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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

5話と6話は2話続きのエピソードでしたのでまとめての記事にしました。



フジテレビ  月曜22時

「モンスター」第5、6話


主演…趣里

脚本…橋部敦子

演出…三宅喜重




この5話、6話はまとめて評すると、3組の親子の話でしたね。




まずはヒロインの神波と、12年ぶりに再会した同じ弁護士の父親、粒来(古田新太)との法廷での対決。




2組めは神波に訴訟を依頼しに来たエマ(秋元才加)と資産家の亡き父マサル(石橋凌)。父親のために訴えたのに、父親の本意を知らなかった娘が、皮肉にも法廷で知ることになるエピソード。




更に3組めはエマに訴えられた富裕層向けのプレミアクリニック院長の久嗣(内村遥)と、息子と考え方が合わない古いタイプの元院長の輝久(阿南健治)との確執。




この3組の親子が、からみあって話は展開しました。




粒来は訴えられた久嗣側の弁護士になり

神波と法廷で向き合います。




自分と同じ弁護士になった娘に粒来は手加減をしません。淡々と神波のやり口を見透かしているかのように、すべてをひっくり返す証拠を突き付けてきます。




当初は優勢に見えた神波は、エマの訴訟取り下げという結果に終わり、敗北感を味わいます。




まるで子どもが泣いているように事務所に帰って号泣するシーンに驚きました。





この先、また対決して、次は父親を倒すんでしょうか?期待したいです。




5話の評価は…7

6話の評価は…8


このドラマは回によっていろいろテイストが変わるんですが、その中で主役2人のキャラをちゃんと活かしているので、その回ごとに楽しめています。




フジテレビ  月曜21時

「嘘解きレトリック」第7話


主演…鈴鹿央士、松本穂香

脚本…村田こけし

演出…永山耕三




左右馬(鈴鹿央士)たちの近所で強盗殺人が起きて犯人は逃走中、



捜査を担当する端崎(味方良介)に、くら田の亭主(大倉孝二)は強盗殺人があった家の裏には幽霊屋敷と呼ばれる屋敷があって、以前そこの妻が殺され、画家だった夫は行方不明、妻の幽霊か出ると教えます。




くら田の女房(磯山さやか)が病院に忘れたショールを取りに行った左右馬と鹿乃子(松本穂香)は、入院している画家の桐野(黒羽麻璃央)とカフェ女給のリリー(村川絵梨)ともめているところに遭遇します。



リリーは映画を見る約束をしたのに、桐野にすっぼかされたことに腹を立てていて、幽霊屋敷で幽霊を見て腰を抜かしケガをしたと言う桐野の話を信じてくれません。




左右馬は端崎と鹿乃子を連れて幽霊屋敷へ。

そこには例の強盗殺人の犯人(温水洋一)が閉じ込められていて、行方不明とされてきた画家のミイラ化した遺体もありました。




幽霊屋敷にまつわる謎を左右馬は解いていきますが、このドラマらしいのは、リリーの誤解を解いて、2人の仲を取りもってあげる人情味も加わったことでした。




嘘を見破れる鹿乃子が、桐野はウソを付いてないとリリーに力説するという、いつもと違うパターンでした。




更に、すべて解明されたあとにあまりに偶然が重なり、これは殺された画家夫婦の幽霊が誘導したことなのでは?という横溝正史の「八つ墓村」みたいなゾッとするオチまで用意されていました。




画家の肖像画はなぜか北村一輝の顔で、奥さんは誰なのかはわかりませんでした。どういう意味があったんですかね?




これまで触れてませんでしたが、端崎役の味方良介はキャストの中でズバぬけて、この時代の人っぽいですね。ハマり役です。




7話の評価は…7





これまでもチラチラと描かれてきた端島の人々に残る戦争の爪痕を、今回は母(山本未來)や姉と教会に手伝いに行き被爆した百合子(土屋太鳳)を中心にしっかりと描かれました。



初回以来の見ごたえがありましたね。





TBS  日曜21時

「海に眠るダイヤモンド」第4話


主演…神木隆之介

脚本…野木亜紀子

演出…塚原あゆ子





百合子がなぜ朝子(杉咲花)に意地悪な態度を取り、賢将(清水尋也)とはフリーな関係でいたのか、その理由がわかりました。



朝子への意地悪は鉄平(神木隆之介)と仲が良いことへの嫉妬くらいに思ってましたが、そんなことではなくもっとシリアスな理由でした。




あの日、母や姉と教会の手伝いに行くのがイヤで百合子は隠れていたのですが、朝子が無邪気に教えてしまい、行くことになってしまったのです。




そのため、姉は被爆して亡くなり、母親も白血病で病の床につくようになりました。

幼い百合子は被爆直後の地獄のようなありさまを体験したのです。




朝子が居場所を教えなければ…

そんな恨みをつい抱いてしまい、つらい態度をとってしまうようになったようです。

朝子は自分のせいでということを覚えていません。



キリスト教を信じて祈りを捧げてきた信者が数多く犠牲になったことに百合子は理不尽さを感じてきました。




なので、それでも信仰し続ける母親とも衝突していたんですね。




これまで陽性な役が多かった土屋太鳳が、この役では暗い影を背負った演技で新境地を開いています。




母親は亡くなりますが、嵐の夜に百合子が投げ捨てた十字架を賢将が拾ってくれました。




こんな奇跡があるなら、自分はまだ生き永らえることもできるかもしれない…

母親がすがった信仰の意味を百合子は感じられたようです。




朝子を恨むことをやめ、花火を見に行く浴衣の着付けを手伝うシーンには胸を打たれました。




私めが大好きなドラマ「夢千代日記」が想い起こされました。何の罪もない人々が戦争が終わったあとも苦しみを引きずる理不尽さが胸を打つんですね。




百合子の家ばかりでなく、鉄平の家も戦争による傷は癒えてませんでした。




長男は南方に出征して戦死。娘2人は福岡の親戚に疎開していたらそちらで空襲にあい亡くなったようです。




5人きょうだいは2人になってしまったんですね。

鉄平の父・一平(國村隼)は、古賀(沢村一樹)の家は誰も戦争に行かなかったと恨み言を言ってましたが、そんな気にもなりますよね。




住職(さだまさし)にも神も仏も救っちゃ

くれないのかと一平は噛みつきます。



「神も仏もいない。すべては人の業」という住職の言葉が重く響きました。




まだウクライナでも中東でも戦争は繰り返されていますからね。

神も仏もいないのかもしれません。

人は愚かな業を繰り返すという反戦のメッセージを受けとめました。




しかし、過去パートの完成度が高いために、現代パートって要る?と今回も思わずにはいられませんでした。





4話の評価…8

現代パートが無ければ9でも良かったのに…