勝手に映画紹介!? -907ページ目

援助交際撲滅運動(2001年)


2005年1月13日に「援助交際撲滅運動 地獄変 」がDVDで発売になる。これは、あの問題作「援助交際撲滅運動 」の続編で、またまた遠藤憲一扮する“クニさん”が、美少女相手に大暴れするとんでもない作品になっているらしい…しかも今度のヒロインは、人気AV女優の蒼井そららしいので、過激さは前作の比ではないのではないでしょうか?劇場では単舘レイト上映だったので、残念ながら鑑賞していないのですが、早速、いつもDVDを購入しているショップさんへ予約してきました(買うときにちょっと恥ずかしいけど…エンケンファンは抑えないといけない1本ですからね。でも新年1発目のDVD購入が、コレになりそうなのも…)。そして、続編と同時に、前作の「援助交際撲滅運動」もお手ごろ価格な廉価版が同時リリースされるという情報をキャッチ。ということで、「援助交際撲滅運動」を紹介しておこうと思います。

原作は「殺し屋1」「ホムンクルス」でお馴染み山本英夫氏 で、作画を「天然少女萬」を描いているこしばてつやが担当している同名コミック。テレクラで働く男が、女子高生の乱れた生活に怒りの鉄槌を下す…客との会話を盗聴し、相手が援助交際希望の女子高生であることが判明すると、客より先回りして彼女たちとホテルへ…。とりあえず、やることだけやっちゃって…金を払わずに“やり逃げする”というのが、クニさん流の女子高生たちに対するお仕置きだった。そんな彼の行動は次第にエスカレートしていく…。片や、オヤジ狩りに精を出すコギャル軍団のボスの反撃が始まり…双方の対決が始まる。

いや~、遠藤憲一の演技は凄かったですね。「DEAD OR ALIVE2 逃亡者」とか「天国から来た男」たちなど三池崇史作品で強烈な存在感を放ち、極め付けが娘と援助交際してしまう「ビジターQ」(これも三池作品)なんてとんでもない映画だと思っていたのですが…「ビジターQ」とタメはれるくらい強烈な作品がまだあったんですからね…侮れないです遠藤憲一、いや“援交(エンコー)憲一”。彼の「フィーバー♪」という絶叫が耳から離れません…あの嬉しそうな顔…。もう一つビックリするのが、ヒロイン・アヤを演じた遠野小春が、こしばてつやの描く漫画のキャラクターに似ている点。かつて実写版「天然少女萬」を演じた松田純より…この人で萬ちゃん見たかったなぁなどと、ちょっと思いました。

ビデオ映像のいかにも安っぽい作品ではありますが…その分、中身は濃いです。AV版「ラブ&ポップ」とでもいいましょうか、怒涛の展開と、衝撃的なラスト…あーんど過激な性描写に“釘付けです”(この釘付けっていうのが、ちょっとミソ…映画を見た人なら理解できると思います)。もちろんR-18指定なので、お子様は見ちゃダメですよ!?


監督:鈴木浩介
出演:遠野小春 関保奈美 真壁あやか 遠藤憲一 山口祥行  佐藤幹雄 中嶌ジュテーム 諏訪太郎


【DVDの購入】
DVD 援助交際撲滅運動
DVD 援助交際撲滅運動 【廉価版】
DVD 援助交際撲滅運動 地獄変
DVD 援助交際撲滅運動地獄変メイキング



ダンス・レボリューション(2003年)


2004年11月26日発売、レンタル開始の新作DVD「ダンス・レボリューション 」を鑑賞した。これまた、日本では劇場未公開作品であるのだが…人気TVシリーズの「ダーク・エンジェル 」のマックスこと、ジェシカ・アルバ主演という、ファンには嬉しいキャスティング。どこかのゲームタイトルみたいな邦題だが…原題はHONEY(ハニー)という主人公の名前だったりする。

ある時はバーテン、ある時はCDショップの店員、ある時は子供立ちにヒップホップダンスを教えるダンス教師…ダンサー志望のハニーは、ひょんなことからミュージックビデオのバックダンサーに大抜擢され、監督に気に入られた彼女は、振り付けも任される。成功を手に入れた彼女だが…現実はそんなに甘くなかった!?

って感じの…ありがちなお話。きっと出てくるミュージシャンは実名で、大物な人たちなのだろうが、ヒップホップやラップにあまり興味ないので、ちょっとついていけない部分が…。しかし、さすがTVで、アクションを毎回やっていただけあって…ジェシカ・アルバのダンスシーンは、なかなかキレがあり…微妙な肌の露出具合がセクシーさをかもし出す。

正直、ジェシカ嬢のイメージビデオと、ミュージシャンたちのミュージックビデオをつなぎ合わせたような作品で、中身は薄いが…ラストの子供たちのダンスシーンなど、ちょっと見入ってしまう。

「ダークエンジェル」でジェシカ嬢のファンになった男性陣なら…そのセクシーでキュートな笑顔を見るだけで満足でしょうね。あと、音楽詳しい人なら、もっと楽しめるのでは?音声はDTS音声で収録されているので…BGMがなかなか迫力あります。


監督:ビリー・ウッドラフ
出演:ジェシカ・アルバ メキー・ファイファー リル・ロミオ デヴィッド・モスコー ジョイ・ブライアント


【DVDの購入】
DVD ダンス・レボリューション



ミッションX(2003年)


2004年12月3日レンタル開始の新作DVD「ミッションX 」を鑑賞した。劇場未公開の作品で、今現在、DVDでもレンタルのみの扱いという…ちょっと寂しい扱いの作品。ジャケットの解説にはキッズ版「ミッション:インポッシブル 」のようなことが書かれていたので、「スパイキッズ 」や「エージェント・コーディ 」のような路線を期待したのだが…。

元登山家の父親に影響を受けた、ロッククライミング好きの少女が主人公。ある日、大好きな父親が、昔の古傷が原因で倒れてしまった。手術をするには25万ドルが必要だ…。銀行の警備システムを設計した母親は、その銀行の頭取に融資の申し出をするが邪険に扱われてしまい、融資は受けられなかった…。少女は、仲間と共に…邪険にした頭取への復讐も兼ねて、手術費用の25万円を最新鋭のセキュリティで固められた金庫から強奪しようと目論む…。

いかにキッズムービーとはいえ、あまりにも設定が杜撰すぎる。いくらロッククライミングの才能があり、仲間にパソコンオタクの少年やゴーカートの腕前が凄い少年がいるという、ご都合主義の映画的な設定があるにせよ、たった2、3日で銀行強盗を決行してしまうというところが、あまりにも手を抜きすぎなストーリーでガッカリする。やむを得ない事情があるにせよ…子供が簡単に銀行強盗してお金を作ろうと考えるのも感心できない。

考えがそこに至るまでの感情が上手く描けていないので…父親が病気のためという、お涙頂戴な部分もすっかり薄れてしまっている。キッズムービーのくせに、主人公の女の子が“女を武器”にするところも、なんか嫌だった。どうせなら、父親の病気の為などという大義名分はない方が…軽いノリで楽しめたのかもしれない。

アクション要素も思ったほど多くなく…クライマックスでパトカーとゴーカートのチェイスが楽しめる程度。見所といえば、「パニック・ルーム 」でジョディ・フォスターの娘を演じていたクリステン・スチュワートが、主人公の活発な女の子を可愛らしく演じてるくらいかもしれない…。本当に、レンタルDVDで充分だろうと思える作品。92分…暇つぶしにはなります。

監督はあのオスカー女優でもある、ジュリアン・ムーアの旦那だそうだ。


監督:バート・フレインドリッチ
出演:クリステン・スチュワート コービン・ブルー ジェニファー・ビールス サム・ロバーズ 






魔法少女隊アルス(2004年~)


12月17日に、いよいよ「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 」のDVDが発売されますが…今、ハリポタよりハマっているのが、TVアニメーションの「魔法少女隊アルス 」。今現在、DVDが2巻までリリースされているのですが、11月発売の最新巻、第2巻 を鑑賞しました。

これぞジャパニメーション流“ハリポタ”…NHK教育の某番組内で、1話たった9分程度の放送枠で放送されているTVアニメーションなのですが、その短さが良いのだろうか、1話1話の話のテンポはかなりスピーディで面白い。DVDは、それらをいくつかまとめて収録してあり、どれをとっても山場みたいなエピソードばかりで、本当に飽きずに見れてしまうのです。

人間の女の子が、魔女の世界に迷い込んでしまうというお約束な展開から始まりますが…友情あり、ギャグあり(かなり寒いオヤジギャグみたいな)、アクションありなファンタジー冒険譚を、ハイクオリティな映像で見せてくれる。魔法使い=空を飛ぶ、やっぱこれですけど、ほうきをスケボーのように乗り回す主人公がカッコイイ。

今回鑑賞した、第2巻にはメインキャスト3人(小島幸子 桑島法子 広橋涼)による座談会が収録されていた。声優さんたち本人も認めていたが…アニメキャラクターそのまんまだという。アクレコといって、先に声を収録してからアニメの芝居をつける方式が採用されているらしく…声優さんたちのアイデアや、声優さん本人のイメージもアニメのキャラクターに大分反映されているらしい。

作っているのか、天然なのか…エヴァ役(メインキャストの中で一番のボケ役)広橋涼のちょっと不思議ちゃん入っている言動に、一瞬、目が点…ツッコミ役の二人の声優も思わず沈黙。なかなか面白い、映像特典でした。


監督: 芦野芳晴 原作:雨宮慶太
出演:小島幸子 桑島法子 広橋涼 田中敦子


【DVDの購入】




DVD 魔法少女隊アルス(1)
DVD 魔法少女隊アルス(2)
DVD 魔法少女隊アルス(3)
DVD 魔法少女隊アルス(4)




ケロロ軍曹(2004年)


ようやく借りれました…「ケロロ軍曹 」のDVD最新巻、第4巻 !?先月末のレンタル開始日から、何度もレンタルショップに通ったのに、毎回レンタル中で、悔しい思いをしていたのですが…(マーズ・デイブレイクトップをねらえ2! がまだ借りれないよ~)、やっとこ借りれました。ケロロ人気恐るべし…懇意にしている(セル)DVDショップの店員さんも言ってましたが、販売の方もけっこう数が出ているそうです。バンダイビジュアル さん、他のアニメソフトに比べて、定価も安いですからね…自分もセルで集めればよかった(予定が一杯で今からじゃ、もう買えないけど)。

皆さん、「ケロロ軍曹」知ってますか?元々はお子さんに大人気のコミックだったのですが、あの、「機動戦士ガンダム」でお馴染みのアニメ制作会社、サンライズ が手がけているTVアニメシリーズなんです!絵を見ただけだと、いかにもお子さんたちが好きそうな、可愛らしいキャラクター (ちょっと見、キモイのもいるけど)がたくさん出ているし、平和な地球にカエル型宇宙人が侵略してきたが、地球人(作品の中ではペコポン人と呼ばれている)に捕まってしまい、共存を始めるという、バカバカしいドタバタコメディなのですが…ちょっと突っつくと出てくる、出てくるマニアックでディープなネタの数々。「機動戦士ガンダム」をはじめ、懐かしのアニメや特撮のオマージュ的パロディを惜しみなく投入して、シュールな笑いを誘うという、実は“20代後半以上の大人”が大変楽しめる、アニメになっているのです。

自分も実際に、このアニメの存在を知ったのは、4歳児のパパである親友からでした。ウチに遊びに来た時に、人のDVDコレクションを物色しながら、「なんだケロロ持ってないのか~…残念!」なんて悔しがっているので、「ケロロって何ぞや?」って話になったのが始まりです。やはり4歳になる彼の息子がTVで見ていたのを、一緒に見ていてハマってしまったらしいのですが…「お前だったら絶対に買ってると思った。ガンダムネタがね…」と普段は無口な友人が饒舌に喋り始めた内容を聞いてるうちに、なかなか面白そうだぞと思い始め、そのうちに、友人の目が“ソフトを買えよ!”って懇願しているのに気づき始めました(笑)でも、お金がないので…友人には悪いけどとりあえずレンタルDVDを借りてみようと、思い立ったのですが…当時、リリースが始まったばかりの第1巻を借りるのも、相当苦労したのは言うまでもありません。

サンライズだったからできる(他の会社だったら著作権でひっかかりそう)、“ガンダム”関連の固有名詞・キャラクターやメカそのものを盛り込んだギャグの数々に、ガンダムファンなら爆笑必至。声優さん繋がりで、エ○ァやス○ムダンクまでパクっちゃうし(声が同じだから、本当に豪華なパロディです)…特撮モノや、美少女変身モノまで取り込んで凄いことになっている。もちろん、元ネタを知らないお子さんたち、アニメオタク以外の大人が見ても、ギャグ・ネタとして面白いと感じるから凄いわけで…一緒に見ているアニメ世代のパパ・ママを巻き込んでしまおうという“ドラえもん映画的”策略が見事に成功しているアニメなのです。

「クレヨンしんちゃん」ほど、問題になる下品なネタが出てくるわけではないし(時々スカートめくりとか、パンチラはあるけどさ)、しいて挙げるなら、ガンプラを欲しがるお子さんが増える程度かもしれない…いや大人だって作りたくなるさ、ガンプラ…(思いっきりバンダイの罠にハメられているのかもしれないなぁ)。DVDの第1巻を見終わった自分が、今度は、周りの友人たち(みんな30歳前後で、普段はアニメなんて興味ねーぜと言ってる人も含む)、に薦めまくり…ハメまくっています。ファーストコンタクトから約3ヶ月、現在、周囲にケロロファンが急増中…であります。


監督:山本裕介 
原作:吉崎観音(角川書店 少年エース 連載)
出演:渡辺久美子 小桜エツ子 中田譲治 子安武人 草尾毅 川上とも子 斎藤千和 石田彰 藤原啓治


【DVDの購入】


DVD ケロロ軍曹(1)



DVD ケロロ軍曹(2)



DVD ケロロ軍曹(3)



DVD ケロロ軍曹(4)



DVD ケロロ軍曹(5)【12月発売】




“ケロロ軍曹ぬいぐるみ”もでる、であります!







スパイダーマン2(2004年)


今日、近所のレンタルDVDの半額デーだったのですが、ものの見事に全部レンタル中になっていた「スパイダーマン2 」。もう皆さん、ご覧になりましたか?自分は先週発売になったセルDVDを買ったのですが、購入した人も多いですよね?最近は、同じ映画でも、ソフトの種類がたくさんありますよね…どれを買いました?通常版の他に…1作目とカップリングになってたり、オマケがいっぱいついて金額がバカ高かったり。ホームシアターを本格的にやっている人の為に、不要な映像特典や日本語音声を省略し、高画質・高音質と品質重視のSUPERBIT まで。まぁ、自分は、オマケにはあまり興味がなく…思いっきり“音”を楽しみたいので、唯一DTS 音声が収録されている、のSUPERBIT を購入したのですが…。

さすがSUPERBIT 、さすがDTSといった感じか…、SUPERBIT 収録のドルビーデジタル5.1chと比べても、一歩抜きに出たという印象を受けたのですが、拘りのAVマニアの方、いかがだったでしょうか?もちろん、派手なアクションシーンの迫力もさることながら、生活臭漂う、生々しい音に臨場感を感じます。冒頭、ピーターがピザ配達の遅れを取り戻すために、スパイダーマンに変身して、注文先のオフィスへ向かうが、案の定、約束時間の間に合わず、配達のピザが無料サービスになってしまうというマヌケなシーン…届き先の受付嬢が“クチャクチャ”とガムを噛んでいるのですが、DTS 音声だとその“クチャクチャ”が、より一層、嫌らしく、ねちっこく、耳障りに、聴こえてきます。

こんな細かい音一つでも、映画の場面の無常感というか、やるせなさが余計に際立っていました。また、ピーターの住むボロアパートで、部屋の中を電車が走ってるのではないかと錯覚してしまうくらいうるさい、“外を走る電車の騒音”なんて、微妙なニュアンスもよく伝わってきます。画質の方は、プロジェクターなどの大画面で見ているわけではなく、一般レベルのTVにD端子でプログレ再生している程度のものなので、専門的な解説はできませんが…わりとこざっぱりとした、落ち着いた印象を受けました。

色合いはけっこう自然な感じに仕上がっている。「スパイダーマン2」の通常版は見ていないので、なんとも言えませんが、当方が所持している1作目の通常版と比べると…画質の違いは一目瞭然、暗闇の中を失踪するスパイダーマンのシルエットも、スーツの色までハッキリと確認でき、スパイダーマンが豆粒のような大きさから、だんだんと大きくなり画面に迫ってくるようなシーンでも、かなり小さい段階から姿かたちが鮮明に確認できる。

ある程度、音と映像を楽しみたい方なら…1000円も違わないので、最初からSUPERBIT を買った方がいいでしょう。珍しく、通常版と同時発売してくれましたし…通常版を買ってから、後日SUPERBIT を出されると、非常に腹が立ちますよね(笑)

あまり、DVDの質などに興味のない方にはつまらない文章になってしまったかもしれませんね…。映画の内容の方は、既に色々な方が語り尽くしてると思うので、あえて控えめにしようと、最初から思いました。前作よりも更に、ダサくて、かっこ悪いスパイダーマンシリアスなのか、お馬鹿なのか…マジメに大馬鹿をやってるのか?あの究極のかっこ悪さが…他のヒーローものでは味わえない、サム・ライミ版スパイダーマン独特のかっこよさであり、魅力なのだと思います。前作に比べてハッピーエンドすぎるエンディングが鼻につきますが、それも良しとしましょう。今回もなんか未消化な部分があるので、きっと続編はあるだろう…信じて。


監督:サム・ライミ
出演:トビー・マグワイア キルスティン・ダンスト アルフレッド・モリーナ ジェームズ・フランコ


【DVDの購入】
DVD スパイダーマン 2 [SUPERBIT(TM)]



劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲(2003年)


先日も書いたのですが、無性にアニメ映画を見たくなる冬休み(12月)…率先してアニメ映画を紹介してみようと思っています。今回は2003年に劇場公開された「ラーゼフォン 多元変奏曲 」…DVD発売からも1年近く経過しちゃったな~なんて思いながら、先日、久しぶりに見直してみた。

まず、自分とラーゼフォンの出会いは、かなり遅かった。メカデザイナーで有名な出渕裕氏(機動警察パトレイバー 機動戦士ガンダム逆襲のシャア 0080 ポケットの中の戦争)が初監督するらしいという情報はアニメ誌でチェックしていたので、作品の存在は知っていたのですが、深夜アニメだったので第1話の放送を見逃してしまったら見る気がなくなってしまって、それっきりになっていたのです。だから、劇場版になるまで、まったく「ラーゼフォン」の存在なんて忘れ去っていたのです。

しかし、運が良かったのか悪かったのか…劇場公開に合わせて、アニメのネット配信を行っているバンダイチャンネルでTV版ラーゼフォンの第1話無料配信 (今現在も無料で見れますので、知らない人はぜひ!ハマっても責任はとれません)を見てしまったのがいけなかった…。劇場並のハイクオリティな映像で繰り広げられる迫力の戦闘シーン…1話を見せられただけで「ラーゼフォン」の虜になってしまったのは言うまでもなく、慌ててレンタルビデオ屋に走って、一気に全話見まくって…その勢いで、公開したばかりの劇場版を観に行ったのでした。

ぶっちゃけちゃいますが…正直、“エヴァンゲリオンのパクリじゃん!”みたいな雰囲気はあります(パクリは失礼なので影響を受けているとしておきましょう)。突然巨大なロボットに乗るハメになった少年…実は決まっていた運命だった~みたいなパターンの展開であったり、謎を小出しにするくせに、ラストは多くは語らず???だったり(笑)活発な年上女性とちょっと可愛い同世代の女の子(との同居)…寡黙な司令官etcキャラクターの設定なんかも何かと類似点が多い。

でも、出渕裕と、庵野秀明の違いは如実に出ているのは確かです。それは、出渕裕の方がロマンチストだということです!作品やキャラクターに反映されている恋愛論にしろ、理想の女性像にしろとにかく、見ているこちらが赤面するほど、大昔の純情少年そのものといった感じなんです。エヴァンゲリオンの場合、現実的であり、かなり屈折していましたよね…リアルというか、生々しすぎるというか…それが魅力的でもあったのですが、ラーゼフォンにはそういった生々しさは感じられなかった。そして更に、作り手の求めている女性への憧れが強く出ているのが…劇場版なのではないかと、自分は受け取っている。

この劇場版、基本的にはTVシリーズの継ぎはぎという(一昔前の)アニメ映画のお約束なのですが、新作カットの挿入や編集により印象はかなり変わっています。特に、TVシリーズでは一つの核になっていた、大きな謎を冒頭でさらけ出してしまっている点。このことにより、作り手が拘ったラブストーリーという意図が受け止めやすくなっているし、キャラクターの心情も明確に伝わってくる。

キーワードを小出しにして視聴者を“ツインピークス”状態に陥れるTVシリーズならではの演出も魅力的だが…2時間の映画になった時は、やはり理解のしやすさを優先させた方が作品として成立するのでしょう。ということで、TVシリーズよりも納得しやすいと感じました(映画版の監督を担当した京田知己監督曰く…全部解明していないのに、納得した気分にさせちゃう、だそうです)。ただ、あくまでTVシリーズを全部見てから、映画版を見た人間の意見ですので、1本の映画として独立して見た時は、どうなんでしょうかね?

やはりTVシリーズを全て見たうえで劇場版を見るという順番をお薦めしたいです。これに、プレステ2で発売されたゲーム「ラーゼフォン 蒼穹幻想曲 」などをプレイすると、それぞれTV・映画・ゲームと微妙に異なった世界観が展開されるにも関わらず、それぞれの謎の部分を補完しあって…自分なりの解釈がしやすくなると思います。 


総監督:出渕裕 監督:京田知己
出演: 下野紘 久川綾 坂本真綾 桑島法子 川澄綾子 中田譲治


【DVDの購入】
DVD ラーゼフォン 多元変奏曲 初回限定版
DVD 劇場版 ラーゼフォン 多元変奏曲



天国の本屋~恋火(2004年)


2004年11月25日発売、レンタル開始の新作DVD「天国の本屋~恋火 」を鑑賞した。レンタルDVDで、山積みされている返却されてきたばかりの“ここのソフトも借りれますコーナー”から、見つけてきたソフトなので、ジャケットも見ずに、新作タイトルってだけで借りてきてしまい、全然予備知識なしでの鑑賞だったので…ファンタジーだとは知らずにビックリした。天国って、本当に天国の話だったのね…。天国での出来事と、現実世界(地上)での出来事を交互に描き、同時進行させて進めていく…不思議なラブストーリー。もともとは別々の原作だったものを、映画用に一つにまとめたということだが…。

竹内結子が主人公だったことは何かで読んで思えていたのだが、最初の方は、全然出てこないのでちょっと焦った。玉山鉄二扮するピアニストが、現実世界で楽団をクビになり、自棄酒飲んだ後に目を覚ましたら天国にいたなんて、ところからストーリーがはじまるのだ。原田芳雄が演じてるヤマキさんという怪しいオッサンに、知らないうちに連れてこられたらしいのだが…。

「ここは天国だよ」なんて、劇中のキャラクターが会話していても…映画の中のピアニスト同様に、こっちも信じていなかった…(内容しらなかったんだからマジです)。作品が進み、玉山鉄二が天国だと認識しはじめてから、本当にそうなんだ~と、鑑賞者の自分も納得し始める。やっぱ映画って予備知識なしで見始めると新鮮ですね(笑)

竹内結子は、天国と現世で一人二役を演じていた。現実世界では元気溌剌オロナミンC…じゃなくて、活発で現代的な女の子を演じている(しかもかなり図々しい女だったな)。若い頃に亡くなったその女の子の伯母さんというのが天国での役どころ。伯母さんを演じてる時(外観は死んだ時の年齢だが、中身は天国でも年齢を重ねているという設定)は、本当に大人っぽくみえ、一瞬、同一人物が演じてるのか自信がもてなかったほど…この人、竹内結子に似ているな~なんて思っちゃったり(笑)

それだけ、演技が上手だったってことですかね。微妙な仕種とか、妙にオバチャンくさくて…けっこう笑えた。ただ、竹内結子って…映画に出ると、生きてるんだか死んでるんだかわからん微妙なキャラの役、似たような役がやたらと多くないですか?竹内結子はもちろん、香里奈や新井浩文などの若手もそこそこ演技が上手だし、原田芳雄や香川照之などベテラン陣の素晴らしさは相変わらず。アレっと思える、意外な人までちょこっと出ててビックリというか、懐かしい…。

二つの話がシンクロしていく過程は非常にミステリアスで感動的で、面白いのだが…クライマックスが、なんかとってつけたような印象に感じたのは自分だけか?もったいぶったわりに、さっぱりとしたラストのようで、ちょっと物足りなかった…。


監督:篠原哲雄
出演:竹内結子 玉山鉄二 香里奈 新井浩文 大倉孝二 斉藤陽一郎 かとうかずこ 香川照之 原田芳雄


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DVD 天国の本屋 ~恋火



ドミノ(2002年)


この土日限定でTSUTAYAが旧作ビデオ・DVD半額キャンペーンをやっていたので、覗きに行って来た。相変わらず人気のある作品は準新作扱いで安くしていないところがセコイ…。こういう時は、マニアックな作品を借りるに限る…。

そんな借りてきたDVDの一本が香港映画で劇場未公開の「ドミノ 」。ちょっと前に見た「スー・チーin ヴィジブル・シークレット 」とかぶってしまうが…スー・チーが出ているホラー映画だ。オチが簡単に見破れてしまうのは難点だが、88分という短い時間の中で、三本のエピソードが交差しながら一つの物語を形成していくという点が、なかなかテンポがよくまとめられていて、飽きずに見れる。

毎年7月に、 9人が変死を遂げるという噂の広まるオフィスビルで…実際に連続して自殺事件が発生する。度々ビル内で目撃される全身真っ白の女の正体は…。前半はカレン・モク扮するOLが、相次ぐ同僚の自殺に遭遇。その原因が、女子トイレにあることを主張するが、誰も信用しない…そんな時に、上司から夜勤を命じられてしまう。斧を持ったカレン・モクが「シャイニング 」ばりにトイレの扉をぶっ壊すシーンなど、なかなかの迫力。

後半はゲームクリエーターのスティーブ・フォンと同じゲーム会社に勤めるスー・チーの恋愛を絡めたホラーになっている。「私には霊が見える」(スー・チーちゃんこの前もそんなこと言ってたな…)そんな彼女を、霊媒師の力を借りて助け出そうと奔走するが…。この二つのエピソードをまたぐように、ジョーダン・チャン扮する、二代目ダメ社長が遭遇する、恐ろしい出来事を…かなりコミカルに描かれていて笑いをさそう。

また、一番ビジュアルにも力を注いでるみたいで…派手な特殊メイク(でも安っぽいけど)もいっぱい出てくる。目玉がポロリと取れて、コーヒーの中に入ったり、吐瀉物が蛆虫になったり、なかなか悪趣味でB級ホラーファンが喜びそうなシーンもある。そういえば、唯一ベッドシーンもこのエピソードにはありました(露出はないけど)。

画質や音質がイマイチだが(本国では5.1chでちゃんと制作されてるのだが、日本版DVDは2chステレオだし)…雰囲気は出ていて、レンタルDVDなどで見るならけっこう楽しめる作品。カレン・モクっていつもは綺麗に見えないのだが、今回は髪型が似合っていたのか、けっこう可愛らしかった。

ジャケットは未公開作品らしい、ハッタリで…首吊りシーンはあるけど、実際にスー・チーとカレン・モクが首を吊るわけじゃない。


監督:マルコ・マク ボウイ・ラウ
出演:スー・チー カレン・モク ジョーダン・チャン スティーヴン・フォン

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DVD ドミノ



クライング・フリーマン(1996年)


日本のコミックを韓国人が映画化した「オールドボーイ 」が大ヒットしていますが(この間、虎ノ門 で珍しく井筒和幸が★三つでベタ褒め してた)…フランス人が日本の名作コミックを映画化した…あの「クライング・フリーマン 」が遂にDVD化され、12月10日に発売される。自分も、もちろん予約済み(なんだけど、ショップの店員さんがメーカーに発注し忘れてて…入荷が遅れそうな気配)で、非常に楽しみにしている。

監督、主演は「ジェヴォーダンの獣 」のクリストフ・ガンズ監督とマーク・ダカスコス。脇にチェッキー・カリョ、マコ(岩松)などハリウッド作品にも顔を覗かすベテランをはじめ、日本からは加藤雅也、島田陽子とインターナショナルな顔ぶれが勢ぞろいしている…アクション大作(?)制作は日本とフランスの合作になっています。

自分がはじめて見たのは、WOWOWで放送されたものだった。ビデオに録画したのだが、テープがのびまくって、ノイズ入りまくるまで繰り返し見た映画の一つ。真っ暗の画面に鱗のようなものが映っている…刀が画面に現れ、続いて英語でCRYING FREEMANの文字が…。超ドアップの人肌をスクロールしていくと、龍(ドラゴン)の刺青が映り、その刺青が次第に生き物のように蠢きだす。刺青から飛び出したCGのドラゴンが画面に迫り来る…こんなオープニングクレジットだったような気がする…(違ったらゴメンナサイ)

殺しの現場を目撃された、チャイニーズマフィアの殺し屋“フリーマン”…組織には目撃者の暗殺を命ぜられるが、彼女と結ばれてしまう。組織を裏切り女を選んでしまったフリーマン…マフィア組織は敵対するヤクザのボスの殺害をフリーマンに命じるが、同時に、同行する仲間にフリーマンの命を奪うように命令を下していた…。

フリーマンの宿敵の一人となる日本人ヤクザを、加藤雅也アニキが熱演してます。島田陽子とブチューっと激しい口づけ交わしちゃって、“この熟女殺し!”。男でもアニキの魅力にシビレまくりっす!もちろん、主役のマーク・ダカスコスも負けちゃいません。ベッドシーンでは背中の龍の刺青が、なんともエロティックに動き…(ふんどしみたいな)パンツ一丁で、敵を倒すところなんてマジでセクシーですよ。

ヤクザの葬式に殴りこみをかけるシーンなんて、「男たちの挽歌」でも見ているような気分にさせるカッコよさ。スナイパーをバックアップに従えた、組長襲撃シーンも良かったな~。ハリウッド映画なんかにくらべると、全体的にショボさはあるが…B級以上、メジャー大作未満なところが、この映画の魅力なんじゃないでしょうか。「ジェボーダンの獣」を見て、マーク・ダカスコスがかっこいいと思った人は、ぜひ見ましょう!


監督:クリストフ・ガンズ
出演:マーク・ダカスコス ジュリー・コンドラ 加藤雅也 島田陽子


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DVD クライング・フリーマン