勝手に映画紹介!? -3ページ目

名探偵コナン 黒鉄の魚影(2023年)


劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』オリジナル・サウンドトラック

 

7年くらい前にWOWOWの一挙放送で、約20年分のコナン映画を初めて鑑賞して以来…とりあえず映画版だけはなんとなく追いかけるようになっている。とはいうものの、劇場へ見に行くとか、円盤買うとかって気はまったく起きず…未見の作品がTVで放送されれば録って見るって感じ。基本はWOWOW放送まで待つのだが…新作(1年前のヤツ)は金ローの方が早いので、とりあえず鑑賞して…後にWOWOWで放送されれば、コレクション用に録画するって感じ。そんなわけで金ローで未見の「名探偵コナン 黒鉄の魚影」が初放送になったので鑑賞したよ。

 

ドイツで、ユーロポールの女性職員が“黒づくめの組織”のキールに追われていたが、あと一歩で逃げおおせるというところで、後からやって来た同じ組織のジンによって殺されてしまう!一方、日本では江戸川コナンと探偵団のメンバーが、ホエールウォッチングが当たるという福引に挑んでいたが、結果は惨敗。しかし鈴木園子の計らいで、ホエールウォッチングに招待されることになり八丈島へ。コナンたちが島を訪れたちょうどその時、八丈島近海にあるインターポールの施設“パシフィック・ブイ”で、顔認証による追跡システムが本格稼働されようとしていた。

 

ああ、忘れてた…冒頭のジャケ画像は“劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』オリジナル・サウンドトラック”のものを拝借…DVDやブルーレイといった映像商品のジャケ画像(アフィ画像)にはなぜかSAMPLEの文字がデカデカと入ってしまっており、ブログ的な見栄えを考えて、サントラのジャケ画像(アフィ画像)をチョイスした。絵柄自体は同じキービジュアルだったので問題ないだろう…確か、昨年鑑賞した「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の感想の時も同じような説明を書いたような気がするなぁ…。前の時はSAMPLEじゃなくてIMAGEって書かれてたっけ…。

 

昨年の「ハロウィンの花嫁」の金ロー初放送では、本編が15分以上カットされており…いちげんお断りのストーリーに加え、ぶつ切り状態だったので、余計に話が解りづらく、ストーリーもあまり面白くなくて、自分的にはイマイチだったんだけど…さすがに前作の放送を反省したのか、一応今回は“本編ノーカット”を謳っておりました。また…最近のコナン映画ではほぼ避けられない事柄なんだけど、黒ずくめの組織や怪盗キッドが関わってくる話もオイラのような“俄か”にとっては面白さ半減、今回も黒ずくめの組織メインの話であり、知らないキャラも多めだった…。

 

始まってすぐの冒頭で死人こそ出るものの…黒づくめの組織の陰謀を阻止する系だったので、今回もどちらかというと一昔前のハリウッド映画をパクったようなアクションメインの話だったんだけど、後半で“とってつけたような殺人事件”が起きたりもしていて…多少はミステリー要素も残ってましたね。犯人が使った、トリックというか…仕掛けの一つなんかは、単に“声優の力量のおかげ”みたいなところもあるよな。一番、驚いたのは灰原拉致を阻止しようとする、強すぎる蘭姉ちゃん…草薙素子レベルの跳躍力。下手な刑事や司法組織の捜査官より優秀やろ!

 

本作でキーとなったインターポールの最新技術“老若認証”…若い頃の写真があれば、年齢を重ねた後の老けた顔もコンピュータで補正して、瞬時に居所を突き止めてしまうというもの。つまり理論的にはその逆も可能?コナンくん…感心する前に、自分や灰原の正体がバレるの心配しろよとか、思わずツッコミを入れそうになったが、ちゃんと後に影響出てた。そして、最終的にはバレないようにする辻褄あせもちゃんと考えられていたと。「ゼロの執行人」を含むここ最近の4作品くらいは、オイラ的につまらないものが続いたけど…今回はちょっとマシだったかも?

 

 

監督:立川譲
出演:高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 池田秀一 古谷徹 林原めぐみ 三石琴乃 小山茉美

 

 

【こちらがBlu-rayです】

Blu-ray 劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」 (通常盤) (BD)






 

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ゼロ・コンタクト(2022年)

Zero Contact [Blu-ray]

 

日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するWOWOWのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「ゼロ・コンタクト(原題:Zero Contact)」を鑑賞…世界中でコロナが蔓延しはじめたころに、俳優、スタッフが、リモートワークの非接触で作り上げた映画だそうで、それだけだったら、同じようなことをやってる人たちはけっこういっぱいいたんだけれども、「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士でお馴染み、アンソニー・ホプキンスが主要キャストの1人で出ているというのが、最大の売り。ジャケ画像はAmazonで見つけた輸入盤のものです。

 

IT業界の重鎮フィンリー・ハートは妻の死後に、自分の会社から追放されてしまった。それは彼が立ち上げた謎のプロジェクト“クオンティニュアム構想”への資金流用が疑われたからだ。やがてフィンリー自身も病気を患い死去…それから数ヶ月経ったある日、生前のフィンリーとは疎遠になっていた息子サムをはじめ、かつて会社の幹部や研究員だった者、弁護士だったベロニカの元へ荷物が届き、促されるままに謎のAIによって進行されるリモート会議へと出席することになった。AIは5人の出席者に、制限時間内のパスコード入力を要求してくるのだが…。

 

IT業界の大物アンソニー・ホプキンスが死去、生前のホプキンスは何やら怪しげなプロジェクトを進めており、いったんは凍結されたそのプロジェクトを、再起動するために…選ばれた関係者が、半ば強制的にパソコン越しのリモート会議へ出席することに。面識のある者、初対面の者…最初は何が起きてるのか、みんな戸惑い気味に、腹の探り合いを始める。どうやらプロジェクトの再起動には、死んだホプキンスの意向が関わってるらしいのだが…AIに促されるまま、再起動に必要なパスワードを入力してもいいのかどうか、出席者で議論になっていくと…。

 

ホプキンスの意向通りにプロジェクトを進めるべきだと主張する者もいれば、いや、それはヤバイ研究なんだと、意味深に専門用語を羅列しまくって反対する者も出てくるし…俺は関係ないと、一歩引いた意見の者もいる。そんなことしているうちに…出席者の1人に異変が!やたらと部屋の外の様子を気にし始め…遂には賊に侵入され、通信が途絶えてしまう!このあたりから他の出席者たちの議論も過熱…自分の意志でパスワードを入力するかどうかの選択を迫られる。それと同時に…賊の襲撃にも備えなければならなく、会議からの脱落者も増える…。

 

プロジェクトの真相は何?パスワードを入れるとどうなるの?賊の正体はいったい誰?なんで、みんな居場所が違うのに…襲撃者が襲ってこれるのか?基本、スマホやパソコンのカメラ、監視映像の視点などを編集したものであり、会話でストーリーが進行していく部分が多いのだが、ちゃんとサスペンスは演出できているし、SF的な要素もぶちこまれていて、意外と最後まで緊張感も持続していた。コロナ禍にアイデア重視で撮った類似の作品をいくつか見たことがあるけど、よく出来てる方では?だからといってこの手法の作品ばかり見るのは飽きそうだけど。

 

 

監督:リック・ダグデイル

出演:アンソニー・ホプキンス クリス・ブロシュー ヴェロニカ・フェレ アレクス・ポーノヴィッチ TJ・カヤマ

 

 

【輸入盤Blu-rayソフトの購入】

Blu-ray Zero Contact ※輸入盤、日本語未収録、リージョン等未確認

Zero Contact




 

YouTubeに予告編があったよ!

 







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べネシアフレニア(2021年)


べネシアフレニア [DVD]

 

WOWOWのスリラー映画特集でエアチェックした「べネシアフレニア」を鑑賞…ヴェネチアにやって来たスペイン人観光客が、謎の殺人鬼に狙われるというスペイン映画。監督はスペインの鬼才などと呼ばれることもあるアレックス・デ・ラ・イグレシア…ネットでフィルモグラフィーを知らべると、けっこうな数の監督作品があって、その中でオイラが見たことがあったのは「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」「オックスフォード連続殺人」「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」あたり…そっか「オックスフォード連続殺人」の監督か、あれめっちゃ好きだった…。

 

結婚を控える女性イサは、独身最後の旅行を楽しもうと…友人や自分の弟と一緒にクルーズ船に乗り、ヴェネチアにやって来た。しかし、到着早々…“観光客は帰れ!”というプラカードを掲げた一団と遭遇、罵声を浴びせられる。その一団は深刻化するオーバーツーリズムを問題視し、抗議活動を繰り広げていたのだ。気を取り直して…カーニバルで浮かれるヴェネチアの町を観光、みんなで水上タクシーに乗り込むのだが、カーニバル衣装を着た奇妙な道化師が、勝手に乗船してくる。薄気味わるがる一行…実はその道化師は観光客を狙う殺人鬼だった!

 

異国から観光にやって来たバカ者が、現地の暗部に触れて、どエラい目に遭うという…テイストとしては、イーライ・ロスの「ホステル」にも似た、ああいう系統のスリラーなんだけど、WOWOWの解説でも説明されていたが…日本はもちろん、世界各国の観光地で深刻化している“オーバツーリズム問題”なんかにも切り込む、社会派の面もあったりして…ただの悪趣味血みどろスプラッターで終わっていないところはなかなか。冒頭、カップルの観光客がカーニバル衣装の道化師と遭遇、“写真を撮って欲しい”と頼むも、道化師はいきなり2人に襲い掛かる!

 

道化師はなんと町を彷徨い歩く殺人鬼だった!ちょうどそこに…別の観光客たちが大勢やって来て、犯行の一部始終を目撃するが、“カーニバルのショー”と勘違いし、写真を撮ったり、ヤジを飛ばしたりと大盛り上がり。殺人鬼も、衆人環視で、シレっと犯行をやり遂げる。その後も…人気のない路地の壁に、飾ってある仮面に化け、観光客が物珍し気に近づいてきたところを、隠し持っていたサーベルでブスリと刺し殺すなど、殺戮を繰り広げるんだけど、スペインから観光にやって来た主人公たち一行も、この道化師の恰好をした殺人鬼に目をつけられてしまう。

 

主人公グループの内訳は、結婚を控えた女性とその弟、独り者の女友達1、女友達2は彼氏同伴…女3人男2人。弟くんがどうやらトラブルメーカーであり…“やらかしそう”な感じがする。宿泊先でパスポートをもとめられても、シレっと誤魔化して、1人だけ提示しなかったりするんだよ。案の定…それが原因でトラブルがより深刻化することにもなる。主人公グループも、カーニバル衣装に身を包み、町へと繰り出す。そこでバカ騒ぎして、マナー違反をやらかし、地元民の冷たい視線を浴びながら、怪しげな仮面の人物に誘われて、秘密のパーティーにも参加。

 

気づくと…グループの1人が行方不明に!宿泊先や警察に相談しても、それまでの行動がたたり…真剣に相談にのってくれなかったりする。必死に行方不明者の捜索をしているうちに…とうとう、あの殺人鬼が姿を現し、第一の惨劇!もしかした行方不明者も既に犠牲になっているのか?ヴェネチア到着後直後に、主人公たちは水上タクシーに乗り込むんだけど、その運転手?操舵手が思いのほか親切な人物で、行方不明者探しにも積極的に協力してくれる。地元民は、バカな観光客たちに迷惑し、敵視する人間が多かったのだが…この人はどうやら別格?

 

殺人や誘拐の犯人はどうやら単独ではなさそう、複数犯、組織的な犯行の可能性も浮上する…最初は非協力的だった刑事さんとか、あの親切な水上タクシーの人とかも、てっきり犯人一味なんじゃないかって、疑ってしまったんだけど、さすがにそれは考えすぎ…現地の人、全員犯人だった展開ではなかったよ。ベタっていえば、ベタなところも多かったけど…普段は美しく、風光明媚なヴェネチアが、意外と胡散臭く描かれていて、全体の雰囲気はけっこう自分好み。それから、結婚相手に嘘つくと、話がこじれるから気をつけようという教訓も描かれてます(笑)

 

そういえば…上の方でチラっと書いたけど、仮面がいっぱい飾ってある中に、生身の殺人鬼が、壁の向こう側から頭を出しているのが混ざってるっていう…めっちゃアナログで古典的なトラップが出てくるんだけど、ちょうど今、BS松竹東急で始まった「江戸川乱歩の美女シリーズ」全作放送を追いかけていて、この間、見た「江戸川乱歩美女シリーズ② 浴室の美女」の中で、まったく同じことを犯人の西村晃がやってて、天地茂演じる明智小五郎を翻弄していたなぁって思った。そうか、あのシーンでちょっと笑いそうになったのは、土曜ワイドと一緒だったからか(爆)
 

 

監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア

出演:イングリッド・ガルシア・ヨンソン シルビア・アロンソ ゴイセ・ブランコ ニコラス・イヨロ アルベルト・バング

 

 

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DVD べネシアフレニア

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オールドマン(2022年)


オールドマン [DVD]

 

今日は朝から、母親の外来付き添いのため病院へ。先週の金曜日まで入院しておこなった治療の、経過観察だったんだけど…おかげさまで数値的にはかなり良好だそうで、次回の外来予定は通常スパンに戻る。ただし…病院自体は、かなり混雑してまして、朝イチで出かけて、検査→診療→会計→薬の処方、すべて終わるまで昼過ぎまでかかってしまったので、オカンもオイラもだいぶくたびれてもうた。かったるいので早めに寝ようかなと思ったけど、短めの映画を1本…WOWOWのスリラー映画特集でエアチェックしておいた「オールドマン」を鑑賞したよ。

 

とある森の奥にある小屋…どうやら老人が1人で暮らしている様子。しかし、小屋の中のベッドで目覚めた老人は、一緒にいたはずの“ラスカル”の不在に気づき、落ち着きなく小屋の中をさまよい歩く。やがて、ノックの音と共に来訪者が!それは道に迷ったという青年ジョーだった。しかし、ジョーの説明に不審な点を感じ取った老人は、訝しがり、ジョーに銃を突きつけたまま、なかなか心を許そうとしなかった。とりあえず小屋に招き入れられたジョー。老人が自分の過去の経験談などを語って聞かせているうちに、どんどん身の危険を感じ始めるのだが…。

 

「アバター」のクオリッチ大佐、「ドント・ブリーズ」シリーズの盲目の老人など怒らせたら激ヤバなジジイを演じさせたら右に出る者がいない…とまで言っちゃうと、ちょっと言い過ぎかもしれないけど、とにかく危ないジジイ役が似合うスティーヴン・ラングが、これまたクセの強い狂ったジジイを演じた主演作品。しかも…もう1人のメイン登場人物とほぼほぼ2人芝居…途中で挿入される回想シーンなどで、たまに他の登場人物との絡みもあるけど、だいたい1人芝居か2人芝居です。っていうかキャストも、結局は…全部で4人しかいなかったんだけどね…少なっ!

 

山だか森だか…どこかの奥深い場所にある小屋、そこで老人スティーヴン・ラングが目覚めるのだが、明らかに挙動不審、ジジイ、ボケとるんじゃないか?そして、“ラスカルがいない!”と大騒ぎ。人間なのか、それともペットの名前か…最初はよくわからんかった(その名前を聞くと、アライグマを思い出してしまうじゃん)。ジジイは、ラスカルの行方を探しながら、小屋の中を右往左往。やがて…ノックの音と共に小屋に人が訪ねてくる。ジジイ、なぜか殺る気スイッチが入り、ショットガンを構えて応対…訪ねてきた相手に“ラスカルか?”と名前を訊ねる。

 

ああ、ラスカルはどうやら人の名前だったようだ(笑、やっぱアライグマじゃなかったのか)。しかし…問われた相手は、銃に怯え、呼び掛けられた名前にポカーン…絶対にラスカルちゃうやろ~やっぱジジイはボケ老人なのか?訪ねてきた人物も、必死に“怪しいものではない”と訴えかけ、道に迷ったから助けてくれという話になる。とりあえず小屋の中に招き入れるが、銃を突きつけたまま…お前は何者じゃと、執拗に問いただすジジイ。訪ねてきた人物の、話す内容から、“道に迷ったなんて嘘だろ?”と疑っている…その推理がなかなか冴えたりしてるんだよな。

 

一見、本当に“道に迷った純朴そうに見える若者の男”も…ジジイが疑うことで、怪しく見えてくる。もしかして、ジジイがヤバイ奴だったじゃなくて、訪ねてきた若者の方がヤバイ奴だった展開なのか?以降…お互いに腹の探り合いが始まる。ジジイが、かつて訪ねてきたセールスマンとのトラブルを語り出すなど、会話の流れを見てると…今度はやっぱり、ジジイの方が、“森に潜む殺人鬼”っぽく見えてくる…いまにも若者がジジイの毒牙にかかりそう。でも、知らんうちに打ち解け合って、若者の方は、嫁さんとの“夫婦生活の悩み”とか、ジジイに告白したりもする。

 

とりあえず…2人の会話が色々な方向へとっちらかり、それがいったい何を意味するのか?脈略なく見えた、意味不明な会話が、段々と物語の核心に迫ることで、理解できるようになり、最後には仕掛け、秘密が明らかになる。ぶっちゃけ、第一印象のジジイボケてるんじゃないか疑惑…遠からずといったところだろうか。最初にチラっと書いたけど、心身ともにお疲れモードだったので、たびたび、短時間、寝落ちしてしまった箇所がありまして…ちゃんと作品を理解しているか自信もないんだけど、あまりおもろなかったので、1回見ればいいかな、たぶん見直さない。

 

 

監督:ラッキー・マッキー

出演:スティーヴン・ラング マーク・センター パッチ・ダラー リアナ・ライト=マーク

 

 

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DVD オールドマン

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教祖誕生(1993年)

教祖誕生 [DVD]

 

WOWOWの“あなたの映画館”という視聴者リクエスト企画で…「教祖誕生」が放送されていたのでエアチェック。1993年の旧作だが、WOWOWでは今回が初放送だった。ビートたけし原作の同名小説を、「その男、凶暴につき」や「ソナチネ」で監督補を務めていた天間敏広が監督に抜擢され映像化。最近はプロ雀士としての活躍が目立つ萩原聖人が、宗教団体の教祖に祭り上げられる青年を熱演、殿本人も教団運営のキーマン役で出演。岸部一徳、下条正巳、国舞亜矢、寺島進など…北野映画経験者のほか、教団信者役で玉置浩二なども出ていたね。

 

実家へ帰省途中だった高山和夫は、インチキ臭い宗教組織の一段と遭遇…興味本位で、教祖と称する男が、パフォーマンスを繰り広げる様子の一部始終を目撃し、自分も興味を覚える。教団の運営を管理する主管の司馬大介による口添えもあり同行を許された和夫。やがて元ホームレスの初代教祖が、司馬の指示を無視して暴走しはじめたため対立が生じ、初代教祖は追い出されてしまう。そこで二代目教祖に白羽の矢が立ったのが和夫だった。信仰と真面目に向き合う信者・駒村哲治の後押しもあり、和夫は段々と教祖としての自覚に目覚めはじめ…。

 

過去に鑑賞経験はある…劇場公開が93年なので、その後、数年以内にはテレビ放送されてたはずで、確かフジテレビのゴールデン洋画劇場(洋画劇場って番組名だけど、邦画も放送してた)でテレビ初放送されたんじゃないかなと記憶。ノーカットで放送されたかどうかまでは、ちょっと覚えてないんだけど…その放送をVHSに録画して鑑賞したんだよ。インチキ宗教団体の内幕もので…サリン事件を起こす前から、何かと世間を騒がせていたオウム真理教なんかも、かなりモデルにしているんじゃないかなと。原作や映画の発表は、サリン事件よりも前だな…。

 

所詮、宗教なんてまがいもの…信じる方が馬鹿を見るという現実を描く一方、因果応報というスピリチュアルなメッセージも併せ持つ、ビートたけしらしい“毒と笑い”でシニカルに綴ったコメディ。天間監督が、しっかりと北野映画のDNAを継承しており(共同脚本の1人で、北野組のスクリプターとして有名な中田秀子女史もクレジットされてるし)…“これも本人が監督している北野映画の一つ”なのではないかと錯覚を覚えてしまうくらい、雰囲気作りや、間の取り方は似ている。こうしてみると殿(ビートたけし)の芝居も「その男、凶暴につき」の我妻刑事に似ている。

 

ギャグと暴力…殿が初代インチキ教祖・下条正巳(寅さんのおいちゃん)をボコボコにするところも凄かったが、オイラ的には、たかりに来たチンピラ寺島進を、人目の付かない場所に誘い出した岸部一徳が、態度を一変させて、やっぱりフルボッコにするところが、一番…本家北野映画譲りな“怖さ”が出ていたなと、印象に残ったシーンだ。一徳さんの演技が迫力あるよね…いつもはヌボーっとして、殿に対し、下手に出ることも多いんだけど、本当はこっちの方がもっとヤバい奴なんじゃないかなっていうのが、一瞬垣間見える感じの演技がマジで素晴らしかった。

 

あと…教団関係者の多くが、インチキ、金儲けくらいにしか考えていないのに、教えを信じ、殿、一徳さんら運営側としばし対立する堅物信者役の玉置浩二の…一瞬、玉置浩二だってわからないくらいのオーラのなさ、玉置浩二を全く感じさせない演技が、秀逸だ。元チェッカーズの藤井尚之が音楽を担当、一見、シャレオツで不似合いにかっこよさげな音楽だったりするんだけど…意外と胡散臭い映画の内容とマッチ。布教活動を終えた教団一行が、駅にやって来て、ローカル線で移動するシーンがあるんだけど、そこでの音楽と映像のハマリ具合が好きだな。

 

 

監督:天間敏広

出演:萩原聖人 玉置浩二 岸部一徳 ビートたけし 下絛正巳 山口美也子 もたいまさこ 国舞亜矢 南美江

 

 

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DVD 教祖誕生

教祖誕生






 

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アステロイド・シティ(2023年)

 

WOWOWで初回放送を録り逃した(確か、何か録画した番組がかぶって、こちらを犠牲にした)、ウェス・アンダーソンの「アステロイド・シティ」がようやくリピートされたのでエアチェックして鑑賞。アマプラでも会員なら無料見放題になっていたけど(もちろんWOWOWオンデマンドでもーカイブ配信してるし)、録画してからゆっくり見ようと思っていたので、配信は利用しないで待っていた。記事冒頭に掲載したジャケ画像とタイトルのリンク先はセルDVDのものだが…ケースのサイズがブルーレイと一緒なのが珍しいな。ちゃんと背ラベルにDVDって書いてあった。

 

1955年、アメリカ南西部、砂漠の中にある“アステロイド・シティ”…そこは、5000年前に隕石が落ちてできた巨大なクレーターが観光名所になっているほかは、人口も87人しかいない小さな町だった。そんな町に、科学賞の栄誉に輝いた5人の子供と、その家族たちが招待された。やって来た家族たちの中には、妻が他界したことを息子と幼い3人の娘に言い出せずに悩んでいる戦場カメラマンのオーギーと、シングルマザーで子育て中のグラマラス女優ミッジもおり…偶然知り合い、親しくなっていく。やがて授賞式の際に、突如…宇宙人がやって来て…。

 

ウェス・アンダーソンの過去の作品は、いくつか見てるけど…網羅するほどのファン、マニアでもなく、自分的にはなんかけっこう久しぶりだった。たぶんちゃんと見てるのは「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「ライフ・アクアティック」「ムーンライズ・キングダム」の3本…みんな、なんか変な映画だったとう記憶が残ってるくらいで、内容はあんまりよく覚えていない。今回の特集放送で、「ムーンライズ・キングダム」もやってたので、いつか見直すかもしれないと、一応、録画だけはしてある(B・ウィリスのエアチェックコレクションに加えようかなという意図もあってね…)。

 

ということで、「アステロイド・シティ」…やっぱり変な映画だった。本編はモノクロとカラー…2つのパートが混在、それぞれ画面サイズも異なる。冒頭、テレビショーの司会者が出てきて、エドワード・ノートン演じる劇作家が物語を創作する過程、舞台製作の裏側を紐解くために、架空のドラマを放送すると説明、劇中劇のようなものが始まる…これがモノクロパート。一方、映画の本編、本筋ともいえるカラーパートで、前述の“架空のドラマ”の中身が描かれんだけど…これが演劇の内容ともイコールで、妙な入れ子仕掛けになってる。初っ端から、頭がおかしくなる。

 

それでも…モノクロ画面から一転、色鮮やかなカラーパートに入り、軽妙な音楽と共に、荒野を走る貨物列車を追いかけるオープニングクレジット、それに続き、まるでハリボテ、またはいかにも映画撮影場の一角にでもありそうな薄っぺらい感じの“アステロイド・シティ”の町並みが映し出されると、一気にウェス・アンダーソンらしさ全開の世界に引きこまれる。子役も含め、次から次へとよく喋る、個性強めな登場人物がたくさん出てくるし、子役以外のキャストは…“えっ、こんな人も出てるの?”と思うくらい、大物、演技派、曲者ぞろいで、映像を見てるだけで楽しい。

 

単純にストーリーを楽しむというのであれば、カラーパートのシュールな話を追いかけてれば、奇抜で、斜め上を行く展開も多いので、それだけでも充分かなとは思うけどね。公式のストーリー紹介などで、舞台設定は50年代と提示されてるんだけど、劇中でも語られていると通り“架空のドラマ”なので、SFのような小道具も出てくるし、それどころか、どこからともなく宇宙人だってやって来ちゃうんだ。そして、何があっても…劇中の登場人物は、みんな乏しい表情で淡々と物事に対処していく。スカヨハの“自殺演技”は一瞬、本当に死んでるのかと思ったよね…。

 

劇中の“架空のドラマ”が…収拾がつかなくなって、ドリフオチみたいなドタバタになった直後、それが舞台の一部だみたいなネタバラしになったりするところがあるんだけど(最初からそうだろうと思って見てるから秘密でもなんでもないけど)…早口キャラのセリフの応酬、現実なのか、舞台なのか、現代劇なのか、SFなのか…このごった煮感、押井守の「御先祖様万々歳」みたいだなってちょっと思った。本作の後半部分、「御先祖様万々歳」で未来からやって来た孫の麿子が、第5話でとんでもない真相をカミングアウトするラストカットと大いにダブるのであった。

 

 

監督:ウェス・アンダーソン

出演:ジェイソン・シュワルツマン スカーレット・ヨハンソン トム・ハンクス マーゴット・ロビー エドワード・ノートン

 

 

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アステロイド・シティ DVD ジュニア・スターゲイザー・パック

アステロイド・シティ DVD ジュニア・スターゲイザー・パックアステロイド・シティ DVD ジュニア・スターゲイザー・パック






 

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ツイスター スーパー・ストーム(2023年)

 

日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するWOWOWのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「ツイスター スーパー・ストーム(原題:Supercell)」を鑑賞…さすがに本家とは関連がないものの、タイトルで推察できる通り「ツイスター」(今年、全米で続編が公開される!)っぽいディザスタームービー…2022年に交通事故死したアン・ヘッシュの遺作であり、撮影中の事故で人を撃ち殺してしまったアレック・ボールドウィンも出ているという、なんとなくいわくありげな作品になってしまった印象。「スクリーム」のスキート・ウーリッチも出てます。

 

10年前、竜巻の研究家、ストームチェイサーだった父ビルを亡くしたウィル…成長して、自分も父の後を継ごうとしているが、母親のクインに反対される。実はクインもビルと一緒に竜巻の研究をしており、業界でも有名な夫婦だったのだが…ビルの死後は研究から一切手を引いてしまっていた。ある日、ビルと一緒にストームチェイサーの仕事をしていたロイから、ビルの研究成果が記された手帳が届く。ウィルは母親に内緒でロイに会いに行くのだが、彼は竜巻観光ツアー業者ゼインのもとで働いていた。ウィルも自分の才能を試そうと無理やりツアーに参加し…。

 

冒頭、主人公の幼少期が描かれるも…凄腕ストームチェイサーの父親の顔を意識して画面に写さないので、“これは死亡確定”の演出だなと思っていたら、案の定、竜巻にやられてご臨終。自分1人ならまだ良かったものの…一緒に竜巻を追いかけていた学生も巻き添えにしちゃうので、わりと業界で有名な事件・事故として後世にも伝わることになる。嫁さんのアン・ヘッシュが無線で警戒を促したりしてたんだけど…夫・父親は助からなかった。幼少期の主人公は…父親と母親の無線のやり取りを傍で聴いており、父親が帰ってこないことを悟るのが切ない。

 

10年後、母親は竜巻関係の仕事から一切足を洗い、シングルマザーで苦労しながら息子を育ててるんだけど…死んだ父親が忘れられない主人公は、竜巻オタクの高校生になってまして、学校でも変人扱い。もちろん母親も父親と同じ道を歩むことを猛反対している。でも、幼馴染の黒人美少女は優しく寄り添ってくれる。本当によくデキたガールフレンドで…車の運転が苦手な主人公に、自分の車を貸して、運転を“手取り足取り”教えてあげたりするんだ。しかも…後に主人公は黙って家出するんだけど、その時に、母親と一緒に探しに来てもくれるんだよ!

 

最高過ぎるいい女!まぁ、そのせいで…彼女も酷い目に遭うんだけどね。なんせ主人公は親子揃って“巨大竜巻を引き寄せる”からな…っていうか、竜巻に遭遇しないと、映画が始まらないし、終わらない(笑)映像は確かに迫力はあるものの、ワンシーンワンシーンがわりと短めなので、「ツイスター」や「イントゥ・ザ・ストーム」といった他の類似ディザスターと比べてしまうと、若干物足りなさもあるんだけど、名の通ったキャストも色々と出てるし、充分に大作感はある…劇場で金を払って見ると微妙かもしれんが、WOWOWのジャパンプレミアの中では当たりの方。

 

 

監督:ハーバート・ジェームズ・ウィンタースターン

出演:スキート・ウーリッチ アン・ヘッシュ アレック・ボールドウィン ダニエル・ディーマー

 

 

【Amazon等ではまだ見つからないので…代替作品】

ツイスター(字幕版)

イントゥ・ザ・ストーム(字幕版)

ツイスター(字幕版)イントゥ・ザ・ストーム(字幕版)






 

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先週の読書:「すべてはエマのために」「帝都争乱 サーベル警視庁2」

 

おかげ様で、月曜日から治療のために入院していた母親が、本日、無事に退院できました…当初は2泊3日の予定だったんだけど、入院当日、担当看護師師から3泊4日に変更になった旨を伝えられ、本当は昨日の午前中には退院予定だったのに…直前になって色々と検査の数値に気になるところが判明1日延びた。今月は日にちを開けて何度か外来へ通院しなければならなくなってしまったんだけど…医師から“帰っても問題ない”と判断されたことは良かったなと、ひとまず安心。当分、映画館へ行く暇がなさそう…先週の金曜日に2本見ておいて良かった。

 

今週、ウチの地元の映画館で見たい作品の公開がなかったのは幸い…まだ見れてない「アイアンクロー」は、しょうがないので、配信かWOWOW放送待ちでもいいかな?さて、1週前に読んだ読書の感想を、読書ブログから転載し、近況報告と一緒に、毎週、できれば週の半ばくらいまでにはアップしてるんだけど…すっかり先週分を忘れてた。ブログの更新はそれなりにこなしてたんだけど…母親の入院中は、若干、いつもと生活リズムが異なったので気もそぞろだったのだろう…ちなみに、今週はぜんぜん読書できてないので、来週の読書ネタ更新はお休み。

 

えーと、先週は2冊ほど読了できてました。まずは1冊目、「すべてはエマのために」…第一次世界大戦下のルーマニアで、新人看護婦が不可解な連続殺人、裏表紙掲載のあらすじの表現をそのまま拝借すると“仮面事件”というものに巻き込まれる。著者の代表シリーズ、“使用人探偵シズカ”シリーズの1つでした。2冊目は今野敏センセイの「帝都争乱 サーベル警視庁2」…こちらもシリーズものの2作目、1作目も随分前に読んでいる。日露戦争直後の東京、日露講和条約締結の影響で暴動が起きてしまうが、その渦中で不可解な殺人事件も起きてしまう。

 

詳細なジャンルや作品の舞台が異なるので、読んでる最中はあまり気にならなかったが…よく考えると2冊とも戦争が色濃く反映された事件を扱っていたななんて思うのであった…普通だったら、問答無用で今野敏センセイを選びたいところだが、ちょっと歴史もので、政治色が強めの作品って、若干苦手。それでも面白く読めてしまうのが敏センセイならではなのだが…ミステリーとしてしっかりと楽しめたのは「すべてはエマのために」だったので、今回の“推しの1冊”は、月原渉の「すべてはエマのために」の方に決定。シリーズものですが単発で読めます!

 

 

 

2023年6月発行の月原渉著「すべてはエマのために」…第一次世界大戦期のルーマニア、新人看護婦が、地方の資産家当主を専属で看護することになり、住み込みで働くことになったんだけれども、到着早々、不可解な連続殺人に巻き込まれる。実は、招かれた資産家一族というのが、主人公の出自にも深く関わっており、どうやら血縁関係があるらしい。当主の娘が、主人公と瓜二つの顔を持ってるんだけど、なぜかいつも仮面をつけたままだったり…最初から不可解な点も多かったが、次々に殺される一族の人間も、みんな仮面をつけた状態で発見される。

 

明らかに他殺の可能性が濃厚なのだが、屋敷の人間たちは“自然死”を強調、どうやら事件化させたくないようだ。仮面の謎、不可解な関係者の態度…その他にも、さりげなく死体消失や密室といったミステリ的な謎を提示してくる。看護婦である主人公の他に、もう1人、お屋敷に招かれた人物がいて、それが女医師。彼女が強硬に“事件を見過ごせない”と言い張り、探偵役として謎に迫っていく。この探偵役の女医というのが…どうやら日本人らしいシズカさん。なんだ、これも過去に何作か読んでいる”使用人探偵シズカ”シリーズも1つだったのね…。

 

本作では使用人ではなく女医になってます、でも、過去シリーズに出てきたシズカさんと同一人物だろう。なんで仮面を被っているのか?家族は、なんで遺体から仮面を外したくないのか?時代背景と一緒に考えていくと…真相は大方予想できる。お屋敷や仮面ということで、なんとなく綾辻行人の「水車館の殺人」を思い出したんだけど、最後で明かされるどんでん返しなんかも、ちょっと綾辻っぽかった(「水車館の殺人」ではなく、綾辻センセイの別の作品で使ってたネタにも似てた)。ミステリーとしては及第点だが、ドラマとして最後の展開はホッとしたかな?

 

 

 

2022年8月発行の今野敏著「帝都争乱 サーベル警視庁2」…2020年9月に出ていた単行本を文庫化したもの。以前、読んだことがある「サーベル警視庁」のシリーズ2作目。まだまだ幕末の影響が色濃く残る、明治を舞台に、制服巡査や私服刑事が、元新選組の斎藤一(改名して藤田と名乗っている)らと共に難事件に挑む。今回は日露戦争直後、日露講和条約(ポーツマス条約)の調印を機に、東京で大規模な暴動が発生!国民の鬱憤が首相・桂太郎に向く中、桂の愛人の警護を任された警視庁の警官たちの前で、不可解な殺人事件が起きてしまう!

 

序盤は、歴史色、政治色が強めの話で…登場人物の名前を覚えるのが大変。暴動が起きそうなど、不穏な空気は漂うものの、ミステリーらしい事件が起きずに、若干、退屈気味に感じてしまったんだけど、中盤以降はテンポよく話が転がっていき、最後までイッキ読み出来た。実在の人物もたくさん出てくる…この辺の歴史があまり得意じゃないので、きっと虚実入り乱れているのだろう内容を、どこまでが本当の話で、どこまでが創作なのかが自分には解りづらく、そういうのが得意な人だったら、きっともっと本作、本シリーズを楽しめるんじゃないかなとは思う。

 

ただ、自分のように無知な人間が読んでも適度に楽しめてしまうところは、さすが敏センセイの作品だなと。元ネタがわからないけど…キャラ立ちしているのはしっかり伝わってくる。元新選組の斎藤一…改め元警察官・藤田老人が漂わす雰囲気、この藤田老人が事件のキーマンと直接対峙する場面のヒリついた緊張感はもはや時代小説。明治が舞台というと映像化も難しそうだが、NHKあたりならお金をかけてドラマ化できる題材ではないかと…。または、一番いいのはアニメだな…文庫の表紙なんかも、ちょっと漫画チックなイラスト、ラノベっぽさを感じる。






 

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爆弾男といわれるあいつ(1967年)

爆弾男といわれるあいつ

 

チャンネルNECOでエアチェックしておいた小林旭の“あいつシリーズ”の3作目と4作目を連続鑑賞、3作目の「命しらずのあいつ」に続き、4作目の「爆弾男といわれるあいつ」を鑑賞。“不敵な”→“不死身な”→“命知らずの”ときて、とうとう“爆弾男”になってしまったあいつ=旭、ああ、旭はもともとマイトガイか(笑)このシリーズ、毎回のように監督が変わっていたけど、今回は大好きな長谷部安春監督の担当だったぜ!過去にDVDが出てたようだけど、今でも新品入手できるのかな?アマプラで視聴の際は有料チャンネル“日活プラス”への加入が必要。

 

筧、滑川、星原、白木、深町という5人の男たちが、長岡で現金輸送車を襲撃…その際に、魚住という老人が巻き添えをくって殺されてしまう。一方、東京に戻って来たギターの流し、熊五郎は…新聞記事で恩師の魚住が死んだことを知る。熊五郎は魚住の遺された一人娘・麻子の力になりたいと思い立ち、それを知った貴分の都築浩介を伴って、一緒に長岡へ向かうことに。やがて事件を担当する刑事から、詳細を聞かされた2人…犯行に使われた銃の特徴から、過去に都築と遺恨のある滑川が関与してるのではないかと考え、事件を詳しく調べ始めるが…。

 

長谷部監督の作品だからか…急に作風が変わったんじゃない?今までよりも全体的にスタイリッシュで、よりかっこよさが増した印象。冒頭、いわゆるオープニング前のアバンも、今まではだいたい旭本人のピンチみたいなのが描かれていたんだけど、そこでは旭は一切登場せず。代わりに、このシリーズでは初参加だと思われる西村晃、青木義朗、岡崎二朗が、内田良平、高品格など“見た顔”と一緒にチームを結成し、現金強奪を企てる様子が、スリリングなクライムサスペンス風に描かれる…その中で、巻き添えをくって一般人の老人が殺されてしまう。

 

オープニング明け…前述の殺された老人が、実はレギュラーキャラ、東京ぼん太の恩人であることが判明。その事実を知った旭が…面識はないが、弟分の恩師なら、俺も一緒に線香をあげにくと言い出し、事件のあった長岡に向かう。遺族である恩師の娘と対面して挨拶、その後…担当刑事が、元ヤクザという旭の素性を見抜き、わざとらしく事件の詳細を教える。案の定、話を聞いてて、何かピンとくるものがあったらしい旭。事件に使われた特殊な銃弾の特徴で、ヤクザ時代に遺恨のあった相手・青木義朗の仕業だと見抜き、復讐のため事件を調べ始める。

 

青木義朗の行方を探すため、昔馴染みに接触するんだけど…それが強盗一味の1人、岡崎二朗。旭には知らぬ存ぜぬで通し切り、他の仲間に旭が現れ、事件を調べている事実を伝える。もちろん、そんなヤツ=旭、ぶっ殺しちまえってなるわけで…。事件、復讐相手を追う旭、当然、犯人グループとの壮絶な戦いを繰り広げることになり、ついでのようにぼん太も巻き込まれる。走行中のダンプにしがみつき、よじ登る旭。別のシーンでは、鉄道の操車場で追いかけっこや銃撃戦をぶちかますなど…長谷部監督の後の代表作「あぶない刑事」ばりのアクションだ。

 

後半…旭VS強盗犯だけでは終わらず、盗んだ金を巡る争奪戦が悪党同士で勃発。強奪した金を資金洗浄してくれるはずの別組織の人間に奪われそうになったのをはじめ、仲間同士でも分け前でもめて殺し合いに発展!さらには強盗犯たちの後ろで暗躍する“謎の女”の影がチラつき…なかなか正体を明かさない。きっと今までに出てきた女の登場人物の中の誰かなんだろうとは思うんだけど、イメージに合致する人がいない。はて?それでも、意外性を狙うなら“たぶんあの人なんだろうな”というメタ的な消去法で見当はつき、驚き半分、やるせなさ切なさ半分。

 

旭も含めた…誰が生き残るかなサバイバル。悪党たちの死に方もバラエティに富んでいて面白かった。っていうか…今まで中盤のアクションあたりであった“旭のちょっと間抜けな登場シーンが挿入される”ていうのも、今回はなかったな。いやいや、ギャグがまったくないわけじゃないんですよ…東京ぼん太が相変わらずかましてくれますし。“あいつ”シリーズは、この4作目で最後らしいが…個人的には、これが一番面白かったな。1~3もそれなりに良かったけど、一番ハードな感じがした。4作品のうち3作品に登場した藤竜也、今回は珍しく死なない役だった。

 

 

監督:長谷部安春

出演:小林旭 東京ぼん太 内田良平 岡崎二朗 青木義朗 高品格 藤竜也 嘉手納清美 西村晃

 

 

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爆弾男といわれるあいつ

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命しらずのあいつ(1967年)

 

本日、予定していた母親の退院が、1日延期になってしまった…朝イチで、本人から“迎えに来て”と連絡が入ったのだが、その後…主治医から“退院を明日にしたい”と再連絡。今回の治療の経過に関しては良好らしいのだけど…治療の際に私用した薬品等の影響で、血圧やらなんやらに若干影響が出ている、退院しても問題ないレベルだが、年齢などを考慮して万全を期したいとのこと。特に“病状説明の呼び出し”といった感じのものもなく…明日こそ退院できると思うと、主治医の確約も得ており、本人も納得・了承済みらしいのでお任せすることにした…。

 

指定された退院時間の30分前に、家を出ようと準備してるところに、病院からの電話だったのでびっくりしつつ、一足違いで出かけた後じゃなくて良かったと…ということで、退院の付き添いは、また明日仕切り直すことになった。そんなわけで、時間が空いてしまったので、なんとなくボーっとしてます。えーと、昨日はチャンネルNECOでエアチェックしておいた小林旭の映画を2本連チャンで鑑賞したのでその感想を…先月放送になった「不敵なあいつ」「不死身なあいつ」、“あいつシリーズ”の続きなんだけど、シリーズ3作目の「命しらずのあいつ」から鑑賞したよ。

 

ヤクザから足を洗い、ギターの流しとなった都築浩介が同業者の熊五郎と博多の街へ戻って来た…実は、一緒にヤクザから足を洗った友人の哲夫が謎の失踪を遂げたと、妹の美津子から連絡をもらったのだ。一方、都築と哲夫が属していた組は、2人がいなくなった後に、組長の死で消滅。幹部だった長谷部が遺産を受け継ぎ、今では堅気の大村産業の副社長の座に収まっていて…なにかと都築のことを気にしている様子だ。都築は馴染みのダンサー明美の恋人で、長谷部の部下でもある新次が哲夫の失踪について何かを知ってるのではないかと睨む…。

 

元ヤクザで流しになった小林旭と、金魚のフンのようにくっついてまわる同業の弟分、東京ぼん太が同じキャラクターで出てくるというのはこれまで通りだが…前のシリーズに出てきたかのようにシレっと登場する昔の知り合いがみんな実は新キャラ、役者も前に死んでるのに、別の役で再登場しているという…この手の映画のお約束ともいえるガバ設定…辻褄があってるような、あってないような、まぁ、そんなのどうでもいいやってなる3作目。とりあえず、親友が失踪したと、親友の妹から聞かされて、慌てて故郷に戻って来た旭が古巣ヤクザとバチバチする。

 

旭と失踪した友人が属していた組は既に消滅してるんだけど…残党たちが、表向きは“堅気のフリ”して、実は裏社会を牛耳っていた。そいつらの、なんらかの不正に関わってしまったせいで…どうやら友人は失踪したらしい。旭に痛い腹を探られたくないヤクザたちは、街に足を踏み入れたばかりの旭に、やたらとちょっかいを出してきて、追い払おうとする。逆に、そんなことするから…こいつら怪しいんじゃねーかと疑うわけで。やがて、ヤクザ連中が、“店の女たち”を勝手に海外に売り飛ばそうとしているなどの悪事が発覚、旭とヤクザの戦いが本格化する。

 

今までのシリーズも、真ん中辺で…敵のアジトに乗り込んで、誰かを救出するという展開があったんだけど、毎回のように、“唄いながら現れたり”、“ターザンのようにロープにつかまって現れたり(どうやってロープを用意したんだ?という疑問がわく)”、どこか間抜けで笑ってしまったんだけど…今回もいきなり花飾りのついたゴンドラに乗って天井から降りてくると…色々な意味で度肝を抜く登場であった。結婚式のダサイ新郎新婦みたいやがな(笑)一番、驚いたのは…悪党と戦った後に、もう一度、そのゴンドラに乗って、消えていくという…お前、どこ行くんだよ!

 

と、ちょっと小馬鹿にしながら見てたんだけど、その後…別の襲撃で爆発に巻き込まれ、重傷を負い、なんと聴力を失うという、どひゃーな展開。ヤクザに雇われた殺し屋・内田良平にも…“そんな状態で戦っても意味ない”と情けを掛けられる。ただし、ヤクザたちはお構いなしに、息の根を止めようと、色々と罠を仕掛けてくる。一応、医者からは“時間が経てば治る”と言われており、それでも耳が不自由で苦しむ旭…読唇術で急場をしのぐ。耳が聴こえないので、撃たれて、近くに着弾しても驚かないという演技がなかなか…最後はグッドタイミングで聴力が回復。

 

律儀に聴力の回復まで待っていた殺し屋・内田良平との決闘は…瞬時に勝敗が決まるも、なかなかの緊張感で見応えがあった。一瞬、旭が負けるバッドエンドかと思ったぜ…今回の旭にはけっこうヒヤヒヤさせられた。エンディング間近…急にカメラ目線になり、映画のシリーズについて観客(視聴者)に向かって語り掛ける東京ボン太にちょっと笑う、「デッドプール」とかでもやってた“第四の壁を破る”演出ってヤツだな。先月見終わっている「不敵なあいつ」と「不死身なあいつ」もそうだったけど…この「命しらずのあいつ」もアマプラで無料対象になってました。

 

 

監督:松尾昭典

出演:小林旭 東京ぼん太 内田良平 広瀬みさ 藤竜也 浜川智子 高品格 江見俊太郎 山田禅二

 

 

【アマプラでも無料で見れたのね…】

命しらずのあいつ






 

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