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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

近年、野呂佳代が出演するドラマはなぜか良作が多いんですよね。



「エンジェルフライト」

「ブラッシュアップライフ」

「舟を編む」

「アンメット」

「西園寺さんは家事をしない」



これらの中でホッとするような存在感をしめすのがこの人ならではで、それはこのドラマの中でも遺憾なく発揮されてるのがよくわかる第3話でした。




テレビ朝日 木曜21時

「ザ・トラベルナース」第3話


主演…岡田将生、中井貴一

脚本…香坂隆史

演出…片山修




マッチングアプリで熱心に彼氏を探している福美(野呂佳代)は、寮母のたま子(池谷のぶえ)に運命の人と出会うと予言されます。



そんな時に入院してきて福美が担当することになった三原(馬場徹)は福美がマッチングしたのにデートに来なかった相手でした。




福美は三原を好きになってしまい運命の人と勘違いしてしまうんですが…という話でした。




フーテンの寅さんのナース版みたいな話で、結局三原が好きだったのは元地下アイドルでナースインフルエンサーのゆずっこである新米ナースの柚子(森田望智)。



推しのゆずっこと会うことができ、もっと長くいたくて三原は詐病してまで入院を延ばしたのでした。




そんな福美の失恋エピソードにからめて神保(要潤)に替わり外科部長になった大貫(マキタスポーツ)の医者至上主義が静(中井貴一)たちにこらしめられたり、




このドラマらしいナースたちの活躍もきちんと盛り込まれていて、安定感のある内容でした。





第3話の評価は…7





3話のラストで、このドラマもこの枠の恋愛ドラマにありがちな三角関係や四角関係をめぐる話になってしまうのか?と危惧しましたが、




4話を見て、そうはなりそうもないのでホッとしました。




TBS  火曜22時

「あのクズを殴ってやりたいんだ」第4話(10月29日放送)


主演…奈緒

脚本…泉澤陽子

演出…石井康晴




今回を見て、このドラマが他の恋愛ドラマと何が違い、ユニークなのかがより明確になった気がします。




それはほこ美(奈緒)にとっても、海里(玉森裕太)にとっても、ゆい(岡崎紗絵)にとっても恋を阻むのはボクシングであるということです。




特に皮肉なのはほこ美はボクシングに魅了されていくのに、海里は兄と慕う大地(大東駿介)を自分のパンチで死なせてしまったトラウマゆえにあんなに好きだったボクシングに背を向けざるをえなくなっているという反比例さでした。




ゆいは自分もボクサーになりたかったけど網膜剥離で諦めなければならなくなり

、海里に夢を託してセコンドになったのでした。




そしたら、大地の死により、海里はボクシングをやめ、自分ももうセコンドにはつかなくなりました。




7年の歳月を経て、ほこ美がボクシングを習い始めて、ゆいは期待の女性ボクサーの試合に久々にセコンドにつくことに。



ようやくまたトレーナーとして前に歩み出そうとなったのです。




そんな姿を見てもらいたくてゆいは海里に試合のチケットを渡し、見にきてと頼みます。



海里は会場に足を運びますが、やはりトラウマから吐き気がして試合は見られません。しかし、再スタートしたゆいのために見たと嘘をつきます。




そんな自分への苛立ちからか、海里は試合後のリングに上がってみたほこ美にツラい言葉をぶつけます。




海里のボクシングへのトラウマが恋の行く手に大きく立ちはだかり、この先どう解消されるのかという興味がわきました。



更に、ほこ美の同僚の撫(玉井詩織)がほこ美への敵意をむき出しにしました。

海里のアシスタントの悟(倉悠貴)もどうも怪しいです。

この2人がキーマンにもなりそうです。




第4話の評価は…7










これまでの3話も良かったですが、感動の深さは今回がこれまでで最高でした。



今回フィーチャーされ4人目の科学部員になったのは高齢ながら定時制に通っている長嶺(イッセー尾形)でした。




NHK  火曜22時

「宙わたる教室」第4話


主演…窪田正孝

脚本…澤井香織

演出…吉川久岳




教室で前の列に座り、熱心に授業を受け、わからないことはしつこいくらいに質問を繰り返す長嶺は、柳田(小林虎之介)はじめ若い生徒たちにはウザがられています。




ある時、ついに授業中に柳田が長嶺の質問をとがめたことから口論になり、長嶺の怒りが爆発します。




せっかくこんな学べる場を与えられながら、お前ら若いヤツらは何だ!とひとくくりに否定し、出て行け!とまで言ってしまいます。




アンジェラ(ガウ)以外はみんな出て行ってしまうのでした。




いろんな世代や出自の生徒が一緒に学ぶ定時制では、こういう衝突は起きやすいようです。




当初、長嶺は余命宣告か何かされていて、若い頃に学べなかった心残りを必死に果たそうとしているのかと想像しましたが、そうではありませんでした。




藤竹はお互いのことを知ることが和解につながると考え、長嶺が高校に行けずに集団就職で上京した話を若者たちにしてほしいと頼みます。




長嶺は断りましたが、入院している妻の江美子(朝加真由美)に親ガチャの話をされ、今の若者が置かれた事情は昔と違うから的外れな怒りだったと諭されたり、





たまたま柳田がビルに入って行くのを見て、ついて行き柳田が学習障害の支援講習を受けているのを知ったりして考えが変わっていきます。




とどめとなったのはアンジェラから言われた「苦しみは比べられるものじゃないから」という言葉で、




教室にいる若者たちはそれぞれ苦しみを抱えて、ここに来ざるをえなくなっていることを知るのです。




長嶺は藤竹の依頼を受け、その代わり話すことは任せてほしいと言います。




長嶺は教室に戻ってくれた若者たちを前に話をします。





ここのイッセー尾形の演技が素晴らしかったですね。

長嶺は自分のことはかいつまんで話し、それより妻の江美子がいかに高校で学びたかったけどそれがかなわなかったかを話しました。




ようやく学べる時間的な余裕ができたのに、若い時の劣悪な労働環境のせいで病気になってしまい通学がかなわなくなったことも。




江美子の代わりに長嶺は定時制に通い、教わったことを病院の江美子に伝えているのでした。

分かるまでしつこく質問するのもそのためだったのです。




生徒たちから思わず拍手が起きました。

学びたくても学べないツラさ悔しさは、皆に共通することで、理解できたし、妻のために頑張る長嶺を応援したくなったんでしょうね。




策士の藤竹は病院に江美子を訪ね、今実験中のクレーターを作るための機械の設計図を長嶺が描いていたのを預かってきます。




江美子も長嶺が科学部に入ってくれるのを後押ししたかったんでしょうね。




長嶺が描いた図と知らずに柳田はその機械を作っていました。




長嶺は「あんた食えん、妻より食えん」と感心します。

藤竹の思惑通りに長嶺も科学部に入ることになりました。




藤竹と科学部員たちがどんな研究をして、学会に発表するのか楽しみになりました。



4話の評価は…これまで3話をしのいだので9とします。