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くりいむレモン(2004年)


2004年11月19日レンタル開始、11月26日セル版DVD発売の新作、「くりいむレモン 」を鑑賞した。あの伝説のアダルトアニメを、実写映画化した話題作。亜美の初恋はお兄ちゃんでした…血の繋がっていない兄と妹の恋愛話を、ベッドシーン満載(露出は少なめ)で描いています。正直、元になっているエロアニメが流行っていたのは、自分がまだ小学生の頃で、よくアニメ雑誌などにも紹介されていたが、実際に見ていないです。まぁ、どういうものかは小さいながらも理解していましたが(笑)

前半の、お兄ちゃんと女子高生の妹が関係を持つまでの、“これでもかー”のわざとらしい演技と展開には大笑いさせられます。お兄ちゃん、マジで怪しいぞーって、こっちで思わずツッコミを入れたくなる。お兄ちゃんの行動を見ているだけで、妙にこっ恥ずかしい気分にもなります。関係を持ってからの怒涛の展開も大笑いさせられます。そんなアホなって…。Hなシーンは出てくるのだが、Hな気分になる前に、大笑いしてしまう。全然、勝手に想像していた禁断の愛という雰囲気が感じられない…。あっ、でも親に見つかるシーンは、ちょっとドキドキしました(爆)

元ネタのアニメって、凄くいっぱいシリーズ化されていた記憶があるのですが、これも続編を意識しているのか、終わり方はあっけなくやや中途半端だった。「飼育の部屋 」シリーズでお馴染み、小沢和義さんが、女子高生・亜美ちゃんの担任の先生役でちょこっと出てきます。亜美ちゃんの進路相談の面接なのに、何故か親の代わりにお兄ちゃんが面接に同伴するというシーン。ここが、変な雰囲気で、けっこう面白い。映画の中でこのシーンは、一番好きかもしれない。


監督:山下敦弘
出演:村石千春 水橋研二 根岸季衣 大鷹明良 勝俣幸子 三浦哲郁 山本剛史 山本浩司 小沢和義


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あさってDANCE(1991年)


「あさってDANCE」…もともとは大映さんのVシネみたいなオリジナルビデオソフトとして制作されたのだが…作品の出来がよく、後に劇場公開もされた作品。山本直樹の同名コミックが原作で、何度かアニメ化もされている。監督は「がんばっていきまっしょい 」や「解夏 」の磯村一路。

ひいじいちゃんが残した遺産4億5000万円が急に懐に飛び込んできた、劇団に出入りしている貧乏大学生の主人公…、朝、目を覚ますと、知らない女が一緒に寝ていた。やたらと馴れ馴れしくする、ミステリアスで自由奔放なこの女性に、いつしか惹かれていくのだが…というラブコメディ。

謎の女を…中嶋朋子がチャーミングに演じているのが、一番の見所。観客として見ているこちらも、最初はうっとおしく感じるこの女性が、段々と愛らしく見えてくるから、不思議です。実はこの作品で、中嶋朋子は日本映画プロフェッショナル大賞の主演女優賞なるものまで受賞している。

更に、大学生が憧れる劇団の演出家を石野真子が大人の魅力でサポート!まだ幼さい面影が残る裕木奈江が、わけあって大学生に横恋慕する女性を演じている。ベンガル、柄本明、大杉漣、菅田俊というベテラン陣は、かなりつくりこまれた、いかにもコミック的なキャラクターを上手に演じていて笑わせます。

山本直樹というと、エロ漫画で有名なので…もっとどろどろした、Hな内容かと思ったら、意外と爽やかにまとめられている。これは監督の磯村一路の手腕かもしれない。原作は未読。これまたDVDになっていません(^^ゞ最近のレンタルビデオ屋にも置いてあるかどうかも微妙…大きなショップにいけば、たぶん見つけられると思います。


監督:磯村一路 原作:山本直樹
出演:中嶋朋子 石橋保 裕木奈江 ベンガル 石野真子 中島陽典 柄本明 大杉漣 菅田俊


【中古VHSがマケプレで購入可】
VHS あさってDANCE
勝手に映画紹介!?-あさってDANCE [VHS]



タイム・リープ(1997年)


たまたま、近所のBOOKOFFの中古LDコーナーを物色していたら350円で発見したLDソフト。当時は定価で6000円もしていたソフトだ。「タイム・リープ 」…既にバンダイビジュアルからDVD化されているが、この値段ならLDでも充分だろう。LD自体は1枚なのに…ジャケットはダブルジャケットを採用しているのが、ちょっと拘りを感じるし…メーカーの公式サイトを見る限りDVDでは収録されていないと思われる、映像特典が付いている。

なんか持っていない映像ソフトを、レンタルビデオ並の安さで見つけると、つい購入してしまうのだが…今回は買ってまで見てみる気になったのは、この映画を撮った監督に興味を持ったからだ…そう、この映画の監督は、あの今関あきよしなのだ!今年の春頃だったと思うが、児童買春で逮捕された ロリコン映画監督その人である。オマケに師匠でもある、大林宣彦(この人も一歩間違えれば、似たような趣味ですよね…ファンの皆さんゴメンナサイ)が監修として、この作品に参加している。


“自分が書いた見覚えのない日記 それは明日からの手紙だった”


内容はタイムスリップもので…「時をかける少女」よりも更に複雑に、時間を行ったり来たりする少女のお話だ。同級生の男の子の力を借りて、このリープ現象から抜け出そうと必死になるのだが…女子高生レイプ殺人が起きたり、主人公の女の子が命を狙われたり、色々なトラブルが起こる。とにかく、劇中の主人公同様、必死に物語を追いかけていかないと、時間軸が何がなんだかわからなくなっていく。それが、演出的な狙いで、作品に緊迫感を出そうという魂胆なんだろうけど…。

主演は佐藤藍子。彼女の映画初主演作品だそうで…アフレコのセリフも妙にたどたどしい。田口トモロヲさんや、映画監督の藤田敏八監督(この映画の公開後に亡くなった)が学校の先生役などで登場する。当時は、あ~、可愛いアイドル映画だなぁくらいにしか思わなかったんだろうけど…監督があんなことしでかしてから見直すと、児童売春に走ってしまうのも納得できるかなぁって思えてきます。なんてったって、女子高生レイプ殺人ですからね。クライマックスで真相が分かった時の犯人の行動など…かなり監督の願望が入ってるのではないかと疑ってしまって、ちょっと怖い。

この映画だけ見ても、本当に佐藤藍子以外にはあまり執着していないのもわかる(おまけに、けっこう長めのシャワーシーンもありましたし)。LDジャケット内に書いてある監督自身のコメントで…“難しい物語や人間関係、テーマなんかちっとも映画で表現したいなんて思わない。ただ、まず輝く少女の表情が欲しい…(中略)…これは37歳(当時)の男性としては、ちとアブナイ、が好きだし、美しい風景の様に、あの夕焼けのノスタルジー気分のように少女達が好きだ”なんて発言してるし…自分のことを“少女表情コレクター”などとも表現している。

まぁ、こういう監督さんだったからこそ…佐藤藍子のベストの映像をフィルムに残すことができたんでしょうね。監督のことは忘れて…普通に見てるぶんには、映画としてはそんなに悪くないし…本当に“少女たち”が可愛く撮れてます。主題歌を、エヴァンゲリオンのシンジくんでお馴染み緒方恵美が唄っている。なんでかな~って思ったら、この作品のラジオドラマ版に、声優として参加していたらしい。その関係で…LDの映像特典で、今関あきよしと、緒方恵美の対談が収録されている。


監督:今関あきよし 監修:大林宣彦
出演:佐藤藍子 川岡大次郎 坂井真紀 藤田敏八 田口トモロヲ 余貴美子 つぐみ 水橋研二


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DVD タイム・リープ TIME LEAP




スー・チー in ヴィジブル・シークレット(2002年)


2004年11月19日レンタル開始、11月26日発売の新作DVD「スー・チー in ヴィジブル・シークレット 」を鑑賞。これは劇場未公開の香港映画。“「ミスター・パーフェクト 」「トラブル・セブン 」に続く、スー・チーinシリーズ第3弾”(?)…なんて発売メーカーのフルメディアが、勝手に“スー・チー in”ってタイトルを頭につけて、シリーズもののように見せかけている、一連のスー・チー主演未公開映画の一本。原題は“幽霊人間”といい、今度はホラー映画だ。

子供時代に、首なし死体を目撃した女の子が、それ以来、お化けを見れるようになってしまったという…コミックの「低俗霊DAYDREAM 」のようなお話だ。大人になった女の子は…一人の青年と出会うが、今度はその青年の周りで、お化けに憑かれた人が現れたり、色々な怪奇現象が起きはじめる。どうやら怪奇現象の原因は…首なし死体にあるようだが…。

冒頭…首なし死体の男を演じているのは、アンソニー・ウォン(インファナル・アフェアにも出てる)。彼が首ちょんぱになって、生首がゴロリ。血がドバーーーーーっと噴出し、首なし死体がむっくり起き上がるなんてビジュアルは、けっこう派手で、期待をそそられるのだが…グログロ描写は、それだけだった。地下鉄に乗ると、白塗りのお化けが出てたりするのだが、それよりもやけに、メイクの濃い…“クロウ”状態(笑)のスー・チーちゃんの方がちょっと不気味だったりする…。お化けにとり憑かれた女性が…自分の身体を取り返そうと必死に抵抗する一人芝居なんて…コメディみたいで、ちょっと笑ってしまう。

自分が今まで見てきた、香港のホラー・オカルト映画って、イマイチ怖いものがないように感じる。今回もホラー映画として捉えると全然物足りない。雰囲気としては、ジャパニーズホラーに近いようにも思えるが…どちらかというとスー・チーと青年役のイーソン・チャンとの恋愛話がメインという印象。ラストは、想像通り、お約束なオチで締めくくり。お色気シーンもあまりないし…スー・チーが好きな人はどうぞって感じか。音声仕様は、一応ドルビーデジタル5.1ch音声で収録されている。また、本DVDはオリジナルノーカットバージョンというもので…香港で劇場公開された時にカットされた部分が収録されているそうだ。


監督:アン・ホイ
出演:スー・チー イーソン・チャン サム・リー ジョー・コック アンソニー・ウォン ジェームズ・ウォン


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DVD スー・チー in ヴィジブル・シークレット




隠し剣 鬼の爪(2004年)

【鑑賞日:2004年11月3日】

ブックカバー付きで1000円という安さだったので、購入しておいた「隠し剣 鬼の爪」前売り券を利用して鑑賞して来た。

原作者と監督が一緒だからし方がないのだろうか?やっていることは「たそがれ清兵衛」とあまり変わらず。脇を固めるキャストには、相変わらず山田洋次作品の常連(倍賞千恵子 吉岡秀隆など)が勢ぞろい。しかし…さすがはベテラン監督というか、時代劇が苦手な若い人にも楽しめるように、喜劇・恋愛・チャンバラを見事なバランスで盛り込んで、エンターティメントに仕上げている(でも劇場は夫婦50割引で見にきてるおっちゃん、おばちゃんばかりだったが)。

タイトルにもなっている“隠し剣 鬼の爪”って何なんだ?と思っていたが、これが永瀬正敏演じる侍が、師匠から伝授された必殺技の名前なんですね。で、コレの正体がわかるところは、なかなか緊迫感があっていい感じ。けっこうかっこいいんだなぁ…“必殺仕事人”みたいで。中村主水と、簪の秀を足して2で割ったようなキャラだな、コイツ(笑)

「たそがれ清兵衛」に負けている点といえば、ヒロインの存在感と演技。松たか子は、宮沢りえほどオーラがなかった。特に、病人という設定なのに…あのぽっちゃりした顔つきでは、全然病人に見えないんですよ。やっぱり裕福な環境で、ノホホ~ンと育ったお嬢様…ってイメージが強い。メイクや撮影技術で誤魔化していたようだけど限界を感じる。かえって、永瀬正敏の妹役をやっていた田畑智子(この人もノホホ~ンとしたお嬢様っぽいけど、まだマシだろ)と役を交換した方が、良かったんじゃないかなって思う次第。


監督:山田洋次 原作:藤沢周平
出演:永瀬正敏 松たか子 吉岡秀隆 小澤征悦 田畑智子 高島礼子 倍賞千恵子 田中泯 緒形拳


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DVD 隠し剣 鬼の爪 通常版
勝手に映画紹介!?-隠し剣 鬼の爪



笑の大学(2004年)


【鑑賞日:2004年11月1日】

書くのが遅くなったが、今月の映画の日に鑑賞した作品…「笑の大学」。三谷喜幸の同名舞台を、映画化したもの。ストーリー自体は、既に舞台で実証済…傑作と言われるだけあって、脚本の完成度は高いです。ただし…クライマックスや、映画用に加えられた屋外のシーンはとってつけたようなわざとらしさが逆に目立つ。

三谷幸喜の脚本でなかったら、ぜったいすべっていそうな、スレスレのギャグも山ほど出てくる。本当にくだらないのだが…役所広司のセリフまわしなどにも助けられて、思わず鼻で、「フン」と笑ってしまう。決して大爆笑じゃない…くだらなさだ。

三谷脚本なので、自然と過剰な演技になっていくのはわかるし、そういう演出を心がけているのだろう。さすがに役所広司は、オーバーアクションも自然にこなし、嫌味は全く感じないのだが、対する稲垣吾郎は完全に力不足。メインキャストが二人だけなので、余計に稲垣のわざとらしい演技が鼻につく。

全くの素人考えだが…あの脚本家の役は三谷作品常連の唐沢寿明にでも、演じてもらった方が…充分に役所広司に渡り合えたはず。


監督:星護 脚本:三谷喜幸
出演:役所広司 稲垣吾郎


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DVD 笑の大学 スペシャル・エディション
勝手に映画紹介!?-笑の大学 スペシャル・エディション



 

恋人はスナイパー 劇場版(2004年)


2004年10月22日発売・レンタル開始の新作DVDソフト…「恋人はスナイパー 劇場版 」を鑑賞。TVの人気単発ドラマの劇場版らしいのだが…実はドラマ版は一切見ていない。それでも観てみる気になったのは、西村京太郎の「華麗なる誘拐 」という、かなり大昔の推理小説が原作になっている点。中学校で西村京太郎のトラベルミステリー(いわゆる十津川警部シリーズ)は卒業したのだが…ワンパターンなトラベルミステリーに頼らない、初期の西村京太郎作品は、なかなか面白い作品が揃っていたので、かなり気になった。

確か原作では毒殺事件か何かだったと思う殺人を…スナイパー(殺し屋)による狙撃事件にアレンジし…スケールの大きい犯罪に発展していく様は、ハリウッド製アクション映画みたいで、なかなか上手い。冒頭、六本木ヒルズで、狙撃犯人を走って追跡する水野美紀が、軽やかにジャンプしてダンボールを飛び越えてみたり、犯人が投げたナイフ(もちろんCG)をまわし蹴りでかわしてみたり、さりげなくだが、水野美紀のアクションセンスの良さを見せてくれるのはファンとして、なかなか嬉しいものだ。さすが元スタントマン…今までにも「千里眼」や「現実の続き 夢の終わり」で、華麗なアクションを披露している。日本の女優さんで、拳銃を構えたり、殺陣が綺麗に決まる女優さんは、そうざらにいないので…戦う綺麗なおねーさん好きには、外せない女優さんだ。

しかし…すっかり忘れていたのだが、これはウッチャンナンチャンの内村光良が主人公の映画だということ。いきなり、ウッチャンが画面に登場した途端、今までの雰囲気をぶち壊して、コメディになってしまうのだ。この人が、ジャッキー・チェンや香港映画に心酔しているのは有名な話で…昔、フジテレビのかくし芸大会でジャッキーのパロディアクションを披露していた程だ。動きの一つ一つを見ていると、その時のウッチャンを思い出してしまい…演技がオーバーで、やはり他の役者さんの中では浮いた存在になってしまう。

一番問題なのは…肝心なスナイパーシーンに緊迫感がないこと。クライマックスなんて、水野美紀のアクションと同時進行でウッチャンと犯人たちとの銃撃戦が描かれるのだが、必然性がないシーンがいっぱいで、もうメチャクチャだった。まぁ、君塚良一脚本ではこれが限界なのかもしれない。

TV版を全然見ていないので…キャラクター同士の関係が把握できない。ドラマ版からのファンにとっては、水野美紀と田辺誠一が結婚するとか、しないとか…昔の男がどうたらこうたら喋っているセリフなんかが面白いのだろうが…そういう話には一切ノレない。やたらと納豆に拘る殺し屋ウッチャンも意味不明だし、突然現れる竹中直人とかも、自分には一切理解できない。

非常に惜しい映画だ。水野美紀のファンなので、部分部分では、けっこう好きなシーンもある。無理にスケールをでかくしないで、アクションがちゃんとできる水野美紀をメインに据えた作品にすればもっと面白い作品になっただろうに。悪役の中村獅童も嫌いではないが、その仲間の一人だった、大沢樹生あたりに、もっと凄い犯人役をやってもらいたい。出番は少なかったが、水野VS大沢などは…意外としっかりアクション映画していて、一番かっこよく撮れていたシーンだと思う。


監督:六車俊治 脚本:君塚良一 原作:西村京太郎「華麗なる誘拐」
出演:内村光良 水野美紀 田辺誠一 竹中直人 いかりや長介 中村獅童 阿部寛


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ハウルの動く城(2004年)

【鑑賞日:2004年11月20日】

宮崎駿監督、スタジオジブリの最新作「ハウルの動く城」が11月20日から公開になった。ミーハーな自分も、話題にのろうと早速、映画館へ。初日の23時半から始まる、レイトショーへ出かけていったのだが…真夜中に映画館でアニメを見る大人で、かなりの混雑になっていたのは言うまでもないでしょう。

自分が通ってるシネコンのレイトショーは通常21~22時頃スタートで、23~24時頃には終わるようになっている。初日ということもあって、その後にもう1回上映が追加されていたのだ。シネコン内に劇場が8つもあるのに…そのうち3つの劇場で、ハウルを時間差上映している。にも関わらず…毎回、満員に近い観客が入っていたそうだ。自分が行った23時半の上映は、満員にはなっていなかったが…300席以上ある客席の半分は埋まっていた。時間が遅いので、幸いにも子供づれのお客さんが入れないので…思ったより静かだったが、多少、いつものレイトショー客よりもマナーが悪いのは仕方がないか。


【ネタバレって程でもないですが、若干内容に触れる酷評してますので、読みたくない人は読まないでください】


さて、映画のほうだが…正直、あまり面白くない。あくまで個人的な感想なので許して欲しいけど、ジブリの信者は、既に大絶賛して、ネットの掲示板などで素晴らしいという感想を書きまくってるのをよく目にする。自分は、あんなに大絶賛できなかった。大人になってしまって、夢がなくなってしまったのかと思うが…前作の「千と千尋の神隠し」は、それなりに楽しめたくちだ。

一言で言うと、風呂敷を広げすぎたくせに、綺麗に折り畳めなかったからなんだけど…それは意地悪な宮崎駿の狙った演出なのかもしれない。ただ、純粋に物語を楽しみたい観客にとっては、かなり不親切な作品になってしまった。唐突に始まって、唐突に終る。バックボーンが上手く描けていないので、キャラクターや物語の世界観になかなか入り込めない。少女が90歳のお婆さんになってしまうという必然性…あの魔法は“何なんだ”“どうなったんだ”という解明も、映像表現だけで見せてしまい明確には語られていない。きっとこういうことなんだろうなってイメージはできるのだが、もし小さい子供に説明を求められたら、自分は正しく答えられないと思う。知らないうちに“愛”から“戦争”や“平和”という、いかにもなテーマにすりかわっていくのだが…結局それも消化できないまま、劇中の登場人物に「ハッピーエンド」なんて言わせて、強引に物語が終ってしまう。

1時間59分という上映時間なのだが…無理に編集で尺を縮めたような、そんな不自然ささえ、ストーリー全体から感じられる。これは、しっかり原作を読んで予習をしていかなければいけないのだろうか?観客に不親切な映画・アニメ(押井守とか)は嫌いじゃないが、宮崎アニメ、ジブリでそれをやっちゃいけないんじゃないかと。宮崎駿監督が、他人の原作を映画化すると、たいてい結末があっけなく、中途半端に感じるケースがある。自分は「魔女の宅急便」の時も同じように感じたのだが…。

いつも問題になることだが、メインキャストにプロの声優を起用しないのが特色のジブリ作品。案の定、キムタクもマスコミで騒がれてる程、ピッタリとは思わなかったし…それ以上に倍賞千恵子に無理がある。大昔に、劇場版の「機動戦士ガンダム」でアムロの母親役を演じたこともあったが…あの時も酷かった(後に、リニューアル版では池田昌子にバトンタッチしてたし)。どんなに頑張っても…さくらさんのイメージがまとわりついてしまう。そこへいくと…短い登場シーンながら、大塚明夫の存在感と迫力が凄かった!?さすがプロの声優さんだ。


監督:宮崎駿 
出演:倍賞千恵子 木村拓哉 美輪明宏 我修院達也 神木隆之介 伊崎充則 大泉洋 大塚明夫


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DVD ハウルの動く城
勝手に映画紹介!?-ハウルの動く城

 

映画秘宝別冊 ヴァン・ヘルシング インサイダー


2004年12月22日DVD発売…9月に劇場公開した「ヴァンヘルシング 」が、約3ヶ月でのスピードリリース決定、1週間くらい前に情報が解禁になった。ユニバーサル映画配給作品は、「サンダーバード 」も同じく3ヶ月でスピードリリースされた。今後は、ますますDVD発売のスピードリリースが定着しそうで、映画ファンとして、嬉しいような、悲しいような微妙な心境ではある。これでは、ますます劇場へ足を運ぶお客さんが減ってしまうだろう。

かといって、違法コピー が横行しているので(特にヤ●オクで、罪の意識もなく売りさばいてる主婦やお子様がちょっと嫌だし、それを買うほうももっと嫌)、DVDの売上に飛躍的に伸びるとも考えられない…。これも調子にのったメーカーサイドが、どんどんソフトを発売するのが、原因の一つだと思うのだが…。

話は戻って「ヴァンヘルシング 」について。ソフトは、初回限定2枚組の“ヴァン・ヘルシング コレクターズ・エディション” 、通常版1枚組の“ヴァン・ヘルシング ”がリリースされる。ということで、劇場公開時に洋泉社から発売された「ヴァン・ヘルシング インサイダー 」をご紹介しておきます。洋泉社 といえば、悪名高い映画雑誌・映画秘宝 …この本も別冊映画秘宝というくくりで発売になっています。ライター陣もギンティ小林氏など、映画秘宝常連の方が多いので、マニアックな1冊に仕上がっています。ある意味、劇場パンフレットよりためになる本だと思います。

主要キャストや監督のインタビューはもちろん、ツッコミ&ネタバレ全開の“あまり役立たない”トリヴィア集…作品に影響を与えた古典ホラー(ユニバーサルのモンスター映画)の紹介や元ネタ映画事典。さらには、漫画家・すぎむらしんいち氏が勝手に妄想したパート2企画や…“本当に本当のパート2(TVシリーズとして続編決定)独占情報”など、けっこう濃厚な内容。映画館で見逃し、パンフを買い忘れた方、DVD買う予定の方は、ぜひこの本で予習・復讐をしておくといいのではないでしょうか?



洋泉社MOOK 別冊映画秘宝 ヴァン・ヘルシング インサイダー
洋泉社  ISBN:4-89691-849-5 2004年8月発行 定価:998円(税込み)



世界41カ国で大ヒットを飛ばした話題のノンストップアクション・モンスター巨編「ヴァン・ヘルシング」のすべたがわかるガイドブック


【CONTENTS】
 「ヴァン・ヘルシング」登場人物の謎を暴く!
  ヴァン・ヘルシング アナ王女 その仲間たち ドラキュラ伯爵
  ドラキュラの三人の花嫁 フランケンシュタインの怪物 狼男 その他の怪物たち
 ヴァン・ヘルシングの持つ驚異の秘密兵器
 ヴァン・ヘルシングと19世紀の世界 
 VAN HELSING the STORY
 「ヴァン・ヘルシング」の故郷、ユニバーサル映画のモンスターたち
 ネタバレ注意!「ヴァン・ヘルシング」トリヴィア
 VAN HELSING INTERVIEW 
  ヒュー・ジャックマン ケイト・ベッキンセール ウィル・ケンプ
  スティーヴ・ソマーズ(監督) グレッグ・キャノム(特殊メイク)
 MAKING OF VAN HELSING
 アニメで活躍するヴァン・ヘルシング「ヴァン・ヘルシング アニメーテッド」
 「ヴァン・ヘルシング」グッズ・コレクション
 「ヴァン・ヘルシング」映画元ネタ大事典
 ポップかするゴス・カルチャー~「ヴァン・ヘルシング」大ヒットの背景
 俺が考えた!これが「ヴァン・ヘルシング2」だ!
 スッパ抜き!「ヴァン・ヘルシング」TVァの衝撃内容!



個人的には「ヴァン・ヘルシング」どうだったのよ?って訊ねられると…微妙なんですけど(笑)、妙にジェームズ・ボンドチックな、ヒュー・ジャックマンの演技が気になりました。これは、ボンド候補に挙がっている彼流のPR作戦ではないのかと、邪推してしまったり(笑)DVDは、買おうかどうか、迷ってます…他にも買いたいソフトが山ほどあるし…。


【書籍の購入】
ヴァン・ヘルシングインサイダー


007 ゴールドフィンガー(1964年)

最近、Webの映画サイトを覗くと、007関連のニュースや噂話がやたらと目に付く。誰もが注目する6代目ボンド選びの動向から、監督候補や公開時期まで色々な憶測が飛び交っている。噂が多すぎて、ピアース・ブロスナンが続投か降板かだって定かではないし…どれを信じたらよいのやら。そんななか、レイモンド・ベンソンが執筆している小説版007シリーズの最新刊「ファクト・オブ・デス 」が発刊されたりもした。

 「007」シリーズ最新作、監督決定か?
 ブロスナン、「007」続投を否定。後任はコリン・ファレル?
 ソニー版「007」、05年中の公開はナシ
 「007」6代目ボンド探しが難航
 ピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンド役を降板?
 タランティーノが「007」を監督か?
 ブロスナンが再びジェームズ・ボンドに。ボンド・ガールは?


と、いうことで、007のことを書いてみたくなった。自分が映画好きになった、一番の原因が、実は007だといっても過言ではない。その昔…まだ小学校の低学年(確か、1年か2年くらい)の頃のことだが、TV放送していたゴールドフィンガーを父親が見ていた。たまたま、一緒になってこの映画の冒頭部分を見てしまったのだが…それが007との運命的な出会いだった。敵の基地を爆破し終えた、ボンド(ショーン・コネリー)が、ウエットスーツを脱ぎ捨て、その下に着込んでいた真っ白なタキシードに早変わりするという有名なシーンを見て、凄く衝撃を受けてしまったのだ。このシーンがかっこよくて、たまらなかった。

この時は作品タイトルも知るはずがなく、途中で母親に「早く寝なさい!」なんて言われて布団に入ってしまったので、もっと衝撃的な“金粉全裸死体”と対面するのは…もう少し後の話になるのだが…夜の9時ごろになると、TVで面白いものをやっていると自覚しはじめ…TVで映画を見るようになっていったのが、ちょうどこの頃の話だ。

その後、小学校4年生くらいの頃、我が家でもはじめて、ビデオデッキを購入。TV放送された007を全てチェックするようになり、中学校に入学するとレンタルビデオにハマり、はじめてシリーズ全作品をノーカット、オリジナル音声で楽しんだりもした。高校時代にアルバイトして、LD(レーザーディスク)で全作揃えたり…もちろん今では、DVDでも全部持っている(ワーナー版とFOX版を所有している)。

ゴールドフィンガーをちゃんと最後まで見たのは、中学生の頃だったと思う。当時の最新作「消されたライセンス」の公開だか、ビデオ発売に合わせて、旧作も一気に再販、レンタルされたのだ。それで、近所のレンタルビデオ屋にも007が全作揃って(それまでは、「ロシアより愛をこめて」と新し目のが数本あるだけだった)、シリーズを順番通りに見ていったのだ。年代的なもので、TV放送される作品はロジャー・ムーアの007が多かったし、コネリーの作品は半分くらいしかちゃんと見ていなかった。ここでようやく、あのウェットスーツの作品が、「ゴールドフィンガー」だと判明したわけだ。

やっぱり、あのオープニングのアクションシーンは秀逸ですね。007のオープニング=派手なスタートというのを決定付けた作品でもあります!派手な爆発シーンがあった後に、残務整理(笑)に向かったボンド…キスをしながら相手の女性の瞳に映った、人影で、背後から襲ってくる敵を察知し、逆に返り討ちにしてしまう。真っ白なタキシード同様、何度見てもゾクゾクします。普通の映画なら、クライマックスに持っていったて充分なシーンなのに、これが、オープニング、映画の始まりだってのが凄い。

007にはクライマックスが二度あるなどとも言われてました。この「ゴールドフィンガー」以降の作品は、二度どころか、全編クライマックスだらけにエスカレートしていくのですから…。最近のアクション映画のルーツをたどっていくと、みんな007に行き当たるのではないかとさえ感じる…斬新なシーンがいっぱいあった。

映画好きになった原因は、このゴールドフィンガーであり、自分で勝手に007のランキングをつけると、必ずベスト5以内には入れている。しかし、一番好きな007シリーズは、ゴールドフィンガーではない(笑)まぁ、何が一番好きかは、また今度の時にダラダラ語りたいと思います。


監督:ガイ・ハミルトン
出演:ショーン・コネリー ゲルト・フレーベ オナー・ブラックマン シャーリー・イートン ハロルド坂田


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DVD 007 ゴールドフィンガー