映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね -27ページ目

映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

洋画のご紹介です。

映画 トランスアメリカ ネタバレ・あらすじ・感想(R15+)



タイトルの「トランスアメリカ」はアメリカ横断という意味であり、主人公がトランスジェンダーである事に言葉を被せて来てるのかも。

映画 トランスアメリカ 概要



2005年公開のアメリカ映画。
監督:ダンカン・タッカー
脚本:ダンカン・タッカー
主演:フェリシティ・ハフマン
ジャンル:ロード・ムービー

映画 トランスアメリカ ネタバレ・あらすじ


ブリー・オズボーンは、昼間はメキシコ料理店で働き、それ以外の空いた時間は電話セールスの仕事をして一生懸命に貯金をしていた。
それと言うのも、彼女には人生の大きな目標があったから。
彼女の人生の最大の目標…それは完璧な女性になる事だった。
なぜならば彼女は〝彼”として生まれたトランスジェンダーだったから。

それでも二十歳過ぎまでは、自分の本心を押さえつけるように隠して、スタンリー・シュパックという本名のまま、ごく普通の男として生きてきた。
だが、それは間違った生き方であったと今では明確に思えるのだった。

そんなブリ―の元に、ある日、NYのダウンタウンにある警察から一本の電話が掛かる。
電話をして来たのは17歳の少年。
彼は何らかの犯罪をやらかして警察に連行されたのだが、身元引受人として父親の存在を告げたらしい。
心当たりがなかったわけではない。
だが「母親に電話をしなさい。」と告げて電話を切ってしまった。


その頃、ようやく、性別適合手術が受けられるという通知がブリ―の元へ届いた。
性別適合手術は人気の手術で、申し込みをしてから順番が回ってくるまで随分長い間待たされるのが通常であった。
手術の日に備えてコツコツとお金を貯めてきたブリ―は、
これで邪魔な股間のアイツに別れを告げて身も心も完全な女に生まれ変わると思うと嬉しくて飛び上がりたい程だった。
ブリ―は、掛かりつけのセラピストであるマーガレットの元に同意書へのサインを貰いに行った。
マーガレットも喜んでくれて、気持ち良くサインをしてくれた。
しかしその後で、彼女に「最近、変わった事はない?」と尋ねられたブリ―は、ついつい先日の息子からの電話の事を打ち明けてしまった。
するとマーガレットは、それを聞きとがめ、手術は見合わせて、少年の母親と話すようにと勧めた。
けれど、ブリ―の元カノであったその人はもう亡くなっていていない。
それに、ブリ―の心はもう既に手術へと飛んでいたので、
もし少年が本当に自分の息子だとしても、
手術が済んで、新しい人生を手に入れてから話したいと希望を述べたが、マーガレットは時期尚早だと反対した。
「いいえ、今回の手術を逃したら1年先まで予約が詰まっているから、私は手術を受けるの!」とブリ―は言い張った。
「保釈金をNYに送って福祉指導員に息子を迎えに行かせるから。」とも言ったが、それでもマーガレットは
「手術には、心の整理をつけてから臨むべき。」と首を縦に振らなかった。
マーガレットの主張を押しのけて手術を実行する事も出来たが、ブリ―は、自分の息子であるかもしれない少年の事で内心は苦悶した。
いくら心待ちにした手術だと言えど「本当に自分の息子であるならば、完全にこの件を忘れ去って良いわけはないのでは?」と自問自答を繰り返す。
その結果、ブリ―は意を決して、NYの留置所まで息子に会いに行った。

少年に関して、ブリ―は、警察官から「店からカエルを盗み、不審な白い粉を所持していたとの目撃証言もあり、その上、男娼として働いていた。」と聞き衝撃を受けた。
保釈金は1ドルだが、今のブリ―には、支払ってしまうと、性転換手術が受けられなくなってしまう大金だった。
初めて息子トビ―と対面したブリ―は、父と名乗る事がどうしても出来ず、教会から派遣された職員であると嘘を付いてしまった。
そして、息子を目の当たりにすると見捨てる事が出来なくなったブリ―は、教会の職員と嘘を付いたままで、
1ドルを支払って保釈の身となったトビーとレストランで食事をした。
その時、食前に祈りを捧げたりして、それらしく振る舞う。
この時、他人のフリをしたままトビーの身の上について、色々と聞いたブリ―。
出身を尋ねるとケンタキーのカリクーン(現実のカリクーンはニューヨーク州である。)と言う。
そこはブリ―の出身地でもあるので、どうやら、彼が自分の息子だという話は本当の事のようだと、彼女は心に思う。
トビ―は義理の父がいたという事までは話したが「質問攻めは勘弁してくれ。」と言うと、それ以上は口を噤ぐんだ。
でも、ブリ―が保釈金を出してくれた事には感謝していると話した。

トビ―のねぐらを訪問するブリ―。
売春もやめると言ったが、ドラッグの方は、なかなか断ち切れないでいた。
それでも彼には映画スターになるという夢があった。
それを聞いてブリ―は気前良く100ドルを、更生するための資金に差し出す。
そして、明日、ロサンゼルスへ発つと告げて、別れようとするが、トビ―も「俺も明日、ヒッチハイクでロサンゼルスへ向かうからまた会おう。」と言う。
ブリ―は、彼が今、保釈中の身である事を考慮して止めるが、
トビーは「だったら名前を変える。スタンリーと。オヤジの名前なんだ。」とブリ―の本名を持ち出し、
昔のブリ―が彼の母親と写っている写真を見せた。
色あせた写真だったが、1枚きりの写真を、そんなにも大切にしていた事を知ると、ブリ―の内面に立ちがたい何かが生まれた。
この時、トビ―の話を聞いているうちに、彼の言う映画とはポルノ映画の事である事がわかったが、メジャー映画よりも実現可能な範疇ではあっても、
それを聞かされる親の立場としては複雑な気分になった。

ブリ―はマーガレットに電話すると「彼はもう立派な大人で和解も済ませたし、手術が済んだら一緒にディズニーランドへ行く約束までしたの。」などと、少々見え透いた嘘を並べ立てた。
そして「今回の出費を、来週の手術の日までに取り戻さないとならないから明日は職場に戻るわ。」と告げたが、
マーガレットの反応が弱いので「元気にしてる?」と尋ねたところ「嘘をつかれてガッカリしてるの。」という答えが返って来た。
マーガレットに嘘を見抜かれてしまい後ろめたい気持ちになって、
自分自身でも、このまま放り出すのはいけないという意識に戻って、ブリ―はカリクーンにいる義理の父親の元へ彼を連れて行く事にした。
こうして、トビーの友達から中古車を買い取り、父親である事を隠したままで2人の珍道中が始まる。

映画 トランスアメリカ 感想


登場人物が皆、個性豊かで、とても楽しくて、
要所要所で、親子の情愛に、ホロッとさせてくれる映画。

生まれてから17歳になるまで、その存在すら知らなかった息子との対面って、どんな感じなのかわからず、他人事として見るしかないのだけど、主人公のブリ―が、さぞかし緊張したであろう事は感じ取れます。

私は最後まで、主演の人が本物の元男性のトランスジェンダーの方か、もしくは、そういう演技をしている男性だと思って視てました。
それなのに彼女は女性だった──フェリシティ・ハフマン。
この人は有名なアメリカドラマの『デスパレートな妻たち』の4人の妻の中の1人を演じていた女優さんだったそうで、私はこのドラマを視た事がなかったから知らんかったけど、このドラマのファンの人だったらすぐわかったんやろね?

声が、無理して高音を出してる男性の声に聞こえたんやけど、その真逆で、女性が無理して低音を出してたんやろか?

横長の薄い唇の形もどう見ても男性にしか見えず、
その他の仕草や態度モロモロはトランスジェンダーという存在そのものなんだよね。
メイクと演技でここまで表現してたとしたら、凄いクオリティの高さにビックリ!
(口の横幅はメイクで変えられないから元々、口は大きい人なのではないだろうか?)
メイクは基本的にそんなに濃くはないです。アイライナーとか付けまつげとか全然してなくて、ブリ―の生真面目な性格をよく表していました。

そして息子役のケヴィン・ゼガーズは超美形で、ドラマの中でも「誰に似たんやろな?」ちゅう感じでしたけど。

ブリ―が旅の途中で恋するオジサン、ホンマにエエ人やわ~。
まぁブリ―に気があったせいかもしれへんけど、それにしたって、妙な色欲は起こさず紳士的な態度を貫いたままで、一晩宿泊させてくれてたもんね。
ホンマにマジ、なかなかおれへんような、ええ人やで~。

洋画のご紹介です。

映画 リバティーン(R15指定)ネタバレ・あらすじ・感想



映画 リバティーン ネタバレ 概要



2004年制作、2006年公開のイギリス映画。
監督:ローレンス・ダンモア
原作:『The Libertine』スティーヴン・ジェフリーズ とトーマス・シャドウェルによる戯曲
主演:ジョニー・デップ
ジャンル:歴史上の人物

英国に実在した天才詩人、第2代ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモットの生涯を描く。

映画 リバティーン ネタバレ・あらすじ



1660年。
ピューリタン(清教徒)革命後に王政復古となったイギリスで、チャールズ2世(ジョン・マルコヴィッチ)が王位に復帰した。
これは、その後のロンドンで王に仕えていた詩人、ロチェスター伯爵ことジョン・ウィルモット(ジョニー・デップ)の物語だ。

ジョン・ウィルモットは、天才詩人であり、劇作家としての才能にも恵まれながら、
その自由奔放な振る舞いで、度々スキャンダルの渦中にあった。
この度も、国王の親族が居並ぶ大事な宴の席で卑猥な詩を朗読して幽閉されていたロチェスター伯爵であったが、
僅か数ヶ月で、再び国王に呼び戻されてロンドンへと戻って来る。

本人曰く、現代人の3つの楽しみは、詩作・酒・女遊びであり、それぞれの分野に強者はいるものの、3つ同時に追求する者は、めったにいない。
しかも私ほど鮮やかに、それらを嗜む者は他にはいまい──と、自負していた。
しかし、彼の飲酒と女遊びは度を越して、
誘拐までして漸く結婚に漕ぎ着けたエリザベス・マレット(ロザムンド・パイク)という妻がいる身でありながら、
酒に溺れ、売春宿に、あしげく通う日々であった。

そんなある日の事、劇場でジョンは、エリザベス・バリー(サマンサ・モートン)という若い女優が、大根役者と観客に詰られている姿を見る。
その女優の奥深くに才能の原石が眠るのを感じたジョンは、彼女の才能を開花させる事に熱意を燃やすようになる。
ジョンがバリー(リジー)の指導に心を奪われていた間、家で彼の帰りを待つ妻の事は、ほったらかしにされていた。
リジーを愛するのと反比例するかのように、夫婦間の情愛は冷めて行く。

やがて、ジョニー(ジョンの愛称)の指導の賜物で、リジーは女優として大成する。
その頃、ジョニーは国王から、フランス大使を招く歓迎式典での舞台演出を任されて、彼なりに一生懸命に仕事をしたつもりであったが、
出来上がった脚本による舞台は余りにも猥褻で破廉恥であったがために、フランス大使の前で、国王の面子は丸潰れとなった。

怒り狂う国王に怖れをなしてジョン・ウィルモットは何処かへ雲隠れしてしまう。

数年後、ロチェスターは梅毒を患い体調は悪くなるばかりだったが、生活していくために、
顔を隠して医者と偽り町中で人々から小銭をかすめ取る詐欺をして暮らしていた。
この頃、1度、今は大女優となったリジーに会いに行くが、彼女の態度は冷たいものだった。

ようやくロチェスターを探しあてた王は、幽閉でも死刑でもなく、彼の存在を無視する事で、死ぬよりも辛い刑罰とした。
結局、最後までロチェスターに寄り添い最後を看取ったのは、あれほどないがしろにした妻であった。


映画 リバティーン 感想



ジョニー・デップが脚本の冒頭3行を読んで出演を即決したとAmazonの紹介文にあった。
型破りな人物なので、ジョニー・デップはきっと、役者魂を刺激されたのだろうと思う。

しかしながら、この映画を実際に視てみると「こんな人物、本当にいたのだろうか?」と信じ難いような気になる。
自分の欲望に正直に生きる人ならば、平和な時代でさえあれば、どの時代にもいたであろうが、この作中の人物の場合は、
人の世の社交場のマナーを無視し、常識で考えた場合の節度を軽く突き破ってしまっている。
だから、全体的に暗くて陰鬱なムードの映画でありながらも、あまりのあからさまな表現に笑ってしまう場面が数か所あった。


ロチェスター卿の猿―17世紀英国の放蕩詩人の生涯
(映画の中にも猿の話が出て来ます。)

韓国ドラマのご紹介です。

韓国ドラマ 青い海の伝説 ネタバレ・あらすじ・感想

韓国ドラマ『青い海の伝説』の視聴を始めましたので、現時点のネタバレと感想もちょこっとアリで、ザッとご紹介しておきます。

韓国ドラマ 青い海の伝説 概要



SBSで、2016年~2017年放送の韓国ドラマ。

脚本:パク・ジウン(代表作-星から来たあなた)
演出:チン・ヒョク(代表作-主君の太陽)
主演:イ・ミンホ&チョン・ジヒョン
ジャンル:ファンタジー時空超えラブロマン

キャッチコピーは
時空を超えて巡り合う運命の恋──ハイヒールを履いた人魚、イケメン詐欺師と恋に落ちる!?

韓国ドラマ 青い海の伝説 ネタバレ・あらすじ



日本では、豊臣秀吉が亡くなり、
李氏朝鮮では、その秀吉のせいでお尻に火がついた、ちょっと頼りない宣祖が国を治めていた1598年の事。

とある漁村で、嵐が過ぎた後、海岸に打ち上げられてしまった美しい人魚セファ(チョン・ジヒョン)は、近隣の村民に発見され、この地の権力者で商人のヤンに捕獲されてしまう。
ヤンは新しく赴任してきた県令、キム・タムリョン(イ・ミンホ)に取り入ろうと、捕らえた人魚を見せる。
ところがヤンの思惑に反してタムリョンは、
ヤンがこれまでさんざん行ってきた横領などの不正行為を見逃す代わりに人魚を自由にするよう命じて、人魚を救う。

そして歳月は流れ…現代のソウル。
あの時のタムリョンは、ホ・ジュンジェ(イ・ミンホ)という稀代の詐欺師に生まれ変わっていた。
詐欺仲間らと共に世界をまたにかけて詐欺を働いていたホ・ジュンジェ。

そんなある日、
一つの詐欺計画の実行のためにスペインに滞在していたジュンジェは、宿泊先のホテルの部屋で見知らぬ女性と遭遇する。
彼女は初めて陸に上がってきた人魚(チョン・ジヒョン)だった。
ジュンジェは彼女を不審者と思い警察に引き渡すが、
その直後、彼女が付けていた翡翠のブレスレットが高額の骨とう品であるとに気づき、
それを奪うために警察署から彼女を救い出す。
そしてまんまと狙いの翡翠のブレスレットを手に入れるが、
言葉さえ話せず、トンチンカンで、人を疑う事を知らない純粋無垢な彼女を放っておく事がどうしても出来ず自分の宿に泊める。
その一夜のうちにホテルのテレビやPCで、人間の言葉を覚え会話ができるようになったセファ。
最初は一泊だけのつもりが、ジュンジェにお金を奪われた韓国のブラック企業の経営者が放った手先らに追いかけまわされて、
スペインの街中を二人で必死に一緒に逃げ回る事となるのであった。

さて、今回の時空超えラブロマンス、いかなる展開となりますやら…。


韓国ドラマ 青い海の伝説 感想


人間界ではすべてが初体験のセファ。
宿泊先のホテルの部屋の電気を点けたりと消したりと、赤ちゃんのような好奇心を発散して叱られるシーンもとても可愛いし、
また初めて食べたアイスクリームが美味し過ぎて足をジタバタと踏みしめるリアクションの愛らしい事!

洋画のご紹介です。

映画 ジェニーの肖像 ネタバレ・あらすじ・感想

映画 ジェニーの肖像 概要



1948年公開の映画。
監督:ウィリアム・ディターレ
原作:ロバート・ネイサン
主演:ジェニファー・ジョーンズ&ジョゼフ・コットン
ジャンル:ラブファンタジー

★水野英子さんの漫画『セシリア』は完全に、この『ジェニーの肖像』を漫画化したものであるが、登場人物の名前を変えている。また下宿屋のおばさんは、この映画に出て来るおばさんよりもキツイ。
あ~でも、25ドルでジェニーのスケッチが売れるところは、まるで同じです。


映画 ジェニーの肖像 ネタバレ・あらすじ



1934年の冬の日。
ニューヨークに住む貧しい画家エブン・アダムスは、残り雪も寒々しいセントラルパークで一人の少女に出会う。

少女はジェニー・アップルトンと名乗り、両親はハマースタイン劇場で綱渡りをしていると話した。
だが、それは昔に取り壊されて、今はもうない劇場である事をアダムスは知っていた。
少女はアダムスの絵を見せて欲しいと頼み、ケープ・コッドの海の絵を見て「ここに灯台があるはずよ。波が高くて怖いわ。」と言った。
「ランズエンド灯台。」と、灯台の名も正確に言い当てる。

アダムスは妙に思ったが、ジェニーがその絵を嫌うのでアダムスが「だから絵が売れないんだな。」と卑下して言うと、
ジェニーは「風景ではなく人物を描いたら?」と提案した。

ドイツの現皇帝がカイゼル( 1859年1月27日~1941年6月)と言ったり、ジェニーの話はどれもこれも昔の話ばかりで着ている洋服も古風であった。
それから彼女は不思議な歌を歌い出す。

私が何処から来たのか誰も知らない

私の行く所へ

すべてが動き出す

風が吹き 海が流れても

誰も気付かない

私が何処へ行くのかも誰も知らない


そして「願い事ゲームよ。」と言うと、目を瞑って3度回り
「私が大きくなるまで待ってくれますように。」と言った。
それから「おしゃべりし過ぎちゃった。さよなら。」と告げて、街灯のある方へ小走りに駆けて行ったが、アダムスが忘れ物のスカーフを届けようとして振り向いているうちに、その姿は消えていた。

この頃のアダムスは作品が全く認められない不安から少し投げやりになっていたのだが、
それ以来、アダムスはジェニーの事が気にかかり、心の中に残る彼女の印象をスケッチに描いてみた。
そのスケッチを、以前に、花の絵を気に入って買い取ってくれたスピニーという熟年女性が営む画廊へ持ち込むと、今度は、それを見た共同経営者のマシューが大いに気に入り、25ドルという高値で買い取ってくれた。
それからと言うものスピニーさんとも親しくなり、運が向いて来たと前向きになるアダムス。
しかしながらジェニーの存在は、なかなか誰にも信じてもらう事が出来ず、自分の絵の才能にも未だ確信が持てないでいた。

ジェニーとの再会はセントラルパークのスケートリンクでだった。
ほんの数日ぶりなのに、彼女はずいぶんと成長したかのように見えた。
2人で一緒にスケートを楽しんだ和やかで素敵なひととき。
この時、アダムスはジェニーの忘れ物のスカーフを渡そうとしたが、ジェニーは
「あなたが持っていて。急いで大人になるから。」と言ってそれを返した。
アダムスが、ジェニーの絵が売れた事と、肖像画を描けと勧められた事を話すと、ジェニーは自分を描いて欲しがった。
アダムスがそれを承諾するとジェニーは、無邪気にはしゃいで大喜びした。
この時、親友がセシリという娘からエミリーという子に変わっている事をアダムスは知った。
それは、ここ数日でジェニーの時の流れが3年以上であった事を示していた。
この後、アダムスはジェニーにホットチョコレートをごちそうした。

それ以降もジェニーはアダムスの前に定期的に現れ、そのたびに大きくなっていたが、いつも、いつの間にかいなくなってしまうので、
アダムスは肖像画が、なかなか描けないでいた。

ジェニーは会う度に大人の女性に近づいていて、両親の事故死という辛い出来事に遭った日には、アダムスの前で、さめざめと泣いた。
やがてジェニーの肖像が完成し、マシューが「時を超越した女性の魅力を描き出した。」と大絶賛したこの絵は、後に美術館に飾られる事となる。
スピニーは、この絵をグレート・ピクチャーと称賛した。

その頃、ジェニーは修道院に隣接する大学を卒業した。
アダムスの前に姿を現したジェニーは卒業を告げると、もう少しだけ結婚を待って欲しいと話した。
ニューイングランドにいる叔母さんが病気で、ひと夏だけその療養に付き添うのだと言う。
ジェニーは「後、数か月の辛抱よ。」と言うが、アダムスは言い知れぬ不安を感じた。
時間という名の隔たりに恐怖を感じたのだ。
けれどジェニーは「今は二人の間に掛ける橋がある。」と言う。
ロマンテックな夜が明け、2人は橋の上から、ニューヨークの夜明けを並んで眺めた。

けれど、それから3ヶ月経ってもジェニーは帰っては来なかった。
アダムスはジェニーが「大好きなの。」と話していたシスターに会いに行き、ジェニーはもう遠い昔に高波に飲まれて亡くなっている事を知る。
ジェニーが、死んだなんて信じられないアダムスは、単身ケープ・コッドへと向かう。
くしくも、それはジェニーが高波に飲まれたとされる10月5日の4日前の10月1日。
アダムスはジェニーを助けられると信じて、運命の10月5日に、ケープ・コッドの海にある
ランズエンド灯台を目指した。
そして、2人はランズエンド灯台に続く岩の上で再会を果たす。
しかし、ジェニーは、助けようと手を伸ばすアダムスを拒み、運命を受け入れて、やはり波に飲まれてしまう。
アダムスも同時に波に飲み込まれたが、気が付くと、地元の漁師に助けられてベットの上で寝ていた。
彼の傍には、ジェニーのあのスカーフが落ちていた。
それを見つけたのは遠路はるばる見舞いに来たスピニーだった。

ジェニーが本当に亡くなったのか?
それは誰にもわからない。
けれど、2人の心を永遠に結ぶのは愛──。
それは、時間という無慈悲な隔たりをも超えて行く。

ジェニーの肖像は、その後、名だたる美術館に飾られて、世界中の人々が、その名画を見に訪れたと言う。

映画 ジェニーの肖像 感想とジェニー地縛霊説



ジェニーには、予知能力があったのだろうか?
だから、自分が何処で死ぬかも知っていたのか?
それとも…。
運命に導かれるように、アダムスの前に現れたジェニーは本当に時を超えて来たのだろうか?

この話はジェニーが時間を超えて何度もアダムスに会いにやって来る話と考えられているが…。

もしかしたら彼女は、子供時代から青春時代までを過ごしたこの地の地縛霊で、その霊魂となったジェニーの記憶が、幼い頃からの人生を辿りなおしている時に、アダムスに出会ったとも考えられないだろうか?
ジェニーは自分が死んだ事を忘れてしまっており、アダムスと出会い愛するようになり、だんだんと記憶の底に沈んでいた灯台での海難事故を思い出して行くのかも。

そう思うのはジェニーが自分が死んだ後の未来までをも、すべて知っていたからで、それは人間ではなく魂だけが成し得る事だから。
あ…でも、これとは別のジェニー超能力者説も成り立つとは思うけど。

いやあ、ロマンチックな素晴らしい話なのですが、少女時代から全部を同じ女優さんが演じてらしたので、そこだけは、どう見ても少女に見えなくて、作品のムードに酔い切れず、残念でした。



ジェニー地縛霊説↓こんな感じのwwなかなかええ歌やね♪

タイムスリップ・タイムトラベル・タイムループの物語 ネタバレあらすじ他 まとめ 
邦画(パラレルワールド系SF映画)のご紹介です。

映画 星空のむこうの国 ネタバレ・あらすじ・感想



映画 星空のむこうの国 概要



1986年公開の映画。
原案・監督:小中和哉
原作:1984年出版の小林弘利作のジュブナイルファンタジー小説
主演:神田裕司
ジャンル:SF/パラレルワールド

映画 星空のむこうの国 ネタバレ・あらすじ



一週間前、交通事故で頭を強打した昭雄。
幸い命に別状はなかったものの、それからというもの眠りに落ちる度に、
何かを訴えかけるかのような哀しげな眼差しの少女の夢を見るのだった。
そんなある日の学校帰り、夢に見た少女を電車の車窓から見た昭雄は、その姿を追って慌ててホームに降り立つ。
すると目の前に彼女がいて、振り向いた少女はいきなり昭雄に抱きついてくる。
一瞬の事ではあったが、気が付くと昭雄は誰もいないホームに一人で立っていた。

その後、帰宅してみると、なぜか昭雄は一週間前の事故で死亡した事になっており家の中には自分の遺影が飾られていた。
父に電話して「僕、昭雄だけど。」と言うと「君、誰だか知らんが、つまらないイタズラ電話はやめなさい。」と言われ取り合ってもらえない。
戸惑いながら、二階の窓から階下を見ると、あの少女が立っていて昭雄を見上げていた。
ところが、すぐに車が少女の傍にやって来て、2人の男が降りてきたと思うと彼女を連れ去って行ってしまった。
必死に自転車で車の後を追い掛ける昭雄。
彼女が運び込まれたのは病院で、その前に昭雄が立っていると、なぜだかそこに友人の尾崎が現れた。
尾崎は、あの少女の名は理沙で、この世界では昭雄の彼女であり、昭雄本人はトラックに跳ね飛ばされて既に亡くなっており、葬儀も済んで墓まであると語った。
尾崎に自分の墓へ連れて行かれて、流石に、もう自分は死んでいるという荒唐無稽な話を信じるしかなくなった昭雄だった。

死んだ筈の昭雄が、再びピンピンした姿で目の前に現れた事は尾崎にとっても信じ難い事であったが、
昭雄からよくよく話を聞いて、尾崎が言うには「パラレルワールド。つまり並行多元宇宙が存在したのではないか?」との事。

SFマニアの尾崎は語る。
「過去から未来へと流れる時間軸の中で俺たちは生きている。
だが、その時間軸は1本だけではなく、複数の時間軸が並行して無数に存在する。
そして、それらは…例えば昭雄がいた元の世界とは似ているがほんの少しだけ違っていたり、また別の世界では似ても似つかなかったりもする。
考えられる限りのありとあらゆる世界があるんだ。」と。
「つまり、この世界は、昭雄が元々いた世界と似ているが、昭雄にとっては別の歴史を持つ並行世界であると考えれば説明がつくのではないか?」と尾崎。
更に尾崎は「自分は昭雄があの事故で死んでしまった世界の住人だが、君はあの事故では死ななかった自分の世界から、来たのだろう。」と言う。
本来なら決して行き来する事が出来ないはずのこの並行世界を、何らかの理由で昭雄は飛び越えてしまったのではないか?…それが尾崎の仮説だった。

理沙はこの世界では、全身の血液が機能しない病気で、常に新しい血液を必要としている。
だから、あまり長く生きられないかもしれないし病院で絶対安静に過ごさなくてはいけない。

昭雄は自分が元いた世界から、この世界に来たのには何か大切な使命があるのではないかと考えて、尾崎と共に理沙に会うために、もう1度病院を訪ねて行く。
そして理沙の病室へと忍び込み、彼女と話した昭雄は、この世界での昭雄が、理沙ともうすぐ訪れるシリウス流星群を見に行く約束をしていた事を知る。

無理をして病院を抜け出して、海辺へと行き、2人で流星群を見た昭雄と理沙。
その後、理沙は昭雄との一体感を胸に、満足して息を引き取る。
2人でシリウス流星群を見るという理沙の願い。
昭雄はこの世界の昭雄が叶えられなかったこの理沙の願いを叶えるために世界軸を跨いでこちらの世界に呼ばれたのではないかと思えるのだった。



映画 星空のむこうの国 感想



ストーリー自体は素朴であっさりしてますが、まぁ、ロマンチックですよね。
NHKでやってたという「少年ドラマシリーズ」のテイストによく似ています。
理沙を演じた有森也実のデビュー作品だそうです。
若い頃の有森也実さんの顔を眺めてたら、韓国女優のムン・グニョンに少し似ているように見えた。


洋画(終末もの)のご紹介です。

映画 ラスト・デイズ(2013年) ネタバレ・あらすじ・感想(終末系映画)



映画 ラスト・デイズ(2013年) 概要



2013年公開のスペイン映画。
監督:デイヴィッド・パストール&アレックス・パストール
主演:キム・グティエレス
ジャンル:SFスリラー


映画 ラスト・デイズ(2013年) ネタバレ・あらすじ



平穏な日常に世界を揺るがす異常事態が足音も立てずに忍び寄っていた。

テレビでは「ニューヨークで、3か月間も自分の部屋に閉じ籠っていた少年が自殺した。」というニュースが流れていた。
バルセロナの地でプログラマーをしているマルク(キム・グティエレス)は、職場で同僚らと共にそのニュースを視ていたが、
その時、彼らは、世界中の何処にでもいるような、ゲーム中毒の引きこもり少年が精神のバランスを崩した結果の、
個人的要因による悲報だとしか受け止めていなかった。

一般的には、人が外へ出られないという事象は、極めて個人的な問題と考えられるのだが、此の頃では、そうしたケースの事例が日に日に増えて来て、
シドニーでは、何百人という観客がオペラハウスから外に出ることを拒否。
これは世界の終わりなのか?!
マルクの会社があるオフィスビルでも、同僚の男性が、家に帰る事が出来ないままビルの中に隠れ住んでいて、
ある日、無理やり警備員たちに、外へ追い出されたとたんに心臓発作で死亡してしまう。

そんな日々の中で、マルクは、リストラの危機に遭遇し焦っていた。
マルクにリストラの可能性を厳しく告げたのは人事アドバイザーのエンリケ(ホセ・コロナド)という壮年の男だった。
後1ヶ月という期限を切られて、それまでにすべてのエラーを修正してプログラムを完成させなければクビだと告げられるマルク。

そんなある日、子供を持つ・持たないで、妻フリアと喧嘩をして気まずくなったままの状態で仕事に出かけたマルク。
ところが、その時はもう既に、外に出られないという症状は、極度の広場恐怖症として世界中に蔓延しつつあった。
原因は不明のままだが、人々が外出しなくなったせいで、社会は機能しなくなりつつあった。
人々は建物に閉じこもったままで、水や食料などの資源争奪を繰り返し、世界中は崩壊に向かってまっしぐらに突き進んでいくしかないかのように見えた。

そしてこの日、ついにマルク自身も広場恐怖症を発症してしまう。
オフィスから出られなくなったマルクは、同様に出られなくなっていた人々とビルの中に閉じ籠り、
配給を受けて暮らしていたが、気掛かりなのは喧嘩別れしたままになっていた妻のジュリア(マルタ・エトゥラ)だ。

マルクは妻を探す為に、会社のGPSを隠し持っていた人事アドバイザーエンリケと協力して、
地下鉄沿いの通路を歩き、自分のアパートの真下までやって来る。
そして、爆弾を仕掛けて爆発させて上に穴を空けると、自分の家まで帰って来るが、そこに妻の姿はなく、見知らぬ他人の家族が住んでいた。
引き続き妻の行方を捜したいマルクであるが、エンリケもまた病気の父親が入院している病院へ行きたいというので、取りあえずそれに同行する。

2人は、家族探しの道中を、暴徒や動物園から逃げ出した熊、洪水、大火事など、様々な困難に襲われながらも、それらを必死に乗り越えて進む。
この道中で険悪だった2人の関係性は次第に親しいものへと変わって行った。
そんな中でエンリケはマルクに「この病に免疫のある部族がオーストラリアにいるらしい。」という情報を齎す。

地下道を進む2人は反対側から来た数名の男女に遭遇した。
その数名の男女が言うには、エンリケが目指すデル・マル病院は火事で焼けたとの事だった。
彼らも直接に見たわけではない噂話だと言うので真相を確かめるべくエンリケは病院へ急ごうとする。
その後を追うマルク。
実際に火の手が上がる病院を見て落胆したエンリケは自殺してしまいそうになるのだが、マルクは必死に引き止める。
それは、エンリケのためを想っての事なのか?
それともジュリアを探し出すためにエンリケの協力が必要だったからか?
その両方の理由からかはわからないが。
それでもエンリケはマルクの説得に最後まで応じず、GPSと植物の種をマルクに手渡すと「早く行け!」と言って腰を降ろしたままで煙草に火を点けた。

エンリケと別れてマルクは尚も妻探しの旅を続ける。
その旅の途中で暴徒に襲われたマルクを助けたのは、マルクを心配して、密かに後を追っていたエンリケだった。
「ジュリアは産婦人科病院へいる」という情報を掴み、2人はそこを目指すが、エンリケは暴徒と格闘した時の刺し傷が深く、
マルクに植物の種を託して息を引き取る。

産婦人科病院は今いるビルの真向かいにあったが、地下道が崩れていて、ジュリアがそこにいる姿が見て取れても行く事が出来ないマルク。
しかし、他に方法がないので、マルクは意を決して、間にある大通りを横切る決断をした。
耳と目から地を流しながら、どうにか産婦人科病院の建物内へと辿り着いたマルクは、産気付いたジュリアのお産を助けて、元気な男の子を授かった。

その後は、そのビル内を住まいとして、エンリケから貰った植物の種を元に温室で自給自足の暮らしを始める。
飲料水は屋根のない吹き抜けから落ちる雨水をバケツやタライに貯めてしのいだ。

やがて歳月が巡り…エンリクと名付けられた子供がヨチヨチ歩きを始めた頃、彼ら新世代は外に出ても大丈夫な事が判明。

更に歳月が流れ、エンリクは10歳くらいの少年となった。
同時期に生まれた同世代の少年少女たちと共に、エンリクは新天地を求めて、両親の元を旅だって行く。

映画 ラスト・デイズ(2013年) 感想



最後まで広場恐怖症が流行した原因はわからないまま終わってしまった(^^;。
主演のキム・グティエレスさん、よく見ると前歯が相当のスキッ歯なんだけどぉ…普通は俳優ともなれば
歯の美容矯正をしてから映画に出ると思うんだけど、
主役がスキッ歯のまんまって…スペインってそういう大雑把なお国柄なんだろうか?

パニック世界が始まる前に、
高圧的に「君はリストラ候補に上がっている。それが嫌なら1ヶ月以内に結果を出せ。」とマルクを追い詰めていたエンリケが、
あれほどいいヤツだったなんて!
このケースとは逆に普段、すっごくイイ人と思っていた人が実は自己中だったなんて場合も含め、
現実社会でも、人の本性が非常事態になって初めてわかるっていう、こんな風な事って、けっこうあるかもしれないよね。

それはそうと、これどういうパニックなのよ~?
屋根さえあれば大丈夫なんだったら極端な話、傘でも差せば道も渡れるんじゃないの?と思ったり…。
ラストはちょっと、色々と無理と矛盾に満ちてはいたけど、ハッピーエンドを迎える事が出来たんで、後味は悪くない。
出来たら続編を作って、そこで是非、広場恐怖症が蔓延した原因を明らかにして欲しいな。

邦画のご紹介です。

映画 フォルトゥナの瞳 ネタバレ・あらすじ



映画 フォルトゥナの瞳 概要



2019年2月15日公開の日本映画。
監督:三木孝浩
原作:百田尚樹
主演:神木隆之介
ジャンル:スピリチュアルサスペンス
フォルトゥナの瞳 公式サイト


映画 フォルトゥナの瞳 ネタバレ・あらすじ


人の死の運命が透けて見えてしまう能力である「フォルトゥナの瞳」を手に入れてしまった青年の勇気の物語。

幼少期に飛行機事故で家族を失って天涯孤独となった木山慎一郎(神木隆之介)は、友人も恋人も作らず、仕事一筋に生きてきた。
しかし自分が死を目前にした人間が透けて見える能力を持っていることに気づいたために生活が一変してしまう。

慎一郎が働く自動車塗装会社「GARAGE ENDO」の社長である遠藤哲也(時任三郎)は、親のいない慎一郎の事を気遣ってくれる優しい人であったが、ある日、慎一郎はその遠藤の腕が透けて見える。
その日は、同僚の金田(志尊淳)が不始末を起してクビを言い渡された日であった。
それゆえ「社長の死の原因は金田の報復ではないか?」と予想した慎一郎は、遠藤を守ろうと考えた結果、道で待ち伏せてバットで殴り掛かってきた金田から彼を守り、死を回避する事に成功した。

またある時に出会った黒川武雄という医者は、慎一郎と同じ能力を持っていて、慎一郎は黒川に「人の運命に関わってはいけない。」と注意される。
黒川がそう言ったのは、助けたがために別の命が身代わりのように亡くなってしまうという経験をして来たからだった。
それに、死ぬ運命にある人を助ける度に、心臓や脳の血管が損傷を受けるのだと言う。

黒川医師は、この能力を―フォルトゥナの瞳―と名付けたのであった。
(フォルトゥナとはローマ神話に出て来る運命の女神で人間の運命を見る事が出来る。)

その力に苦悩する日々の中、携帯ショップで出会った明るい癒し系の女性、桐生葵(有村架純)。
心惹かれ合った2人はいつしか恋人関係になる。
孤独だった人生に初めて彩りを与えてくれた葵。
幸せな日々を送る2人だったが、そんなある日、突然、街ゆく人々が次々と透け始めてしまう。

そして、ついには葵の身体までもが…。

運命に抗い愛する人の命を守ろうとする慎一郎自身の運命はどうなってしまうのか?

邦画のご紹介です。

玉森裕太主演~映画『パラレルワールド・ラブストーリー』ネタバレ~5月公開



映画 パラレルワールド・ラブストーリー 概要



2019年5月31日公開の日本映画。
監督:森義隆
原作:東野圭吾の小説『パラレルワールド・ラブストーリー』
主演:玉森裕太(キスマイ)
ジャンル:ラブミステリー

タイトルに「パラレルワールド」とあるが、パラレルワールドとは無関係な話。

映画 パラレルワールド・ラブストーリー ネタバレ・あらすじ



ある日、崇史(玉森裕太)は、旧知の仲の親友、智彦(染谷将太)に恋人を紹介される。
その女性・麻由子(吉岡里帆)は、崇史が大学院時代、密かに想いを寄せていた人だった。

嫉妬に苦しむ崇史。
ところが…ある朝に目を覚ますと、麻由子は自分の恋人になっていて、智彦は消えていた。
彼女は本当に自分の恋人なのか? 
それとも、親友の恋人なのか?
智彦は何処へ行ったのか?

2つの世界に迷い込んだ崇史が辿り着く伏せられた真実とは?

(以下、原作から引用したネタバレです。)
ある朝に目を覚ましてみると、崇史は麻由子と同棲していた。
過去の記憶は曖昧なのだが、この現実の「何かが、おかしい。」と割り切れない感覚を持つ崇史。
一年遅れで入社して来た麻由子は自然な流れで崇史と付き合うようになったのだが…だんだんと崇史の中で本当の記憶が蘇って行くにつれて、この現実が、作られた記憶である事に気付いて行く。
そうして覚醒してゆくにつれ、これはパラレルワールドなんかじゃない。自分は記憶を改編されたのだという真実に辿り着く崇史。
けれど、何故、こんなに自分の理想通りに都合良く、記憶が改編されたのか?!
その理由は『記憶改編』を研究していた智彦の献身的な選択ゆえであった。
(映画では小説と結末を変えて来る場合があるので、更なる詳細と映画版の結末を知りたければ劇場へ行きましょう。)



この雑誌の中にインタビュー記事として、主演、玉森裕太の役者の仕事への心意気が…。



邦画のご紹介です。

ぼくは明日、昨日のきみとデートする ネタバレ・あらすじ・疑問

ぼくは明日、昨日のきみとデートする 概要



2016年公開の日本映画。
監督:三木孝浩
原作:七月隆文
主演:福士蒼汰
ジャンル:パラレルワールドラブストーリー

異性として惹かれあう男女が人生の年頃の時期にカップルになるが、片方はその後、若返り、もう一人は年老いて行くという部分は『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』とよく似ている。


ぼくは明日、昨日のきみとデートする ネタバレ・あらすじ



美大生の南山高寿(福士蒼汰)は、大学まで向かう電車の中で見掛けた女性に一目惚れする。
そして、勇気を振り絞って声をかけて、その女性、福寿愛美(小松菜奈)と親しくなる。
それから毎日、会うようになった2人は少しずつ距離を縮めて行った。(と高寿は思っていた。)
彼女は時々、ふいに涙を流したり、未来の事を言いあてたり、とてもミステリアスな雰囲気だと高寿は感じていたが、日を追うごとに、愛美の言動の一つ一つに隠された秘密が解き明かされて行くのだった。

「私、癒し系じゃないよ。」と言いながらも、初デートの後の高寿の告白を素直に受け入れ、不器用な自分をフォローしてくれる優しい愛美。
出会って、声を掛け、瞬く間に恋人同士になった二人が、どうしても結ばれない隠された驚愕の真実。
初めてキスをした日、高寿が愛美から聞かされた思いがけないその秘密が、あまりにも辛くて、高寿は愛美に酷い態度を取ってしまう。

それは、愛美は別の世界から、高寿の住むこの世界へ来た旅行者で、彼女の世界は、高寿のこの世界とは逆方向に時間が流れているという事。
だから、高寿の過去は愛美の未来で、高寿の未来は愛美の過去であったのだ。

別の世界から来た愛美と高寿の揺れる2人の関係は、どうなってしまうのだろうか?

ぼくは明日、昨日のきみとデートする 疑問点



以下の2つの疑問点は、作中で一切、触れられていないので、その点に気付いた観客が勝手に自問自答して、その結果でモヤモヤするなり、すっきりするなりするしかないですね。

【疑問1】多次元宇宙ならば自分の次元(高寿の世界)の相手(愛美)もいるんじゃないの?

この物語が、いわゆるパラレルワールド(多次元宇宙)ものであるのならば、高寿の住む世界にもその世界の愛美がいて、愛美の住む世界にも、その世界の高寿がいる筈でしょう?
仮に、そのもう一人の愛美を愛美2、もう一人の高寿を高寿2とします。
だったら、愛美2と高寿2の間にも全く同じ事象が起こってるのかな?
などと想像してしまいますが、そのあたりの部分はまるで語られていない。
まぁ、それを語り出すと話がややこしくなるのですが、
もし、このもう一組のカップルである愛美2と高寿2の組み合わせが存在するならば、
お互いに35歳以降には、高俊は自分の世界の愛美2と結婚し、愛美も自分の世界の高寿2と結婚すれば八方丸く収まるんじゃないのか?…なんて思うのは私だけでしょうか?

【疑問2】箱の中の写真は2枚に増えるのでは?
30歳の愛美が10歳の高寿に預けた鍵の掛かった茶色の小箱。二十歳になった今、同じく二十歳の愛美と再会するまで高寿は、箱の中に写真が入っている事を知らなかったが、今はその写真の存在を目の当たりにして知る。
知った上でやはり、そのシュチェーションで写真を撮影する。
数日中には、そのネガを現像して、写真が出来ているであろうから、一時期、高寿の世界には、全く物質的に同じ新旧の2枚の写真が存在する事になるのでは?
(私のこの写真に関する見解は、──二十歳の愛美が高寿の世界にいて写真撮影してその現像が完成して、その写真(新)を持ったままで、愛美が自分の世界へ戻るまでの数日間だけは、高寿の世界で同じ写真が2枚存在する事になる。──です。だけど写真という物質が愛美世界へ次元移動出来たんなら、高寿の世界の物は人間や動物も含め何でも次元移動出来るだろうさ~って理屈が成り立ってしまいますが、それ言いだすと、ストーリーがせつなく仕上がらないので言っちゃダメ!ですなww)

韓国ドラマ

『美男<イケメン>ラーメン店』ネタバレ少々と全16話視終った感想~脚本も演出も酷かった



韓国ドラマ 美男<イケメン>ラーメン店 概要



2011年放送の韓国ドラマ。
プロデューサー:ピョ・ミンス
脚本:ユン・ナンジュン
演出:チョン・ジョンファ
ジャンル:ラブコメ

韓国ドラマ 美男<イケメン>ラーメン店 ネタバレ・あらすじ



美男<イケメン>ラーメン店 第1話
ヤン・ウンビ(イ・チョンア)25歳…クリスマスケーキと呼ばれる年齢。
かつてバレーボールに青春を燃やしていたが、今は就職浪人な上に軍隊帰りの彼氏にもフラれて人生に焦るウンビ。
今は、針の穴のような狭い難関を突破しての教師就任を狙い、日夜頑張るウンビだったが、
そんなウンビが偶然に、街中の予備校の女子トイレで出会ったのが、アメリカからの留学帰りの超イケメン・チス(チョン・イル)。
突然の、臭くて狭い場所での出会い。
チスは韓国でも指折りの大企業、チャソンの御曹司だったが、
勝手に留学先から引き揚げてきたがために、父親が放った側近たちに追われて、そこへと駆け込んできたのだった。

最初は変態野郎だと思ったウンビだったが、赤子の手を捻るように、チスのイケメン光線と口先の口説きテクに落ちてしまう。
直前に聞いていたタロット占いで出たカードの話も手伝い、チスに運命を感じるウンビ。

チャソン高校での教育実習への初登校の日、ウンビはチャソン高校に復学する予定のチスに再会し、ブレザー姿の彼を社会人と勘違いする。
(チャソン高校は、大会社チャソンによって運営される私立高校であった。)
そして更にチスを、大企業勤務の完全無欠な年上の男と誤解したウンビは、
後輩のアドバイスを思い出し、取りあえず「私と付き合わない?」とクールに告白してみた。
ところがその後、チスが教育実習先の高校生であると知り、赤っ恥の思いを噛みしめる。
…と、ここまでが第1話のあらすじ。

美男<イケメン>ラーメン店 第2話~最終話
チャソン高校の近隣でラーメン店を経営していたウンビの父が死去。

日本から来たイケメン・ガンヒョク(イ・ギウ)がウンビの前に現れる。
ガンヒョクは、日本でウンビの父と、ウンビを嫁にもらいラーメン店を継ぐという約束をしていた。
だから、ウンビを一方的に妻と呼び、ラーメン店に住み始める。
なんだかんだの訳ありで、ガンチョク指導の元、ラーメン店で働く事になったチス・バウル(パク・ミヌ)・ヒョヌ(チョ・ユヌ)・ウンビの4人。
その名もイケメンラーメン店と改名し、華やかに新装開店した。
チスは、この頃、最早ウンビの事が気になって仕方なくて、ずっと付き纏っていた。
それは、プライドを傷つけられた腹立たしさからだと思い込んでいたが、そうではなくて、恋心なのだという自分の気持ちに少しずつ気付いていく。
ガンヒョクとチスという2人のイケメンから愛されて、しかもやがてガンヒョクとチスは種違いの兄弟であったという事が発覚し、
ウンビの恋は混迷してゆく。

チスとウンビの交際に反対するチスの父、チャ・オクギュン(チュ・ヒョン)の意向によって、
ラーメン店を都市開発のための立ち退きエリアから除外する事を条件に引き離されてしまうチスとウンビだった。

けれども、やっぱり、いかなる理由があっても、2人はお互いなしでは生きてゆけず、すべてを捨てて、互いを求めて駆け出す2人。
こうして、イケメンラーメン店は潰れガンヒョクも去った。

それから1年後、ウンビはチスの帰りを待ちつつ、また教職員採用試験に備えて勉強に励む日々を送っていた。
クリスマスの夜に、ウンビの前に、なぜか軍隊にいるはずのチスが現れて、二人は歩道橋の上でロマンチックな抱擁を交わす。


韓国ドラマ 美男<イケメン>ラーメン店 感想



韓国ドラマで定番のセレブと庶民の格差恋愛という題材である。
それは別にいいとして、
胸キュンなラブコメディと言うわりには、シモネタが多過ぎる。
(ここで言うシモネタとはエロな方ではなく糞尿関連だけど。)
冒頭での出会いの場所がウンビが用を足した後でのトイレ。
ウンビの持病が便秘で、ガンヒョクは密かに、それを気に掛けていてくれていて、
いいムードかとウンビが思っていたら、そうじゃなくて、オチのように差し出される便秘薬。
コメディは好きなんだけど、シモネタ以外の要素で楽しませる手腕に欠けているのではないだろうか?
最終回でまでも、トイレが詰まってラバーカップで吸いだしている最中に、
チスがアメリカに行くと知り、ラバーカップを手に持ったまま、チスを求めて走り出して行くって、あまりにもわざとらしくて、
面白いと言うよりも汚らしい。


次に言いたいのは、このドラマは第1話から設定に数々の無理がある。

ひとつ目の無理は、あまりに老けた人達が高校生という設定。

普通、ブレザー姿の高校生を、スーツ姿の社会人と見間違う事なんて、まずないだろうと思われるのだが、
高校生を演じるキャストの人が、誰一人として高校生には見えないほどに、ひねていて、
その中でも最も不自然に感じたのが女子高生ユン・ソイ役のホス。
彼女は子供が2人ほどいる奥様役の方がふさわしいと思えるくらい成熟した顔立ちと体つきをしている。
そんなだから、女子高生の制服がコスプレにしか見えない。
子供の頃にやっていたドリフのコントならいざ知らず、ラブの要素が入るドラマで、これでは、
とてもじゃないが作り物感がハンパなく、感情移入するのは無理だった。
マドンナ役をするほど綺麗な人ではないというのも少々難点に感じた。

二つ目は、チスが、全くもって好みのタイプじゃないと言いながら、ウンビにだんだん惹かれて行く心理が、視聴者にはどうもよくわからないという部分。
このあたりもう少しわかりやすくして欲しかった。
例えば『ごめん、愛してる』なんかだと、主人公の背景を前もって描く事で、彼の心理が手に取るように、よくわかるのだが、
このドラマでは、御曹司チスの背景が今一つしっかりと描き切れてなかったのが、恋する心理が見えてこない原因の一つなのだろうか?

三つ目以降の無理は、ヒョヌが借金取りに追われているとか、
ラーメン店が潰れて、ウンビは今後、どうやって生計を立てて行くのか?とか、
軍隊へ行った筈のチスが、何事もなかったようにどうやってウンビの前に再び現れたのかの説明がないとか、
数々の大きな問題が未解決のままで放置されている事。
このようにして迎えた「とにかく好きなんだから、それでいいじゃん♡」という諸問題丸投げのいい加減な最終回だった。

これでは…あまりにも、お粗末な脚本と演出じゃないのか?