何気に半年振りの更新

前回記事を読む。

そうかあ...

かしゆかは、あれから立ち直ったようです。

先月号の「音楽と人」掲載のインタビュー、立ち読みで確認。

やはり、本人的に許せないミスがありパフォーマンスに集中できなかった模様。

しかし、今年2月に発売された東京ドームDVD。そんなことを微塵も感じさせない、
もはや名盤中の名盤でしょう。毎回見るたびに涙。
ヘビーローテーションでございます。

スーちゃんはお亡くなりになりましたが、葬儀のシーンとか放送されるたびに
30年後に同じようなことがあーちゃん、かしゆか、のっちに起きたら...
などと妄想してしまった私。

45歳になりましたあ。

" keeps me searchin' for the heart of gold
and I'm getting old. " (Neil Young)

「いろいろ thinking しても 解決できないこと」ばかりでございますが、
ニール・ヤング大先生もおっしゃるように確実に僕らは年を取っていくのですね。

すると、いろいろな人とのお別れに直面したりします。


昨年は P-FUNK 人脈で、オムツ男ことゲーリー・シャイダー師匠、さらには
ブーツィーのお兄様、キャットフィッシュ・コリンズ師匠(JBのセックス・マシーン
のあの印象的なコード・カッティング!)のお二方がご逝去されました。

お二方のいなたいギタースタイルに多大な影響を受けた私にはかなり衝撃ニュース
だったのですが、今月8日にはさらなる訃報が...


コーネル・デュプリー師匠(享年69歳)

まさに ミスター one & only でございます。 David T.Walker 、Eric Gale 師匠
とともに、3大地味地味王 とでも言いましょうか。一定年齢を超えないと理解できない
この渋み。

中高生を楽器屋に走らせたり、バンド組もうぜ!などという衝動やモチベーションを一切与えて
くれないという、その意味において世界最強のギタリストと言えるでしょう。

かくいう私も「スティーブ・ルカサー VS エディ・バンヘイレン、どっちが上手い?」
という雑誌「ヤングギター」的な神学論争に胸躍らせていた10代にはまったく興味なし
でした。

ただ時たま雑誌でお見かけしたそのインパクトのあるルックス
(パンチパーマにグラサン。口元にはパイプを加え、ピックガードをはずしたテレキャスを
不気味に抱えている怖そうな黒人さん。もしくはどこかの組の構成員さん?)は以後もずっと
忘れられず、20代半ばになってソウル・ファンクの名盤を浴びるように聞くようになって
からは、師匠の偉大さを思い知るようになったのでございます。

YouTube上には昨年恐らく日本人が行ったと思われる長時間インタビューの様子が公開されて
いましたが、ご本人的にもアレサ・フランクリンの「ライブ・アット・フィルモアウェスト」
とその前座の「キングカーティス・ライブ・アット・フィルモアウェスト、さらにダニー・
ハザウェイの「ライブ」は特に思い出深い作品だと語っていました。

でもご自身のソロアルバム第1作目の「ティージン」が自分の代表作だとおっしゃていましたよ。

そのソロアルバムの発表後に加入した(むしろこれで全世界的には有名になった)スタッフの
アルバム1曲目の有名な映像をご紹介。

ドラム;スティーブ・ガッド、ベース;ゴードン・エドワーズ(最高です!)
ギター;エリック・ゲイル、キーボード;リチャード・ティー(最高です!)



やっぱ地味地味

70年代後半、日本ではこれで「フュージョン・ブーム」に火が点いたとか?本当か?

スタッフって「フュージョン」というより「ソウル版・歌の無い歌謡曲」とでもいいましょうか。
時代の先端を行くというよりか、むしろ逆行しまくりでしょう。根底にあるブルーズ・フィーリング
やリチャード・ティーのフレージングに聞かれるゴスベル感はどうやってもコピーしきれない
ですよね、我々日本人には...


90年代当初に発売された 教則ビデオ Hot Licks シリーズにおける 師匠の演奏をご覧あれ。

名人落語家の高座を聞くにも似た渋すぎな世界。
ただひたすらご自身の曲をだらだらと弾くだけの60分...



教則ビデオなのに何も教えてくれないじゃん!
などという低レベルな発言を一切受け付けない
孤高の境地。

もはや上手いのか?下手なのかよくわからないほどにリズムがよれていたり、鳴ってない弦が
あったり...素晴らしすぎる。しかしどうやってもコピーできないのです。

こんな職人気質の人ってどんどんいなくなるだろうなあ。ご冥福をお祈り致します。合掌!
Perfume結成10周年記念11月3日の東京ドームコンサートから早くも2週間近くの時がたとうとしています。

「たった3人の力でで5万人を熱狂させた感動のコンサート!」などと各方面で大絶賛の嵐が吹き荒れる中、
意外なところからこの感動・熱狂に水を差す発言が...


11月11日 FM東京 Perfume Locks の生放送中に飛び出した、「かしゆかの涙の発言」より。

東京ドーム、自分にはぜんぜん納得のいかないライブでした。色んな人に「感動をありがとう」
って言われるたびにとても苦しくて...みんなの期待に全力で応えることが出来なくて申し訳ない
気持ちでいっぱいです。今日の生放送でファンのみんなに謝らなきゃってずっと思っていました
...
(号泣)」 (概要です)


当日、現場に居合わせた人たちのレポによると、MCなどの場面でのかしゆかの様子が ? で、
テンション低めだったこと、さらにはダンス途中でよろけてしまうシーンもあった、などの報告がなされています。

ただの体調不良?それとも周囲からの期待・重圧に押しつぶされ、精神的にもはや限界だったのか?
ファンの間では色々な憶測を呼んでおります。

いずれにせよ、チケットも完売で当日も満席だったし、同番組中でのっち氏が指摘したように「失敗
はなかった」らしく、一連のパフォーマンスは滞りなく進行していったようなのですが、完璧主義者
で人一倍自分に厳しいかしゆかの中では、パフォーマンスに没入できない何かがあったのでしょうね。

以前、楽曲 Dream Fighter を取り上げたときにも述べましたが、「最高を求めて終わりのない旅を
する」
彼女たちのこと、その姿があまりにも求道的すぎるのではないかと思うことがあったのですが、
今回のかしゆか発言はどうやらそれを裏付けてしまうことになってしまいました。

自らの現状に決して満足しないすさまじいばかりのプロ意識に我々は圧倒されてしまいます。


そんなかしゆか様には、この愛すべきおっさんのお気楽ぶりをお裾分けしたいぐらいです。


米国はカリフォルニア州から、新曲「ねえ」のヒット祈願をするあの御方。

「ナンバーワン!ナンバーワン!パフュームが一位を取るぞ!ナンバーワン...」



変な画像と音声の加工処理が、更なる病状の進行を物語っているようです。確かに怖い...


「もっともっと、自分の持てる力を全力で出し切るパフォーマンスをファンの皆さんにお届けしなければ」
といった趣旨のことを最後に語っていたかしゆか。

あなたたちはすでにもはや「パーフェクト・スター」なのだからあんまり無理しないでね、
とお父さんは思うのでありました。

とんでもない再生回数が物語る、今から3年前の究極の映像をご覧あれ。




すでに十分すぎるくらい輝いている彼女たち。

これくらいの感じでたぶんちょうどいい」のです。
70年代を中期から後期にかけて全世界のティーンたちを熱狂させたあのロック・バンド
KISS と P-FUNK(というかパーラメントね)が実は同じレコード会社だったというのは
あまり知られていないというか、知っていても何の役にも立たないオタク知識である。

カサブランカ・レーベルというもはや存在しない伝説のレコード会社。その伝説の名物社長、ニール
・ボガード氏の一存で 白人のキッズには KISS を、黒人には パーラメントを強力に売り出す、
という戦略を取ったのが76年のこと。

小学6年の春にNHK「ヤング・ミュージック・ショー」のKISS武道館公演を観て人生が変わった
ともいえる私のような者にとって、この事実はちょっとした衝撃モノであった。

KISSは当時、アルバム「地獄の軍団」(こういう邦題をつける文化もなくなりましたね、もはや)
をひっさげての全世界ツアーで大掛かりなステージ・セットを初披露し、観る者を圧倒していた。

いたいけな少年だった私も「ミュージック・ライフ」や「ロック・ショウ」といった雑誌に
掲載されたステージセットの写真を模写することに熱中していたものです。

それから10数年がたち、私はキッスに代表されるようなホワイティー音楽にすっかり見切りを
つけていた。そんな私にソウル・ファンクの世界にどっぷりはまるきっかけを作ってくれたのが、
94年、当時、日本のP-VINEレコーズから発売されてまもない P-FUNK Earth Tour (77年)
のビデオ映像
である。

そのわけの分からない混沌とした音楽世界以上に、そのシアトリカルな舞台演出や各メンバーの
刺激的すぎるヴィジュアルに笑激
、いや衝撃を受けた。

「こいつら真剣に馬鹿をやっている」

Sir Nose (どう考えても「踊れない白人男性」の戯画化的存在)の陰謀によって深刻な
「ファンク欠乏症」に見舞われている人類を救うべく、ジョージ・クリントン扮するところの
Dr.Funkenstein が 円盤 Mothership に乗って地上に降り立ち、Sir Nose と対決。

最終的には、そのモンスター・ジャムとでも言うべき、ズブズブのファンクにより Sir Nose
を躍らせることに成功。任務を終えた Funkenstein は Mothership に乗船し帰還する(何処に?)。

まあ大雑把なまとめではあるが、こんなコンセプトのもと KISS 同様、大掛かりなステージ・
セットを組み全米ツアーを回ったのが76年のこと。

今日の映像は、その時のゲネ・プロの模様である。

飛行機の格納庫を使っての本番さながらのリハーサルの模様。

この映像を同時に、当時徐々に広まっていたPV用の素材にしているのが凄い。

MTV以前にこういうものを作るだけの予算措置が取られていたことに改めて驚きます。

いかに P-FUNK が当時の黒人文化の中心的存在だったかを裏付ける貴重な映像と言えましょう。
YouTube上には当時の P-FUNK 関連のアルバムリリースを告げるテレビCMも多数アップされています。



しかしジョージもバーニーも、JBのところを辞めて参加のメイシオやフレッド・ウェズリーも
皆若い!この夏お亡くなりになったゲイリー(オムツの人)もまだあどけなく、そして何よりも
全員がこのツアーを成功させようとする何とも言えない楽しそうな空気感のような感じられるの
が最高です。

ちなみにKISSのステージセットは言うと...

こんな感じです。




改めてゲテモノ好き、というか音楽趣味が下世話な自分を再認識

今の Perfume 好きも結局のところ、音楽の視覚化というか、ビジュアル的魅力抜きの音楽に
あまり興味を惹かれない傾向がある、と分析しておこう。 So What?

アルバム musicology 発売後、アメリカの有名な番組 Jay Leno show に出演。

これはどうやら本番前のカメラリハーサル用の演奏の模様のようです。
本番バージョンは観客の歓声が入ってもっと凄い盛り上がりをみせていますよ。

ホーン隊が凄い!メイシオにキャンディー・ダルファー、元P-FUNKのグレッグ・ボイヤー。
ベースはおなじみロンダ・スミス女史。

ファンクは彼らのように粘り腰、というかやっぱ腰が入っていないとカッコよくならない、という、
お手本のような演奏です。

ドラムのポケット(=スネアの打点の入る位置の深さとでも言いましょうか)の利いたプレーが
最高です!

そのまま録音してもスタジオ盤か?と間違えるくらいの卓越した演奏技術にノックアウト。

2000年以降の new power generation を従えての王子は、こういうモロ王道ファンクな曲
が多くて最高です。

自分こそが唯一無二の the funk の継承者であること自覚しているのでしょうね。



途中のベースソロに王子のカッティングが絡むところは "Tighten Up" というソウル名曲への
リスペクトも入っている心憎い演出です。

前回の Prince の時に掲載したこの曲。こっちの方がもっとカッコイイので再度ご紹介します。



演奏終了直後に王子にひざまずき、神に捧げるようなお祈りをする番組司会者。

これ目の前で観たら失禁ものだな。

さてさて、Perfume 東京ドームコンサートから早くも3,4日たちましたね。

ネット上では早くもその10周年記念ライブの内容について賛否両論が渦巻いているようです。
(とは言っても大方が大絶賛なのですがね...)。

当初から予想された音響の悪さや、多くのご新規様を含む5万人相手(本当に超満員だった模様。
ダフ屋も見かけなかったとか?)のコンサートゆえ、セットリストが最大公約数的で刺激に欠けた、などが
否定的意見の主なもののようです。

残念ながら参戦できなかった私のような者にとってはそんなネガティブ・コメントさえもが、なんとも贅沢
な発言に聞こえます。

当日会場に行かれた方々の数々のブログを熟読することでその模様を色々妄想しながらも、WOWOWに
加入していない
から、DVDの発売を心待ちにするしかない、そんなPerfumeファンの皆さん!
あなたは(=僕は)決して不幸なんかじゃない!本物のファンならばこの御方を見習うべきです!

そう、以前ご紹介した、あの perfume おじさん(米、カリフォルニア州在住55歳と判明)です。

東京ドーム公演のニュースを YouTube で見た彼。

その中で数秒流れたアンコールの「ポリリズム」の映像にいたく感動されたご様子。

「体の全組織(system)に今までに感じたことのないような衝撃」を感じ、実は自分はあの会場に居合わせたのではないか?などと真剣に語ります

その感動があまりにも強烈すぎたので、まる一日 Perfume について想いをめぐらしている、とのこと。
なぜ Perfume に自分はかくも魅了されているのか、なぜ自分は あーちゃんをここまで愛しているのか?
などなど。

物理的には僕は東京ドームにいなかったはずなのに、あのニュース映像を数秒見た瞬間、自分の魂がその現場にいたのを感じた」などと再度トンデモ発言を繰り返します。

病状はかなり深刻です。 5:58 には "Am I Crazy?" などと言い出す始末。



"Yes, you are."



同じ病棟にいるからでしょうか、とても親しみを感じる御方です。


Perfume の魅力って何だろう?

例えば、2006年、どこかの電気屋さんのイベントスペースで、「事実上の解散記念」とも言われた
「コンプリート・ベスト」盤のプロモを行う3人。

「2枚の板」の上でのパフォーマンスにも一切手を抜くことのない彼女たちを、この当時から
応援して来た筋金入りのファンの皆さんにとっての Perfume とは?



で、今やすっかりスタイリッシュな大人になった彼女たちを見てはじめてファンになった人にとっては
Perfume も 単に流行の J-POP に過ぎないのでしょうね...



ファンの皆様それそれが勝手に抱く、過剰とも言える「物語の読み込み」によって Perfume 神話
は成り立っています。

そんな幻想・妄想を抱かせてくれる、時代のアイコンとも言える彼女たちに出会えただけでも
ちょっぴり幸せなんだなあ、と物思いにふけるオッサンでした。