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先週の読書:「天使が堕ちた街」「酔いどれ犬」

先週の読書:「天使が堕ちた街」「酔いどれ犬」

 

来週は…事前に予定が決まっていて、本当に短期間なんだけど、母親が治療のために入院するので、その手伝いもあり、色々とバタバタしそうなんだよね。今週末公開の映画も何本か見たいのがあるんだけど(とりあえず「オーメン」の新作を見たいんだけど、久しく見直していない昔のシリーズをおさらい鑑賞しておくかどうか迷っている)…来週の前半は特に、見に行くのが無理かな?できれば母親の入院前、公開初日に2本くらいハシゴしておきたいところだけど…こちらも当日にならなきゃ、ちょっとわからないなぁ。まぁ、なるようになるしかならんな…。

 

えーと、読書の方は、先週もなんとか2冊ほど読了しました…両方とも“積読本の整理をしていて見つけた”、樋口明雄センセイの、けっこう昔に購入した文庫本。特に、1冊なんか…現時点でAmazonのマケプレにも出品されていなかったので、もしかしたらけっこう貴重な本なのかも?なんて思ったり。Ameba Pickの仕様上、正規品が品切れで、マケプレでの扱いもないと…リンクが挿入できないんだよね。楽天の方だと…在庫がなくても、表示はできたけどね。1冊目はそんなマケプレにもない「天使が堕ちた街」という…ブレランチックなSFハードボイルドです。

 

2冊目は「酔いどれ犬」という、現代(といっても1999年が初出の作品)を舞台にしたハードボイルド、元俳優の飲んだくれ中年が探偵役を務める。同じ作者のハードボイルドでも、まったく作風が違うなぁ。ちなみに、こちらもネット書店では新品は在庫切れだったが、マケプレだと低額で出品されているものがあった。個人的には「天使が堕ちた街」も面白くてお薦めなんだけれども、マケプレでも入手困難な作品を推すのもあれなんで、比較的、古本でも入手しやすいだろう「酔いどれ犬」の方を今回の“推しの1冊”に決めたいと思う…こっちの方が万人受けはしそう。

 

 

 

2007年8月発行の樋口明雄著「天使が堕ちた街」…約17年も前の本だけど、自分もかなり前に古本で入手し、積読本の中にあったものを、最近になって発掘。いつもはここのアフィリンクはAmazonのものも併記してるんだけど、既に絶版のようで、現段階ではマケプレでも在庫切れだったので…Ameba Pickの仕様上、Amazonのリンクが追加できなかった。マケプレでも在庫切れってことは、けっこう貴重品なのかな?転売ヤーが所持してたら、すげー金額で出品しそうだな。ちょっと本当の価値を知りたいな…ちなみに日焼け、小口にシミありで状態は悪い。

 

まだGA文庫ってあるのか?ソフトバンク系列の出版社から出ているラノベレーベルなんだけれども、そこは樋口センセイなので、一般文芸作品と遜色のないボリューム。内容は映画「ブレードランナー」にインスパイアされたSFハードボイルド。“1999年の現代”で刑事をしていた主人公が…犯人の銃弾に倒れてしまうんだけれども、妻の意向もあって、医療技術が発達するであろう未来に託しコールドスリープされる。それから46年後…大きな戦争などの影響で、すっかり様変わりしてしまった未来の地球、ニューLAで、突然、目を覚ますことになった主人公。

 

“現代”とは似ても似つかない、近代化した未来社会に面食らいながら…なんとか適応していこうと奮闘する中、実は煌びやかなニューLAとは正反対、下層の人間が暮らす旧市街で進行中の陰謀に巻き込まれ、命を狙われてしまう。当面の敵はバイカー軍団を束ねるヤクザな男…この時代に主流の“プラズマガンを跳ね返す特殊な防弾スーツを着用しているので、まるでターミネーターのように不死身。主人公はひょんなことで知り合った旧市街で暮らす訳ありのハッカー少年や、謎の中国人女スパイと行動を共にしながら…この強敵や陰謀に立ち向かっていく。

 

なんか小島秀夫監督の昔のゲーム、「スナッチャー」や「ポリスノーツ」なんかの雰囲気にもちょっと似ている。46年という時代経過を背景にした主人公に関するドラマなんかは、けっこう予想通りなところもあったんだけど、世界観や細かい設定説明などちゃんとSFを読んでる気分に浸れるところが良かったですね。それこそアニメとかゲームとか何らかに形で視覚化されたものを見て見たいと思ったりもするが、17年も前の作品だからな、難しいだろうな(笑)マケプレでも在庫切れなので、かなり入手し辛いと思いますが…根気よく古書店を探してみてください。
 

 

 

2010年2月発行の樋口明雄著「酔いどれ犬」…もともとは1999年に角川書店(現・KADOKAWA)から出ていた、たぶん単行本の文庫化。かつてそこそこ売れていた役者だが、今は嫁に逃げられ、阿佐ヶ谷で細々と暮らしている飲んだくれの中年男が主人公。ある日、飲み仲間の1人が多摩川で死体になって発見される…どうやら殺しらしい。被害者は…近々閉館になる阿佐ヶ谷の名画座の支配人の息子であり、主人公は父親とも顔見知りだった。やがて、被害者の妻も行方不明になっている事実などが判明…主人公は被害者の死の真相を調べ始める。

 

やがて他所からやって来たヤクザものに目をつけられ襲われたり、行方不明だった被害者の妻から“会いたい”と接触してきたり…挙句の果てに新たな殺人事件まで発生し、どっぷり事件につかっていく。酒好きであり、喧嘩っ早く、ヤクザでも警察でも物怖じせずに掴みかかる主人公…本人は孤独を気取っているが、意外と人望もあって、周りにファンは多い。嫁も三行半を突き付けたわりには…のこのこ戻ってきて、事件に巻き込まれるしな。主人公が捻くれた性格なのは、父親がヤクザで…今も服役中、母親と妹を交通事故で無くしているというあたりに起因。

 

この主人公が背負っている過去を含む…親子の確執というのが物語に大きく影響している。憎くても、やっぱり肉親は肉親…孝行できるときにしておかないと、後悔するぞと。昔は、こういうベタなテーマには“ケッ”って思っちゃうような時期もあったけど、自分も年齢を重ねてくると、けっこう身に染みるのよね。全体的に、いい感じにグダグダしてて、しっかり渋さやカッコよさも味わえる…正統派なハードボイルドといった印象だな。派手なアクションも、意外な真実もあって、面白かったです。名画座の閉館というサブストーリーがあるので、映画に関するネタも多めだ。






 

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傷だらけのメロディー(1986年)

傷だらけのメロディー (字幕版)

 

再加入中のHuluで…旧作の香港映画を率先して見ている。昨日鑑賞した「サイキックSFX/魔界戦士」に続き、今日もチョウ・ユンファ兄貴の今まで見逃していた作品を1本…アクションコメディ「傷だらけのメロディー」を鑑賞。タイトルは知ってたけど…これも見る機会がなかたんだよな。ユンファ兄貴演じる刑事が、捜査中に…女性を怪我させてしまうんだけど、その相手が大陸からの密入国者だったことから、様々なトラブルが巻き起こる。過去にDVDは出ていたが、やっぱりAmazonのマケプレでプレ値になってる…アマプラの配信だと有料扱いでした。

 

刑事のボンは上司の“年下の叔父”だというチョンヤンと相棒を組むことになった。2人は麻薬犯ホンの取引現場を押さえるべく、張り込みをしていたのだが…チョンヤンが万引き犯の女に注意を奪われてる隙に、ホンが現れ、張り込みがバレてしまう。2人はホンを取り逃がしたばかりか、チョンヤンの捕まえた女を巻き込まみ、怪我を負わせてしまう。上層部に失態を隠したい2人は…こっそり女を病院に連れて行き、治療を受けさせるも、女が目を覚ました時に、記憶を失っており、ボンを夫と勘違いする。仕方なく家に連れ帰るボン、後に彼女が密入国者と判明し…。

 

冒頭、中国から香港に密入国を企てる女ジョイ・ウォン…途中、仲介人みたいな悪党に襲われそうになるも、抵抗して、その場から逃げ延びる。一方、警察幹部の“年下の叔父”が警察内の問題児で、業を煮やした甥っ子の幹部が、刑事のユンファ兄貴とコンビを組ませることに。ユンファ兄貴の方も…プレイボーイを気取るちょっとイタイところがありまして、金持ちタカビー女との交際を優先し、モデルに転職しよとしてたんだけど…上司に却下され、新人刑事(=幹部の叔父さん)のお守りを押し付けられた形…これでデコボコな珍コンビが誕生したというわけです。

 

さっそく麻薬犯を追って張り込みをする2人だが、ユンファ兄貴の相棒が、目ざとく万引き女を見つけちゃいまして、そのせいで張り込みがバレ、犯人を取り逃がしてしまう。その際に…犯人が抵抗して、車で突っ込んできたことで、万引き女が巻き添えをくらって大怪我。ユンファ兄貴たちは…上司に自分たちの失態がバレたら困るので、こっそり万引き女を病院に連れて行く。病院でも身分を偽るため、万引き女の旦那のフリをするユンファ兄貴…これが更なるトラブルの原因。万引き女=密入国者ジョン・ウォンは、強制送還を逃れるため記憶喪失のフリをする。

 

そのため、ユンファ兄貴のついた“夫婦という嘘”に便乗、ユンファ兄貴を“旦那だと思い込むフリ”をして…2人につきまとう。密入国者だから泊まる場所もなかったのよ。もちろんジョイ・ウォンの方も、本当にその場しのぎのつもりだったんだけれども、ユンファ兄貴の母親に恋人と間違えられちゃったり、それこそ本物のカノジョ、金持ちタカビー女と鉢合わせして修羅場になったり…そんなこんなのやり取りがあるうちに、ユンファ兄貴も金持ちタカビー女よりも、密入国者ジョイ・ウォンの方に惹かれていき、彼女がなんとか香港に居住できるように、相棒と一緒に奮闘。

 

その場、その場でアクションもあるんだけれども…どちらかというとラブコメメインな感じだったか?ただし、冒頭の密入国者ジョイ・ウォンと、悪党との因縁話が再びドラマに絡んできたあたりから一気にシリアス路線へとなだれこむ。想像していたよりもハード…いきなりそこだけ、「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」(またはオリジナルの「発情アニマル」)みたいな“レイプ・リベンジ・ムービー”と化し、圧倒されてしまった。全体的なジャンルはまったく異なるけど…変なラブコメが後半で急展開する構成は、昨日鑑賞した「サイキックSFX/魔界戦士」と一緒だよね。

 

 

監督:ロウ・マン

出演:ジョイ・ウォン チョウ・ユンファ ルイ・フォン ポール・チョン ケント・チェン

 

 

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傷だらけのメロディー

傷だらけのメロディー (字幕版)






 

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サイキックSFX/魔界戦士(1985年)

サイキックSFX/魔界戦士 (字幕版)

 

この間、「十角館の殺人」目当てに再加入したHuluで…旧作の香港映画を率先して見ている。今日はなんとなくチョウ・ユンファ兄貴の気分だったので、「サイキックSFX/魔界戦士」をチョイスして鑑賞した。ユンファ兄貴は若い頃にドハマリして…せっせと中古VHSを色々と買いあさったもんだけれども、この辺のヤツは入手できなくて、結局、見ないままだったんだよな。後年になり、DVD化もされたみたいだけど…Amazonだとマケプレで軒並みプレ値になってますね。アマプラの配信でも見れますけど、やっぱり有料扱いでした…Huluだと見放題対象ですよ。

 

ヒマラヤに住む神秘的な部族の族長は神に選ばれ、神通力が授けられていた…しかし、その力を狙う部族内の邪悪な勢力が族長を襲撃…族長は敗れ去ってしまう。族長は最後の力を振り絞り、“東からやってくる後継者の男に力を授ける”と伝える。族長から言葉を託された巫女シーラは、後継者を求めて下界へ向かう。一方、恋人のアイーダとネパール旅行にやって来た青年ジョーは…不思議な女性を目撃。その直後、暴走した象から落ちて大怪し、入院することに。そこで再び女性と再会したジョーは、彼女に惹かれながら、不思議な力に覚醒し始める…。

 

ひょんなことから特殊な能力に覚醒してしまったユンファ兄貴が、悪魔との壮絶な戦いに巻き込まれていく…設定は全然違うんだけれども、後半で敵と邂逅するまでの展開など、ところどころ「ハイランダー/悪魔の戦士」なんかにも似てるなってちょっと思って、香港映画なのでもしかしてパクったかな?って疑ってしまったんだけど、製作・公開時期こそ両作とも近かったけど、ネットの情報を信用する限りこっちの方が先に作られていたよ。冒頭は、後にユンファ兄貴へと“勝手に授けられてしまう”神通力を巡っての戦いを描きながら、軽く設定、世界観説明。

 

力を持つ神に選ばれた男が、悪魔に敗れてしまったので…理由はよくわからんけど、その力がユンファ兄貴に継承されることになった、もちろん本人のあずかり知らないところで。授けた方もどこの誰だかわからないから、お告げを聞かされた巫女さんが…人里へ探しにきて、ユンファ兄貴と運命的な出会いをはたし、“この人が新しいご主人様だ”ってなり…後を付け回し始める。ユンファ兄貴には、付き合ってるカノジョがいるんだけど、謎の巫女さんにつきまとわれているうちに、巫女さんの存在が気になり始めて…気づいたら妙な力が覚醒し始めていた…。

 

まず巫女さんが運命の相手ユンファ兄貴を見つけてストーキング…象に乗って観光しながら、スケッチに勤しんでいたユンファ兄貴の前に、突然、巫女さんが現れたから、象が驚いて暴走!泣き叫ぶユンファ兄貴は、結局、振り落とされてしまい…骨折。さらに意識が朦朧とした状態で崖から、茶色く濁った川に落ち、流されて…そのまま行方不明になってしまう。カノジョと捜索隊が必死に探して、ようやくユンファ兄貴を発見…良かった生きてる、でも、病院へ入院することに。しばらく車いす生活だったんだけど、なんと近くの病室に、あの巫女さんが運ばれてくる!

 

巫女さん、下界の人間とは文化も違うようで、言葉もろくに通じない…っていうか、もはや野生児、女ターザン状態だ。何度か病院関係者や役人に追いかけられるシーンがあるんだけど、動きが猿みたいだった。たぶん、これも当時の流行り設定の1つなんだと思うけど…タニア・ロバーツが女ターザンを演じた「シーナ」とか、あとはアニメの「魔法の妖精ペルシャ」とかをなんだか思い出すキャラクター像。そして、なんだかんだで、容姿がいいので色仕掛けも簡単に成功…序盤はユンファ兄貴が酷い目に遭う話だが、後半はユンファ兄貴が酷い男だったという(笑)

 

ユンファ兄貴はカノジョがいるのに、得体のしれない女との肉欲に溺れていくのであった…ちゃんちゃん。巫女とヤリまくってたくせに、カノジョの機嫌もとって、ヨリを戻そうとするし…神の力が与えられるのはこんな男でいいのだろうか?ユンファ兄貴の力が本格的に覚醒するまではいかにも香港映画らしいテンポ感の奇妙なラブコメを見せられてる感じなんだけれども、最初に族長を倒した敵と直接対峙して以降は一気にシリアスさが増し、怒涛のアクションになだれこむ。ツッコミも入れまくったけど、なんだかんだで最後はかっこよかったから、まぁいいか…。

 

 

監督:チン・シウトン

出演:チョウ・ユンファ エミリー・チョウ ディック・ウェイ ナム・キットイン

 

 

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サイキックSFX/魔界戦士 (字幕版)

サイキックSFX/魔界戦士 (字幕版)






 

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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年)

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年)

 

【鑑賞日:2024年4月1日】

 

公開初日はもう1本の新作・話題作「オッペンハイマー」を見てしまったので、さすがに3時間の映画とのハシゴができず、鑑賞を断念していた「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」を、地元のシネプレックスで見てきた…ファーストデー(でも会員割引と同じ金額なのでほとんど意味なし)と春休みが重なって、劇場はそれなりに混雑してたけど、親子連れや友達同士の複数人鑑賞は…ほとんどドラえもんかハイキューのお客さん。この間の「オッペンハイマー」もそうだったけど洋画は空いてるなぁ…ぜんぜん人がいない、特に学生や子供が少なかったなぁ。

 

15歳の少女フィービーとその家族、母親キャリー、兄トレヴァー、母の恋人ゲイリーは…フィービーの祖父イゴン・スペングラーが一員だったゴーストバスターズを継ぎ、ニューヨークで幽霊退治に勤しんでいたのだが、仕事の度に街中で騒動が起きることから、市長から激しく叱責された挙句、未成年のフィービーが仕事に就くことを禁じられてしまう。一方、やはり元ゴーストバスターズの一員で、オカルトショップを営むレイ・スタンツの元へ怪しげな球体が持ち込まれ、買い取ることになったのだが…球体の中には史上最強のゴースト“ガラッカ”が封印されていた!

 

リブート兼シリーズの正当な続編でもあった2022年公開の「ゴーストバスターズ/アフターライフ」のその後を描いた新作…メインどころのキャストはほぼ前作から続投しており、今回もしっかりと旧作のメンバーが話に絡んでくる。さらに懐かしの顔が増えていて(逆に出ない人もいるので、実際は“プラマイゼロ”ってところだが)、物語の舞台がニューヨークに戻ったことで、より「ゴーストバスターズ」らしさは感じられっるようになったか?でも、賛否両論あった前作のジュヴナイル映画感も、意外とオイラは好きなんだけどな…今回は直球のファミリー映画になった。

 

前作の序盤では母子家庭だった主人公一家…ママさんが、主人公の通う学校の教師ポール・ラッドといい雰囲気になるロマンスも描かれていたんだけど…本作ではすっかり家族の一員に昇格!いや、年頃の娘である主人公とは…微妙な距離感もあって、今回はそのあたりのドラマも見どころとなっていく。田舎からニューヨークの都会へ出てきた一家は、全員で“ゴーストバスターズ”の仕事を継承しているんだけれども…世代が合わっても“トラブルメーカー”であるのは同じであり、ゴースト退治の度に街を破壊するから、“市長”から目の敵にされているわけよ。

 

そして“未成年”という理由で…主人公は大好きな“ゴーストバスターズ”の仕事からハズされてしまい、やり場のない怒りを沸々とさせ、大いに悩むのであった。一方、元“ゴーストバスターズ”であり、胡散臭いオカルトショップの経営をしているダン・エイクロイドの元へ、“謎の球体”が持ち込まれるんだけれども、それが今回の騒動の元凶となる。中にはとても邪悪な力が封じ込められていて、案の定、その封印が解かれてしまったことで…ニューヨークがどエラいことになる。一時は空中分解しかけたファミリーと元メンバーが集結して、巨大な敵に立ち向かう!

 

前作を見た時、最初はてっきり“男の子”だと思ってしまったマッケナ・グレイス演じる主人公フィービー…今回も恰好こそ前作同様の“ちょっとボーイッシュ、ちょっと中性的”な出で立ちではあるものの、年相応な女らしさが増し、女子度はかなりアップしていて…普通に可愛いかった。前作での良き相棒ポッドキャストも健在…こちらはいい感じに、よりダサくなって笑わせてくれる。この2人からは、まったくといって男女の生々しい関係性は漂ってこない。それどころかフィービーちゃんは、美人幽霊となんだかいい雰囲気になってて、よっぽどそっちの方がお似合い。

 

今回の敵ゴーストの能力、強さを描く当たりで、若干ホラーっぽい怖さも味わいつつ、アクション、VFX、コメディが程よいバランスで混じり合い、見ている間は楽しめるのだが…邦題が“フローズン・サマー”だけに、冷房がギンギンに効いた真夏の映画館で見た方が、雰囲気は三倍増しだっただろう。あとは、前回に続きオリジナルキャストの再登場は嬉しいものの…どうせなら、なかったことにされている2016年版「ゴーストバスターズ」の女子チームも参戦するくらいのサプライズは新たに欲しかった。それこそ新旧のメンバーが勢ぞろいしたら圧巻だっただろう。

 

 

監督:ギル・キーナン

出演:ポール・ラッド キャリー・クーン フィン・ウォルフハード マッケナ・グレイス クメイル・ナンジアニ

 

 

【前作は見ておいた方がいいかも…】

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THE KILLER/暗殺者(2022年)

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WOWOWの“特集放送:空前絶後のハードアクション6連発!”でエアチェックしておいた「THE KILLER/暗殺者」を鑑賞…表向きはカタギを装っているが、本当はめっちゃ凄い殺し屋だった“旦那”が、嫁に頼まれて、知人の娘(JK)の“子守り”をすることになったんだけど…それがとんでもなトラブルの発端だったという韓国映画。今回の特集のラインナップ、鑑賞済みだった1作品を覗く5作品を率先して見ていたが(配信購入済みだった「ウルフパック/狼群」も、念のためエアチェックして焼いてある)、中国、アメリカ、韓国となかなかバラエティに富んでいたな。

 

殺し屋として名を馳せたウィガン…今は妻のヒョンスと幸せに暮らしていた。そんなある日、ヒョンスが友人と旅行に出かけることになり、しばらくの間、その友人の娘ユンジの世話を任される。ユンジは17歳の女子高生であり、対応に戸惑うウィガン…ユンジが女友達の家に泊まるというので、喜んで送り出すが、本当はイケメン先輩とのデートだった。しかも、その先輩は学校のいじめっ子女子たちと人身売買に手を染めており、ユンジはカモにされていた。ウィガンはユンジの居所を突き止め救出に向かうが…それが発端で、大きなトラブルに巻き込まれていく!

 

見た目はそこそこイケメンの主人公…あくまでオイラの主観だけど雰囲気とかちょっと高橋一生に似てるのよ。劇中の設定年齢は42歳、オイラなんかよりは年下だけど、世間的にはオッサンの部類に入るだろう…このオッサンには嫁さんもいて、表向きはカタギの仕事もしているんだけれども、本当はめっちゃ強い凄腕の殺し屋だったのね。ある日、嫁さんに頼まれて、嫁の友人の娘、JKを預かることになった。嫁と嫁の友人は主人公に子供を押し付けて、どうやら海外旅行へと洒落込むらしい。抵抗空しく、嫁にごり押しされ…渋々と“子守り”を引き受けることに。

 

嫁さんたちを送り出した主人公は、件のJKとご対面…最初こそ、“素直で真面目そう”に見えたので、危ないことはするなよとくぎを刺して、ちゃんと面倒をみずに、自由にさせていたんだけど…いきなり夜中に呼び出されたり、段々と振り回されるようになる。まだ、このあたりではハードなアクションもありつつな、コメディ調な作品なのかなと思っていた。なんだけど、JKが学校のいじめっ子に拉致られたあたりから段々と様相も変わっていく。いや、トラブルを危惧していた主人公がしっかりサポート、拉致現場に颯爽と乗り込み、拉致犯を瞬殺、JKを無事に救出!

 

そこまでは良かったのだが…なんと、翌日になって、主人公が倒した相手たちが”殺されている”ことが判明。えっ、本当に瞬殺しちゃってたの?いくら殺し屋でも、所詮、高校生のトラブルに本気出しちゃマズいだろ?なんて思っていたら…どうやら、主人公は殺しの犯人じゃないらしい。さらに…事件を調べている刑事にも目をつけられ、生き残っていた“いじめっ子”の策略で、主人公がJK救出時に使ったナイフを押さえられ、殺人犯に仕立てられそうにもなる。もちろん主人公はそんなことでは動じないのだが…再び“いじめっ子”の仲間にJKが拉致られる!

 

いったいどうなってるのか?ただの虐めなんかではなく…なんと裏では組織的な人身売買が進行していた。主人公は、嫁さんたちが帰ってくる前になんとかしようと…1人で人身売買組織に立ち向かっていく!JKの2度目の拉致以降は…関係性が自分の娘ではないという違いはあれど、連れ去られた女子を救出しに行く、韓国版「96時間」、ヤバいオッサン怒らせちゃった展開がノンストップで続く。最後までそうなのかなというと、そうでもなく、また途中でガラリとテイストは変化。裏切り、裏切られは当たり前、想像以上にドロドロな人間関係が韓国映画らしい。

 

そして、最後に、シャレオツな伏線回収をぶっこんでくるところも…これまた韓流らしい甘さか(笑)そこけっこう重要だったんだ、アクションがハードだったんで、すっかり忘れとったよ。組織側の殺し屋で、主人公と何度か対決する金髪のオッサンがいるんだけど(役者名ブルース・カーン)…一瞬、声優の安元洋貴かと思った、マジ似てるよ。絶対に、あの敵の声の吹き替え、安元がやったら似合いそうだよな。吹き替え版の放送もあるらしく、WOWOWの番組ページに吹き替えキャストの名前も載ってたんだけど、残念ながら、その中に安元の名前はなかった。

 

監督:チェ・ジェフン

出演:チャン・ヒョク ブルース・カーン イ・スンジュン イ・ソヨン イ・チェヨン

 

 

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ディズニープラス3カ月無料視聴を終えての総括…計8作品を鑑賞したよ!

 

WOWOWのキャンペーンで当選した“ディズニープラス3カ月無料視聴”を、ちょうど1月1日から利用し始めたんだけれども…気づいたら、もう無料期間終了(正確には明日まで)。利用し始める前は、3カ月もあるんだから、相当数の作品を見れるんじゃないかと思ってたけど…結局、3カ月で見たのは単発の長編映画のほか、複数エピソードのアニメやドラマも含めて計8作品だけしか見れなかった。そのうち1本は…まだシリーズが完結していない作品だし。他の配信サブスクと比べると、オリジナルの長編映画が少なかったのが物足りない理由の一つか?

 

ディズニープラス独占配信の作品も多数あることはあるんだけど…ドラマの方が多いのよね。マーベルやスターウォーズ関連のドラマシリーズは確かに豊富で、気になるものもいくつかあったんだけど、量が多すぎて、どこから手をつけていいのかわからず、見よう、見ようと思ってるうちに、どれも見ないまま3カ月が無駄に過ぎた感じ。ちょっと前に配信がスタートして、評判の良い「SHOGUN 将軍」も、当初は見るつもりでいたんだけれども、配信日に全話一挙配信されるわけではなく、毎週追加方式なので…無料期間内に最終話までたどり着かないことが判明。

 

これ、絶対に見始めたら…逆にストレスたまりそうなので、今回は視聴を断念した。同じ理由で…独占配信が始まった故・鳥山明原作アニメ「SAND LAND: THE SERIES」なんかも、途中までしか見れてないんだけれども、こっちの方は、開始日に一挙配信された前半6話が…昨年劇場公開された映画を再編集しなおして複数エピソードに分割したものだったため、ほぼ映画版と同じ気分で楽しむことはできたんだけどね。「SAND LAND: THE SERIES」や「SHOGUN 将軍」の詳細な配信情報を早く知れてれば、利用開始時期をもう少し遅らせることもできたのにな…。

 

あとね、なんだかんだで、一番ネックになったのが…オイラが使用しているFire TV Stickと、ディズニープラスアプリの相性が相当に悪いという点だよ。他のサブスク系のアプリと比べて、やたらと“落ちる”、字幕の遅延がしょっちゅう発生するなどに加え、字幕表示のカスタマイズができなかったのが最悪すぎる。やたら文字サイズが小さく、周囲に黒帯がついた状態の字幕しか選択できなくて、見づらい、映画鑑賞の雰囲気を損ねると最悪なものだった。Fire TV Stickも世代によって、字幕カスタムの機能が付いてるらしいが…ウチの世代は対応してなかった。

 

まぁ、そんなわけでね…自分の今の視聴環境が変わらない限りは、自腹でディズニープラスへ加入することは、たぶんないんじゃないかな?これだったらぜんぜんネトフリとかAppleTVへの再加入の方が可能性はある。っていうか、実際にネトフリの再加入は5月くらいに考えてるしなぁ…。AppleTVも「ゴジラxコング 新たなる帝国」の前に、ドラマシリーズの「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」を見ておきたくて、加入するつもりでいたんだけど、先にHuluへ再加入してしまったので保留中なんだ、そんなにサブスクばかり入っても見切れないしな…(汗)

 

 

鑑賞済みタイトル(鑑賞順)

 

プレデター:ザ・プレイ(2022年)

ボストン・キラー:消えた絞殺魔(2023年)

ブギーマン(2023年)

ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-(2023年)

火の鳥 エデンの宙(2023年)

パーキングエリア(2022年)

HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS(2023年)

SAND LAND:THE SERIES 悪魔の王子編(2024年)

 

 

一番見れてよかったのはこれかな? HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS(2023年)

 

 

ゲームクリエイター小島秀夫監督のドキュメンタリー映画。「DEATH STRANDING」の製作の際に、独立して事務所を設立、そこを出発点に、“デススト”の完成まで密着、製作秘話を紐解きながら…親交のあるクリエイター仲間や映画監督、アーティストらのインタビュー証言も織り交ぜ、小島秀夫監督の人物像に迫っていく。証言者の中に押井守が登場するのが鑑賞理由の一つなのだが…他にも「マッドマックス」のジョージ・ミラー、「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロなど、国内外の錚々たる映画監督が、小島監督の唯一無二な才能を称賛していた。

 

また、“デススト”のゲームキャラクターを演じた俳優たちも多数、作品参加の感想や小島監督の素顔を語っており…ゲームをプレイしてなくても、ノーマン・リーダスやマッツ・ミケルセンが出てるのは、なんとなく情報として知ってたんだけど、レア・セドゥもゲームに出てたのは知らなかった…彼女の撮影風景がけっこうツボ。小島監督もドキュメンタリーの中で“眼鏡が似合う”と仰っていたが…眼鏡姿で、たぶんモーションキャプチャーの撮影をしているレア・セドゥがめっちゃ可愛い。ボンドガールも演じた大女優になんて全然見えなくて、ホント、可愛らしいです!






 

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ガンズ&バレッツ CODE:White(2022年)

ガンズ&バレッツ CODE: White【DVD】 [DVD]

 

WOWOWの“特集放送:空前絶後のハードアクション6連発!”でエアチェックしておいた「ガンズ&バレッツ CODE: White」を鑑賞…まだあったのかブルース・ウィリス出演作品の一つではあるものの、昨今の類似作品と違って、本作はそこまで“ブルース押し”で売ってないのが珍しい。というのも、全体的にキャスティングが豪華…本当の主人公は女刑事のオルガ・キュリレンコと殺し屋のマイケル・ルーカーで、他にもジョン・マルコヴィッチなんかも出てます(誰です、ハゲが多いとか言ってるのは?)。ブルースはルーカーが属するマフィアのボス役です。

 

犯罪組織のボス、アーノルドの下で長年、殺しを請け負ってきたベテランの殺し屋ゲイブ…ある日、アーノルドの指示でゲイブの弟子カイロが、対立組織のボスを始末したのだが、その際にその組織を見張っていた女刑事フリンらに姿を見られてしまう!怒ったアーノルドは、目撃者の刑事たちも始末するように命令するも…またもカイロは襲撃に失敗し、ヴァネッサを逃がしてしまう。ゲイブは自分が責任を持って後始末をするとアーノルドに約束し、フリンの行方を探し始めるが…。一方、犯罪組織同士の抗争が激化し、今度はアーノルドの命が狙われてしまい…。

 

ボスであるブルースの命令とあれば躊躇なく殺しをやってのけるベテラン殺し屋マイケル・ルーカー…最近は年齢的なものもあって、若手の弟子に仕事を任せることも増えている。その弟子が、ブルースに命じられた殺しの仕事は問題なくこなしたんだけど、たまたまターゲットにされたブルースの対立組織を張り込みしていた女刑事キュリレンコ姐さんに見られてしまう。刑事の目撃者なんかつくりやがってと激怒したブルースは、キュリレンコ姐さんと相棒の男性刑事も始末するように命じる。相棒の始末は、ルーカーも同行し、完璧にこなしたんだけど…。

 

女だからってキュリレンコ姐さんをナメてたのよ…弟子が他の手下を連れて行ってくるから、ルーカーには休んでろって(正確には…殺し屋なのに、とても愛妻家だったルーカーに、死んだ嫁さんの供養でもしてろと言って…労わった)。そしたら、キュリレンコ姐さんはめちゃんこ強くて(よくありがちな元軍人設定)…反撃される。ただし、警察側には、ブルースの組織に内通している悪徳刑事もいて、キュリレンコ姐さんは仲間から追われるし、組織にも狙われ続けるしで…窮地に追い込まれる。一方、ブルースが嫁さんと飯を食ってるところを何者かに襲撃される!

 

最初に殺した対立組織の報復だ、いや…別の対立組織が便乗して襲撃してきたんだとざわつき始め、ここで再びルーカーが呼ばれて、“お前ら襲撃犯も始末して来い”って無茶ぶりされる。実は、どの組織が刺客を差し向けたのか見極めきれてない、仲間内でも半信半疑の状態なのに、ブルースが“ヤツに違いない”と決めつけた人物を、弟子と一緒に始末しに行くことになる。親分が殺れ(やれ)って言ってるんだから黙って殺ればいい…ルーカーはボスに忠実なんです。なんだけど…クライマックス近くになって、いきなり反旗を翻し、まさかの行動に出る…。

 

ルーカーとキュリレンコがうまくバッティングして組織相手に大銃撃戦…とにかく“敵”はみんな血祭りだ!親分のブルースは基本、偉そうにふんぞり返ってるだけだが、自分の命を狙われた時には、銃を手に取り…まるで「スカーフェイス」のアル・パチーノのごとく自動小銃をぶっ放していた!残念ながらルーカーやキュリレンコ姐さんとは直接対決しなかったんだけどね…ブルースにももう少し暴れて欲しかった。あとマルコヴィッチもアクションにはぜんぜん絡んでこなかったな。何がどうした?って部分もあるけど、アクション派手で、キュリレンコ見れたのでOK。

 

 

監督:ジェシー・V・ジョンソン

出演:マイケル・ルーカー オルガ・キュリレンコ ブルース・ウィリス ジョン・マルコヴィッチ バディル・デルベス

 

 

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オッペンハイマー(2023年)

オッペンハイマー(2023年)

 

【鑑賞日:2024年3月29日】

 

午前中は予報通り雨・風が強く、さすがに自転車で出かけるわけにはいかず、車で地元のシネプレックスまで出かけ、本日、初日の「オッペンハイマー」を鑑賞してきた。本国アメリカでは、とっくに公開されていたのに、内容が内容だけに日本での公開が遅れるに遅れたことで話題になった本作。しかしながら、先日の米アカデミー賞で監督賞、作品賞ほか主要部門でもけっこうな数を受賞したことで、日本公開の箔付けにはなったよね。だけど、生憎の雨の影響もあるのか…地元シネプレックスではそんなに混雑はしておらず、若いお客さんも少なかったなぁ…。

 

ハーバード大学を卒業したジュリアス・ロバート・オッペンハイマーはイギリスへ留学後、ドイツに留学しなおし、そこで出会った科学者たちの影響を受けて自身も物理学の道に進む。アメリカに帰国後、カリフォルニア大学で教鞭を執りながら…自身の研究を続けていたが、第二次世界大戦中に、極秘プロジェクト“マンハッタン計画”に参加…優秀な科学者たちを率いて世界初の原子爆弾の開発に成功する。その後、実際に爆弾が長崎と広島に投下され、その惨状を知ったオッペンハイマーは苦悩。冷戦時代には赤狩りの渦にのまれ、追い詰められていくが…。

 

それこそ、アカデミー賞の授賞式をWOWOWで見てたら、解説の町山智浩さんが本作のことを“8回見ても80%しか理解できてない”って仰ってて、プロがそうなんだから、到底、凡人のオイラたちが初見で100%作品を理解できることなんかできるわけがないなって思って…はなっから、とりあえず“話の筋だけはなんとか追いかけよう”と努力することに専念してたよ。いや、マジで登場人物が多く…オッペンハイマー博士以外の多くは、何をしている人かよくわからなかったりもするんだけど、有名なスターも多いので、役者名でなんとか頑張って記憶してた(笑)

 

初っ端、若かりし頃のオッペンハイマーが…気に食わない大学の教授(?)を“毒殺しようとする”という、想像もしていなかった、めっちゃサスペンスフルな見せ場をぶっこんできて、一気に作品にひきこまれた。原爆を作った人だけあって、とんでもない狂人なのかなってイメージを植えつけられる。その衝動的な“毒殺計画”の顛末は実際に映画を見ていただくとして…その後は、思想や恋愛、交友関係、家族関係などといった人物像を描きながら、ナチスドイツに対抗するために始めた原爆開発の様子を克明に綴り、開発後に待ち受ける称賛と非難まで見せる。

 

なんだけれども…そこはクリストファー・ノーラン、1から10を時系列通りに描いているわけではないので、前作「テネット」を彷彿とする難解さも味わえたりする…好きな人はリピートしそうだ。時系列の違う話を一見脈略なくミックスして、一気に見せていくんだけれども、最後にはちゃんと筋が通り、ある程度理解した気分になれるあたりは…「ダンケルク」を見終わった時に感じたような、ノーラン映画ならではの爽快さもある。お前誰やねんとか、専門用語多くて何言ってるかよくわかんねーよも多いけど…意外と3時間の長さを感じない、退屈しないのはさすが。

 

大きな話が2つあるので、映画的な山場も2つある…やっぱり有名なマンハッタン計画の実験シーンは半端ない緊張感。自分が実験に立ち会っているかのような錯覚に陥る、音の演出とかも凄かった。あのシーンは思わずひじ掛けを掴む手に力が入ってしまった。戦争を体験してる人や、被爆者の人などからは“描かなかったこと”についての批判も確かに出ているけど…それでも、少なからず核の怖さ、ヤバさというのはちゃんと伝わってきていたと思う。もう一つの冷戦時代の赤狩りの話なんかも…色々な伏線が繋がって、ポリティカルサスペンスとして秀逸。

 

いつの世も政治屋や権力にしがみついてるような輩はクソみたいな面子に拘るヤツが多いんだな…って感じだよね。結局、オッペンハイマーって人も、最初は狂人、それこそフィクションに出てくるようなマッドサイエティストみたいな人物なのかなって思ったけど、女癖が悪くて、女房の尻に敷かれて、メンタルも弱くて…普通のおじさんと同じ部分もけっこう持ち合わせていた。原爆を落とした大統領でお馴染みトールマンが“作ったヤツより使ったヤツ”みたいなことを言ってたけど、映画を見るまで、ホント、オッペンハイマーなんかよく知らんかったというのが本音。

 

 

監督:クリストファー・ノーラン

出演:キリアン・マーフィ エミリー・ブラント マット・デイモン ロバート・ダウニー・Jr フローレンス・ピュー

 

 

【メイキング本が出るらしい…】

オッペンハイマー クリストファー・ノーランの映画制作現場

オッペンハイマー クリストファー・ノーランの映画制作現場





 

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ガンメン 狼たちのバラッド(1988年)

ガンメン/狼たちのバラッド(字幕版)

 

ひとつ前に見た「デンジャラス・レディ」という新し目のチャイナアクションがあまりササらなかったので、お口直しに、再加入中のHuluで見つけた旧作香港映画「ガンメン/狼たちのバラッド」を鑑賞する。内戦終結後、上海で警官になった主人公が、麻薬組織と死闘を繰り広げるんだけど…組織のボスが戦争中に対峙した敵の隊長だったこともあって、私怨も絡みどんどん泥沼化していくって話。「愛人/ラマン」のレオン・カーフェイが主演、監督は…ハリウッドでマーク・ウォールバーグの「ビッグ・ヒット」も撮ってるカーク・ウォン。アマプラでは有料配信でした…。

 

1926年、中国内戦を共に戦ったたディンと3人の戦友、班長、クォン、ファンは終戦を機に、それぞれ別の道を歩むことになった。ディンは故郷に残した妻子と再会後、上海警察隊に入隊。私服刑事になったディンは麻薬組織の捜査を担当していたが、ある日、取引現場に踏み込んだ際に、激しい銃撃戦になり…上司の警部が殉職してしまう。さらに、撃った犯人は、戦時中に対峙していた敵将校のヘイだった。ディンは殺された警部の仇を撃とうするも…新しい上司と捜査方針を巡って対立、同僚も次々と辞めてしまう。そんな時、かつての戦友たちと再会し…。

 

これも学生時代にレンタルビデオで借りて見た記憶はあるが…ただ、“ガンメン”というタイトルだと、クリストファー・ランバートとマリオ・ヴァン・ピープルズが共演したまったく別のアメリカ映画「ガンメン」の方が印象強く残っており、上書きされて、もう内容もよく覚えていなかったなぁ。前述の通り、主人公が内線で戦った敵と、今度は警官と悪党という立場になり、再び相見えるというお話なのだが…そのほかに、主人公は戦争中の部下とも劇的な再会をし、警察側の仲間へと引き入れるんだけれども、捜査方針を巡って、上司や警察上層部とも衝突していくと…。

 

さらに、戦争時は離れ離れになっていた妻子とも無事に会えて、一見…幸せな家庭を築いてるように見えたんだけど、幼い時にずっと家にいなかったことで娘とは距離ができてしまっていて、ぜんぜん懐いてくれないことを大いに悩んでいる様子であり、そのくせ…仕事中に知り合い、情報提供者に仕立て上げた娼婦の女ともいい雰囲気になっちゃって、嫁さんにバレるなど…主人公は色々なものを背負いこんでいる。このボリュームでありながら約90分で描き切り、“ガンメン”のタイトルに相応しく怒涛のアクションをこれでもかと披露、特にクライマックスは圧巻。

 

主人公側は殺された警部の復讐だと躍起になるが…麻薬組織側も、強引な捜査で邪魔されたせいで、病気のボスの叔父貴の薬が間に合わず、叔父貴が死んでしまい…こちらも警察に対して復讐しなきゃ収まらない状況に。お互いに引くに引けなくなって、両者ともに死を覚悟した最終バトルへとなだれ込んでいく。さすがに主人公と反目していた新しい上司も…“奴らを皆殺しにしなきゃ終わらない”と重い腰を上げ、主人公たちと一緒に戦うようになるのが、なかなかの胸熱展開!もう戦えない、心身ともにボロボロの主人公を救う…最後の一発が、これまた感動。

 

 

監督:カーク・ウォン

出演:レオン・カーフェイ リー・リーホン アダム・チェン エリザベス・リー レイ・チーホン

 

 

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ガンメン/狼たちのバラッド(字幕版)

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デンジャラス・レディ(2022年)

デンジャラス・レディ

 

WOWOWの“特集放送:空前絶後のハードアクション6連発!”でエアチェックしておいた「デンジャラス・レディ」を鑑賞…美人揃いの特殊工作員チームが、陰謀を企てる悪党に立ち向かうチャイナアクション!「レディ・ウェポン」と「ニキータ」(強いてドラマの方)と「チャーリーズ・エンジェル」を足して割ったような作品。本編が69分という短さなので驚く…途中で何らかのトラブルがあって録画に失敗したのかと、一瞬焦ったよ(汗)最近よくあるけど、レンタルのみDVDが出てて、セル版が必要な人は配信でというパターン、アマプラはまだ有料扱いだったよ。

 

アジアのT国で…華僑の令嬢を狙った誘拐事件が相次ぐ。犯行はIT企業“アルファ”の仕業と見られていた。同じころ…中国系情報科学技術企業GWSの開発員ジョウ・モーが、“蒼剣の盾”というセキュリティシステムを開発するも、ジャウ・モーは姿を消し、“アルファ”が“蒼剣の盾”を占有してしまったという情報が!そこでGWSが組織した“特別潜入チーム”が事態に対処することに。招集されたヨウ、メイヤー、メリルの3人は、さっそくジョウ・モーと“蒼剣の盾”の奪還すべく敵アジトへと向かったのだが…任務は失敗し、メリルが命を落とすことになり…。

 

原題および英題は“ 特战行动队/Action team overlord flower”…本編でこのタイトルが出てきた時に、日本語訳の字幕スーパーで“特別潜入チーム”と表示される。だったらそれをタイトルに使えよ…もしくは、そこにも“デンジャラス・レディ”って邦題を表示しろよと…ちょっと思ったね。なんか、見る映画を間違えたかと、戸惑うよ…尺の短さと言い、つくづくまごつく映画だ。尺が短いので、わりとテンポよく話は進むのだが…案の定、中身は薄い。自身も誘拐・監禁経験があるヒロインが、それを克服してエージェントになったものの、現場でトラウマが再発する。

 

本当は、ハニートラップで敵を油断させるつもりだったんだけど…トラウマのせいで失敗、拳を使って大暴れ!結果的に、作戦は失敗し、なんとバックアップ担当だった先輩エージェントが殺されるという事態に!傷心のヒロインは…チームから復帰するよう打診されるも、それを無視して、ストリップバーで働く。実は、その店に仲間を殺し、追っている事件のすべての元凶でもある敵組織の人間が出入りしていて、ヒロインは単独で情報収集を行っていた。結局、生き残ってるもう1人と、死んじゃった仲間の代わりにやって来た新人を加え“潜入チーム”が再始動。

 

敵組織と激しい戦いを繰り広げていく…と、まぁ、こんな感じ。主人公たちが属している組織の指示役(ボス)のオオジサンが、どことなく宮崎駿似(あくまでオイラの主観)。そんなオジサンが…女子ばかり集めて調教し、工作員に仕立てるっていうのは、偶然なのか、どうなのか。最初に死んじゃったバックアップ要員は…メインヒロインたちの先輩で、清楚なお姉様タイプだったんだけど、その後…代わりにやってくるのが、まったく正反対なギャル。さすがのメインヒロインも最初は拒絶反応を示す…っていうか、見てるこちらもキャーキャー耳障りな声でウザかった。

 

尺が69分、エンドロールを省くともっと短いのに…途中で2回ほど寝落ち。2回とも、途中で意識が薄れて…気づくとエンドロールが始まっていて、戻しながら見てたので、結局、ぜんぶ見終わるのに90分以上かかっちゃった。セクシーなお姉さんが、銃をぶっ放す映画と…ジャンル的には好みだったんだけど、なんとなく魅力に欠けるんだよ。最近はどこのアクション映画もそうなんだけど…マズルフラッシュをCGで誤魔化すのが主流になっちゃったから迫力がイマイチ…中にはリアルなものもあるけど、この手のチャイナ系だと、処理が雑目なのが多いのよね…。

 

 

監督:リウ・バイン  ホウ・ソンソン

出演:リ・マァンマァン チャン・ドン グァン・アイニ リ・ユエ ワン・シー チャン・シュアンリ フー・ビン ジーナ

 

 

【Amazonでも有料配信中…】

デンジャラス・レディ

デンジャラス・レディ






 

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