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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

このドラマの評価は見れば見るほど悩ましいなと思っております。



近年、宮藤官九郎の脚本は「離婚しようよ」でも「季節のない街」でも「不適切にもほどがある」でも、現代の世相への批判や風刺的なメッセージが込められることが多くなっていて、この作品でもそれは随所に感じられるんです。




それを私めなりに汲み取りながら見るようにはしているんですが…




フジテレビ  水曜22時

「新宿野戦病院」第3話


主演…小池栄子、仲野太賀

脚本…宮藤官九郎

演出…澤田鎌作




前回の記事でもW主演でしかも群像劇であるこのドラマの弊害について書きましたが、




要するにあれもこれも盛り込もうとして絞りこめてないのがこのドラマの最もマイナス要素だと思います。




「不適切にもほどがある」では昭和からタイムスリップした主人公を通してそれが集約されていたんですよね。




しかし、このドラマは主人公が2人いるためにあっちもこっちもになっているんです。




例えば、ヨウコ(小池栄子)と院長の啓介(柄本明)は命を救うためなら、治療費が払えない患者でもというタイプで、啓三(生瀬勝久)と息子の享(仲野太賀)は、高額な治療費を取れる美容皮膚科を開き金儲けに走るタイプ。




この対比を描きながら、昨今、命に関わる外科や小児科、救命救急志望の医師が減っている現状への批判も感じられたらなんですが、クドカンはそこにおさまるほど甘くありません。




啓三、享親子が休診になった月曜日に開いた美容皮膚科は、イ・オンナ(余貴美子)という謎のインフルエンサーが褒めたら、たちまち患者が急増。




しかし、よそでボトックスやヒアルロン注射をやりすぎて鼻がもげそうになった韓国人青年を治療したら、それを間違って享の治療ミスのようにSNSで書き立てられ、たちまち炎上、患者が激減という憂き目を見ます。




「不適切にもほどがある」でも描かれましたが、真偽定かでないSNSにより毀誉褒貶が激しく上下するという怖さを、今回もさりげなく描いてきました。




かと思えば、トー横キッズのマユ(伊東蒼)のエピソードはまだ続いていて、また薬品を万引きしてしまうのですが、NPO法人代表の舞(橋本愛)が引き取りに行くも、



岡本巡査(濱田岳)や、児童福祉司との会話で舞が「そういう子」とマユを可哀想な子扱いするのに反発し、




学校も施設もNPO法人もみんな一緒だと怒るのは、こうした虐待を受けている少年少女への対応がうまくいってないことを象徴的に描いていました。




結局、マユは自分のことは自分で守るんじゃというヨウコのアドバイスに従い、性的虐待をする母親のヒモから逃れるのでした。




マユとヨウコのエピソードが私めはいいなと思って見ていますが、享の舞への恋とか、舞が実はSM嬢で稼いでるとか、そちらはどうでもよい感じです。




堀井看護師長のペヤング盗難とか、小ネタも盛り込んでくるので、どうも何をどう見てよいやらと迷子になるんですね。




しかも、今回のラストは謎の外人がヨウコに襲いかかるってサスペンスっほくもなりました。




もう、何が何だかわかりません。

あえてごった煮にしているんでしょうか?

第3話の評価は…6





今回は妊娠したかもしれないことを宝(細田佳央太)に告げるかどうか悩む福(桜田ひより)のもとに、




宝から「今日少し会える?」とLINEが来て、「私も話したいことがある」と返すのでした。




…で、どんな会話になったかというと。





フジテレビ  火曜23時

「あの子の子ども」第4話


主演…桜田ひより

脚本…蛭田直美

演出…山浦未陽




宝は福に「しばらく、やめたい」と言います。会うのを?と聞くとそうではないと。福とは一生一緒にいたいと否定します。



そして、宝は小声で「やるの、やめたい」と言うのです。




避妊に失敗して以来、宝は妊娠していたら傷つくのは圧倒的に福で、その痛みは半分こにはできない、代わりたくても代わってあげられない、それが怖くなったと。




だから責任の取れる大人になるまでやるのは控えたいと言います。




それを聞いた福は「私も同じこと考えてた。大人になるまで。でも…」





福は妊娠のことは言い出せないまま、宝に背を向け歩きだします。




もしや、と慌てて追いかけ宝は福の腕をつかみ引き留めます。




福の心の声で、今までで一番冷たい手だと思った…と。

この表現、スゴいですね!



福はたまらず、妊娠の可能性が高いことを一気に告げます。



動揺した宝は「大丈夫だから」と福を抱きしめますが「大丈夫じゃない!」と福は感情を爆発させます!




ホントは一人にしてほしくないのに、「一人にしてよ!」と宝の手を振り払って歩きだすのです。




本音と言動の遊離…

ここの描き方、脚本もいいし、桜田ひよりの演技も素晴らしかったです。




私めは男ですから、あ~宝、そう言っちゃったか~!とハラハラしながら見守りました。




細田佳央太の演技も優しさゆえに墓穴を掘るさまを細やかに演じて、こちらも良かったです。




今回のサブタイトルは「半分こにできない現実」

妊娠につきまとう男女の食い違いを、実にリアルに描き出しているなと感心しました。




原作も良いんでしょうが、やはり蛭田直美の脚本が秀逸ですね。




第4話の評価は…8















お恥ずかしい話、私めは過去4回もドラマ化されている「南くんの恋人」をどれも見ておりません。



1994年に放送された高橋由美子&武田真治バージョンなどは視聴率もよく話題になったのに、なぜかスルーしていました。




そのまま深田恭子、二宮和也バージョンも、山本舞香、中川大志バージョンも見てないんです。なので、まっさらな気持ちで男女逆転バージョンの今作を見ることになりました。

それをまずおことわりしておきます。




テレビ朝日   火曜21時

「南くんが恋人!?」第1話


主演…飯沼愛

脚本…岡田惠和

演出…宝来忠昭



まず、気になったのはなぜテレビ朝日があえてまたドラマ化するという気合いの入ったドラマで、主演が深夜ドラマで1回連ドラ主演しただけの飯沼愛なのか?という点。




過去のこの枠の主演女優が吉高由里子、高畑充希、伊藤沙莉、石原さとみであることを考えたら失礼ながらかなり格落ち感は免れません。




そして、相手役の八木勇征もGP帯でヒロインの相手役はまだ「婚活1000本ノック」くらいです。




正直、この2人ならまだ23時以降のドラマでいいかなくらいのペアでもあります。




ま~何かそこには大人の事情もからんでいるかもしれないので、これ以上は触れませんが、




メインの2人がそうであるために周りの脇キャラがやけに豪華なんです。




ヒロインちよみ(飯沼愛)の父親は武田真治、母親は木村佳乃、祖母は加賀まりこ。南くん(八木勇征)の父親は沢村一樹、ちよみのバスケ部の監督は光石研、南くんのバスケ部のコーチは武田玲奈です。




随分がっちり固めたな~という印象ですね。皆2人を盛り立てるように手堅く助演してくれています。




南くんが小さくなってからのCGがやけにショボかったのはこちらのギャラにお金をかけすぎたから?と心配にはなりました(笑)





内容以外のことを長々と書いてしまいました。

脚本は高橋由美子、武田真治バージョンを書いた岡田惠和です。




変にごちゃごちゃ盛り込もうとせず、シンプルに2人とその家族の関係性を描き、題材をストレートに見せようという姿勢はいいなと思いました。





ちよみの両親が再婚同士というのは「海のはじまり」の夏の家とかぶってますが、こちらはもうひとひねりあって、祖母(加賀まりこ)はダメな息子(富澤たけし)と縁をきり嫁(木村佳乃)を養女にしているところ。




仲良さそうですが、なかなか複雑な家族関係ですよね。




今回は南くんが小さくなるまででしたから、面白くなるのは次回からですね。




飯沼愛も八木勇征も小細工せずにのびのびと演じているので夏らしいラブコメになりそうです。




第1話の評価は…7