すエピソードでした。

見続けていて良かったです。




4話の評価は…8








今回は流石に庵野(唐沢寿明)でもどうにもならないかと思いきや、鮮やかな逆転劇でしたね。




裏金政治家の久松(堺正章)がやり込められる痛快な展開でした。

やはり強敵であればあるほど面白くなりますね。




テレビ朝日 木曜21時

「プライベートバンカー」第4話


主演…唐沢寿明

脚本…神田優

演出…山本大輔




天宮寺家で今回フィーチャーされたのは国会議員をしている次男の昴(吉田ウーロン太)。



両親(橋爪功、夏木マリ)が天宮寺グループ発展のために金を使って政治家にしただけで、昴自体は至ってぼんくらな議員でした。




そんな昴が派閥のボス的な大物議員の久松から貰った裏金を、パパ活の相手に渡す現場を週刊誌記者に撮られてしまいます。




昴は裏金でなく天宮寺グループのお食事券と言い逃れますが、その記事が掲載されることに。




母親の美琴は天宮寺グループにもダメージになると大激怒。

株価が爆下がりしたら庵野をクビにする!なんとかしろと命じます。




庵野は昴に記者会見を開かせ、久松から貰った裏金だとバラして、世間の目をそらせようとしますが、直前で久松の圧力がかかり会見から逃げてしまいます。




庵野は久松がいかに裏金を作っているかそのスキームを調べます。




それは暗号資産を巧妙に使った完全無欠のスキームでした。




最近、岸部一徳ばかり演じていた悪い大物枠に堺正章も加わってきましたね。

堺正章はすべてを見抜くような怖い目をしますからね。適役です。




天宮寺グループに国税が入ることになり危うし!という時に、昴は再度記者会見を開き、今度は久松からの裏金だとバラし、議員辞職を表明します。




その裏で庵野は久松の私設秘書が実は以前詐欺事件を起こして逃亡中に死んだとされている久松の息子が整形してなりすましていることを暴き、




その指紋を取ったことをたてに久松を脅して手を引かせます。




天宮寺家もダメな息子がアキレス腱でしたが、皮肉にも久松もそこが弱みだったというのが、少々できすぎた話でしたが面白かったです。




回を重ねて唐沢寿明の安定感も増して、鈴木保奈美のウザさも薄れてきました。




次回は専務(吹越満)の横領がらみのようです。




4話の評価は…7




研修医が主人公ということなら必ずあるよな~というのが、患者の死に直面する エピソード。




このドラマでは第3話で早くもまどか(芳根京子)が初めて患者に死亡宣告をするという回になりました。




TBS  火曜22時

「まどか26歳、研修医やってます!」第3話


主演…芳根京子

脚本…前川洋一

演出…井村太一




まどか(芳根京子)は消化器外科から消化器内科へと研修先が移ります。




消化器内科の指導医は手塚(木村多江)。

先に指導を受けた同期の桃木(吉村界人)は楽勝だったと言ってましたが、なかなか厳しくて、ビシビシ鍛えられます。




同期で仲が良いはずなのに、消化器外科の西山(赤堀雅秋)とも治療方針で、ガミガミやりあったりもします。




いざ、仕事から離れたら優しいのは西山とも同じでした。




そんな中、外来で来た中山(小久保寿人)という患者をまどかは担当することになります。

中山には妻(田畑智子)や幼い娘もいて仲睦まじそうな家族でした。




しかし、検査をしたところ中山はかなり進行したスキルスがんだとわかります。

もう手術のしようもなくて余命も短いことを告げます。




あんなに元気だったのに中山はどんどん病状が悪化していきます。

迫る死を受け入れられず苦しむ中山。

小久保寿人が実にリアルに演じていて、進行の早いがんの怖さがひしひしと伝わりました。




そんな中山や家族とどう向き合えばよいのかまどかは戸惑い悩みます。角田(奥田瑛二)からは、最期までその患者さんらしくいられるようにしてあげたらとアドバイスされます。



病室に足しげく訪れて緩和ケアにも努め、まどかは中山や家族に寄り添いました。



穏やかに亡くなると手塚は敢えてまどかに死亡宣告をするように命じます。




この先、いくつもの死と向き合っていかないといけない厳しさを手塚は伝えたかったんでしょう。



感情に流されないように、淡々とまどかは死亡宣告をします。

込み上げる悲しみを必死でこらえる芳根京子の表情が何ともいえませんでした。



耐えていた妻も、パパ起きてと言う娘にたまらず号泣し、たまらずまどかは病室を出て廊下の片隅で涙を流します。




菅野(鈴木伸之)は医師も人間なんだから患者の死に慣れる必要はないとアドバイスしてくれます。



このドラマは研修医を取り巻く大人たちがみな心優しくて、それがホッとしますね。




仕事ではいがみ合う手塚と西山も酒を飲めば仲良しで、同期の大切さを教えてくれました。



この先、どう成長していくか楽しみです。

3話の評価は…8