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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

今回は前回の続きで、孤独感を抱える女子生徒を牧野(松下洸平)が救えるかという話でした。



日本テレビ  土曜21時

「放課後カルテ」第5話(11月9日放送)


主演…松下洸平

脚本…ひかわかよ

演出…西岡健太郎




前回の記事で、なんで学校医がそこまでやらなければいけないのかと、批判ぎみに書いてしまいましたが、





今回、牧野が過去にあった小児患者とその父親(塚本高史)とのトラブルが明らかになり、その時の反省を踏まえて、今回は生徒に寄り添い、父親(和田聰宏)との関係性も修復するという牧野の成長が描かれました。




過去のエピソードでは牧野の顔つきや物言いも今とは違っていて、ただ医師は病気を治せばよいという考えが強く、患者やその家族の思いに寄り添うということができていませんでした。




そういう姿勢や態度はおのずと軋轢を生み、拒否反応を示されてしまいます。




高崎(田辺誠一)にも度々注意され叱責もされますが、その頃は反発し、言われている意味もよく理解してませんでした。




そんな牧野は、学校医になり子どもたちと接する中で、寄り添い話を聞いてあげることができることを身につけてきました。



そして、医師である自分と担任の篠谷(森川葵)だけでは解決できないと判断し、




父親を学校に呼び、不倫し妻が別居したショックから立ち直れず、娘にぞんざいになっていた父親に反省を促します。




家族の協力もあってこそ治せるというのを実践させたのです。

良い話でしたね。

第5話の評価は…8




今回フィーチャーされたのは部下たちに「ありがとう」や「ごめん」が言えず陰では老害扱いされている朱雀部長(高橋克実)でした。



唯一、老害と感じていない鷹野(菜々緒)の奇跡的とも言える対応が、頑な朱雀の考えを改めさせるプロセスが絶妙でした。




テレビ朝日  金曜23時15分

「無能の鷹」第5話


主演…菜々緒

脚本…根本ノンジ

演出…棚澤孝義



今どきIT企業にこんな時代錯誤な部長はもう存在しないだろうとは思いつつも、




ついつい過去の自慢話をしたり、パソコンの機能を覚えずに部下に頼りがちとか自分も身に覚えのないことではないので、笑ってばかりもいられない話でした。



部下に嫌がられる上司にはなりたくないと言っていたのに、無自覚でそうなってしまっている皮肉さもよくありがちではあります。




鳩山(井浦新)と鴫石(安藤玉恵)は新人の時、バリバリ輝いている先輩が朱雀で、将来イヤな上司になっていたら注意してくれと頼まれていました。




鳩山は身近にいながらそれができずに、パソコンを直してあげ続けていましたが、鴫石がやっとビシっと言ってやりました。



そのきっかけを作ったのは鷹野で、休日出勤でパソコンが壊れ、困った朱雀が鷹野に鵙尾(土屋志央梨)  に電話させたら、




それはMOZUという店で、そこのママ(渡辺えり)とパソコンの相談が恋愛相談になるという奇跡的な会話があってからの流れでした。




自分の家でも妻(中島ひろ子)に「ありがとう」も「ごめん」も言えず、職場同様に暴君な朱雀は妻に離婚届をつきつけられ、あたふたします。




熟年離婚の典型的なパターンですね。

この妻の場合、あまりに酷いので考えを改めさせようとしたようにも見えましたが…




今回は鷹野のぶっ飛びぶりが楽しめましたね。

新たに開発されたシステムのPRのためSNS担当になった鷹野が、身の回りのものを写真に撮ってあげたらバズるとか、無欲の凄みが鷹野らしく面白かったです。




第8話の評価は…8

昨今の連ドラはとかくネットやSNSで考察して盛り上がってもらえば視聴率につながる…という風潮があり、




そのために、視聴率欲しさにそのドラマ本来のテーマを薄めてしまうという作品もかなり多いように思います。





TBS  金曜22時

「ライオンの隠れ家」第5話


主演…柳楽優弥

脚本…徳尾浩司、一戸慶乃

演出…泉正英




このドラマはそうなってほしくなくて、第3話、第4話はサスペンス色を抑えてホームドラマ色が強めだったので安心していました。




ところが、そのまま行けるわけはなく、今回は大きく事態が動きました。




そのきっかけは工藤(桜井ユキ)の後輩の

天音(尾崎匠海)が、東京にいる愛生(尾野真千子)を隠し撮りに成功、工藤が記事にして出したことからでした。




愛生は行方不明になってるだけで、まるで犯罪者扱いで顔をさらしてスクープするのには違和感がありましたが、




警察も愛生を捜し始め、X(岡山天音)から職場から逃げるように指示が来て、財布を盗んで逃げます。




警察の追跡からも逃げることになった愛生。サスペンス色が否が応でも高まりましたが、ヒューマンな要素はしっかりあってそれには安心しました。




ライオン=愁人(佐藤大空)が大事に抱えているぬいぐるみから、洸人(柳楽優弥)は小さなノートを見つけ、




そこにはママとの約束として5項目が書かれていました。それはいかに洸人たちに一緒に住むようになるかの指示で、それを愁人はしっかり守っていました。




そしてその最後にはライオンのように強くなったら迎えにいくと書かれていました。



ママに迎えに来てほしくて強くなろうと努力してきた愁人は、洸人に強くなったか聞きます。




それを潜伏中のネットカフェで、ぬいぐるみに仕込んである盗聴器を通じてXのスマホから愛生は聞いていました。




これまで無表情が多かった愛生が初めて、母性愛あふれる表情で聞き入り、涙するシーンにグッと来ました。

尾野真千子がなぜこの役を演じているかの意味がしっかりわかった気がします。




スマホを通じて愛生は愁人に会いたいと告げ、遊園地で会うことになります。





愛生に会う前に遊園地で遊ぶ愁人と美路人(坂東龍汰)を見て、洸人は3人での楽しかった日々を思い返し、愁人を愛生に返したらこれも無くなるのかと一抹の寂しさを感じていました。




「何だよ、疲れるな…」と口にはしながら、愁人に振り回された日々は洸人にとっていかにかけがえのない日々だったかが伝わりました。




こういうニュアンスのある演技をこのドラマては柳楽優弥は随所に見せています。




愛生を見つけて愁人が駆け寄る直前に、愛生は警察に捕まってしまいました。





取調室で愛生は自分が息子を殺したと供述します。愛生はなぜそこまで愁人を隠し守りたいんでしょうか?




牧村(齋藤飛鳥)はXに頼まれたのか、愛生に駆け寄る愁人を抱き止めました。

Xは何者なのか?

愛生は誰から逃げているのか?

夫の祥吾(向井理)はDV夫なのか?

それとも祥吾のせいで何者かに狙われるはめになっているのか?

工藤は何を暴こうとしているのか?




いろいろ謎は深まるばかりです。

愁人がまた落ち込んでしまいそうで心配です。




第5話の評価は…8