「ごはん大好き!」 ~ NEO ~




   
   
         すいどうのじゃぐち から 水を じゃーじゃー

         流して いるとき とか

         すきな映画を ひとつ 観おわったりとか

         そういう 目にみえることは

         じかんが 過ぎていったこと

         よくわかるけど


         ときのながれは 目には見えないから

         いつのまにか なにもしない 時間をすごしてしまう

         そしてそれを 自分の弱さだと きみは ときどき 考えたりする 


         だけど

         なにもしない 時間が ひつよう だったんだよ

         やろうって きめたこと できなかったとか

         あーあ また やっちゃったな とか

         そんなこと おもわなくて いいって 



         とるにたらない こと

         ばかばかしい こと

         ボクの1日は ぜんぶが それだよ 



         いつか 時間の神さまに 

         さあ がんばるときだよ って

         背中を 両手で ドンっと 押されて

         がんばっちゃう ときが 来るから


         今日 できなかった ことで 

         こころの中を 重くて暗い 雨雲みたいに

         すること ないじゃん


         今朝の 空気の匂いを かいでいるような

         よこがおは はっとするくらい みずみずしかったし

         ボクをよぶときの声も やさしく ゆったりしてた



         なにもしない きみの時間も

         ボクは すきだよ とっても すきだよ




           

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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~






 いつもの 午後の散歩の とちゅう

 ふいに 立ち止まり

 桜の木を 見上げているママくん


 ひらりひらり 風に吹かれて

 舞い降りてくる うす桃色の 花びらたち

 
 あの日の つなみや災害に 遭ってしまった

 たくさんの ひとの いのちのよう


 かけがえのない ひとつひとつの いのちが

 きらり 陽のひかりに 照らされて 散っていくようで
 
 かなしいね と つぶやいた ママくん



 そうだね・・・

 そうだけどね・・・


 いっしょに 生きていた日々の たいせつな人の笑顔は

 こころの中で ずっとずっと 生き続けるから

 ずっとずっと かわらずに いちばんの宝物 だから

 

 ざらざらした ボクたちの この悲しみは

 胸の奥に しまいこんでさ


 
 また この国に 生まれたい

 そう おもってもらえるように

 ボクたちは ただ まっすぐに 力強く歩いてゆこう      

 
  



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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~




         もう 失うものが 何もないくらい 


         あらゆる たいせつなものを 


         失くして しまったけれど



         その 澄んだ たましい を


         決して 失うことは なかった 



         のどが渇いたとき 水をごくごく 飲むように

  

         いいえ もしかしたら


         呼吸するように もっともっと 自然に ・・・


         決して 失うことは なかった



         

         それが ボクたちの 胸をふるわせました


         温かい 真実のプライドを 学びました



         

         こんどは ボクたちから せいいっぱいの


         ならいたての 真実のプライドを おくります


         まっていてくださいね






  

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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~




   まだまだ 深いキズを 負っているのだから


  がんばって 笑おうとしなくても いいんです ・・・




  月日がながれて 


  立ち上がろうと 思えたら


  きっと 自然に 笑える日が 近づいてくる



  その日まで


  ボクたちは  


  いつも 離れずに ただ 寄り添っています


  そんなふうに 遠慮しないで 甘えてください




  だって 


  信じられないくらいの 出来事に あってしまったのだから


  そんなふうに がまんしないで わがまま いってください 

  


 

  ボクたちは  


  いつも 離れずに ただ 寄り添っています 



  どんなに たくさん 寄り添ってくれても


  ボクたちは へっちゃら なんです


 

  あなたたちの がんばりから 勇気を もらっていますから


 


 

 

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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~




        被災地の方々に 心よりお見舞いを申し上げます


           

        どうか・・・


        これ以上 被害が拡大しませんように。





        ボクたちは ボクたちに できることを


          ひとつ ひとつ


          おちついて ・・・ 。


     





  

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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~






 

  きみと 出会わなかったら


  ふと 見上げる 街の景色も


  こんなふうじゃ なかったのかも しれないね



  底なしのエネルギーと おどろくほど まっすぐな目


  それが きみのすべて


  それが すべてのきみは ただただ 清らかな たましいで



  かなわないな と つぶやいてしまう


  きみを 守っているつもりで いたのに


  きみに 守られていたんだと 気づいたよ



  きみを包む 陽ざしの匂い


  ありふれた日々の ありえないくらい幸福 の匂い


  胸いっぱい 吸い込んでみた




 


 


 

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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~




     

     いつもの散歩の とちゅうで


     ボクは たびたび 


     「トイ・プードルの 大きいほう ですか」


     と きかれる



     「いえいえ」 と こたえる ママくん



     すると


     「あー ふつうの トイ・プードルが


     おおっき~く なったのかな」


     と きかれる



     「いえいえ」 と 笑いながら こたえる ママくん



     「なんていう 犬しゅ なんですか」


     と やっと きいてくれる



     「コッカー・スパニエル って いいます」


     と ママくん



     「あー ディズニー映画 わんわん物語 に 出ていた


     アメリカン・コッカーですね」 


     と まだ ちょっと不思議そうだけど ニコニコ しながらいう


     それから


     「だけど かなり 大きくないですか」


     と また きいてくる



     この 大きい という言葉は


     ボクの時間を ピタリと 止める


     心臓に かなり わるいのだ



     ボクの 心の中のことなど 


     これっぽっちも 案じていそうにない


     ママくんが のんきな声で いう


     「あのアメリカンコッカー じゃなくて イングリッシュのほう・・」


     

     「あ、そっかー そういえば むかし 


     うちの近所で 同じわんちゃん 飼ってた


     そうそう イングリッシュ・コッカー ですよね」


     あー 納得! という表情で


     ボクの頭をナデナデして ふっきれた笑顔で去っていく



     いちばん最初に それ 気づいてくれ と思うボク



     かわいい トイ・プードルと まちがわれるのは


     大歓迎 なんだけど


     大っきい! と つくのは こまるのだ



     大きいって つまり ボクにいう場合だけど


     ほんとは ぽっちゃり って 言いたいけど


     えんりょして いるんだよね



     

     先週の日曜日 ボクは 6才になった


     「今日は とくべつ だからね」 と


     真っ赤にうれたイチゴや ふわふわのパン


     それから いい匂いのチーズ をもらえた



     そのせいか マンホールなんかを よけるとき


     キレが わるくなった 気がしている


     だけどね


     太っちゃったって ママくんたちに 気づかれるのは


     ボクにとって とんでもなく まずいことに なるんだ


     

     

     これから


     散歩道で 会う みなさま



     ボクを 見かけたら


     「最近 やせました?」 とか


     「気のせいか 小さくなった気がしますね」 とか


     言って もらえません・・・ よね






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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~-お耳ビヨーン




     

     ふと 見上げた 空の青に


     もしかしたら 手が届きそうな気がして


     力いっぱい 大地をけって ジャンプしてみた



     ボクが生まれる前から そこに あった 青


     ボクがいなくなっても そこに あるだろう 青



     何度も 何度も ジャンプしてみたけれど


     まったく かすりもしない あの青


     ボクに 近づいて 来てはくれない あの青




     だれにでも なんにでも  すべてに 


     わけへだてなく あますことなく 平等な青




     あきれるくらい すこやかな 空の青に


     ボクの小さな悲しみは あらがいようもなく 溶けてゆく







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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~-おいしいにおい




    

  ボクのママは すきなお茶の時間を とても大切にしている

  

  お気に入りの茶器や茶葉を うたうように楽しげに 準備しながら


  ホトホト ホトホト シューっと 熱いお湯を沸かす



  ボクにも すこしだけ おやつを くれる


  この お茶の時間に ママは いろんな おはなしをする


  今日は まじめに


  「コドクと荷物と だいじょうぶ」の おはなしを していた


  むずかしくて (というよりボクは いつだって ダイジョーブだから) 


  ほとんど わからなかったけど フセして聞いた




  ボクたちは ほんの ちっぽけな生きものだけど


  ほんの ちっぽけなわりには


  大きな 現実の荷物を だれでも 背負っているんだって



  日々の荷物を 楽しめるように なるために


  すきな時間を 持つのが いいって ママはいう


  すきな1行を 読むだけの 短い時間でもいいから って

  


  コドクとは 上手につきあっていくしかない・・ね


  温かくて 心地よい コドクだったり


  ときには 心が止まりそうな ひんやりしたコドクだったり


  

  どちらにしても


  生きているあいだ 生きているものたちは


  コドクとか 現実の荷物と 上手につきあっていくのが いいよね

  


  元気いっぱいに見える 林檎や蜜柑も


  林檎色や 蜜柑色の コドクを どこかに かかえているのよ


  熱い紅茶を ふうふう しながら そんなことを話すママ 


  

  だとすると リンゴやみかんを 食べるボクやママは


  リンゴやみかんの コドクも 食べているんだね


  梨や桃の 悩みも 食べているんだね




  だからね


  だいじょうぶ だいじょうぶ きっと うまく いくから


  そう 思えるための時間は なにより 大切なものなの


  だいじょうぶ だいじょうぶ かならず うまく いくから


  そう 思うことができたら たいていのことは うまくいくから







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「ごはん大好き!」 ~ NEO ~-デビくん





    ボク デビだよ


    むずかしい病気にかかって とても疲れてしまったボク


    虹の橋に 来てしまったんだ ・・・



    虹の橋で しばらく休んでいたら 


    信じられないくらい 元気になったよ


    ほら こんなに元気 見せてあげたいくらい!



    ここでは あらゆる ものや ことが


    ただしく そして ゆったりと 息しているんだ


    陽ざしは やわらかくて みずみずしい風が流れている

 


    元気になった ボクは


    まず最初は 広い野原を 思いっきり 走り回った


    それから あたらしい友だちとボール投げしてあそんだよ


    ひさしぶりに 走り回ったボクは


    いつのまにか クローバーの葉っぱの上で 眠ってた



    そしたら 夢を みたんだ


    ママやお姉ちゃんのねねぇ それから パパくん


    みんな なんだか 月のない夜みたいな 暗い顔してた


    ボクの知ってる ママやねねぇやパパくんじゃない みたいだ


 

    そして 気づいたんだ


    ボクは 遠く遠く 離れた場所に 来ちゃったってこと


 

    ママやねねぇたち家族と いっしょの毎日は


    病気になる前 すごくすごく ものすごく 楽しかったね


    だけど 


    ボクは 病気になってからも 同じくらい


    もしかしたら 病気になってからの方が


    しあわせを しずかに 感じることが できたんだ


    朝も昼も夕方も夜も 温かいまなざしに 見守られてた・・・ 


 

    仕事がいそがしくて 散歩に行けなかった日のこと


    ボクの あそんで~あそんで~攻撃 に


    あとでねって 言ったまま あそべなかった日のこと


    後悔なんか しなくたって いいんだよ



    もしもね ママやねねぇたちが


    ボクのお願いを ぜーんぶ きいてくれていたら


    ボクは とても わがままで


    もっともっと あまったれワンコになってた 気がする



    そしたら 病気になったとき


    あんなに がんばること できなかったと思う


    いつも いっぱい遊んでくれて


    ときどきは ボクが がまんする日々だったから


    甘えん坊のボクも つよい子に なれたんだ


 

    それにね 痛いおもいさせて ごめんね とか


    そんなこと 思わなくて いいんだよ


 

    ボクが 1日でも 1秒でも長く 家族と


    いっしょにいたい と思ったから がんばれたんだ


    大好きな 散歩や ボール投げ 走り回ること


    いっしょにいたいから  がまんできたんだ


 

    ボクは この家に 生まれてきて


    この家で ずっと いっしょに暮らして いられたこと


    神さまに 感謝している 


    こんなに たくさん ア・イ・シ・テ・ル をもらえたことをね



    ボクからの ア・イ・シ・テ・ル は


    ささやかだけど ・・・

 

    みんなが ボクのことを 思ってくれるとき


    ボクは かならず そばにいるからね


    すぐ そばにいて 話をちゃんと 聞いているから


    約束するよ  ゆびきりげんまん



     ママ、 ねねぇ、 パパくん、 しゃろんちゃん、 こべべちゃん


     それから


    ボクとボクの家族を はげましたり 応援したり


    いつも 温かい気持ちで 見守ってくれていた みんな



    どうか 悲しまないで ください


    だって ボクは こんなにも やさしさに包まれて


    今では すごくすごく 楽しく元気に 走り回っているから



    「今まで ありがとう」  なんて  いわないよ


    かわりに


    これからも こころの そばにいるデビを


    どうぞ よろしくね!






    * * * ブログを通して知り合うことができた デビくんです * * * 

 (ブログ「でびきゅん日記  心臓血管肉腫と一緒に暮らす日々」)


        2011年1月10日 虹の橋へ 旅立ってしまいました。

        デビくんの奇跡を信じて 応援しておりました。

        とても残念な気持ちでいっぱいです。

        今回は デビくんのことを 書かせていただきました。









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