勝手に映画紹介!? -906ページ目

二重誘拐(2004年)


2004年12月3日、レンタル開始の新作DVD「二重誘拐」を鑑賞した。一応劇場公開されている作品なのだが、DVDは今現在レンタルのみ…。最近はレンタルのみのDVDもけっこう増えてきたなぁ。

ビジネスで成功し…子供も独立して不自由なく暮らしてきた一組の夫婦だったが、ある日、夫が何者かに誘拐されてしまう…。FBIも介入し、なんとか人質になった夫を救出しようとするが…。

犯人との息詰まる攻防、手に汗握るスリリングな駆け引き…みたいなサスペンスを期待していると正直、あまりにも地味な作品で拍子抜けする。製作者的には、クライマックスであっと驚く仕掛けをしたつもりだろうが…見ている観客には、そのトリックが直に分かってしまうカラクリであり、予想通りな結末で、正直物足りない。

サスペンス映画を装っているが、実は…熟年夫婦の日常的な危機を描いた人間ドラマに重点をおいた印象。夫がいなくなったことで、浮かび上がる真実がある一方…日常は変わりなく動いているというのが、むなしく伝わってくる。独身の自分には、夫婦ってそんなもんなのかな~と、まだあまりよく分からない。年配者向けの作品だな…きっと。

ロバート・レッドフォード…家の小さなTVモニターで見ても、その老け具合が一目瞭然なのだから、映画舘のスクリーンで見たら…(^^ゞ ウィレム・デフォーの印象の無さは、“平凡な男”という役作りが成功しているためだと思いたい(笑)

監督:ピーター・ジャン・ブレッジ
出演:ロバート・レッドフォード ヘレン・ミレン ウィレム・デフォー アレッサンドロ・ニヴォラ


エレファント(2003年)

2004年12月3日発売・レンタル開始の「エレファント」を鑑賞した。実際にアメリカのコロンバイン高校で起きた、有名な銃乱射事件を描いていることで話題になった作品…。

アイダホ州ポートランド。アメフト、図書館、カフェテラス、写真部、ダイエット。ごく普通の高校生たち。いつもと同じ1日だと思ってた。(劇場公開時コピーより抜粋)

お馴染みの深夜番組で、井筒和幸監督が、この作品をボロクソ貶していたのを鮮明に覚えているが、珍しく井筒さんに同意できる映画だった。同じ時間を、何度も視点を変えて編集するという複雑な時間軸の構成に、苛立ちを覚える。こんなことしなくても…普通に描いたらいいんじゃないの?1時間20分の映画なのに…最初の数分で、飽きてきて、眠くなってくる。人を殺しまくるゲームソフトの映像や、ヒトラーのドキュメンタリーフィルムを映画の中に挿入して、遠まわしに事件の責任をそういう風なもものに押し付けようとする魂胆がみえみえ。そのくせ、犯人たちの明確な動機もあやふやなまま…ただ虐めに我慢できなかったオタク少年たちの暴走の結果がコレだみたいなものしか伝わってこない…。

普段は鉄砲をバンバン撃ってるような映画だったら…どんな作品でも、ある程度は納得してしまうほど、銃好き、アクションバカな自分でも…この映画だけは正直、そういう気持ちになれなかった。「バトルロワイアル」や「キル・ビル」を貶した人たちよ…この映画を見て、面白かったなんて感想を書いてる人間の方が、よっぽど恐ろしいと思わないか?映画通を気取って、これを芸術と勘違いしてる輩が多いことに戦慄を覚える。そのくらい、酷い作品だった。

この題材を映画にするというのは、意味があると思うが…演出方法に問題あり。「バトルロワイアル」も「キル・ビル」も、この映画に比べれば害ではないと思うのだが…。それにしても、“面白い”と表現している人間の多さに、なかば飽きれた。好きか、嫌いかはあってもいいと思うが…決して“面白い”映画ではないはずだ…アメリカとは違った形で日本の若者社会がおかしくなっている証拠でしょうね。

監督:ガス・ヴァン・サント
出演: ジョン・ロビンソン アレックス・フロスト エリック・デューレン ティモシー・ボトムズ 


【DVDの購入】
DVD エレファント デラックス版




メダリオン(2003年)

2004年12月15日発売、レンタル開始の「メダリオン」を鑑賞した。劇場公開前から“ジャッキー・チェン死す”というのがセンセーショナルに伝えられていたが…映画の方は…。一応、製作は香港とアメリカの合作ということになっていて…メインスタッフは香港映画界の錚々たるベテランスタッフが顔を揃え、CG・VFXなどのエフェクト系をハリウッドのスタッフが担当していたようだ。キャストも、香港・ハリウッドの混成…ニコラス・ツェーやエディソン・チャンも出ているらしいのだが、よく分からなかった(^^ゞ アンソニー・ウォンはかなり異彩を放っていたのですぐに気づきましたが…。

死者を蘇らす、伝説のメダル、“メダリオン”のカギを握る少年を誘拐したスネークヘッドの一味を追って、香港警察の刑事エディはアイルランドへ向かった…。

これが、他の香港スターの映画だったら70点くらいあげてもいいかなって思える、CG、ワイヤースタント、コメディ、銃撃戦と、エンターティメントの要素をこれでもかと投入した、単純に派手で楽しいアクション映画なのだが…ジャッキー・チェン映画と捉えると、50点がいいところ。やはり、「ポリス・ストーリー」やら「プロジェクトA」やら、全盛期のジャッキー作品をリアルタイムで見てきてしまった人間から言わせてもらうと、さすがのジャッキーも年齢には逆らえないな~というのを、今回も実感してしまいます。主演作品よりも、特別出演で、ちょこっと出てきた「ツインズ・エフェクト」あたりの方が、アクションのキレは良かったです。今回はだいぶ編集で補ってましたね…。壁の陰に隠れて、シルエットでアクションを見せるなんていうのは、かなり苦肉の策では?「タキシード」では、意外とマッチしていたVFXとジャッキーのアクションだが、いかにも過ぎて、かなり不自然だった。お馴染みエンディングのNGシーンも、ほとんどアクションシーンのNGは出てこず、セリフのとちりばかりというのも、それだけ危険なアクションをやっていないという証拠なんじゃないかと疑ってしまう(車にぶつかっる映像はあったけど)

ヒロインはクレア・フォーラニ。パツキンのおねーちゃんとのキャットファイトを繰り広げるあたり、なかなかお約束でいいです。アホなインターポール捜査官を演じていたリー・エヴァンスの演技…“ミスター・ビーン”でも見ているかのような、くどすぎる笑いが、イマイチのれない。

時間が89分と、90分を切った短さでテンポは良かったが…話のつながりがイマイチと感じたのは自分だけでしょうか?なんだか、TV放送でカットされた映画を見ているみたいだった。

監督:ゴードン・チャン アクション監督:サモハン・キンポー
出演: ジャッキー・チェン クレア・フォーラニ リー・エヴァンス ジュリアン・サンズ

【DVDソフトの購入】
DVD メダリオン




バッドサンタ(2003年)


【鑑賞日:2004年12月14日】


この時季になると、似たような題材のお子様向けサンタクロース映画が、いくつか出てくるが…PG-12(12歳未満の方にはなるべく保護者が同伴)なんて映画も珍しい。でも、最後はちゃんと感動できるし、91分という短さと、お子様が見ても笑える、ベタでくだらなすぎるギャグの連発(客が数人しかいないのに、バカそうなバカップルがゲラゲラ笑ってた)で、飽きずに見られる映画だった。

クリスマスシーズンになるとデパートを回って子供たちからプレゼントのリクエストや願い事を聞いて回るサンタクロース…実は泥棒だった。酒臭くてゲロは吐く、小便洩らす、女とやりまくる…こんな汚いサンタ、見たことが無い(笑)


ビリー・ボブ・ソーントンが、本当にやる気のなっそうに演じているのが、いい味出してます。確かに下品だし、子供の夢を壊す要素がたっぷり入ってるので、PG-12は妥当かもしれないが…その分、大人が頭を空っぽにして楽しめる映画に仕上がっていた。

監督:テリー・ツワイゴフ
主演:ビリー・ボブ・ソーントン トニー・コックス

スナイパー(1996年)


メジャー映画や新作映画は色々な人が語っていると思うので、当ブログでは、どうしても見逃しがちな傑作を紹介したくなってしまうのですが、またDVDにもなっていないような怪しい洋画を引っ張り出してきちゃいました…ドルフ・ラングレン主演の「スナイパー」です。同じタイトルで、ウェズリー・スナイプスの映画 もありますが、全く違いますのでご注意ください。

ドルフ・ラングレンというだけで、B級街道驀進中だと言われそうですが…この映画は、ドルフ・ラングレン主演作の中でも、一に二を争う、面白さ(と自分は思っています)。監督は「ハイランダー 悪魔の戦士」のラッセル・マルケイ。

中東風(違ったらゴメンナサイ)の某国で、要人暗殺の指令を受けたスナイパーとその監視人である美人女性の二人が…標的の到着を待っていた…。まもなくターゲットを標的に捉えたのだが…一緒に赤ん坊の姿が、目に飛び込んでくる。トリガーを引くのを躊躇うスナイパー…暗殺失敗を悟った上司からの命令で、監視人はスナイパーの命を奪うよう命ぜられる。

そんな時、狙撃を察知した敵のヘリコプターに奇襲を受けてしまい…暗殺はやはり失敗に終った。それから時間が経ち…新たな指令の為、建築中の高層ハイテクビルに潜入したスナイパーだったが、彼の前に現れた監視人は…あの時の美人監視人だった…。

冒頭で、ヘリコプター相手に、狙撃用のバカでかい銃・RAI MODEL 500を軽々持ち上げて、立ち向かっていく人間核弾頭ドルフ・ラングレンの雄姿にホレボレします。まるでアニメ「攻殻機動隊」のバトーをみてるみたい(笑)最初に派手な銃撃戦をやらかしたあとは…本編の主要登場人物がたった4人という、高層ビルを舞台にしたショボイ“ダイ・ハード”みたいになってしまう。これはこれで、ドラマがしっかりできているので面白いし…再度、クライマックスで展開される…特殊部隊との大銃撃戦までのタメになっていて、なかなか上手な構成だと思う。

実写でこんな姿が様になるのはラングレンしかいないだろう…と思っていたのですが、「キラーズ 」というオムニバス映画の押井守の短編「.50 Woman」でオカマ女優・仁乃唯が全く同じ銃で、同じようなことをしていました。「.50 Woman」の元ネタとして見てみるのも、面白いかもしれない!

LDで持っているのですが、DVD化熱望…。最近、「マスターズ 超空の覇者」とか「ダーク・エンジェル」なんていうラングレン主演のB級作品がDVD化されているので、ぜひ「スナイパー」もDVD化して欲しい。皆さん、ビデオで見てください、「スナイパー」。面白いです!


監督:ラッセル・マルケイ
出演:ドルフ・ラングレン ジーナ・ベルマン コンラッド・ダン 


【ビデオの購入】
ビデオソフト スナイパー【字幕版】






深見真 カンフーハッスル 究極の書(ノベライズ小説)


最初にぶっちゃけときますが…偉そうに、こうして本を紹介していますがこの本を実際に買っていません。たまたま、今日、本屋に行ったら平積みされていたので…その場に立ち止まって、チャウ・シンチーと倉田英之氏(アニメ脚本家)の対談や、解説・あとがきなどをザーっと立ち読みしてきただけです(笑)だってノベライズ先に読んじゃったら、映画を見る楽しみが減りそうなので、我慢です。1月1日が待ち遠しい。

先日、公開日が元旦に繰り上げになったと、話題になった「カンフー・ハッスル」…しかも映画の日とぶつかるので、初日は1000円で見れるという、なんとラッキーなことなんでしょうか!?でも、元旦早々から、映画へ行くのか…自分は行きます!(多分)

さて、話を「カンフーハッスル 究極の書」に戻しましょう。これはノベライズ小説です。それに、簡単な作品紹介、登場人物紹介や、先に紹介したチャウ・シンチーの対談などを収録してあります。対談者の倉田氏がアニメやってますなんて自己紹介すると…興味津々のシンチーが「アニメーターなの?」とすかさず質問。脚本家であるというのを訂正したのち、自分が小説版カンフーハッスルの解説を担当することを告げ、自分の担当しているアニメの話を始めたのだが…シンチーは「カンフーハッスル」のアニメ化が企画されているのかと勘違いし(きっと、シンチー流のジョークなんだろうけど)、笑わせてくれる。その後は、ヌンチャクでブルース・リーのモノマネをしていたという話題で盛り上がっていた。

キャラクター紹介のページで、「少林サッカー」でお馴染みの面々や、香港映画界の豪華ベテラン俳優陣が載っていたが…一点、気になる部分が…。「少林サッカー」で突如、唄って踊りだす変な顔の青年がいたのだが、彼もまた、「カンフーハッスル」に登場するらしい…。本には映画会社のスタッフらしいと紹介されていたが…確か、あの変な顔の青年は、「少林サッカー」の時に一般公募で選ばれた一般人だったはず(映画のパンフにも、そう書いてある)…。天下の集英社が間違った情報を載せて、本にしちゃうのは、やっぱマズイだろ!調べればすぐにわかることなので、憶測で書かずに正確な情報を載せましょう…プロなんですから。

余談だが…映画のムック本といえば、お手ごろ価格でディープな内容を提示してくれる、洋泉社からも「カンフーハッスル」に関する書籍が発売するらしい。そちらの方に期待する…(こっちはきっと買うだろうなぁ)


【Amazonで購入】
書籍 カンフーハッスル究極の書
原作:チャウ・シンチー 著: 深見真 集英社 ISBN:4-08-780403-8 2004年12月発行 定価800円(税込)





トーキング・ヘッド(1992年)


今年は「イノセンス」の劇場公開とDVD発売で、やたらと露出していた押井守監督ですが…過去のアニメ作品は色々と取り上げられるのに、実写作品についてあまり語られてないな~と、いちファンとして寂しく思います。確かに、押井守の実写作品は「イノセンス」以上に難解ですよね(笑)いや、「イノセンス」は、観客側が勝手に難しく想像しているだけで、実は物凄く単純な物語なんだけどさ(笑)

個人的に、大好きな押井守の実写作品が「トーキング・ヘッド」です。この映画は、不条理なミステリー劇を軸に、アニメ業界の内幕を赤裸々に描いているという異色の物語。しかも…お馴染みの引用・長ゼリフで語られる、小難しい映画論・アニメ論・ウンチクの数々がこれでもかーーーーーーっと語られる。

はっきり言って10年以上前に初めて見た時…高校生の自分には、理解不能の映画でした。理解できたのは、美樹本晴彦のキャラクターが綺麗に動く劇中アニメの素晴らしさ、くらいかな(笑)でも、何かがひっかかって…繰り返し、繰り返し見ていました。最初は意味不明でつまらないと感じていた映画が…何度目かからは、面白さを感じてくるから不思議ですよね。

やっぱり10年の間に蓄積された映画やアニメに対する知識のおかげというのが…一番大きいのだと思います(まるでトーキング・ヘッドを理解するために数々の映画やアニメを見ていたようだ!)。そして2003年にDVD化された(残念ながら単品発売はなく、実写作品のBOXのみ)ソフトには、押井守監督のコメンタリーが収録されているので…これを聴いた後に、再度映画を見直すと、今まで以上にこの映画のことを理解できるようになりました。

つまり、押井守の映画は一回見ただけで、理解しようと思うなってことですね!噛めば噛むほど美味しくなるスルメと一緒で、見れば見るほど、面白くなっていく…この映画をはじめ、押井守作品の特色です!


監督:押井守
出演:千葉繁 石村とも子 野伏翔 立木文彦 ハント敬士 松山鷹志 田中真弓


【DVDの購入】
DVD 押井守シネマ・トリロジー 初期実写作品集
(紅い眼鏡 ケルベロス/地獄の番犬 トーキング・ヘッド 収録)



マハウット!(2003年)


今年は「マッハ ! 」なんていうタイのアクション映画が、劇場でも拡大公開され話題になり、この間DVDで発売された。自分も公開時に鑑賞しているし…ちゃっかりDVDも買っちゃったのだが…そんなタイからもっととんでもない映画が出ていたのだ。9月頃、レンタルのみで地味にリリースされた、劇場未公開の「マハウット! 」だ~。前からレンタルショップで気になっていたので、実はこの間のTSUTAYAの旧作半額デーで借りてみたのだ。さすがのTSUTAYAでも、同じソフトを一本しか並べてないあたり、作品の浸透度が伺える。オマケにレンタル開始から3ヶ月も経っているのに、ディスクのキズが少ないのも人気の無さを物語っているのか…。

タイには護符の刺青を身体に入れると、敵の攻撃から身を守れるという言い伝えがある。これが一人前の男の証でもあるのだ…。刺青を纏った不死身の男たち…その力を悪用して犯罪組織に権力者に君臨する男と…暴挙を阻止しようとする僧侶とその弟子(これが主人公で田中要次似の兄ちゃん)の戦いを描いたアクション巨編!(ちょっと誇張が入ってますので…所詮、タイの未公開映画ですから)

実際に作品を見る前は、どうしても「マッハ!」の便乗作品のように考えていたのだが…これが意外と、「マッハ!」とはまるっきり逆の趣向の映像作品でして…CGもワイヤースタントも何でもぶち込んだ、とってもインチキ臭い映画だったのです。傭兵部隊がジャングルで派手なドンパチを繰り広げるなんて…戦争映画みたいなオープニングで幕を開けたと思うと…幼少時代の主人公が、神秘の力を使っていじめっ子に反撃なんてシーンが描かれる。その後は話が現代に移り、警察の特殊部隊と犯罪組織との対決などが描かれていく。

主人公は知らないうちに、不死身の力を利用して…事件に首をつっこんでます(笑)自分と同じように刺青入れた犯罪組織のリーダー(これがまた、マイク真木にソックリなオッサンでして)に呆気なく倒されちゃったりするのですが…もちろん主人公ですので、簡単には死にません。僧侶様の元で治療&修行を行い見事復活…拳銃アクション、マーシャルアーツ、を駆使して、刺青オヤジにリベンジするのでした!

格闘してる最中に「攻殻機動隊」の光学迷彩 よろしく(またはプレデターのごとく)、姿かたちが見えなくなってしまうなんていうシーンがあるのですが、何故か両者とも透明人間になってるのにお互いに殴り合っているという不思議なシーンで驚きます。“両方とも見えなくなってるはずだろ!見えてるなら消えてる意味ないじゃん”…あのシーンは何だったんだろう?映画を見ている人(観客)には消えているような演出に見えるのだが…オーラが出てるだけだったりして(笑)他にも撃ちこまれた無数の弾丸を…神秘の力で跳ね返してしまうなんて、どこかのSF映画で見たことのあるシーンも出てきて、大笑いさせられる。主人公のアクションは…「マッハ!」を見ているとかなりヘボく、スピード感も迫力もない。

まぁ、色々なごった煮で…意味不明な部分もあるのだが(ヒロインの存在理由もよくわからなかった)、B級アクション映画好きならツッコミ入れながら、そこそこ楽しめてしまいます。今現在、レンタルのみでセルDVDは出ていません。数百円の投資で済みますので…許容範囲の広い方は、暇つぶしにどうぞ。音声は5.1chが採用されているので、銃撃戦などそこそこサラウンドしています。


監督:クライソーン・ブーラナシン 製作:オキサイド・パン
出演:チャッチャイ・ガムーサン ニルット・シリジャンヤー ティーラユット・プラトヤーバムルン




井筒和幸 こちトラ自腹じゃ!101本斬り


TV朝日系列の人気深夜番組「虎乃門 」でお馴染み、映画監督の井筒和幸氏が自腹で映画を鑑賞し…好き勝手に感想を述べまくる毒舌映画コーナー「こちトラ自腹じゃ」の単行本第二弾が発売された。自分の新作映画「パッチギ! 」のPRも兼ねてるあたり、けっこうあざとい(巻頭、監督のインタビューだけオールカラーだけど、他は2色刷り)。

A5サイズ、319ページで税込み1680円だった前作の単行本と比べて、B6サイズ、255ページの税込み1000円となっているが、映画の数は増えている…。ということは、自然に一つ一つについての記述は減っているわけですね(笑)101本斬りと大層な副題が付いているが…まともに書かれているのは38本で、残りの63本(前作収録のものも含む)は…今までの星取評価に一言コメントを付けて、一覧にしただけだったりする。

前回は、TV放送そのままに、監督以外の出演者のコメントなども書かれていたのだが(TVの台本みたいだった)…監督の発言だけを抜粋し、構成しなおして…ちゃんと映画評論してるような文章に見せかけている。映画本としては、今回の構成の仕方の方が読みやすいのだが…あの深夜番組のライブ的なノリのおかしさが薄れてしまっているので、ちょっとつまらない。

その代わりに、今までヤリ玉にあげられてきた、実際の映画配給会社の宣伝マンの匿名座談会など企画されていて、この値段なら、そこそこ楽しめるようになっている。フロム・ヘル マルホランド・ドライブ ブラックホーク・ダウンなど2002年頃公開の作品から…華氏911 コラテラルあたりの秋の劇場公開作までを中心に掲載されている。既に、ビデオ・DVD化されている作品も多いので、ソフト選びの資料にいかがでしょうか?


書籍 こちトラ自腹じゃ!―101本斬り
著者: 井筒 和幸 テレビ朝日 ISBN:4-88131-281-2 2004年12月発行 定価1000円(税込み)


書籍 こちトラ自腹じゃ
著者: 井筒 和幸 ワニマガジン社 ISBN:4-89829-864-8 2002年11月発行 定価1,680円(税込)




ツインズ・エフェクト(2003年)


この間、TSUTAYAでソフトを物色していたら、旧作の半額セールをやってるにも関わらず「ツインズ・フェクト 」が、誰にも借りられずに、5本も残っていた。自分なんか、セル版買っちゃったほど、大好きな作品なのに…なんで皆、借りないのだろうかと、寂しくなってきた。韓国に押されているが…アクションエンターティメントはやはり香港でしょ!なので、ここでちょっとプッシュしておきます。製作者サイドも、“バッフィ・ザ・バンパイアキラー”(またはTVシリーズ 聖少女バフィー)のパクリだと認めているほど、ハリウッドの人気ホラーシリーズの設定をいただいちゃってる、ホラーアクション巨編!香港の“モー娘。”“パフィー”とも呼ばれるアイドルのツインズが主役を務めている。

日々、ヴァンパイアと戦い続ける凄腕スレイヤー(ヴァンパイアの退治人)…彼の妹が、吸血鬼とは知らずに恋心を抱いた相手は、吸血鬼の王子だった。

アクション監督を、「HERO 英雄」にも出演していたドニー・イェンが手がけていて…スピード感あふれるアクションが、縦横無尽に繰り広げられる。イーキン・チェン、ジョシー・ホー、エディゾン・チャンなどは相変わらず華麗なアクションを見せるが、ツインズの二人もアイドルとは思えないほど頑張ってアクションを披露している。

特別出演のはずのジャッキー・チェンなどは…すっかり自分が主人公の映画のように、場面をさらっていくから、その存在感の凄さに圧倒されます。久しぶりに、ジャッキー・チェンの映画を見たという感じ…(ハリウッド製のジャッキー映画はイマイチなものが多い)。香港では既にパート2も公開、DVD発売がされてるほどの大ヒット作品…日本でも早く2を公開して欲しいです!

日本で、モーニング娘。などアイドルにこれくらいやらせる勇気のある映画人はいないのか!(過去に、ショボイ、マラソン映画がありましたよね)盗作問題で自粛中の安倍なつみの復帰作戦として、香港映画で主役をやらせるっていうのはどうでしょうか?(笑)
  
監督:ダンテ・ラム 共同監督:ドニー・イェン
出演:シャーリーン・チョイ ジリアン・チョン イーキン・チェン エディソン・チャン アンソニー・ウォン カレン・モク 


【DVDの購入】
DVD ツインズ・エフェクト プレミアム・エディション