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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

数多くの名作を放送してきたフジテレビの火曜9時枠は、月曜9時、木曜10時と並ぶフジテレビの強力ドラマ枠だったんです。




それがフジテレビのステーションパワーが凋落し、ドラマも視聴率を取れなくなるとフジテレビから系列の関西テレビの枠になり、そちらも3年前に無くなってしまいました。




フジテレビの火曜9時枠としては実に9年ぶりの復活です。「ビーチ・ボーイズ」や「GTO」を見ていた層のために反町隆史、今勢いのある旬の主演俳優・杉野遥亮をW主演にすえて幅広い層に見てもらおうという力の入れようです。




フジテレビ  火曜21時

「オクラ~迷宮入り事件捜査~」第1話


主演…反町隆史、杉野遥亮

脚本…武藤将吾

演出…柳沢凌介




迷宮入りの事件を捜査するとか、警察の中でもふきだまりのような部署とか、熱血とクールの刑事のバディとか、




手垢のついた設定がこれでもかってくらい重なっているこのドラマに正直食指は動かなかったんですが、




脚本が「家族ゲーム」や「3年A組」の武藤将吾なので普通では終わらせないのでは?と期待したからです。





その期待に応えてくれて、反町隆史演じる飛鷹は自分が以前解決できずオクラになった事件を、




かなりダーティーな手段で容疑者に迫り、死期近い病床のその男に自白させようとしました。




血走った眼で患者の胸ぐらをつかみ恫喝するさまにも凄みがありましたが、





そのやり口を見抜いて指摘した不破(杉野遥亮)に対して不敵な笑みを浮かべる暗い表情にもひかれました。



これが近頃よくある思わせぶりで引っ張って次の回ではな~んだってことになったら、即リタイアしようかと思います。




生ぬるいバディものになって、オクラのワケありメンバーたちを1人ずつフィーチャーしていく…なんてなったら記事を書く気になりませんので。




第1話の評価は…7





記事はこれっきりになるかもしれませんが、一応初回の記事を書いておきます。

ご興味をもたれた方はどうぞ。




テレビ東京  月曜23時06分

「Qrosの女~スクープという名の狂気~」第1話


主演…桐谷健太

脚本…服部隆

演出…守屋健太郎




主人公の栗山(桐谷健太)は週刊文春がモデルのようなスクープ記事を頻発する週刊キンダイの敏腕記者。




スクープをゲットするためには違法スレスレのことも平気でやってのける男です。




そんな栗山は政治班から芸能班に異動してきた矢口(影山拓也)とコンビを組み、人気アイドルグループのメンバーとカリスマ塾講師の不倫スクープをゲットすべく奔走します。




苦労の末にスクープ記事を出すと、その号はバカ売れし、アイドルグループはライブが中止になり、不倫していたメンバーはグループを去ります。




自分が出した記事で人生が狂ってしまう人も出ることに矢口はショックをうけますが、




編集長の林田(岡部たかし)は人の不幸を欲している人たちがいるからそのニーズに応えてるだけで、不幸にしたくてやってるわけじゃない…とこういう人たちならではの屁理屈を口にして正当化します。




そんなスクープの危うさを突きつけてくるドラマなのかと思ったら、そこからはスクープの裏事情が明かされていき、このひねりがあったので記事を書く気になりました。




実は栗山はそのアイドルグループの絶対的エースのスキャンダル写真を撮っており、それをマネージャー(本宮泰風)に見せてゆすり、




そちらを隠蔽する代わりに、不倫スクープを出させてもらうことと、絶対的エースのグラビア写真OKまでとりつけたのです。




更にブラックジャーナリストの園田(哀川翔)が、不倫ネタを早々にゲットし、

その情報を与え、大金をせしめます。




よりヤバいネタを隠すためにスケープゴートの別ネタを出して隠蔽するというのは昔からあるようです。




写真誌全盛の頃は、もっとヤバい写真があるのに、ダメージを減らすために写真を撮り直すとかよく聞いた話です。




こういうスクープの裏事情を明かしていくドラマなら面白そうですが、ネタ切れにならないと良いんですけど。




第1話の評価は…7










夏ドラマ満足度ランキングのTOP3を発表していきます。

1位は夏ドラマアカデミー賞の最優秀作品賞ということになります。





3位

桜田ひより、細田佳央太主演

「あの子の子ども」…7.75

7*7*7*8*8*8*8*8*8*8*8*8



出だしはどういうドラマになるのかを探り探り見ていたのですが、妊娠がわかってからは最終回までずっと8のままで毎回濃密な30分でした。




主人公2人を応援したくなるように、妊娠に真摯に向き合う2人をしっかりと説得力をもって緻密に描いた脚本がまず見事でした。




その脚本に応えて最優秀主演女優賞を獲得した桜田ひよりの演技が等身大の高校生の喜怒哀楽を見事に演じてくれました。



「海のはじまり」と違って2人を取り巻く人々の言動が素直に納得いくものであったのが何よりでした。





2位

河合優実主演

「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」…8.10

8*9*8*8*8*8*8*8*8*8




こちらは最優秀演出賞だけでしたが、脚本も主演、助演もすべてノミネートされるハイレベルで、1位とは僅差の2位でした。




不思議な魅力に包まれたユニークな作品で、ヒロインの前向きなバイタリティーに感銘を受けました。





家族とは厄介なもので、いろいろイヤな思いをしたり、苦しめられたりしますが、でも家族はやっぱり家族だから…という多くの人が抱く思いを、ファンタジックに昇華した作品でした。




河合優実はきっとスゴい女優になるでしょう。これは将来の大女優の記念碑的な作品になるに違いありません。





1位、つまり最優秀作品賞は…




目黒蓮主演

「海のはじまり」…8.17

8*8*8*8*8*9*8*8*9*8*8*8




いや~、なかなか出さない9を2回出すというレアな作品となりました。




これだけ当ブログのコメント欄が熱く盛り上がった作品は近年ありませんでした。




主人公を苦境に追い込んだ水季をどう受け止めるか、そこで評価が大きく分かれました。




生方美久の脚本はその構成力や、人物それぞれを過去にさかのぼり単なる回想でなく見せていく独特の手法など、才気を感じるものでした。




ただ、脚本賞のところでも書きましたが、ラストにはそれまで反感を抱いている視聴者にも納得のいく種明かしのようなものがほしかったのに、そうしなかったところが失点となりました。



生方美久はかなりひねくれた人のようで、普通にはしたくなかったんでしょうが、そんな言い方は無くない?と思えるセリフをあえて書いているふしがありました。それは損だなと思います。




そんなひねくれた脚本を大いにカバーしたのがキャストたちの素晴らしい演技でした。




しんどい役を目黒蓮は真摯に演じきりましたし、最も私めが肩入れした弥生役の有村架純の演技も素晴らしかったです。




最優秀主演男優賞の他に、助演男優は2人、助演女優は3人と計6人もが受賞、ノミネートしたのも過去最多ではないかと思います。




そして、主題歌。

9を出した夏と弥生の駅での別れのシーン、何度もリピートして聞き入りました。素晴らしい曲でしたね。




いろんな意味で、どっぷり浸かった作品でした。