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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

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夏(目黒蓮)が海(泉谷星奈)の父親として育てていくのは良いけれど、自分が産んだわけではない海の母親になることを、ホントに弥生(有村架純)は良しとしているのか?




そこはひっかかっていましたが、はっきりとその答えを出す日がやってきました。切なく苦しい決断でしたね。




フジテレビ  月曜21時

「海のはじまり」第9話


主演…目黒蓮

脚本…生方美久

演出…高野舞




今回は夏と弥生がどのように知り合い、弥生は夏のどんなところを好きになったのかを改めて丁寧に描きました。




こうして過去にさかのぼって検証していくことで、現在で起きることに厚みを与えるというのは脚本・生方美久ならではの手法ですね。





7話では津野(池松壮亮)に関して水季(古川琴音)との関わりを過去から描き、亡くなった時の悲しみや喪失感に厚みが増したように、





今回は弥生が下した苦渋の決断の辛さにグッと厚みが増しましたね。




そうなんですよ。

「月岡君と2人でいたかった」

これが弥生の偽らざる本音ですよね。

2人の恋を大切に育んできたんですから。




海の出現により、海ばかりか、海にとっても夏にとっても大切な人だった水季までもが、いつも一緒にいるかのようになってしまったんです。




津野が夏のことを「水季、水季ってうるさいんですよ」って言ってましたが、まさに弥生も夏が水季のことを話すたびに、いまだに残る強い思いいれを感じて、水季へ嫉妬すら覚えていたんですね。




海と夏と3人で会うことを避けるようになってきた弥生の異変に気付き、夏は素直に詫びたし、自分は別れたくないとも伝えました。




結論を出すことをためらっていた弥生の背中を押したのは、生前に水季が書いていた夏の恋人=弥生あての手紙でした。





その手紙の結びは、弥生が中絶時にクリニックでノートに書き残し、それを読んだ水季が中絶を思いとどまり産むきっかけを与えたのと同じ文が書かれていました。





「誰も傷つけない選択なんて、きっとありません。だからと言って自分が犠牲になるのが正解とも限りません。他人に優しくなりすぎず、物わかりの良い人間を演じず、ちょっとズルをしてでも、自分で決めてください」

「どちらを選択してもそれはあなたの幸せのためです」

「海と夏くんの幸せと同じくらい、あなたの幸せを願っています」




皮肉なことに弥生が書いた文章で水季は母親になることを選び、その水季が書いた文章で弥生は海の母親にはならないと選んだんですね。

何て運命の皮肉でしょうか。




「海ちゃんのお母さんにはならない」

「月岡君とは、別れたい」



弥生はそう夏に言い渡します。

この本音を伝えるシーン。

淡々と語る有村架純の凄み、実に繊細にリアクションしながら受け止める目黒蓮のナイーブさが光る名シーンでした。





駅まで送る道すがら、2人は手をつなぎ純粋な恋人でいた頃のような他愛ない会話をしました。




ホームでも終電まではと、夏は粘って会話を続けます。





終電が来て、弥生はつないだ手を離し、

夏に頑張れ、パパとエールをおくり電車に乗り込みます。




ここから主題歌の「新しい恋人達に」が流れます。

母親に置き去りにされた子どものように泣き出す夏。




振り返らず背を向け座ってしまう弥生。

選択によって引き裂かれる2人。

主題歌は切々と流れ続けます。




電車を見送り泣きながら夏が歩き出すタイミングで主題歌はこんな歌詞でした。





「誰の人生だ、誰の人生だ、誰の人生だ」




このリフレインに私めはやられましたね。海の父親として生きていく人生を夏は選んだんです。

誰のものでもない、夏の人生なんですからね。この辛い悲しみは乗り越えないといけない…。





名曲ですね、この曲。

今、懸命にカラオケで歌うべく覚えております(苦笑)




第9話の評価は…9








考察好きの視聴者の間ではかなり話題になっていたようですが、天城(二宮和也)と渡海(二宮和也 二役)は双子の兄弟だったんですね。




ま~だから同じ二宮和也が演じていたんだって言われればそれまでなんですが、

その2人の生い立ちが明かされ、なぜお金にうるさいのか、スリジエセンター設立にこだわるのか、いろいろ謎が解けました。



TBS  日曜21時

「ブラックペアン2」第8話


主演…二宮和也

脚本…槌谷健、守口悠介

演出…伊東祥宏




このドラマは出てくるゲストがやたらと心臓に疾患があるんですが、まさか天城自身もそうとは…って感じでした。





佐伯(内野聖陽)は医師会会長になりましたが、大学病院の院長の座を譲ろうとはせず、教授や看護師長(神野三鈴)らも辞めさせ若い世代に代替りをしようとして波紋を呼びます。



そんな中、佐伯と天城が推進しているスリジエセンター設立は、天城が患者から法外な治療費を取っているのが厚労省で問題になります。



こちらも佐伯は裏から手をまわして認可に向けて押し切ろうとします。




そんな中。天城は病院に出ずに何やら調べています。

佐伯も同じく病院を休み、2人は渡海のは実家にいた。




渡海の実家で遺品を調べる天城。

天城は元は渡海雪彦で、渡海とは双子だとわかります。




更に今すぐ手術が必要な心臓疾患のレントゲン写真は天城のものともわかります。



すべてを知る佐伯は天城にその生い立ちを語って聞かせます。




実は幼い時に渡海に心臓疾患があり、双子の親は天城の心臓の一部を移植して、それを治し、




その違法行為を隠ぺいするために天城は養子に出されたのでした。




しかし、皮肉にも今度は天城の方に心臓疾患ができてしまいます。

既に移植してしまっているので、心臓外科の権威である天城の養父は、将来詰まるであろう措置しか施せなかったと言います。




天城はその理不尽さに怒り、涙を流して「返せよ!」と佐伯にあたります。




佐伯はオレが何とか救うと言いますが、天城は自分にしか治せないと言い放ちます。




この二宮和也と内野聖陽のぶつかり合いは見ごたえがありましたね。

これまでの2人の会話とは全く違う感情のぶつかり合いでした。




天城の母親が愛した二本の桜の前で天城は倒れます。




天城を救うにはダイレクトアナストモーシスしかありませんが、佐伯はAIのエルカノの力を借りて世良(竹内涼真)と手術をして治そうとします。





緑内障による視力の衰えも世良にカバーしてもらい乗りきろうとしますがうまくいきません。




あわやという時に渡海が登場。

「1000万でもみ消してやるよ」




お~!懐かしい渡海のキメ台詞が出ましたね。

二宮和也がスゴいのは天城と渡海をちゃんと演じ分けているところですね。




渡海はダイレクトアナストモーシスなんかやらないと言います。ではどうするのか?

それは次回ってことになりました。

これは見ないわけにはいきませんね。




第8話の評価は…8




















NHKがまたNHKらしい医療ドラマの秀作を世に出してくれました。

製作は日本テレビの子会社のAX-ONなんですけどね。日本テレビでは通らない企画ってことなんでしょう。全3話だそうです。




NHK  土曜21時

「Shrink~精神科医ヨワイ~」第1話


主演…中村倫也

脚本…大山淳子

演出…中江和仁



第1話のサブタイトルは「パニック症」

メインゲストの葵(夏帆)は大手広告代理店に勤めるシングルマザー。




仕事も、子育てもちゃんとやらなければというプレッシャーからか、自律神経に異常をきたし、パニック症を頻繁に起こすようになっています。




混んでる電車に乗ろうとすると動悸が激しくなりホームにうずくまってしまったり、会社でプレゼンをするためにカーテンを閉め暗くすると、やはり同じようになってしまったり…コントロールのきかない身体になってしまっています。




医師に見てもらいますが精神科でも診てもらうようにすすめられます。




テレビによく出ている人気の精神科医のクリニックに行きますが、院長には診てもらえず、女医が顔を向けずにパニック症だとお決まりのように診断し、薬を処方します。




しかし、その薬をのむと体調が悪くなり

仕事どころではなくなってしまいます。




そんな葵は以前ホームで救ってくれた精神科医の弱井(中村倫也)と再会。そのクリニックに同行して診てもらいます。




弱井の話で印象的だったのはアメリカは4人に1人が精神科にかかっているが、12人に1人の日本よりはるかに自殺が少ないって話。




日本はいまだに精神科で診てもらうことに抵抗感のある人が多く、隠れ精神疾患大国なのだというのです。




確かにそうですね。心を病んでいても我慢してしまい、より悪化させてしまう人が多い気がします。




弱井はそんな日本で敷居の高くない精神科医を目指しているようで、葵の話を聞き、まずパニック症で死ぬことはないと不安を一つ一つ取り除いていきます。




面白いなと思ったのは葵に不安を感じることを10段階で書かせて、軽度のものからだんだんにクリアさせていくという手法でした。




患者に穏やかに寄り添うように接する弱井は中村倫也の真骨頂とも言える役で、こんな精神科医なら診てもらいたいと思えるハマり役です。




葵役の夏帆も繊細にパニック症に苦しむ姿を演じるので、息子と無理して観覧車に乗り苦しみ出すシーンは見ていてこちらも息苦しくなるほどでした。




息子をめぐって張り合っていた姑(余貴美子)も実は精神科にかかりたい時もあったけど行けなかったと葵に理解を示してくれて、もっと頼りなさいと言われ、気が楽になれたのも良かったです。




全3回しかやらないのは残念ですが、シリーズになれるのではと思います。




初回の評価は…8