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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

今回のサブタイトルは「双極症」

聞きなじみのない言葉ですが躁と鬱の両極をいったり来たりする心の病のことだそうです。




そのために自殺してしまう人も多い深刻かつ治りにくい病で、今回はこの病気の難しさと理想的な対処法が丁寧に描かれました。実に濃い内容でしたね。




NHK 土曜21時

「Shrink~精神科医ヨワイ~」第2話


主演…中村倫也

脚本…大山淳子

演出…中江和仁



今回の患者は有名ラーメンチェーン店長の玄(松浦慎一郎)

店は評判良く、弱井(中村倫也)と雨宮(土屋太鳳)も常連でよく食べに行っています。



しかし本部長からはもっと売り上げをアップしろとか人件費を減らせとか強めなプレッシャーがかけられます。




真面目な人ほど心身に無理を強いてしまうので、バランスを崩し、遂に鬱の状態に入ってしまいます。




弱井は店の客なので遠慮して早乙女(竹財輝之助)に診てもらいますが、簡単に鬱と診断され、抗うつ剤を処方されます。




それを服用すると玄は今度は躁状態になってしまいます。

明らかに様子がおかしいので妹の楓(土村芳)は弱井に相談します。




弱井は双極症であると伝え、躁の時には対人面でトラブルを起こしやすいし、また鬱に揺り戻されたら自殺する危険性があることもすすめます。




しかし、玄はなかなか自分の症状の重さを認めようとしません。

精神科への入院にも抵抗を示しますが、

玄が最も尊敬していてその人の言うことなら聞いてくれる柔道の師匠、仙川(小林薫)にも来てもらい、弱井の先輩、君島(河相我聞)がいる精神科病院に入院させます。



入院しても奇異な行動をする患者と自分は違う…早く退院して仕事に復帰しなければと焦る玄。




同じ病気でこれが3回目の入院という林(佐戸井けん太)は自分の病気を受け入れないとダメだと忠告してくれます。




入院しても君島に任せきりではなく、問診に弱井は付き合いますし、社会復帰のために精神保健福祉士の岩国(酒井若菜)を紹介したりもします。




焦らず、いろんな人の力を借りてチームで病気と戦って生きましょうと弱井は玄に諭し続けるんですね。





岩国にすすめられ生活訓練施設にも通い始めますが、そこで店をひいきにしてくれた人から話しかけられるとまた極端に張り切ってしまったり、なかなかバランスは取りづらいままで、この病気の難しさを痛感させます。




店員たちからは早く戻ってきてと励まされますが、本部からは非情の解雇通知が。




落ち込んだ玄は師匠の仙川を訪ね道を失ったと告げます。仙川はかつて大将戦でもうダメかという窮地から逆転勝ちをしたあれがおまえだろと励まします。




弱井は柔道家・嘉納治五郎の「自他共栄」の言葉を借りて、自分だけで何とかしようとせずに、他人の力を借りてはと改めて諭し、楓もこれからは自分が玄を

助けるからと言います。




なかなか大変な道が待っているとは思いますが、前向きな終わり方だったのには救われました。




玄役の松浦慎一郎はボクシングトレーナーから俳優になった人ですが、難しい演技をごく自然に演じてリアリティーがありましたね。




師匠役に小林薫が出てくれたのは贅沢でしたが、重みが加わり流石でしたね。




今回も中村倫也の寄り添い方がナチュラルでやはり良かったです。

このドラマのシリーズ化を切望します。



第2話の評価は…8







三浦春馬が突然この世を去り、残念な思いでいた時に、どこか風貌の似たまだ無名の高橋文哉を見て、この人はいつか三浦春馬のようになるのでは?と注目しました。




私めの期待通りに順調にステップアップし主演できる俳優にまで成長してくれました。




奇しくもこのドラマはかつて三浦春馬が主演した「サムライ・ハイスクール」でヘタレな高校生と凛々しい武士の霊を演じ分けたように、いじめられがちなオタク高校生とヤンキーのヘッドを高橋文哉も見事に演じ分けてみせました。




テレビ朝日  金曜23時15分

「伝説の頭 翔」最終回


主演…高橋文哉

脚本…古家和尚

演出…住田崇




この最終回で改めて高橋文哉に感心したのは、単なる演じ分けだけではなく、ヘタレでもう死のうとさえ考えた達人が生き続ける逞しさを身につけるまでの成長ぶりも演じたということでした。




最終回ではグランドクロスの仲間たちが、翔になりすましていた達人に実は救われていたことを思いだし達人を認めるくだりがあったり、




達人と同じでヤンキーにいじめられていたが、達人と違ってヤンキー憎しで財力を持つ立場になりヤンキー潰しに躍起になるキヨト(藤原大祐)に「ダセえ生き方してんじゃねぇよ」とタンカをきったり、




このドラマは達人の成長を描くドラマだったことがよく分かる最終回でした。




それでいて、成長した達人とはまた違う翔のカリスマ性も一貫して演じていて、こちらも線が太くなり、役者としての進化を感じさせました。




このドラマでは東城を演じたカルマという新たな逸材にも出会えました。

YouTuberから演技の仕事もやっていくようですが、ユニークな雰囲気があり、次はどんなドラマに出てどんな役を演じるかが楽しみです。




最終回の評価は…8


このドラマの原作では清家一郎が主人公なんだそうですね。

最終回の記事で今さら書くのもお恥ずかしい話ですが、興味深いのは原作を書くにあたり主人公のイメージがイマイチ明瞭にならずに原作者が悩んでいた時に、




「ニュースZERO」でキャスターをしている櫻井翔をテレビで見て、そうだ、こういう人なんだとイメージできたんだそうです。




道理で櫻井翔にピッタリの役だと思ったわけだと、今さらながら納得した次第です。





TBS   金曜22時

「笑うマトリョーシカ」最終回


主演…水川あさみ

脚本…神田優

演出…岩田和行




最終回を見終えて身も蓋もないんですが、このドラマは原作通りに清家が主人公で良かったのでは?というのが私めの結論です。




道上(水川あさみ)を主人公にしたがために、夫(和田正人)と息子がいることにしましたが、それが最後までどうでも良くて邪魔くさくしか感じなかったこと。





道上が本来、最優先してやりたいのは父親(渡辺いっけい)の死の真相究明と、父親が調べていたBG株事件の追及であるはずなのに、




ドラマはそれより、誰が清家を操っているのか?の方がメインのようになってしまいました。




疑わしい人物が次々に変わっていくから、そちらの方が面白くなってしまったんですね。





そりゃそうでしょう。原作もそちらがメインなんですから。




前置きが長くなりましたが、最終回ではBG株事件と道上パパの死についてもすべてわかりましたし、清家は誰に操られていたか?の答えも出されました。




前者はわかったところで、ふ~~んでしたが、引き込まれたのは後者の清家と道上の直接対話で明かされる清家の本性でした。




道上は誰かが清家を操っていると決めつけて見誤っていたのです。




清家は誰にも操られてはいませんでした。

清家を利用しようとする浩子(高岡早紀)も、亜里沙(田辺桃子)も、鈴木(玉山鉄二)も自分を「見くびってる」とわかったら切り捨ててきたのでした。




オレを見くびるな!

これ言った時の清家から発する青白い炎のような怒りにゾッとしました。




しかし、清家は実は自分のことがよくわかっていません。

そんな清家が信じて自分をサポートして欲しいと願ったのが道上でした。



自分のことをよく見ていて欲しい…

あの言葉は、道上にすがりたい清家の心の底からの言葉だったんですね。





しかし、道上は清家のブレーンにはならず、ジャーナリストに戻りました。




マトリョーシカの一番小さいところまで出した清家が、道上が去ったあとにまた元の大きさに戻したのは、




また心を閉ざした清家を巧みに象徴してました。

櫻井翔の虚無な表情が何ともいえませんでした。




このシーンを見て、櫻井翔自身のマトリョーシカの一番小さいところはどんな表情、感情なのか?とふと思ってしまいました。




最終回の評価は…8