いやあやっぱファンクだなあ。と再確認する次第でございます。今日のこの映像。

めちゃくちゃ上手い!この曲は2002年ごろ、王子が元祖スラッピング・ベース、ラリーグラハム師
に急接近した時のアルバムからのものです。噂によるとラリー師のお導きのもと改宗?したとかしない
とかの話があったような気がします。

この時のベースはロンダ・スミス女史でございますね。パーカッションにはおなじみシーラE女史。
サックスにはメイシオが!そしてソロ回しなかったけど、トロンボーンには直前までP-FUNK
にいたグレッグ・ボイヤー氏の姿が。おそらくジョージのもとではちゃんとギャラが払われないから
脱出したと思われます。

まあとにかく凄い演奏力ですわ。スタジオ盤とは異なり中盤ではラテンっぽくなったりして芸が細かい。
王子のギターもカッティングにソロにもう最高!

Prince / Everlasting Now



最後に "Don't hate me 'cause I'm fabulous!"
    「オレが素晴らしすぎるからって嫌いになるなよ!」


とうのたまう王子。最高です!ビッグ・マウスこそ黒人芸能における基本中の基本なのです!
先日、ふと耳にした、夏休み中真っ最中のアメリカで起きた水の事故のニュース。
 
3人の黒人少年が犠牲となったそのニュース報道の中で、いかにもアメリカっぽかったのが、

「統計によると黒人の溺死率は白人の3倍という結果が発表されました」という件(くだり)。

その原因として挙げられていたのが

① 多くの黒人家庭ではスイミング・スクールに通うわせる経済的余裕がない。
② そもそも、アフリカ大陸の祖先から引き継いだDNAからして黒人は水泳が嫌い。 
③ 「水泳は白人がやるもの」という考え方がブラック・コミュニティーでは一般的。という3点。

多様な人種・文化からなるアメリカに限らず、どこの国にもこういうステレオタイプ(固定観念)
ってありますね。差別や社会的不正を助長するようなステレオタイプは、偏見に過ぎないので
もちろんよろしくないのですが、でもね...

ステレオタイプこそすべてのお笑いの根源じゃないですか!

ってことで、今日ご紹介する映像は私のお気に入りB級映画「アンダーカバー・ブラザー」から。


アメリカ社会からすべての黒人文化を根絶しようと企むザ・マン(=白人至上主義者?)の陰謀
と戦うために結成された諜報機関 Brotherhood が白人社会に送り込んだ, アフロ・ヘアーの
潜入捜査官
(=undercover detective)がこのストーリーの主人公。

まあ端的に言って「オースティンパワーズ」の黒人版だと思ってください。


今日の場面。

おとり捜査を行うために白人企業にアンダーカバー・ブラザーが潜入。
その準備として諜報機関の実験室にて彼の「白人社会適応度」を確認するためのテストが行われます。

まずはなぜかサンドウィッチが用意されます。それを一口食べると...突然吐き出す
アンダーカバー・ブラザー。

「やめろ、こら!殺す気か!われ!」
「白人が牛耳るアメリカ社会に溶け込むにはマユネーズが食べられないと駄目なんです!」

黒人はマヨネーズが嫌い


腕時計に仕組んだホット・チリ・ソースで味をごまかす方法を伝授するも、あまり乗り気でない
潜入捜査官。

そこで今度は、白人男性の共通体験や思考回路を一瞬にして黒人たちに注入するために開発された
装置、「白人の心象風景」(CaucasiaVison)で洗脳を図ります。

その映像ですが...白人社会が良しとするもの(=黒人社会がダサイ・キツイと感じているもの)
つまり、ステレオタイプのオンパレードなのです。潜入捜査官もたまらずギヴ・アップ!

「白んぼ過多!白んぼ過多!(Caucasian Overload!)」と絶叫します!

「白すぎる!到底、一人の黒人には無理な内容だ...」ってお馬鹿すぎる。最高!

拷問にも似た洗脳の途中で「僕には白人が見えるんだ(I see white people) 」の件は、
映画シックス・センスの「僕には死んだ人が見るんだ( I see dead people )」のパロディですね。



洗脳前に巨大めがねをかけさせられるアンダーカバー・ブラザーが思わず一言。

ジョージ・クリントンみたいじゃん!We want the funk ...」

で、Bootsy と Snoop Dog がセルフ・カバーしたこのファンク名曲をお聴きくだされ。




問答不要の uncut funk! 暑い夏はお馬鹿なファンクが最高!
(公式) 洋楽ロックの根源にあるもの、それはブルーズなのです。

ペンタトニック・スケールにブルーノートな音使い、3コードを基調としたシンプルな
コード進行に、何度も繰り返される呪術的な意味を持つ印象的なリフ。

ビートルズにストーンズ、その後のクラプトンやツェッペリンから始まる、いわゆる「ロックの歴史」のすべてが
ここから始まります。

今日のこの映像、なんと50年前のものです。「世界のナベアツ」っぽいおじさまが、モダン・ブルースの巨人、
マディ・ウォータース師匠。

黒人コミュニティー的にはブルースは50年代前半で廃れてしまっていて、ショービズ的には
もはや「あの人は今?」状態になっていたのですが、上記のイギリスの若者たちが60年代中ごろに
チャートを席巻しはじめ、そのリスペクト(=パクリ)の対象として、マディ師匠やハウリング・ウルフ師匠の名を
口々に語ったことから突如、ブルーズ・ブームが再来した、という経緯があります。

当時、憧れのチェス・スタジオでレコーディングできることになり米国に嬉々として乗り込んだストーンズの面々が
現地に着くと、もはや引退同然のマディ師匠がスタジオの庭師をやっていたという、なにやら怪しげな
都市伝説もありますが...バカボンのパパか!

ピアノにオーティス・スパンに、ブルース・ハープにはサニー・ボーイ・ウィリアムスン、
ベースにウィリー・ディクソンなどなどの鉄壁の布陣。(あんま詳しくないので間違っていたら
すいません)。この演奏の収録されたライブ・アルバム、演奏はもちろんのこと、ジャケ写も最高にクールで
20代前半に愛聴したものです。

Got My Mojo Working / Muddy Waters



それから30年後、MTVの登場によって音楽を取り巻く状況が一変してしまいました。

前回も申し上げましたがそんなトレンドに今ひとつついていけなかった私ですが、今日
もうひとつ紹介するこのユーリズミックスのように、表面上の作りこみ方はとても80年代
なのですが、その根底に流れるのはマディ師匠から脈々と流れる「ブルーズ魂」(グループ魂
とは全く別物ですよ、そこの若者!)を感じさせてくれるバンドには共感を覚えたものでした。


Eurythmics / Missionary Man



鍵を握るのがギターのデイブ・スチュアートという御方。

この曲なんかモロに、ソウル系ですよね。バックコーラスのシスターさんたちがカッコいいなあ。

Eurythmics / Would I lie to you?




前回に引き続き渋すぎる選曲だなあ。

まあ何事においても「基礎」はスルメイカ系ですね。何度も何度も繰り返し味わってくだされ。
前回のPerfumeから一転、今回はまたもやB級な世界を堪能してください。

18、9歳の頃(MTV全盛期 マイケル・ジャクソン「スリラー」な頃です)、
周囲の音楽状況に違和感を覚え、当時の流行り物に逆らい、60年代・70年代の
「クラッシク・ロック」を発掘していた時に出会ったのがこの曲。(ELPとか
YESみたいな「クラシカル・ロック」とは違うので混同しないようにね、そこの
若者よ!)

しかし、当時は映像がなかったから、てっきりジャニス・ジョップリンのようなブルージー
なお姉さまが絶唱しているのかと思ったら違ったのですね。

ロッド・スチュワートとロバート・プラントを足して2で割ってさらに原液を3倍の水で
薄めた感じのボーカルがほどよい物足りなさ感を醸し出しています。だからB級なんだな。

このstories というバンド、この曲(しかもHot Chocolateというソウルバンドのカヴァー)
のみの一発屋(one-hit-wonder) です。

なんとも昭和な感じがプンプンするブルージなロック(ちょいファンキーなのもまたよろしい)。
ペンタ・トニック・スケールの音しか弾かない、このいなたい(=へたへた)なギターも
非常に共感を覚えますね。

Stories / Brother Louis




曲全体を貫くブルージーな情念が、まさに昭和40年代の歌謡曲との共通点をあいまいにして
います。(というか森進一の「襟裳岬」とかあのあたりってサザンソウルのアレンジメントの
を引用なんだなあ、今思うと)。和田アキコ・青江美奈・ちあきなおき・藤圭子(=宇多田ママ)
あたりがカヴァーしていてもなんの違和感がないこの曲、「着うた」世代にはどんな風に
響くのでしょうかね?クレイジーケンバンドみたい!とかあたりの反応でしょうか...

わたくしは昭和40年生まれなんですが、よく考えたら太平洋戦争負けて20年しか
経っていなかったんですね。

MTVによってポップス界が色んな意味で大きく変化したのもちょうど20年前ぐらいなことを
考えると、20年ってあっという間な時間です。昭和40年代~50年代に育った僕らは
まだまだ戦後的なものの中にいたのでしょうね、と若者と話していると痛感する今日この頃。

そんな僕らが小学生のころ日本中をお騒がせしていたこの件、いまだによくわかんないんだけど
子供ながらになんか変な情念を感じたものです。鳥居さんはなぜこの件について興味を持った
のでしょうかねえ?

まだ30歳ぐらいの鳥居先生、彼女から立ち上るこの「昭和テイスト」
いったいどんな生い立ちがあったのでしょうか?このネタ、色んな意味で凄すぎます。

鳥居みゆき / Akazukin



「自分の青春もドーン!」って...深けぇ~。

軽井沢に行くにはやっぱ飛行機を借りないといけませんね。
地方空港の開港ブームを予見していた行動だったのです。

前日とのPerfumeとの差が激しすぎるような...まさに「自己批判」!します。






Perfume 新曲voice のPVの一部が公開されて来月へのCD発売に向けて
ファンの皆さんの期待も高まってきてい今日この頃でございます。

今日はそんなPerfume ファンのはしくれとして素敵な方をご紹介しましょう。

熱狂的な Perfume ファンのこのおっさん。本来はドラマーらしいのですが、
自ら?作ったバックトラックに合わせて「自分の人生に喜びと幸せをもたらしてくれる」
Perfumeの3人に「感謝の気持ちを表す」オリジナルソングを熱唱!

「僕は歌手じゃないから上手くないよ...」なんとも謙虚なお方です。

そこで今回は、全国 Perfume ファンの熱い要望に答えて(?)その歌詞を一挙掲載!

1:28ぐらいから曲が始まります。


Perfume is so beautiful, so beautiful to me.
Perfume is so beautiful, so wonderful to me.

Can't you see? A-chan always makes me cry,
And Kashi and Nocchi make me smile

Perfume, you're so beautiful to me.

Perfume is beautiful, so wonderfu, so much happiness.
Perfume brings joy and excitement, so much happiness to me.

Don't you see? A-chan always makes me cry,
And Kashi and Nocchi bring a smile to my face.

Perfume, you're wonderful to me.




サビの「あーちゃんには泣かされっぱなしだよ」のところが感動的(笑)。

話は変わりますが、いわゆる「冬ソナ」ブームの時に思ったのですが、たった一つの
テレビドラマ(しかもお世辞にもそんなに芸術的クオリティーが高いと言えないもの)
によって二国間の(少なくとも日本→韓国のベクトルでの)のイメージというか関係が
良好なものになることってありますよね。かくいう私も「冬ソナ」、結構ハマッタくち
でして...ドラマとしてはB級なんだけれど「冬ソナ」によって隣国への関心度や
親しみが数十倍アップしたことを記憶しております。いまだにチェ・ジュウのファンだし...

ドラマで音楽でもアニメでも何でもよいのですが「文化的コンテンツ」の持つ影響力を
侮るな、ってことでしょうかねえ。

今日のPerfume おじさんのことを笑うのは簡単ですが、振り返ってみると極東の小国で
P-Funk だの Soul Music だのと騒いでいる自分も、本国のブラザー&シスターから
観れば奇異な感じなんでしょうね。




中華風なサビメロが一定年齢以上の(=80's を知っている)ファンにはたまらない、という
前評判のこの曲。毎回、PVのアイデアが楽しいですね。